第3部 9人の勇士 36人の猛将
   〜第3話 蟠りを超えて3〜
    翌朝、マキとアマギは深い罪悪感に悩まされていた。
   タブーである行い、周りから見れば許されざる行い。時間が経てば罪悪感が襲うのは当たり前
   だった。寄り添う2人はどうしたらいいのか思い悩んだ。
    だがこれだけは事実。心と身体が合わさる事により、過去の罪が薄らいだという事。
   支え合えばどんな苦悩でも乗り越えられるのだと、2人は身に浸みる思いであった。
    2人は心から愛し合っていた。
   初対面の時は怒りに身を任せ食いついたマキだが、それを差し引けば彼に何かを感じたのは
   言うまでもない。
   アマギも彼女の生い立ちを知ったから重苦しい心中となった。だがそれが差し引かれたのなら
   愛しい存在であった。
    祖父と娘。その感情も苦悩へと繋がるものであったが、それもまた差し引かれたのなら、
   お互い心を許し合える存在となる。
   皮肉にも戦争が・余暇ならぬ輩の愚策が、2人を運命的に結ばせたのであった。

アマギ「・・・二日酔いの方は大丈夫ですか?」
マキ「はい・・・、すっかり良くなりました・・・。」
    昨日見たお互いの表情が今は愛しく感じる。愛し合う事がこれまでも凄い事だと痛感した。
アマギ「・・・そろそろ起きませんか?」
マキ「・・・もう少し、側にいさせて下さい・・・。」
   お互いの温もりを感じ合う。心臓の鼓動が伝わり、今を生きているという実感が持てた。
   2人は今暫くそうして寄り添い続けたのである。

ライア「アマギ様がですか・・・。」
    マキとアマギの行動にウインドは一早く気付く。自分がアマギの立場ならそうするだろうと
   心中で思った。
    他の面々は偲び酒により深い眠りに入っていた。
   飲酒しなかったライア。また飲酒はしたがハメを外し過ぎなかったウインド。両者とも普通に
   起床できたのである。
ウインド「勇気が要る、生きてきた中で一番な。そうだろう?」
ライア「はい。」
   ライアもウインドも同じ事を辿った者同士。その決意に至るまでは並々ならぬ勇気が必要だ。
   相手が自分の大切な人だと思っているのなら尚更の事。
ライア「お父様の時以上にタブーですが、それでもお互い望んだのでしょうね。」
ウインド「望まねば動けないよ。それに勇気が湧かなければ動けもしない。お互いに必要だと感じ、
     行動に移らなければね。」
   最近のウインドの言葉が柔らかくなっている。今まで厳しい発言をしていた彼が、トゲがない
   発言へと変わっていったのである。これにライアは一早く気付いた。
    マキと出会った時から自分を無理に形作る必要はない、ウインドは考えを新たにしだした。
   それによって強さは更に日増しに強くなる。己に嘘をつく事を止めた結果といえよう。
ライア「娘や息子が愛しい人と結ばれる時、私はやはり泣くのでしょうか・・・。」
ウインド「親になった事がないからね、何とも言えない。だが親ならやはり泣くであろうな。2人の
     新たな門出だから。」
ライア「ですね。」
    ライアは心中でふと思う。ウインドが自分の父だったらいいのにな、と。
   自分には父がいた。もっとも過去の話ではあるが。幼くして亡くなった父をウインドの姿に
   照らし合わせていたのである。

