長い間夢見ていたレイヴン、とうとうなれる時が来た。あたいはチャシー=リヴ、今まで
   女子学生だった。そう・・・あの出来事が起こる前までは・・・。

   ある日、開きもしないAC用大型ドアが開きだす。そこから謎の暴走集団が現れ、襲撃を
   開始した。あたいのシェルターは破壊され、妹とも離ればなれになってしまった。
   たった一人の肉親の妹・・・、周りには仲間達の無残な死体・・・。そしてMTの銃口が
   私を狙う・・・。死を覚悟した瞬間、目の前に巨人が現れた。その巨人は瞬く間にMTを
   破壊、次々と他のMTを撃破していく。あたいは救われた、MTと戦う巨人に・・・。
   憧れた・・・命の恩人の巨人に。それはランカーACであった。左肩のエンブレムには
   “R・ドール”と描かれている軽装2足AC・・・。そう・・・シェルター内で憧れの
   存在とも言われているレイヴン、“ドールマスター”が駆るAC“R・ドール”であった。
チャシー「・・・AC・・・あたいの命の恩人・・・、R・ドール・・・。」
   この瞬間、あたいはレイヴンという存在に引かれた。

チャシー「やっと念願のレイヴンになれる、みんなの死を無駄にはしないよ!」
   シェルター内で親しかった仲間の写真を見つめ、あたいはソファーから起き上がる。
   今日・・・念願のレイヴンになれるのだ。あたいのACの名前は当然、命の恩人と同じ名前。
   ドールマスター・・・。

チャシー「ユウジさん、本当にありがとうございました。」
ユウジ「いいですよ、何か訳ありみたいですから。それに専属レイヴンになって頂けるのは、
    非常にありがたい事です。」
メイ「よろしくね、チャシーさん。」
ジェヴル「よろしく。」
   あたいと同じ理由でレイヴンになった、ジェヴル君とメイさん。そして私達を救ってくれた
   吉倉財閥社長、ユウジさん。みんな初めて知り合った人達だが、なんだか懐かしい気分だ。
通信士「社長、本社にAC接近中。通信の内容から、依頼を受けて来たという事です。」
   突如通信士から連絡が入る。近々行われる輸送車両護衛に参加するレイヴンのようだ。
ユウジ「どなただか分かりますか?」
通信士「驚かないで下さい、マスターオブアリーナの吉倉天城です。」
   吉倉天城・・・、最強レイヴンスミス=サラトガを下した青年レイヴン。そのレイヴンが
   ここに来るってのかい?!
ユウジ「分かりました、迎えに行きます。」
   ユウジさんは愛機のACに乗り込み、ガレージを後にする。体の震えが止まらない・・・、
   最強のレイヴンがここに来るのだから・・・。あたいはジェヴル君・メイさんを誘い、
   ブリーフィングルームに向かう。それ相応の対応をしないと、殺されるかもしれない。
   正装に着替え、待つ事数時間・・・。この間の沈黙は、今までの沈黙以上に長いだろう。
   そして・・・扉が開いた・・・。
   私達は誠意ある対応でアマギさんを迎える。だがアマギさんは私達が考えていた人物とは
   まるで違い、とても優しい青年であった。そう・・・私の命の恩人、“ドールマスター”の
   ように・・・。

ドールマスター「大丈夫か?」
チャシー「は・・はい・・・。」
   ACから降り、あたいの事を気にかけてくれたレイヴン“ドールマスター”。素っ気ない
   言葉だが、今のあたいには十分すぎるほどの癒しの言葉。

アマギ「敬語は使わないでくれ、むしろチャシーさんの方が俺より年上じゃないか。」
   話し方や行動は違っていても、命の恩人“ドールマスター”と同じ・・・。
   この瞬間、あたいは決めた。命の恩人は“ドールマスター”だが、先輩として信頼したいのは
   アマギ君だ。

   その切っ掛けを作ってくれた・・・恩人“ドールマスター”、本当にありがとう・・・。
〜スペシャルサンクス パペットマンさん(パイロット&AC提供)〜

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

戻る