アルティメット
エキサイティングファイターズ
外伝6
〜覆面の警護者〜
     アルティメットエキサイティングファイターズ・外伝6 〜覆面の警護者〜
    〜第1部・第13話 決着の時2〜
    広島の呉にレプリカ大和とレプリカ伊400を配置する前に、日本全国の港を回る事にした
   ようだ。当然レールガンは取り外し、弾薬は“一切装填”していない。ただ不測の事態を考慮
   しての、最小限の弾薬は“船底に追加したフロートに搭載”してあるようだ。

    今では警護者界のガンシップと化しているため、この2隻は非常に注目度を浴びている。
   第2次大戦時の世界最強の戦艦と潜水艦だからな。ミリタリーマニアにとっては、この上ない
   逸材である。

    この日本の港巡りは躯屡聖堕メンバーが行ってくれている。今では警護者郡の実働部隊とも
   謳われているため、何でもござれな感じだろう。


ミツキ(にゃっはー! 帰ってきたワンコわぅー!)
ナツミA(物凄いお久し振りです、お元気でしたか?)
    数ヶ月振りに地元の喫茶店に戻ってきた。姉妹はDJの役割に復帰し、四天王も地下工房で
   新たな獲物を創作中だ。彼らもこれで全てが終わったとは思っていないようで、来るべき時に
   翼を休めつつ備えるようだ。
ミスターT「はぁ〜・・・これだよこれ・・・。この喫茶店の感じは最高だわ・・・。」
ビアリナ「本当に数ヶ月振りですよね。」
   カウンターで一服をしながらコーヒーを啜る。そして競馬新聞を見つつマッタリとした時間を
   過ごすのだ。役割が回ってくれば厨房やウェイターも引き受ける。これが今までの喫茶店の
   スタイルになる。

ルビナ「3姉妹の方々は地下工房ですか。」
ミスターT「だねぇ。何か創作意欲が沸いたみたいで、四天王と一緒に悪戦苦闘してるよ。」
ビアリナ「ルビナ様は力業は得意となされていないようで?」
ルビナ「お3方の様な特質的な物理面のパワーは持ち合わせていません。私達の場合は言わば魔法面
    とも言えるパワーですので。」
    厨房で格闘中のビアリナ。近場のフライパンを取ろうとするのを、超能力で浮かせて彼女の
   手に運ぶルビナ。それに今となっては驚くよりも有難く頭を下げている。
ミスターT「それ、あまり繰り返すと怠けそうだな・・・。」
ルビナ「確かに。ですがミュティナ様方みたいに、身体面も人間とは掛け離れた力を持っています。
    そう簡単に怠けたりはしませんよ。」
ミスターT「そのうち両手から電撃飛ばせるんじゃないかね・・・。」
ビアリナ「スターウォーズのシスのアレですか。」
   ネタで挙げたのは、スターウォーズはシスの十八番の電撃である。一体どこからその力が出る
   のかが不思議だわ。推測の域で言えるとすれば、それが負の力なのは間違いない。

    そう言った直後、再度着火しようとする煙草の先端に小さい電撃が走ってくる。まさかと
   思いつつ、そこにガスだけ噴射してみた。すると見事に火が着いたのには驚いてしまった。

ルビナ「これの事ですね。万物の分子や原子の力を駆使すれば容易い事ですよ。」
ミスターT「・・・今度さ、背中の凝り固まった場所に頼むわ。」
ビアリナ「・・・あー、そう言う事ですか。」
    電磁放射的な要因なら、肩凝りなどには打って付けだろう。そう茶化してみると、納得した
   表情のビアリナだった。更にはルビナも納得した表情をしている。もしかして彼女、肩凝りに
   電撃を使っているのかも知れない・・・。
ミスターT「まあともあれ、本当に一段落だわな。」
ビアリナ「本当ですよね。マスターは地元に戻って来れないかと思っていたようですし。」
ルビナ「敵の目を向けるのはガンシップ上が安全ですからね。」
ミスターT「今は、とりあえず安心だわな。」
   一服しながら呟いた。軍服連中との決戦は終わったが、警護者としての道は終わりではない。
   むしろ俺達の力を把握した世界各国だ、共闘を提示しようもそれだけでは済まないだろう。
   幸いにも宇宙空間ではギガンテス一族の母船と大母船が目を光らせているが。

    それと最近気付いた事がある。それはギガンテス一族の大母船よりも凄まじい規模の船が
   宇宙空間にいたのだ。ドラゴンハート一族の超大母船である。しかし同種族とも心からの安寧
   を求めているだけに、お互いに協力し合っているのは言うまでもない。

