〜第1部 18人の決断〜 〜プロローグ それぞれの歩み〜 23人とメルア・ターリュ・ミュックは、平西財閥地球本社へと移動した。 先の決戦で完全に本社を破壊されたトーベナス社の代わりに、待機する場所が必要であった からだ。 ライアは本社を再建するため、決戦後すぐに新本社建設を行いだす。破壊された本社より 別の場所にであった。 破壊神軍団との決戦から約6時間が経過、27人は束の間の休息を楽しんでいる。 今彼らがいる場所は平西財閥本社の大会議室場。そこのには他の仲間達もおり、皆疲れ切った 表情を浮かべている。 メルア「寝てしまいましたか。」 レイス「ええ、ターリュさんとミュックさんと一緒に。」 レイスの膝を枕代わりに、ウインドが寝ていた。決戦が終わり心の蓋が外れた事により、 彼は強い眠気に襲われたのだ。 彼の胸の中ではターリュとミュックが同じく寝ており、幼い2人を寝かしつけた後ウインドも 同じく寝に入ったのである。 メルア「この方があのような行動をするとは、とても思えません。」 レイス「そうですね。人は見かけに寄らずといった所でしょうか。」 眠り続けるウインドとターリュ・ミュックを見つめ、2人は驚きの視線で見つめる。 やはりどう見ても普通の男性にしか見えない。この優男が凄まじい力を有している事に深い 不思議感があった。 マイア「しかしあの7鬼神は強かったね〜。」 クレス「異常よ異常。あんなのが10体以上で攻めてきたら、勝ち目なんかなかったわ。」 他のレイヴン達は今の戦いを振り返っている。この戦いはそう体験できるものではない。 興奮冷めあがらず、座談会は延々と続いた。 ガードック「しかし・・・あのメールは気になりますね。」 ガードックがメルアとレイスの元に近付き、先程平西財閥へ移動した際に届いたメールに ついて切り出す。 それは決戦前にデアが送ったものらしく、内容が非常に厄介であった。 メルア「お前達は指名手配された、全レイヴンによって・・・でしたね。」 ガードック「全レイヴンというのが厄介ですよ。地球や火星に存在するレイヴンを指しますから。」 マイア「でも私は火星第2位の実力者ですよ。ナイラさんは地球第2位の実力者、そしてユウトさん は地球と火星のナインブレイカー。逆に怖がって近付いて来ないのでは?」 ライディル「それは言えるな。」 マイアがユウト・ライア・ナイラと共にポーカーをやりつつ、その発言に対して答え返す。 ライディル自身も以前地球第10位の実力者であった。 その当時上位ランカーと下位ランカーからは、デンジャラスガンナーとして恐れられていた。 自分よりランクが上のレイヴンからである。 実力が伴っていれば、弱いレイヴンは手出しができない。また強いレイヴンでも他者と干渉 しないといった者達が多いのは事実である。 触らぬ神に祟りなし、これが今の世界の常識である。しかしユウト達からにしては非常識な 考え方でもあった。 ウインド「そう気にするな。手出しして来た奴だけ叩けばいい。それ以外は己の自己強化と他者を 救う心構えを貫き通しな。」 目は瞑ったままだが、ウインドが徐に話し出す。どうやら近くで会話していたせいで、起き てしまったようだ。 だがターリュとミュックはその胸の中で眠っていた。流石は子供である。 ユウト「ウインドさんは、この後どうなされるのですか?」 ウインド「善からぬ考えを持つ輩が必ず現れる。これは仕方がない事。用はそいつらをすぐに発見し 対処できるかにある。俺は暫く旅に出るよ、その間よろしくな。」 シェガーヴァ「レイスはサポート役で付いて行くんだ。私とアマギ・デュウバはユウト達を陰から 守ろう。」 アマギ・デュウバ「了解です。」 シェガーヴァは決戦前にここに残って、ユウト達を守ると話した。再び7鬼神が現れても、 対処できるようにである。 当然シェガーヴァだけでは守りきれない場合もあり、ウインドはアマギとデュウバをサポート 役に任せた。 そして自分のウイングマンとしては、レイスを選び共に旅立つ事を決意したのである。 まあ彼がそう話さなかったとしても、レイスは付いて行く事は目に見えてはいたが。 ナイラ「どこに向かわれるのですか?」 ウインド「新たに戦士が目覚めようとしている。1人はユウトが知っている人物、もう1人は俺達を 憧れて挑戦し続けている人物。誰かまでは言わない。心の中に留めておいてくれ。」 ウインドはターリュとミュックをメルアに手渡し徐に起き上がる。 その後18人と固い握手を交わし、レイスと共にガレージまで向かって行った。 見送りはいいとの事。そういった場面をあまり好ましく思っていないからだ。 その日2機のACが新たな人物を助けるべく、平西財閥地球本社ビルから旅立っていった。 ユウト達はその後一旦解散し、それぞれのガレージなどに移動する。 一同再び破壊神が現れた時、この場に集い会う事を固く誓い合った。 トーマスとメルアは子供達の事もあり、そのまま財閥へ残る事にした。 それぞれが己の信念を貫き通すため旅立つ。それは全レイヴンから指名手配されていると いうリスクを背負っての行動である。 しかし前へと進む決意は、彼らの生きる決断でもあった。 18人の決断 完 |
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