アルティメット
エキサイティングファイターズ
外伝6
〜覆面の警護者〜
     アルティメットエキサイティングファイターズ・外伝6 〜覆面の警護者〜
    〜第2部・第11話 最終話・再来する集団2〜
ミスT「何だ、前の姿と殆ど変わらないじゃないか。」
ヘシュナ「まあそう仰らずに。」
    少し離れた場所でノホホンとするヘシュナを見掛ける。何と例の黒ローブの姿だったのだ。
   ただ傍らにいるビアリナが同じ格好をしているため、ネタ元は“スターウォーズ”だろう。
ミスT「ビアリナも同じとすると、シス・マスターと弟子な感じか。」
ビアリナ「流石ですね。ただこれは別の意味合いを踏まえて、この姿を選びました。」
ミスT「過去の姿を出してどんな反応を示すか、か。」
   スターウォーズはシスの衣服を模したコスプレだが、実際には敵対勢力への揺さ振りになる。
   今回のコミケの参加も娯楽と同時に、不測の事態への対処も踏まえた流れだ。ヘシュナが過去
   に演じていた悪役の姿が、相手側にどれだけ浸透していのるかを探るためでもあるようだ。
ヘシュナ「あの時は幾分かやさぐれていましたが、今はその必要はありませんし。」
ビアリナ「フフッ、マスターのお陰だと何度も仰られていましたよ。ヘシュア様ですら取っ付き難い
     ご自身を、真っ向勝負でぶつかって来てくれたと。」
ミスT「あの時はなぁ・・・。まあ裏に何か抱えているのも分かったからの。全ては世界の安寧を
    勝ち取るための布石だ。そこに帰結するなら上出来だと思う。」
   一服しながら思う。ヘシュナとの初対面時の印象は最悪だった。しかし役割を演じるには、
   嫌われ役を担ってこそ真骨頂である。どんな状況であろうが彼女はそれを演じ切ったのだ。
   本当に心から敬意を表したい。
ミスT「今後はその役割は演じなくて良いからな。汚れ役は全部俺が引き受ける。そのための警護者
    の存在だ。お前はヘシュア達を補佐する役でいい。」
ヘシュナ「そうは参りません。貴方が矢面立って暴れられるのなら、その貴方を補佐してこその相棒
     たるもの。今後も私は私なりの生き様を貫いて参ります。」
ミスT「はぁ・・・あのじゃじゃ馬娘が淑女になってまぁ・・・。」
   出会った頃と今とでは全く違うと揶揄すると、今ではお馴染みの不貞腐れな表情を浮かべる。
   それに俺は笑ってしまった。釣られてビアリナも笑っている。更には不貞腐れのヘシュナも
   俺達に影響されて笑ってしまっていた。

    ミツキが生き様、持ちつ持たれつ投げ飛ばす。それに敬い・労い・慈しみの精神、これが
   どれだけ重要かが痛感できる。それにこれは人知を超えた行動でもない。生物全てに自然的に
   備わる力だ。生命全てと言い切っていい。それを怖ろしい程に開花させているのがミツキだ。

    警護者の生き様は道半ばで、ここからが勝負と言えるだろう。だが周りにこれだけ支えて
   くれる存在がいるのだ、恐れるに足りずとはこの事だわ。それにその生き様は3大宇宙種族の
   面々の方が遥かに精通している。人類以上にその理を大切にしているのだ。

    膝など折れる訳がない。己が生き様を貪欲なまでに貫き通してこそ、己の存在を確固たる
   ものにできる。その瞬間こそ周りを支えられるのだからな。



    その後も雑談を続けていると、一際賑やかになりだしてきた。聞き耳を立てると、ミツキと
   ナツミAが何やら喋っている。あの雰囲気だと喫茶店でラジオ放送を行っていた時と同じ感じ
   だろうか。まあFM放送ながらも全国に流していたため、ヲタクの方々にリスナーがいても
   おかしくはない。

    ミツキとナツミAの手腕は本当に凄まじい。素晴らしいを通り越し、もはや怖ろしいレベル
   にまで至っている。それでいて私利私欲でないのだからまた怖ろしい。その理を継いでいる
   エリシェ達が内外問わず恐れられいる理由も痛感できるわ。

    その生き様を彼女達流に演じているだけで、あの無類の強さを発揮している。もし姉妹が
   本気を出したら、それこそ未知の領域へと突入するだろう。生命尊厳の一手は何ものをも凌駕
   する、正にその通りだわな。

