アルティメット
エキサイティングファイターズ
外伝6
〜覆面の警護者〜
     アルティメットエキサイティングファイターズ・外伝6 〜覆面の警護者〜
    〜第1部・第14話 最終話・新たな火種2〜
ミスターT(はぁ・・・何と言うかまあ・・・。)
エリシェ(フフッ、良いじゃないですか。全てにおいて回帰できる先がある事は。)
ビアリナ(ですね。しかも私達は無力ではありません。絶大な戦闘力を誇る警護者ですし。)
ミスターT(常識の範疇を通り越した感じだがな・・・。)
    周辺への警護面が疎かになりだしたので、今度は俺や周りの面々が別棟に退避中の一般人を
   守る側に着いた。ナツミツキ四天王が最前線で暴れてしまっているからだ。大多数の面々が
   正に喧嘩大乱闘状態で人型機械兵器を破壊していく。
ミスターT(・・・悪党郡でも、最後はリスペクトし合えれば良いんだがね・・・。)
エリシェ(問題ありませんよ。先日の特殊部隊の傭兵の方々は、軍服連中側から人として扱われて
     いなかった事に不快感を抱いていました。そこを私達が本来の人間的行動で目覚めさせて
     いった。一見すると烏滸がましい行動ですが、誰かがその役を担わねばならないのです。
     それが偶々私達だったという事ですから。)
ミスターT(そうだな・・・。)
   殆どの特殊部隊の傭兵郡は、軍服連中に見切りを付けて離れていった。それに俺達に感化され
   たのだろう、各方面で人としての生き様を根幹に活動しているという。

    本来ならあの戦いで死亡していたであろう流れが、活人技で制された事により生き延びた。
   当時の戦いからでは、端から見れば馬鹿げたもののようだった。しかしそれは遥か先を見越
   した行動である。彼らの生き様すらも変革させていく、そこに集約されているとも言えた。

    エリシェが言う通り、本当に烏滸がましいかも知れない。しかし、その役割を誰かが担わな
   ければならないのも確かである。それが偶々俺達だったという事だ。

    それに人を助ける行動ができるのは、警護者冥利に尽きる。警護者の理はここにあると確信
   もしている。悪道に進まなければ、俺は何でも用いてやるわ。

ビアリナ(そして・・・周りには戒めてくれる存在がいるから大丈夫、ですね。)
ミスターT(ビアリナにまで心中を見透かされるとはの・・・。)
エリシェ(あら、ビアリナ様と同じく私も感じましたけど?)
    次の流れで思おうとした事を先読みされた。しかも先読みのプロフェッショナルと言える
   シュームやナツミYUではなく、純粋淑女的なビアリナにだ。これには驚くしかない。
エリシェ(へぇ・・・淑女ですか・・・。)
ミスターT(はぁ・・・筒抜けなのね・・・。)
ミツキ(むふっ♪ Tちゃんもまだまだ甘いわぅね。)
   仕舞いにはエリシェに殺気に満ちた雰囲気で睨まれた。一言一句というか、俺の心情は全て
   筒抜けになっている感じだろう。そしてシメのミツキの発言に、不甲斐ないながらも笑って
   しまうのは言うまでもない。

    しかしそれでも、その瞬間思った事は事実だ。嘘偽りではない。それに何度も言うが、今の
   世界は女性が台頭してこそ真価を発揮する。破壊と混沌をもたらし続けていた野郎の時代は
   終わったのだ。案外、身内の女性陣はその中の先駆者的存在なのかもな。

    その彼女達を支えられる事を、俺は心から感謝したい。そしてこの命を賭してでも、全て
   守り通して行く決意だ。

シューム(・・・T君さ、それ・・・態と思ってない?)
ミスターT(はぁ・・・包み隠さず、素直に吐露したんですが・・・。)
ナツミYU(後で・・・それ相応の報いを受けて頂きますから・・・。)
ミスターT(何とも。)
    先程の心からの思いが周りに伝わったのと同じ様に、今も心からの思いが伝わったようで
   ある。この意思の疎通・念話は、お互いの心と心をリンクさせる強烈なコミュニケーションで
   あろう。まあ実際に述べた通り、嘘偽りない心情を思った事には変わりないが。
シルフィア(はぁ・・・君も女性キラーよね。)
スミエ(フフッ、良いではありませんか。男女問わず惚れさせる生き様は、ミツキ様を起源とした
    敬い・労い・慈しみの精神そのものですよ。)
ミツキ(うむぬ。人としての有るべき姿わぅね。そして、それが開花できるかどうかに至ると。)
スミエ(そうですね。まあ先程も同じ事を述べましたけど。それでもこの概念は非常に重要なので、
    何度も回帰する事は大切です。)
ナツミA(端から見れば見苦しい感じに見えなくもないですけど。)
スミエ(それもまた人生の醍醐味ですよ。楽して生きる事などできません。苦しんでこその中に、
    生命の有難みを実感できますから。)
ミスターT(生きる・生き様、本当に難しいものだの。)
   人口腕部の反応迎撃に委ね、試合の最中に一服する。今も目の前で大乱闘の仲間達。相手が
   人型機械兵器故に容赦なく叩き壊せるのが幸いしている感じだ。これが人間だと大問題だが。

