アルティメット エキサイティングファイターズ 外伝6 〜覆面の警護者〜 |
アルティメットエキサイティングファイターズ・外伝6 〜覆面の警護者〜 〜第1部・第12話 私利私欲現る1〜 物凄い様相となっている。今はパール・ハーバーに寄港中で、あのミズーリ号の後方に待機 している。しかもレプリカ大和とレプリカ伊400が並んでいるのだ。脅威としか言い様が ない。 第2次大戦時では世界最強の戦艦と潜水艦だ。今となっては伝説的な骨董品でもあるため、 数多くの見物客が桟橋を埋め尽くしている。東京湾でも凄まじかったのだ、パール・ハーバー となれば更に凄い事になるのは言うまでもない。あのアリゾナ記念碑の近くなのだ。 俺としてはパール・ハーバーへの寄港は躊躇った。あの軍服連中が何処でどういった襲撃を 仕掛けてくるか全く分からない。できれば誰もいない洋上で待機するのが無難である。しかし 弾薬などの補給も必要なため、何処かの港へ寄らねばならないのも事実だ。 今は超大国アメリカの恩恵を受けさせて頂こう。だが・・・嫌な予感がするのも事実だが。 ミツキ「会議中わぅか、つまらんわぅ。」 ナツミA「恐らくは私利私欲の回答が出そうな気がするけどね。」 日本での待機はつまらないと、態々総出でこちらに訪れてきた一同。ラフィナも一緒なの には驚いた。日本支社の運営はメンバーに任せてあるという。今はエリシェと共にアメリカ軍 総合司令官方との対話中だ。先程の決戦などの部分だろう。 シューム「この場合、協力はするが技術力の提携を打ち出してくるわねぇ・・・。」 ナツミYU「ですねぇ・・・。」 ミスターT「ギガンテス一族とドラゴンハート一族のテクノロジーは、地球の軍事部門関係者から すれば超大なダイヤの原石だ。喉から手が出るほど欲しいに決まっている。」 身内の誰もが今後の展開を読めていた。もし無償提携に至ったとしたら、それは物凄く幸運な 事になる。しかしまず在り得ない事だろう。 ミスターT「・・・ハワイ洋上で戦ったのは失敗だったかね。」 シューム「そうでもないんじゃないかな。今の時代は何処で戦ったとしても、それは衛星放送などを 通して全世界に流れてしまう。ネットもそうよね。しかも軍事部門となれば、更に細かく 監視している様子だし。」 ナツミYU「ここアメリカにいる限り、他国は手出しし難いのが現状でしょう。貴方はそれを狙って ハワイを選んだと思いますが、逆を言えば足枷にもなりかねない。」 ミスターT「そうだな・・・。」 ナツミYUが語る通り、アメリカ領土内にいれば他国からの横槍は殆どないだろう。超大国の 力の傘下という意味合いだ。だが逆にそれは強大な足枷でもある。俺の行動は裏目に出たかも 知れない。 ミツキ「ダメだったらダメだった時わぅよ。みんなで日本に帰るわぅ。東京湾より南の海上で洋上 基地を作って、そこで対処するわぅね。」 ナツミYU「ほほぉ、それはナイスアイデアです。私達は東京湾での寄港を考えていましたし。」 ナツミA「問題は日本を戦火に巻き込んでしまう怖れがある事よね。」 そう、問題はそれだろう。日本なら要らぬ横槍は殆どないと言っていい。政府の現状から すれば、技術提携などの私利私欲はないとも思える。しかしその逆を言えば、有事は一切手を 貸してくれないだろう。俺達の身は俺達で守らねばならない。それ以前に日本全体を守る事も 視野に入れなければならなくなる。 ミツキ「とんでもない事になったわぅね。」 ミスターT「まあねぇ・・・。しかし無力ではないのが不幸中の幸いか。」 ミツキ「孤軍奮闘は日常茶飯事わぅ。」 茶菓子を頬張りつつ語る内容に、心から頷いてしまった。今は正に孤軍奮闘状態であろう。 三島ジェネカンなどの大企業連合の後ろ盾や、ギガンテス一族・ドラゴンハート一族との連携 は取れている。しかし肝心の超大国との連携が取れなさそうだ。今後の行動に支障を来たす 怖れは十分ある。 雑談しながら待っていると、リムジンの集団が戻ってくる。中からはエリシェやラフィナ、 9女傑に3姉妹とルビナが出てきた。極め付けは切り札としてシルフィアもいた事だろう。 9女傑を護衛に付けたのだが、面々には悪いが不測の事態では恩師の力が一番当てになる。 