    今は調停者的な目線で、地球人がどういった種族なのかを見極めているようである。先の
   軍服連中との戦いで私利私欲に走った様相を、今も彼らは好ましく思っていない。それだけ
   人間に内在する貪欲な野望は凄まじいという事を知ったからだろう。

    今現在も地球外で鎮座しているのは、地球人が要らぬイザコザで掛け替えのない地球を破壊
   するのではと注視している。もしその兆しがあるようものなら、即座に介入して抑止させる
   ようである。う〜む、頼もしいと言うか何と言うか・・・。


ミスターT「ミュティナ達には聞いたが、ルビナは再び流浪の旅路には出ないのか?」
ルビナ「まさか。正直な所、この様な危なっかしい火種をばら撒く人間を野放しにはできません。
    今後も宇宙人視野から監視させて頂きます。それに流浪の旅路はし尽くしましたので、正直
    この地球が安寧に過ごせる事に安堵している次第で。」
ビアリナ「一説によると、ギガンテス一族もドラゴンハート一族も地球に降り立っているようです。
     人間に紛れて一時の休息を満喫しているとか。」
ミスターT「へぇ・・・灯台下暗しな感じか。」
    映画“メン・イン・ブラック”的な感じだろう。ただそれはフィクションであるが、今の
   2大宇宙種族のこれは実在するものだが。正に神秘的であろうな。
ルビナ「フフッ、本当にありがとうございます。本当はそこで驚異的だと思われるでしょうけど、
    貴方は神秘的と受け止めて下された。宇宙人であれ何であれ、掛け替えのない生命体には
    変わりありません。大切な命なのですから。」
ミスターT「だな。それを履き違えると、あの激情軍服男みたいな阿呆に成り下がる訳だ。」
ビアリナ「本当ですよね。」
   改めて思うと溜め息が出る。しかもうちら3人同時にそれが出るのを見て、同時に笑っても
   いる。ああいった連中がいる限り、警護者としての役割は絶対に終わりを見せないだろう。
   今や警護者の道は調停者そのものである。

ビアリナ「例の2隻も広島の呉にモニュメントとして配置するそうですが、一応の装備は施してある
     ようですし。」
ミスターT「パール・ハーバーのミズーリ号は完全なモニュメントだが、あの2隻はガンシップの
      役割が残っているからね。今後も有事には直ぐに動いて貰うよ。」
    レプリカ大和とレプリカ伊400は、まだまだお役ご免にはならない。むしろ今後の情勢を
   考えれば、更なる活躍の場が出てくる筈である。下手したらあの2隻だけでは厳しくなって
   くるかも知れない。
ルビナ「エリシェ様から一応の打診は預かってあります。大和型戦艦と伊400型潜水艦の増産を。
    ただそれはマスターが懸念された展開になった時の手法ですので、今はプランとして保留
    させて頂いていますが。」
ミスターT「やはり彼女はその展開を先読みしていたか。バリアやレールガンの装備があれば、単騎
      で大艦隊とやり合う事は可能だ。しかし手数が欲しい場合は、やはり同型艦を増産する
      しかない。」
ビアリナ「それこそ宇宙母艦を用いれば即座解決しそうですけど。エリシェ様がそれに妥協せず、
     過去の遺産をレプリカで出した意味は全てを見越した形でしょうかね。」
ミスターT「戦争遺産としての語り部の存在だな。」
   今では本当に重要で大切な役割だ。パール・ハーバーのミズーリ号が正にそうである。同艦は
   数々の戦乱を生き延びた猛者だ。今では戦争自体を語り継ぐための大切な遺構を担っている。

    エリシェがレプリカ大和やレプリカ伊400などの第2次大戦時の兵器に拘るのは、一番
   悲惨な戦争を基準として語り継ぐためだろうな。追加要因としては現行兵器に劣らない武装も
   あるため、警護者のガンシップとしても用いる事ができる点も挙げられる。

    実際に先の激情軍服男事変では大活躍したレプリカ大和とレプリカ伊400。アメリカ海軍
   の原子力潜水艦部隊に勝るとも劣らない様相を醸し出していた。今でもその戦闘力は地球上で
   一番力があると言っていい。だからこそ誤った使い方をしてはならないのだ。

