第2部 9人の決戦
   〜エピローグ 真の敵と知られざる過去〜
    財閥内部の大会議場に集まる一同。
   やはり今回破壊神軍団と対決したレイヴン達は、凄まじい精神力を使いヘトヘトである。

    そこにお茶菓子などを持ち、メルアが明るく登場する。
メルア「皆様お疲れ様でした。」
ミナ「ありがとうございます・・・。」
    ミナだけが唯一気丈としているが、やはり真の敵の殺気に当てられバテ気味の様子。
   その中でクローンファイターズの面々はさすが歴戦の勇士。先程の殺気をものともしていない
   様子であった。
トーマス「聞きましたよ。真の敵だそうですね。」
メルア「今度ばかりは私達も集結した方がよさそうですね。」
ライア「ですね。近いうちに合同演習も兼ねた事で招集を掛けます。」
マイア「久々に修行の毎日か、懐かしいな。」
    以前に破壊神軍団と対峙した面々は明るく振る舞っている。それはやはり死線を越えた戦い
   を行ってきた証であろう。
    しかし今死闘を演じた12人にとっては冗談じゃないという意識も少なからずはあった。
   だがそれは恐れからくるものであり、己自身に負けている証拠である。またそれは人間特有の
   当たり前の感情でもあった。
アマギ「全兵力がどのぐらいか不明ですね。分かればそれなりの対処法を考えるのですが。」
レイス妹「36人クラスが集まれば大丈夫だとは思いますが、今は何とも言えません。」
シェガーヴァ「焦る必要も恐怖する必要もあるまい。まずは目の前にあるハードルを越えていくのが
       先決だ。」
   もっともらしい発言だと、シェガーヴァの意見に賛同する一同。彼の新米レイヴンに対する
   安心させる発言なのだろう。

ウインド「2人とも落ち着いたものだな。」
    新生児ケース内でスヤスヤと眠っているユウとアイ。ウインドの胸にはターリュとミュック
   が同じく眠っている。
    決戦決着後直ぐに駆けつけた2人はウインドに抱き付いて来て、そのまま寝息を立てて眠り
   込んでしまったのであった。
メルア「不思議ですよね。あの戦闘音や殺気を察知しているはずなのに、大人しいものでしたよ。」
ウインド「大物になるな。」
   小さな戦士を見つめる一同。
   4人を見つめるとなぜか心が安らぎ、今までの疲れなどが吹き飛ぶ気分であった。
   そして戦士の直感からして、確かに4人が大物になる事を確信したのである。

アリナス「あ、そうそう。先ほどの続きですが、いいですか?」
    アリナスが決戦直前のシェガーヴァとウィンの関係を切り出してきた。それは他の面々も
   知りたい事であったため、同じく同意の表情をする。
シェガーヴァ「ふむ、私とウィンとの関係か。今更隠し立てする意味もあるまいな。」
ウインド「ウィンはシェガーヴァの娘だよ。」
ウィン「シェガーヴァ様は私の父です。しかしライア様やレイス様・デュウバ様のおばあさんは私
    ではありません。私の妹が皆様の本当の祖母になります。」
レイス妹「何はともあれ・・・シェガーヴァさんは、私達の祖父になるわけですか・・・。」
シェガーヴァ「まあそういう事になるな。」
   凄い事ではあるがさほど驚きを示さない血縁関係の者達。
   しかしそれらを知らない者達には驚愕するべき事ではあるがやはり余り驚きを示さなかった。

シェガーヴァ「だが実の話、結婚しなかったら大破壊は起きていなかったかも知れない。」
ウインド「それはタブーな話だろ。お前だって研究続きの毎日で辛いと言っていたはず。ウィンの
     母親と結婚して一時でも幸せな日々を送った筈だ。それがなによりの過去であり良き記憶
     じゃないか。」
シェガーヴァ「・・・そうだな。私とした事が愚痴ってしまった、すまない。」
ライア「まあ愚痴ると言う事は人間であるという証でもありますし。」
シェガーヴァ「ハハハッ、言えてるな。ありがとうライア。」
    過ぎ去った過去、償いきれない多大な罪。
   だがそれらは既に過ぎ去ったもの。過去に囚われては前に進む事すらできない。
    それよりも今を見つめ前を向いて進のが最善の行動。
   どんな辛い現実を目の当たりにしても強き心と大切な仲間達がいれば乗り越えられない壁は
   決してない。
    クローンファイターズやニューレイヴンズはそう再確認し、迫り来る決戦の日々まで己の
   鍛錬を続けるのである。
                              9人の決戦 完

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