ウインド「言っとくが俺は父親にはなれんぞ。」
    案の定心中を見抜かれ苦笑いをする。しかし必要であれば・・と、ウインドは心中で呟く。
ウインド「・・・頼りない父親でもいいのか?」
ライア「な・・なにを仰いますか。貴方ほど頼り甲斐のある父などいません。」
ウインド「むぅ・・・、どうもアマギの風が濃いな・・・。」
   アマギの必要であればという決意。それは彼も十分理解している。
    必要な時に力になれないというのは、結果的に後で後悔する事になる。それは様々な状況が
   あるが、人間が一度は経験する苦い思い出である。
    人間必ずしも欲しいものが手に入る事はない。それらを続ければ贅沢者となり有り難みを
   忘れ愚者となる。
    しかしライアが求めているものは贅沢とは違う。
   常日頃を精一杯戦い苦労を知っている。本当に欲しいものは手に入らないと知っているのだ。
   それが目の前に現れても、一瞬のものでしかない事も知っている。
   それは願われたウインド自身が生涯を通して一番知っていた。
ウインド「お前が望むのなら、俺はその役をやろう。」
   彼の発言にライアは無言で頷く。頬には一筋の涙が流れている。ウインドは自分は極度過ぎる
   お節介焼きだと心中で呟いた。

    今だ殆どが熟睡している中、ライアとウインドは一足先に朝食と取った。
   起床後会話をしながら過ごしたが、僅か1時間弱しか経っていない。
    普段賑やかな財閥内が静まり返っている。食事当直の社員は普通に起きてはいるものの、
   今日の午前中の運営は臨時休業となっていた。
ウインド「ユウトは子供達と一緒に就寝中か。」
ライア「夜中に起き出したのですよ。何とか寝かし付けるまでに2時間ぐらい掛かって。私も一緒に
    手伝おうと言ったのですが、構わないから寝てなって。」
ウインド「お前が出産するまでユウトが財閥の運営などに携わってたな。彼なりの配慮なのだろう。
     それに約2年間妊婦として戦ったんだ。戦うのもいいが暫くは休みなよ。」
ライア「ですね。」
   食事を取りながら雑談する2人。大食堂は自分達と社員数名以外誰もいない。2人の声が室内
   によく響いていた。
ライア「今回の決戦が終われば、一通り終結ですか?」
ウインド「だろうな。親玉はデヴィルとシェンヴェルンの2人。野郎の言葉からすると、殆ど自分の
     独断で動いているのだろう。人工知能チームを作成するシェンヴェルンは表だって動く事
     はしないはずだ。」
ライア「決戦には間に合いそうですね。今回の戦いは私も参加します。」
   今後の決意をしっかりと述べるライア。戦いたくてうずうずしているというのが実状だろう。
ウインド「今のお前なら一騎当千だな。シェガーヴァに勝っちまったのだから。」
ライア「互角でしたよ。」
ウインド「いや、お前の方が勝っている。機体性能が左右される戦いだったが、それほど高くない
     機体であの結果だ。シェガーヴァと同じ機体ならお前が圧倒的に勝っている。」
   機体性能が戦闘力に影響するのはACの骨頂だが、パイロットの技量でも戦闘力に影響する。
   特に歴戦のレイヴンともなれば初期型機体でも十分な戦闘力を発揮できる。
   かつてオリジナルのアマギが襲撃者を演じ、ユキナ達と対戦した時も同じだった。
ライア「でもおかしいですよね。シェガーヴァ様には絶対に敵わないと思っていたのに。レイヴンの
    模範となる方だと思っていました。それが自分も追い付いたという事。凄く嬉しいです。」
ウインド「俺もシェガーヴァも最強じゃないよ。人並み外れた直感と洞察力があるから強いだけだ。
     俺らより強いレイヴンはもっといる。」
ライア「私もそんな中の1人だったりして。」
ウインド「フフッ、そうだな。」
   普段何気ない会話など、ライアにとっては約2年振り。どれもが楽しくて仕方がなかった。

