アーマード・コア リターン・トゥ・ザ・ロストナンバーレイヴンズ(AC2) 第1部 18人の決断 大破壊と呼ばれる最終戦争により、人類は地上を追われ、その住処を地下の 複合都市群に移していた。 国家という概念が崩壊し、かわって「企業」が人類をリードし、支配する時代の 幕開けであった。 だが、企業間競争は激化の一途をたどり、人類は、再び地上へと舞い戻る事になる。 のちに、「大深度戦争−Deep Earth War−」と呼ばれる約30年もの 争いの結果、換気機構の破壊による地下の大気汚染、資源・食料不足という深刻な 問題に見まわれてしまったのだ。 ジオマトリクス社が、「大破壊」以前に進められていた「火星テラフォーミング計画」 の概要を入手したのは、丁度、人類が地上への移住が一段落したころであった。 ジオマトリクス社は、すぐに大規模な調査隊を送り出し、火星の地球化を発見する。 これをきっかけに、火星への移住が進められ、約20年の歳月をかけて新しい社会が 形成されていった。 だが、火星には、地球での企業間対立がそのまま持ちこまれ、むしろ、地球よりも 激しい武装紛争の舞台と化してしまう。 それは、かつて活躍した「レイヴン」と呼ばれる傭兵たちの時代が、再び訪れた事を 意味していた。 (アーマード・コア2の世界) 火星での騒乱から5年後。 地球政府は、騒乱の収集とその後の復興に、多大な労力を割く事を余儀なくされた。 有力な権力機構をことごとく失い、混沌の様相を強くしていた火星世界の秩序の 回復と維持のためには、強い指導力を発揮する必要があり、そのための軍事力の 増強は避けられない状況であった。 軍事力の拡大を急務とした政府は、相対的に地上世界の開発に対して消極的に ならざるを得ず、地下世界から地上への移住計画は明確な遅れを見せ始めた。 30年戦争の影響によって、住環境に致命的な打撃を受けていた多くの地下都市では、 政府及び企業体の姿勢を地下世界の住民を無視するものとして反発、各地で小規模な 武装蜂起が頻発していた。 一方の当事者であった企業体は、政府の所有する軍事力の急激な増大に対し、自らの 存在に対する強い危機感を覚え、火星社会復興のために動きの取れない政府を横目に、 半ば公然と各々の軍備を強化させていった。 政府と企業体との関係は徐々に悪化し、情勢は混迷を深めていった・・・。 (アーマード・コア2 アナザーエイジの世界) かつて地球で存在していた全レイヴンの憧れ的存在、ロストナンバーレイヴンズ。 彼等は地球環境の再生を第一とし、地上を元の住みよい世界へと変えようとしていた。 この行動には全世界の人間から賛嘆の声があり、圧倒的に支持する人々が大勢いた。 そんな彼等の声に答えるべく、ロストナンバーレイヴンズは地上再生に全力を注いだ。 だが・・・大深度戦争という約30年にも及んだ地下都市内を含む争い、これが彼等 の行動を妨げるものとなってしまった。 しかし彼等は諦めずに最後まで戦い、約30年間もの間・・・勇敢に戦い続けた。 全人類の為に・・・。 それから約76年後・・・。 再び地球及び火星を巻き込もうとする最大の決戦が起ころうとしている事に、後継者の レイヴン以外は全く知らなかった・・・。 (ロストナンバーレイヴンズ後の世界) 〜プロローグ 後継者〜 地球暦212年。 ネオ・アイザック近郊に位置する地下シェルター内。ここに一人の人物が生まれた。 名は小松崎優斗、何気ない普通の子供である。 だが・・・彼には今後の戦乱に立ち向かう使命があった。なぜなら・・・彼は大深度戦争 前後も活躍していた最強レイヴン、吉倉天城の孫であったからだ。 1歳の時から言葉を喋り出した彼、5歳の時にはACをも動かしてしまうほどの技量。 そして祖父の吉倉天城が得意としていた、常人より高い直感と優れた洞察力。これを しっかり合わせ持っている。間違いなく、優斗は天城の生き写しであった。 彼の母親の吉倉秋、天城の娘。彼女は父の使命を受け、地球と火星の両方を戦い続けた レイヴンである。 また次なる後継者を育てる為、息子の優斗をしっかりとしてレイヴンとして育て上げる。 これに優斗は反発する事なく、むしろ自分の使命と受け止め修行を繰り返す。 彼の父小松崎剣、名うての剣豪レイヴン。彼も義父の使命を受け、息子優斗をレイヴン として育て上げた。 そして天城がもっとも望んでいたもの。それは自分にはなかった自愛の精神。戦って 勝利する事も大切だが、相手を敬う事も絶対必要なもの。 この精神を優斗に受け継がせると、天城は祖父・レイヴンとしての使命を終え現役を 退いた。そして最愛の妻、由利子と共に息を引き取ったのである。 優斗が10歳の誕生日を迎えた時である・・・。 その後優斗は数々のアリーナに出場し、数々の難関とも言えるミッションを遂行する。 徐々にではなるが確実に技術力と経験値を取得していった。 第2の地球とも言える火星にも何度となく渡り、数々のミッションをこなした。 そして・・・優斗が17歳になったある日の事、その運命的な依頼が彼の元に届いた。 天城の後継者、優斗の戦いが始まった・・・。 第1話へ続く |
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