警護者界では最強の存在だからな。 ただ戻ってきた面々の顔が悲しげだ。これは予測していた展開に至った事になるのだろう。 まあこちらも今さっきまで話していただけに、対して気にならないものだったが。 ミツキ「おけ〜り〜。」 エリシェ「ただいまです・・・。」 ミスターT「あー・・・内容は言わんでいい。」 一息付いてから内容を語ろうとするエリシェを制した。つまり交渉は決裂した事になる。 ただ詳しい展開を伺うため、面々の中で微動だにもしていない恩師に尋ねる事にした。 ミスターT「一応、補足程度に頼みます。」 シルフィア「そうね、君が懸念していた正に私利私欲そのものよ。ギガンテス一族のテクノロジー 以外に出た、ドラゴンハート一族のテクノロジー。更には三島ジェネカン含む大企業 連合の力もね。」 ナツミYU「そこまで横槍を入れてきたのですか・・・。」 シルフィア「前者は最近出た事だったけど、後者はその前から辛酸を舐めさせられていたみたいね。 だからこの機会に一気に巻き込もうと画策した訳よ。」 ルビナ「私達も人の事を言えたものではありませんが、地球人とは強欲が激しいのですね。それを 痛感致しました。」 微動だにしていなかったのはフェイクだったようだ。恩師も相当激怒しているのが分かる。 それだけ私利私欲に走っている様相が許せないのだろう。 ミスターT「仕方がない、日本に帰るか。ミツキが言ったプランを実行に移そう。ここからは俺達 だけでやっていくしかない。」 エリシェ「そうですね。今後はその展開しかなさそうです。これ以上他国を頼ると、それ以上の望み を突き付けられそうですし。」 ミツキ「みんなで帰るわぅ〜♪」 我先にとレプリカ大和内へ戻っていくミツキ。それに付いていくナツミAや他の女性陣。 内部では既に躯屡聖堕メンバーが出発準備を整えてくれており、何時でもパール・ハーバーを 出航できる状態だ。 ミスターT「よく帰してくれたよな。」 エリシェ「例のバリアや超絶的な能力、果てはレプリカ大和やレプリカ伊400の超火力に怖じた のでしょうね。私達を拘束して無理矢理提携へと持ち込む事もできた筈ですし。それを しなかったのは、明らかにこちらを恐れている証拠でしょう。」 シューム「面白いわねぇ。地球上で最も力のあるアメリカが、たったこれだけの規模の私達を怖じる 様相は。」 ミュティナL「まあ宇宙空間では母船や大母船が睨みを利かせていますからね。それぞれに搭載して いるスーパーレールガンなら、一気に地球の都市郡を狙撃する事もできますし。」 シルフィア「実力伴ってるから怖いわよねぇ・・・。」 ギガンテス一族の力なら、地球を焼土と化す事も容易だろう。ただそれは威圧であり、実際は 平和交渉を根幹とした部分は変わらない。その威圧は明らかに私利私欲に走る輩を黙らせる ための強硬手段である。 レプリカ大和内に戻った俺達。既にレプリカ伊400は出航しており、洋上でレプリカ大和 とドッキングするとの事だ。パール・ハーバーでは水深が浅いため無理である。 艦橋に到着すると、辺りの様相に驚愕した。パール・ハーバーに寄港中の軍艦が殺気立って いるのが分かった。余所余所しくしているのは、恐らく何時でも攻撃可能という合図だろう。 まあバリアの手前、地球上の兵器は全く以て意味がないが。 シューム「はぁ・・・これだから人間は・・・って、思った?」 ミュティナL「すみません、本音はそうです・・・。」 ルビナ「本当ですね・・・。」 地球人側からすれば、この私利私欲な展開は予想済みで当たり前な感じに取れた。しかし 地球外生命体の3姉妹やルビナからすれば、この様相は信じられないといった雰囲気である。 むしろ非常に落胆しているのが分かった。 ミスターT「誰彼がどうこうじゃない、自分自身がどうあるべきか。それが重要だ、と。これは今は 当てはまりませんかね?」 シルフィア「いいんじゃない。最後は己自身との戦いに帰結するからね。あの軍服連中は言わば私達 の悪的そのもの。いや、もしかしたら善的なのかも知れない。何が悪で何が善なのか、 そんなの誰にも分かりっこないわ。」 ミスターT「だな。しかし俺は俺の生き様を貫き続ける。それが善か悪か分からないが、全ては後の 歴史の采配に委ねるわ。