    会話しながら暇をつぶす2人、大食堂にマキとアマギが登場した。
   どうやら2人揃って何時まで経っても現れないのを気にしてか、早く起きてきたようである。
ライア「おはようございます。」
ウインド「しっかりお互いを認め合ったか?」
   今までの行動を見透かされ、2人は沈黙を以て答えた。
   どちらも恥じらいの姿をしていたが、表情は昨日にまして健やか。苦悩は断ち切れたと感じた
   ライアとウインドであった。
   両者ともなく話し出そうとするが、ウインドはそれを押し止めた。
マキ&アマギ「・・・あの・・・。」
ウインド「何も言うな、お前達の言いたい事はよく分かる。俺も同じ経験をしたからな。」
   ウインドは2人を同席させ、朝食を取るように促す。ライアが2人の注文を聞き、厨房へ注文
   しにいった。
ウインド「世間がどうあれ、お前さん達は望むがままに動いた。それを非議する者はいない。いや
     いたとしても俺が許さない。だが動いたからには最後まで責任を持つんだぞ。」
ライア「大丈夫ですよ。お2人ともお強いですし。しっかり弁えていますしね。」
   コーヒーポットとカップをトレイに持ち、ライアはコーヒーを2人に差し出した。自分達より
   若い彼女がまるで母親のように映る。
ウインド「しかしなぁ・・・アマギ、よく動いたものだな。大破壊後の大戦以降、そういった関係を
     全く持たないでいたのに。それだけマキを守りたいと思ったのだろう。祖父と娘だが、
     今の時代を考えればお前達は立派なカップルだな。」
ライア「羨ましいですね。助け合うという事、それはどれだけ大切なものか。」
   恐縮気味のマキとアマギ。だがその1つ1つの言葉は心に強く響く。
   お互いの行動がタブーで間違っているという概念に囚われていた2人は、少しだけ罪悪感が
   薄らいだ気持ちになる。
ライア「まぁ、今まで通り接していきましょう。」
ウインド「そうだな。」
マキ&アマギ「・・・了解です。」
   ライアは出来上がった朝食を運び、2人の前に差し出した。空腹なのだろう、勢いよく食べ
   出すマキとアマギ。そんな2人を優しく見つめるウインドであった。

ウィン「そう、お互いが望んでいれば構わないと思うわ。」
    食事後先輩格のウィンにも相談するマキとアマギ。ウインドに諭してもらったとはいえ、
   まだ心中では不安が残る。
   ウィンはウインドが諭した同じ答えで返答。心中は同じものであった。
マイア「世間がどうあってもですよ、私達しか知らない事です。全く構わないと思いますが。」
ライア「大破壊以前の世界観ならおそらく非難中傷が後を絶たないでしょう。しかし今は秩序なき
    荒廃した世界。人それぞれの生き方に口出しする者はまずいませんよ。他人とは無関係を
    徹しているのですから。」
マイア「愛し合いたいのならもっとすればいいと思う。だってお互い認め合い愛しているのでしょ。
    それを口出しする者はお父さんと同じく私も許さない。」
   面々は決して2人の関係を貶す事はしない。仲間一同2人の関係をむしろ構わないと語る。
   どの人物もウインドの心中と同じ、2人の幸せを第一としていた。
アマギ「・・・何か不安です。マキさんを苦しめるような気がして。」
マキ「とんでもない。私はむしろ望んでいます、大切な貴方と一緒にいられるのですから。」
   また一晩共にしただけなのに、ここまでお互いを愛し合い信頼している2人。これを見る者は
   その一途な心境に驚く。本当に愛し合っているのだと痛感した。
メルア「どんどん愛し合いなさい。お互いを認めお互いを求める。夫婦とはそういうもの。お2人は
    結婚こそしていないものの、その心中は夫婦と何ら変わらないものです。」
   逆に女性陣は2人の一途さに憧れの一念を抱いている。意気投合というのは正にこの事だと
   痛感させられたようだ。
   まだどこか落ち着かないアマギを諭すように、マキを中心に会話は続いていった。

ウインド「ありゃ、負けちまったよ・・・。」
シェガーヴァ「戦略はお手のものだ。」
    ガレージのテーブルを挟み、2人の古老レイヴンはチェスを楽しんでいる。仲間の機体を
   遠隔操作にてメンテナンスを行っている最中の束の間の一時だ。
ウインド「それと1つ、本命のイレギュラー要素があるんだが。」
シェガーヴァ「ああ、分かってる。奴らは使ってくるだろう。あの騒動の後、解体されたと言われて
       いるが。恐らく設計図を用いた新たな建造か、破棄寸前のものを強奪したか。」
ウインド「ユウトの時に来た駒が量産されて、それも来たらマズいよな。」
シェガーヴァ「火星の方にもそれが来ない事を願うよ。」
   再度チェスをやりながら、2人だけでしか分からない会話を続ける。一段と戦略が練られた
   勝負に熱を入れつつも、今後どうするかを考える2人であった。

