アルティメット
エキサイティングファイターズ
外伝6
〜覆面の警護者〜
     アルティメットエキサイティングファイターズ・外伝6 〜覆面の警護者〜
    〜第2部・第11話 最終話・再来する集団4〜
    その後も大暴れは続く。先日の南極事変や喫茶店事変で親玉を叩いたと思ったが、実際は
   こうして無人兵器群を送り出してきている。他にも連中に属する者がいるという事だ。

    だが相手も損な事を繰り返すものだ。こちらは戦闘を繰り返せば繰り返すほど、団結力と
   結束力が一段と高まっていく。顕著がトラガンの面々だろう。初めてコンタクトを取った時は
   初心者の集まりとも思えたが、今では一騎当千の強者にまで昇格している。

    戦えば戦う程相手の癖を知り、己が糧として吸収していく。パニッシャーやダブルトリガー
   の元ネタ“トライガン・マキシマム”は、ミカエルの目という組織の概念が実に当てはまって
   いる。受けた攻撃を全て憶えていくという件だ。俺達も全く同じ事だと言い切れる。

    もし本当にこちらを潰したいのなら、最大戦力で当たってくればいい。絶対悪も持ち出し、
   世界中を人質に挑んでくればいい。まあそれは俺達だけの話であり、今となってはもう時既に
   遅し状態だがな。


    ギガンテス一族・ドラゴンハート一族・カルダオス一族、彼らは放射線や核物質を無力化
   する術を持っている。広大な大宇宙を旅するための必須となる業物だ。最強の放射線である
   ガンマ線すら無力化するというのだ。超新星爆発時で出るガンマ線バーストがそれだろう。

    過去に何度も核弾頭などの絶対悪を即座に無力化に持ち込んでいた。よって、相手側は究極
   の一手が一切使えなくなる。地球人が最強最悪の兵器は核兵器以外にないしな。生物兵器や
   細菌兵器もそうだが、それも全て無力化できるという。実に末恐ろしいものだ。

    敵側は3大宇宙種族のテクノロジーを欲する訳だ。核兵器を超越する兵器群や技術群を持つ
   のだから。しかしそれもまた無駄な足掻きである。ヘシュナと共闘し愚者共と対峙した時に
   判明したが、これらテクノロジーは善悪の判断をする根本的な能力が備わっている。善心を
   持つ者にしか反応せず、少しでも悪心を持てばその恩恵に与る事ができないのだ。

    ヘシュナ達が悪役を演じていた時は、その能力を使う事すらできなかった。宇宙船群の火力
   を見せ付ける事はしたが、実際にこちらのバリアやシールドに阻まれて無効化するだろう。
   それに彼女達自身も本来は善心を持つ宇宙種族だ。敵側を炙り出してくれる事をしてくれた。
   今回の決戦の立役者はカルダオス一族だろうな。


ミスT(周辺への被害は最小限に抑えているか?)
ルビナ(全く問題ありません。今回はこのコミケ自体に参加する事で、ここが戦場になる事を念頭に
    入れた行動を取っています。参加された方々も安全な場所へ避難されていますし。)
ミスT(了解した。しかしまあ・・・。)
    身内の大暴れ以前に、どうしても気になる事がある。短期間でこれだけの無人兵器群を製造
   できるのかというものだ。黒服連中は軍服連中だけでは絶対にここまで軍備を整えられない。
   となれば、地球の強力な国家が絡んでいる事は間違いない。
ミスT(・・・最後は地球人同士のイザコザになるのかね。)
エリシェ(全球サーチなどの技術はミュセナ様やルビナ様にお任せしますが、各国家へのサーチは
     私達にお任せを。いざとなれば退任すら可能ですから。)
ラフィナ(今までは穏便に済ませていましたが、仰られるように各国家の首脳陣が絡んでいるなら
     看過できませんし。そうなれば徹底的に潰すしかありません。)
ヘシュナ(赴かれる場合は私もお供致します。相手の心境を操るぐらいなど朝飯前ですし。)
ミスT(俺達も忌み嫌うマインドコントロールが奥の手とはねぇ・・・。)
   最終手段はこれしかない。もし本当に各国家の首脳陣が絡んでいるなら、その愚物すらも叩き
   潰す必要がある。ここまで軍備を整えられる力を持つのは、もはや地球の超大国しかない。
ミスT(まあ何だ、俺も同行しよう。潰すなら徹底的に叩き潰してやる。もう後手に回る事はせん。
    先手で確実に潰して回るわ。)
ミツキ(ぬぅーん、一歩間違えばダークサイドの兆しわぅ?)
ナツミA(戒めてくれる存在がいるなら、陥る事は皆無よね。しかし強大な力は誰が手にしても、
     その誘惑には抗う事ができないし。)
ミツキ(Tちゃんへの誘惑は、周りのレディースが顕著わぅね!)
   ミツキの一言で周りの女性陣から殺気に満ちた視線を浴びだした。この場合は全く以て意味が
   違うのだが・・・。まあその視線も、今では本当に心強い慈愛の一念とも言い換えられる。
   彼女達全員を守り通す事が、俺のもう1つの生き様だわな。