今は前を向いて突き進むのみ。」 一服しながら表を一瞥した。人を責める事はしたくないが、今の様相はどうしても人を憎む心 が出てしまう。責めるべきは人ではなくその思想や概念だ。そこを忘れてはならない。 シルフィア「フフッ、それを聞けて安心したわ。君は君の生き様を貫き続けなさい。だからこそ私達 も共闘できるというもの。後はミツキさん縁の生き様を体現していけばいい。」 ミスターT「敬い・労い・慈しみの精神、持ちつ持たれつ投げ飛ばす。本当ですよね。」 艦橋から背後を見た時、船尾でハリアーU郡の改修を行うエリミナ達を発見した。そこに ミツキやナツミAも一緒である。今はレプリカ大和の甲板に所狭しとハリアーUが着陸して いる。空母でもあれば楽なのだが、戦艦たる大和にはこれが限界だろう。 ミスターT「まあ何だ、今後の流れを見つつ待ちますかね。甲板で一緒に暴れてますわ。」 シルフィア「了解したわ。艦の指揮は任せて頂戴な。」 遣る瀬無い雰囲気を払拭できないまま、それぞれの行動に移っていった。既にレプリカ大和は パール・ハーバーを出航して洋上に向かっている。既にその先にはレプリカ伊400が待機 しているようだ。 しかしまあ・・・いや、それは言うまい。問題は今後をどうするか、ここが勝負の別れ目に なってくる。上辺の右往左往は人の業そのもの。根底の一念が不動ならば恐れるに足らず。 今は静かに現状打開の一手を模索し続けよう。 洋上まで進むと、レプリカ伊400と合流するレプリカ大和。船底にドッキングする予定 だったが、このまま共に戻るようである。 しかし、何時見ても凄まじい様相である。伝説的な大和もそうだが、伊400も同じだ。 大和なら色々な作品で見るが、伊400は滅多に見た事がないため驚きの連続である。 更に驚くのはレプリカ大和の強度だ。実際にはバリアの恩恵があったが、多分攻撃を受けた としても無傷だろう。その装甲は正に金剛である。 それにレプリカ伊400の能力もだろう。今の原子力潜水艦には及ばないだろうが、その 兵装は勝るとも劣らない。いや、テクノロジーの問題だと地球上の兵器では絶対に勝てない だろう。この2隻の船は正しく俺達の切り札になっている。 確かにこれらを窺い知れば、提携目的にテクノロジーの提示を要求してくるのは言うまでも ないわな。更に大企業連合の力も併せようとしてくる所に、人の欲深さが垣間見れる。 レプリカ大和の甲板から釣りを満喫しているミツキ。しかし今の航行速度だと、とても魚を 釣れるような状態ではない。この場合はその釣りの仕草自体を満喫しているとも言える。その 傍らで手持ちの装備を調整していた。 ミツキ「そう言えばTちゃん、海は平気になったわぅ?」 ミスターT「いや、今でも怖いよ。でもこの2隻の前だと興奮の方が勝ってるわ。」 今でも甲板直下の海を見るだけで身体が竦み上がる。更には艦橋から眼下を見るだけでも 同じく竦み上がる。しかしレプリカ大和とレプリカ伊400の壮大さに圧倒され、恐怖心は かなり抑えられていた。本当に不思議なものである。 ミツキ「レプリカ大和にレプリカ伊400、どちらも日本が誇れる遺産でも。しかしそれが戦争から 出たという部分は好ましくないですけど。」 ミスターT「戦争ほど悲惨なものはないからな。かと言って今は戦わねば世界が危ない。そのための 力がこの2隻になる。誤った使い方をしない限りは、確実にプラスになるわな。」 ミツキ「ですね。今後は私達の生き様が重要になってくるでしょうし。無様な姿は曝せませんよ。」 警護者の道を通して、その後の流れを築いていく。前までは個人的な流れだったが、今では 世界規模にまで至ってしまった。だからと言って特別な事に切り替える必要はない。今現在の 自分らしさを貫いていってこそだ。その積み重ねの先に歴史があるのだから。 ミツキ「・・・気付いているわぅ?」 ミスターT「ああ・・・しっかり付いてきてるわな。」 雑談の最中から気付いたのだが、レプリカ大和とレプリカ伊400の後方に複数の突起物が 見えている。潜水艦の潜望鏡だ。つまり付けられているという事になる。 ミスターT(恩師、レーダーに反応は?) シルフィア(バリバリ映ってるわよ。