ウインド「総勢48人いるから分散させるか。」
シェガーヴァ「いや、全員揃っての決戦だ。しかし両方ともなるとヴァスタールでは荷が重すぎる。
       間違いなく全滅するだろう。」
ウインド「そうすると、こちらも遺産を使うしかないか。」
シェガーヴァ「そうだな。搭乗者は限られるが、一騎当千に近くなるだろう。」
    再び追いつめられたウインド。考えに考え、重苦しく駒を進める。しかしシェガーヴァの
   一声は決まっていた。
シェガーヴァ「チェックだ。」
ウインド「あ〜あ、また負けたよ・・・。」
シェガーヴァ「フフッ、もっと観察力に洞察力を磨け。」
ウインド「はいはい。」
   椅子に背中を押し当て、大きく伸びをする。天井を見つめるウインドと、チェス盤を再確認
   するシェガーヴァ。
   戦術ならウインド、戦略ならシェガーヴァ。この2人が組んでいるからこそ、ほぼ無敗を誇る
   チームの運営ができるのだろう。

ウインド「遺産といっても完全な形で機能するのか?」
シェガーヴァ「おいおい、あれらの基礎を作ったのは私だぞ。私に不可能はない。唯一・・・あると
       すれば、人間的感情や一生命体の魂に関してだな。」
ウインド「分かった。人間でも動作できる機種も作っておいてくれ。」
シェガーヴァ「了解した。」
   チェスの駒を専用のボックスに入れ、チェス盤と共に大きなケースにを片付ける。それを持ち
   シェガーヴァは作業場へと向かって行った。
   ウインドはそのまま椅子に腰掛け、テーブルに伏せる。
   そして数分後、彼は眠りについた。

    彼は夢を見た。もう何度も見続けていたものであった。
   今現在仮にも解決できたとしても、彼の心中では許されざる罪。その悪夢に魘され、必ずと
   いっていいほど同じ場面で夢が覚める。
   愛しき人が死ぬ姿を見た後である。
    彼が魘されていたのを偶然見付けたウィン。心配そうに足早に近付き、大丈夫かと問い掛け
   ようとする。
    彼女が彼の肩に手を置こうとした直後、彼は突然起きあがる。その行動にウィンは驚き、
   ウインドは死んだ時の姿のままのウィンに驚く。
   両者とも互いの行動で目を白黒させていた。
ウィン「だ・・大丈夫?」
ウインド「・・・あ、ああ。夢か・・・。」
   その自分を見つめる悲しい視線。ウィンが死ぬ間際見たものと同じ。当然彼女は夢の内容が
   直ぐ様掴めた。
ウィン「また・・・私が死んだ時の夢、ですか。」
ウインド「・・・・・。」
   ウインドは沈黙を以て答え返す。
   ウィンは辛かった。過ぎ去った過去ではあるが、己の生前の行動に今だ悩まされ続けている
   彼を。それが自分の大切な人であれば尚更である。
ウィン「・・・まだ自分を許せませんか?」
ウインド「夢を見なくなったら解決するだろう。それまではな・・・。」
ウィン「そうですか・・・。」
   解決以前にこればかりはどうしようもなかった。
   ウインド自身が乗り越えなければならないものであり、ウィンには手の貸しようがない。
   あるとすれば彼を慰める事しかなかった。
ウィン「・・・私も貴方を支えたい。」
ウインド「ったく、マキの影響か。」
ウィン「女ならね、同性の行動に揺り動かされるわよ。」
   ウィンは女を馬鹿にされたと少しふくれる。それに自分は彼の為をと思って言った事。それを
   難癖付けてきたのだ、怒らざろう得ないだろう。
   だがこの言動、これは幼馴染みだから出来るものである。
ウインド「お前自身は構わないのか?」
ウィン「私が拒否すると思うわけ、誰よりも貴方を思ってるのに。」
ウインド「分かったわかった、俺が悪かった。」
   ついには怒りだし始めたウィン。参ったと言わんばかりに詫びるウインド。どう見ても周り
   からは恋人同士そのものに伺える。
ウィン「・・・私こそごめん。」
ウインド「・・・お前には頭が上がらないな。」
   小さく微笑む彼を見て、ウィンも小さく笑う。夢に魘され辛い表情をしていたウインドは、
   すっかり元の表情へと戻っていた。
    ウインドはシェガーヴァに後の事を任せると、ウィンと共にガレージを去っていく。
   約3世紀以上もの間、感情を抑えていた2人。蟠りを捨てお互いを確かめ合いに。