シューム(はぁ・・・殺気の目線すら慈愛の一念と捉えるようになるとはねぇ。)
ミスT(まあな。)
ミツキ(と言うか、みんなTさんが大好きなんですよ。それは恋愛や恋心をいった概念を超越して、
    心から頼れるパートナーとして信頼するからこそで。)
ナツミA(本当よね。ポチが概念、持ちつ持たれつ投げ飛ばすが正に当てはまっているわね。)
    ミツキが締め括ったその言葉が全てだろう。周りがいるからこそ俺がある。端から見れば
   恋愛感情などに映るだろうが、実際にはそれを超越した感じになる。そこまで信頼してくれる
   のなら、俺がすべき事はただ1つ。この生命を賭してでも守り通す事だ。それ以外の恩返しは
   断じてない。
ミスT(・・・感無量だわ、本当に感謝極まりない。そしてそれは敵対勢力にも当てはまる。団結力
    や結束力を高める事を進んで行ってくれている。それをチャンスに変えてこそ、先に進む
    起爆剤に変換できるしな。)
シルフィア(そうね。要は捉え方1つで全て変わってくるのが生き様だからね。今後もその一念を
      忘れずに、己が生き様を貫き通しなさい。)
ミスT(委細承知!)
   両手に持つパニッシャーを振り回し、目の前の機械兵士を殴り付け破壊していく。ペンダント
   効果が最大限発揮しているのか、超重量火器兵器のパニッシャーがトンファーぐらいの重さに
   しか感じられない。物凄い力が湧き上がって来る。
ミツキ(うわぁ〜お! メーテルちゃんが暴走しだしたわぅ!)
ナツミA(この場合はエレンディラさんが初回登場時の姿になるわね。喪服じゃないにせよ、帽子を
     着用という出で立ちに近かったし。)
ミツキ(わたも暴れてやるわぅー!)
   肉弾戦だったミツキも、それ以上の効率が出せるダブルトリガー2挺を持ち暴れ出す。日頃の
   脱兎の如く動く姿勢を攻撃にする事で、凄まじい効率を叩き出し始めた。もはや誰も止める
   事ができない暴走機関車そのものだ。そして感化された周りの面々も、それぞれの獲物に持ち
   替えだす。

    その後は言うまでもない、完全な大量破壊兵器と化していく俺達。周りには夥しい無人兵器
   の残骸が散乱していた。しかし遠方を窺うと、大歓喜のヲタクの面々。それぞれのコスプレを
   着用する本物の戦闘集団が暴れているのだ。滅多に見られるものではない。

    これは案外、コミケの会場で格闘技大会を開いてもよさそうだな。それぞれのコスプレで
   戦う姿を披露するという。戦闘集団の俺達には、このぐらいでしか見せる事ができない。まあ
   それを身内に語ったら大賛成しそうな気がするが・・・。

    警護者集団が格闘技集団ねぇ・・・。まあそれで社会に貢献できるなら、俺達の存在も無駄
   ではあるまい。この部分は後で相談してみよう。

    後半3へと続く。

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