向こうはこの艦郡が粗末なレーダーしか搭載していないとも 思っているのでしょうね。) エリシェ(見た目に騙される典型的な悪い例ですよ。) 念話による会話をすると、直ぐさま周りの面々から話が聞けた。今ではこの念話が当たり前に なりつつある。しかも俺達だけにしか伝わらないというのだから怖ろしい。 ミツキ(これ、アメリカ海軍の潜水艦わぅか?) シルフィア(そうねぇ、間違いなくそうでしょう。ハワイでの交渉が決裂した現状、私達の存在は 完全にイレギュラー化しているからねぇ。) ナツミA(オーバーテクノロジーを持つ独立した存在ですからね。軍服連中に匹敵か、それ以上に 恐怖する存在に至っていると思います。自分達の傘下に置きたいのも肯けますよ。) ミュティナ(ちなみにですが、後方の艦船には衛星軌道上から狙いは付けています。それに気付いた 時にどうなるか、非常に気掛かりですけど。) 明らかに不気味な笑みを浮かべているのが想像できた。ミュティナらしからぬ強かな戦略だ。 まあ実際に動く事はせず、威圧的なものに留まるが。 ナツミYU(地球の各国家は地球外に待機している大宇宙船郡に気を回しているのですかね。) シューム(多分回してないと思うわね。というか地球上のテクノロジーで、宇宙空間で活動可能な 船体はスペースシャトルぐらいだし。) シルフィア(手が出せないのも実状よね。それこそ軍服連中のあの飛行物体が有効打だけど。) ルビナ(失礼ながら、連中が地球の各国家と手を組む事はありますかね?) エリシェ(そこまで愚かだとは思いたくありませんが・・・。) 念話はそれぞれの内情をも透写する。懸念する要素が痛いほど伝わってきた。最悪なのが、 地球上の各国家が軍服連中と手を結ぶ事だ。そうなった場合、地球自体を敵に回す事になり かねない。 ミスターT(軍服連中が持つテクノロジーを提供する可能性はある訳か・・・。) シューム(大有りだと思うわね。軍服連中の目的はミュティナちゃんやルビナちゃん達の力の入手。 地球の各国家が欲しいのはオーバーテクノロジー。私達が拒絶を突き付けた以上、利害 一致で手を結ぶのが妥当な所よね。) ルビナ(そこまで地球人は愚かなのですか・・・。) ルビナの内情が痛烈に伝わってくる。正に怒りそのものだ。彼女達は純粋に太平の流れを 望む存在である。特にミュティ・シスターズが種族、ギガンテス一族は大宇宙を流浪する旅人 そのもの。太平を求めて彷徨い続ける調停者そのものである。ルビナ達も同じ思いだろう。 ミスターT(同じ地球人として、本当に申し訳なくなってくるわ・・・。) ルビナ(いえ、マスターやお住いの方々までは責めていませんよ。私が怒りを顕にするのは、明らか に私利私欲に走る愚者そのものです。) ミュティナ(ですね。逆を言えば、お兄様方はお住いの方々の矢面に立って阻止に走られている。 そのための如何なる手段を投じてでも勝つ、でしょうから。) ミスターT(力があるのに使わないのは、時として不幸を招く事になるからな。周りに戒めてくれる 存在がいるのなら、思う存分暴れるに限るわ。) ミツキ(持ちつ持たれつ投げ飛ばすわぅ! って、ヒットしたわぅ!) ミツキ流の纏め方で締めるも、直後釣り竿に当たりがあったようだ。愛用の獲物の調整を中止 して伺うと、何とかなりデカい魚が引っ掛かっている。 ミスターT(へぇ・・・この航行速度で魚が掛かるのか・・・。) ミツキ(今夜の料理にしてやんよ!) 小柄なミツキには厳しいと思うも、ナツミA縁の力の出し加減の触りを得ている。つまり身体 は小さくとも、瞬発的に出せる力は俺達以上という事だ。ここは不測の事態に備えつつ、彼女 の奮闘を見守る事にしよう。 しかし、ここまで絶大な力を欲するのが地球人の業なのか。いや、それは私利私欲に走る 愚者が辿る末路そのものと言えるか。ミュティナ達やルビナ達が信じられないと思うそれは、 彼女達が純然に生きる事のみを重視した戦い方をし続けてきた証拠だろう。 特に大宇宙では生きるか死ぬかのせめぎ合いが多いとも聞く。しかもそれは一族の存亡を 掛けた戦いなのだ。そこを踏まえれば、地球で地球人同士がいがみ合い殺し合っている現状に 怒りを顕にするのも納得ができる。 