ミスターT「警護者を通り越し、戦乱調停者としての役割か。」
ルビナ「更に重要になると思いますよ。あの極めて阿呆な連中が今後も出ないとも限らない。」
ビアリナ「ミュセナ様が後始末をされていらっしゃるようですが、私利私欲と貪欲という概念は常に
     蔓延るマイナスの力ですからね。エリシェ様もそれらを見越して、2隻のガンシップに
     武装を施されている。」
ミスターT「不測の事態を想定しての千里眼、だな。」
    本当にそう思う。あの事変は複数の不確定要素が重なって悪化した膿の様なものだ。しかし
   エリシェは最低限の予想はしていた様子で、2隻のガンシップなどを持ち出してきたしな。
   既に想定してなければ実現は不可能である。



エリシェ「世界最強の大財閥の力を甘く見ない事ですよ。」
ミスターT「うわぁ! お・・驚かせるなよ・・・。」
エリシェ「ヘヘッ、すみませんです。」
    突然背後から声が聞こえて驚愕した。しかもそれは今正に話題で挙げたエリシェ本人だから
   性質が悪い。また近場にはラフィナやナツミYUにシュームもいる。何時入店してきたか、
   全く分からなかった。
シューム「T君さ、今のが奇襲だったら撃たれてるわよ。」
ミスターT「確かに・・・。」
ルビナ「あら、実はお4方に狙いは付けていたのですけど。」
   そう言いつつ、左手の小指以外に電撃を纏わせている。先程の煙草の着火を考えると、その
   大火力の電撃は相手を麻痺させるか気絶させる威力はあるだろう。それを窺った4人は顔を
   青褪めている。
ラフィナ「ま・・正にシスの電撃・・・。」
ルビナ「フフッ・・・。」
ミスターT「ならこの一撃はどうよ?」
   そう言いつつ、ルビナの右手を優しく掴み口づけをした。それを見た彼女は大赤面をしだす。
   マイナス面などの行動には即座に先読みできるようだが、プラス面などの行動には若干の疎さ
   があるようだ。この大赤面が結果である。
シューム「あらぁ〜、そのぐらいでシドロモドロになるのは甘い証拠ねぇ。」
ナツミYU「ですねぇ〜。私達はマスターからココにその一撃を頂いていますから。」
   2人して唇を指し示すと、更に顔を真っ赤にするルビナだった。ミュティナ達ですら簡単な
   赤面をする程度だったが、彼女の場合は恋愛関連の免疫力がないのだろう。普段は非常に気丈
   な姿を醸し出しているだけに、この姿は実に新鮮である。

エリシェ「まあ何にせよ、こうして和気藹々といられるのは幸せですよね。」
ミスターT「本当にそう思うわ・・・。」
    今も顔を赤くしているルビナを尻目に、カウンターに座る4人。その中でエプロン片手に
   厨房に入り込むシュームとナツミYU。それに小さく頭を下げて引き上げるビアリナ。ここの
   運営は料理ができる面々が担当するようになったようで、こうして交代が繰り返されている。
ミスターT「あれ、ナツミYUも調理師免許を持ってたのか。」
ナツミYU「実績はあったので、日本にいる間に取っておきました。」
シューム「丁度君が海上で激闘を演じていた頃よ。」
エリシェ「私達の大多数も調理師免許を取得しましたよ。何時でも手料理を披露できます。」
ミスターT「こりゃあ・・・お客さん増えるわな。」
   数ヶ月振りに喫茶店に戻ってから、常連さん以外に新規のお客さんが多い事に気が付いた。
   それは今正に語った内容であろう。特に自分が知る女性陣の誰もが手料理に定評があるのだ。
   その彼女達が交代で厨房を担当するなら、手料理愛好家が増えるのは間違いない。

ミスターT「まあ何だ、この日常が続けばいいがね・・・。」
シューム「それは今後の私達次第という事よ。幸いにも超絶的な力も加勢してくれている。ならば
     後は我武者羅に突き進むだけ。」
ナツミYU「以前貴方が私達全体の技術力の弱体化になるのではと危惧されていましたが、それに
      甘んじるかどうかも私達次第。力があるなら使ってこそのもの、そうですよね?」
ミスターT「そりゃあねぇ・・・。」
    一服しつつ思う。ギガンテス一族とドラゴンハート一族の力が凝縮した2つのペンダント。
   これがあれば個人戦闘力は正に最強である。しかしそれに溺れれば己自身が堕落しかねない。
   何処までを用いて、何処まで用いないか。それを見極めるのもまたプロたる所以だろうな。

    後半へと続く。

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