ヘシュナ「お陰様で永住権の流れは問題なく解決しそうです。」
ミスT「あー、あれか。まあスミエの時代よりは今の方が楽だからね。それにお前達3大宇宙種族も
    地球で人々や社会に貢献している。拒否する理由もないわな。」
ビアリナ「逆に外見からはとても宇宙種族には見えませんよね。私達が想像していた宇宙人の姿とは
     全く違いますし。」
ミスT「あの具現化は宇宙種族に対しての独断と偏見、下手したら人種差別だと言われかねない。」
    3大宇宙種族の面々は、地球人と全く外見が変わらない。怖ろしいまでに似ており、以前
   シュームやナツミYUが気持ちが悪いほど似ていると言い切っていた程だ。それだけ差異は
   全くないと言い切れる。よく地球人が揶揄するグレイなどの宇宙人の姿は、3大宇宙種族から
   すれば偏見と言う名の差別そのものだ。
ミスT「逆説的に、それら揶揄する地球人の胸中の方がよっぽど宇宙人だわな。いや、魔物か。全部
    が全部そうではないが、私利私欲を貪るカス共が正にそれだしな。」
ビアリナ「本当ですよ。それに注意しなければならないのは、それが人間の業とも言える部分から
     発生している点でも。私達もその部分が根付いているとも言えますし。」
ヘシュナ「宇宙種族の私から解釈すれば、皆様方は全く問題ありません。以前マスターが仰っていた
     ように、痛みを知るからこそで。愚行に走らない淵源もそこに帰結すると思います。」
ミスT「3大宇宙種族の中でメンタル面が強いカルダオス一族。その直系の女王にお墨付きを頂けた
    のだから大丈夫だわな。」
   俺の言葉に照れ臭そうにするヘシュナ。それを見て小さく笑っているビアリナだった。3大
   宇宙種族の中でメンタルで強いのはカルダオス一族だろう。ギガンテス一族もドラゴンハート
   一族も強いが、こちらは遥かに逸脱していると言える。特殊能力が相手の精神を操作すると
   言う部分からも、それだけメンタル面で強くなければ不可能な話だ。

ミスT「今後の俺達次第でどうにでもなるレベルか。」
ビアリナ「前途多難ですが、やってやれない事はない。これに限りますよ。」
ヘシュナ「大いに賛同致します。私達にしかできない事をし続けましょう。」
    敵対者として初対面をしただけに、今ではその胸中が良く理解できる。悪役を担ってまで
   達成しなければならないものもあったのだ。それを最後まで貫けた彼女は見事な役者だが、
   その真意を見抜けなかった俺は無様としか言い様がない。
ミスT「・・・もっと直感と洞察力を磨かねばな。真意を見抜けないようでは盟友とは言えない。」
ビアリナ「ハハッ、大丈夫ですよ。それだけヘシュナ様の本気度が現れていた証拠です。見抜けない
     だけの実力を醸し出していたとも言い切れます。」
ヘシュナ「お恥ずかしいながら。ですが今はもう皆様方には敵いません。その成長速度はカルダオス
     一族をしても驚嘆するほどです。怖ろしい限りですよ。」
ミスT「成長速度ねぇ・・・。」
   確かに身内の成長速度は尋常じゃないぐらいの様相だ。3大宇宙種族と初対面時では、種族の
   圧倒的な能力に驚愕した。しかし今ではそれをも凌駕する感じに至っている。各ペンダント
   効果もあるが、それを使いこなせてこその様相だ。怖ろしい事この上ない。
ミスT「まあ何だ、世上の安寧を勝ち取れるなら問題ないわ。そのためなら、鬼にでも悪魔にでも
    何でもなってやる。悪役も憎まれ役でも何でもいい。」
ビアリナ&ヘシュナ「はぁ・・・。」
   恒例たる胸中の極端な決意を述べると、呆れ顔で溜め息を付く2人。だがこの姿勢は絶対に
   曲げるつもりはない。むしろ時間が経過するほどに力強く定まっていく。それ相応の実力が
   備わっているなら、後は貫き続けるのみだ。それが俺の生き様である。

    今も呆れ顔のビアリナとヘシュナを尻目に、静かに一服をしだす。目の前では身内が大いに
   暴れている。そう、もはや暴れていると言い切っていい。それだけ今の瞬間を楽しんでいる。
   その彼らを守り通す事もまた俺の生き様だ。これも曲げるつもりは毛頭ない。

    後半へと続く。

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