軍服連中は地球人同士の連携を促す要因にもなるのだが、今は完全にいがみ合いに発展して いる現状である。何れ大きな火種になるのは間違いない。 数時間後、東京湾から南の海上へと戻ってきた。東京湾に停泊していては、そこで襲撃され かねない。更に地元に戻っても同じ事が言える。今はこのレプリカ大和が生活圏だわ。 そこでエリシェに頼み、小型の豪華客船を手配して貰う事にした。そもそもレプリカ大和は 生活には適していない。武器工房などの設備も重要である。手配して貰う小型豪華客船は特注 仕様で、超大型豪華客船の縮図とも言えた。 何でも臨時の国家としても成り立つようにも改良されているようで、それは全ての生活圏の 確保も可能とある。当然軍事部門もしかりだ。故に同船を手配して貰った訳である。 ミスターT「レプリカ大和でもよかったにはよかったんだがね。」 エリシェ「まあ確かに。しかし最終的には個人兵装を以ての戦いに帰結すると思います。それらの 武具を整えるには、レプリカ大和の装備では無理な部分もあります。マスターが仰られた 一手は有効打でもありますよ。」 レプリカ大和の甲板の掃除を行って待つ俺達。ハリアーU郡は日本に近いとあり、今は全機 帰郷している。こういった細かいメンテナンスが兵器郡の延命を成し得ているのだ。 ミスターT「これ、全て終わった後のレプリカ大和とレプリカ伊400。日本に置いておいた方が 良いと思うが?」 エリシェ「そうですね。パール・ハーバーはアリゾナ記念館の近くに永久保存と考えていましたが、 オーバーテクノロジーの集合体な2隻を海外に置くのは危険ですし。2隻ともオリジナル が故郷の呉の造船所に置くのが無難でしょう。」 ミスターT「大和ミュージアム近くにレプリカ大和とレプリカ伊400、大盛況間違いなしだな。」 レプリカ大和とレプリカ伊400の戦闘目的以外での運用は、歴史モニュメントとしての遺構 が無難だろう。しかも呉なら近場に大和ミュージアムもある。更に広島である故に、先の大戦 で縁がある原爆ドームも。今後も戦争という絶対悪を語り継ぐために、この2隻の役割は続く と思われる。いや、それこそこの2隻が誕生した使命だろうな。 ミスターT「全てが終わって、本当に全て丸く収まればいいが・・・。」 エリシェ「私達の行動次第ですが、今は先行きは悪いですよね・・・。」 各国家が私利私欲に走る現状、一致団結して動く事は厳しいと思われる。最悪なのが軍服 連中と結託する事だ。その場合は世界中を敵に回す事になりかねない。 ミスターT「まあだからと言って引く事などしない。目指す誓願は確実に定まっている。」 エリシェ「はい。尚更重要になってきますからね。」 ミスターT「また何時も通りの喫茶店で営業したいわ・・・。」 一服しながら思い馳せる。数ヶ月前までは地元の喫茶店で過ごしていたのが懐かしい。今では 地元に戻る事すらままならない。軍服連中の目を引き付けるために、本土から離れた場所で 過ごすしかないのだ。本当に虚しいものである。 ともあれ、行う事は明確に出ている。軍服連中を完全駆逐する事だ。連中がのさばっている 以上、地球にも2大宇宙種族にも安寧は訪れない。俺達の存在は、もはや調停者として動いて いるようなものだ。尚更奮起せねばな・・・。 東京湾南方に臨時の基地を置いた。司令塔は小型豪華客船をベースに、その周りに臨時の 設備を置いている。領土問題が出そうな感じだが、幸いにもここは日本国内扱いだ。それに 特殊部隊や軍服連中の目を引くという事で、日本政府からはお墨付きを貰うに至っている。 国内事情で有事での加勢は望めないが、こういった妥協案を提示してくれる所は流石だわ。 我が祖国の懐の深さというか、欲深さがない所は一応関心はする。まあだから隙を突かれて 横槍をされたりするんだが。 まあ良くも悪くもその国々の味はある。アメリカから日本に戻ったのは正解だっただろう。 それに我が祖国を守るという意味合いの戦いを展開できる点に、日本人として生まれてきた 事に心から感謝しているわ。 中半へと続く。 |
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