エリディム「ふぁ〜あ・・・。」
    ガレージにて愛機のメンテナンスを終えたエリディム。
   時刻は深夜1時を過ぎており、殆どの者は就寝していた。唯一就寝していないのはエリディム
   と、ウインドに奥の手を任されたシェガーヴァとレイシェムであった。
   まあサイボーグ故に就寝を知らない。
レイシェム「お疲れ様でした。」
シェガーヴァ「お前も休め。」
エリディム「最近眠れなくて・・・。」
   エリディムが眠れない理由は別にあった。
   それはレイヴンズの面々に自分の生き方を変えてくれたお礼に、自分で考えたダンスを披露
   したいと決意していた。
   一連の作業を終えた後も自室では休まず、寝る時間を惜しんで練習に励んだ。
   完全な形の踊りを一同に見せたい。その決意が彼女を突き動かしている。
   その決意は既にウインド・シェガーヴァには悟られてはいたが。
シェガーヴァ「頑張るのはいいが、休む事も必要だ。いざ本番の時に動けなかったらどうする。」
エリディム「ありゃ・・・やはり気付かれていましたか。」
シェガーヴァ「強い一念は表に出るからな。ウインドもそれに気付いている。」
エリディム「シェガーヴァ様の前では嘘偽りは通用しませんね。」
   苦笑いを浮かべるエリディム。その姿を見た彼は同じく苦笑する。

レイシェム「踊りとはどのような事を基礎にやられるのですか?」
エリディム「う〜ん・・・どうなのでしょう。私はただ踊りたいから踊っている。それもただ騒然と
      踊るのではなく、色々な意味を込めて。アニーも私もそれで続けてきました。」
レイシェム「難しいのですね。」
    人格はウィンとレイス姉を継承しているが、人間という時を過ごしていないレイシェム。
   故に人間の突き動かされる原動力を本当に理解していなかった。それがレイシェムの一番の
   悩みである。
シェガーヴァ「お前にはまだまだ学ぶ事があるな。」
レイシェム「もちろんですよ。まだまだお父様や皆様には敵いません。」
   レイシェム自身もそれを理解している。まあそれは経験不足であり、理解を示す点はウィンと
   レイス姉のものであった。

エリディム「そういえば今回の一同、48人でしたっけ?」
シェガーヴァ「ああ。アマギ達の決戦時は55人、今回は48人だな。」
エリディム「何だかあと6人揃いそうな気がしますが。」
シェガーヴァ「だろうな。ウインドも薄々感じているはずだ。そしてデヴィル以外にも別の敵がいる
       という事に。」
エリディム「今回の決戦は前哨戦なのですね。」
    驚いた素振りを見せないエリディム。彼女のその平然とした姿に驚くシェガーヴァ。
   しかしエリディムの言動が、デェルダに似ている事から持って生まれた性格なのだと思った。
   これはウインドやシェガーヴァでしか感じ取る事が出来ないものであろう。
エリディム「とにかく全力を尽くすのみです。」
シェガーヴァ「フフッ、その意気だ。」
   ニヤリと微笑むエリディムに、シェガーヴァとレイシェムは苦笑いで答える。
    その後エリディムは就寝し、シェガーヴァとレイシェムのみ一同を勝利させるために動き
   続けるのであった。
                               第4話へ続く

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