    しかし、何処からともなく出現する人型機械兵器郡。ミュセナやルビナの一族が地球の全球
   サーチを試みているようだが、今の所目立った親玉が見つからないようだ。

    軍服連中は既に捕縛したが、それ以外にも火種と思える要因がありそうだ。シルフィアが
   スミエを召喚して対処しようとした部分はここだろう。

    やはり、最後は地球人同士の対決になってしまうのか・・・。まあだからと言って進軍を
   止める事などしない。己の生き様は徹底的に貫き通してやるわ。



    この世に無限がない限り、万物全て必ず枯渇しだしていく。今まで目の前に現れ続けていた
   人型機械兵器は、何時の間にか姿を消していた。しかしコミックマーケットの表会場は、半端
   じゃないまでの残骸で埋め尽くされている。

    表会場の片付けが終わるまで、避難していた来場者の方々には待って頂いた。些細な出来事
   で怪我でもされては話にならない。まあ娯楽の場まで手を出してくるのには驚いたが・・・。

    ただ、周りへの被害は全く以て皆無だった。ミュティナ達やルビナによるバリアや空間の
   閉鎖的概念による恩恵だ。本当に助かったわ。

    それでも何処からともなく現れた人型機械兵器郡。その出所が分からない以上、今後の行動
   には細心の注意が必要になる。レプリカ大和やレプリカ伊400での生活が余儀なくされる
   可能性もあるかもな・・・。


    全てが終わったのは夕方近くにまでなった。ただ、その後の流れは凄まじいものだ。ただの
   コスプレ軍団ではなく、実際の警護者軍団であった事に周りは大喝采している。特に身内の
   大多数が女性陣とあってか、物凄い事になってもいる。

    それでも、普段からの外交で培ったノウハウを活かした対応をする部分は見事なものだ。
   エルシェナ率いるトラガン部隊も、こうした流れで知名度を上げるのも1つの戦略だろう。

    やはり思う、時代は女性の時代だわ。破壊と混沌をもたらす野郎の時代は終わったのだ。
   その罪深い野郎の1人たる俺ではあるが、彼女達を守りながら戦える事を誇らしく思う。



ミスターT「騒がしい・・・。」
エリミナ「まあそう仰らずに。」
    コミケの会場で大乱闘が終わった後、喫茶店に戻って打ち上げを開始する面々。今回は身内
   総出となっているからか、店内が凄まじい事になっている。顕著なのがトラガン部隊の女性陣
   だろう。学園の1学年丸々入っている感じだ・・・。
ミスターT「そう言えばエリミナは、飛行機関連なら何でも操縦できるのか?」
エリミナ「ほぼ全て操縦できますよ。スペースシャトルなどの特殊な機体は無理ですが。」
ミスターT「となると、骨董品のTa152Hも可能な訳か。」
   ブラジャー作戦時に目の当たりにした、フォッケウルフ・Ta152H。あれを操縦できると
   なると、さぞかし爽快なのだろうな。まあ次世代戦闘機から比べれば、第2次大戦時の戦闘機
   郡はセスナに近い様相だろう。
エリミナ「ですがハリアーUなどに慣れてしまうと、機動性の部分では見劣りしてしまいます。」
ミスターT「パワーが桁違いだしなぁ・・・。」
エリミナ「兵装も機銃郡やロケット郡が、超連射可能回転銃に自動誘導ミサイルですよ。仕舞いには
     電磁加速装置と・・・。」
ミスターT「レールガンはなぁ・・・。」
   以前ビアリナの愛機に搭載したレールガン。それで無人イージス艦を一撃で破壊した流れが
   あった。アサルトライフル程度の規模のレールガンが、人間より遥かに巨大で強大な兵器を
   一撃で破壊するのだ。ぶっ飛んでいるとしか思えない。

エリミナ「ただ、今後の流れではレールガンが台頭してくると思います。先程のコミケ会場での様相
     を踏まえると、無人イージス艦以外に無人航空機郡も投入してくるでしょう。」
ミスターT「レプリカ大和やレプリカ伊400では厳しくなるか・・・。」
    一服しながら思う。先の軍服連中事変は、ほぼ小規模的で終わった形だ。しかし今後は規模
   が更に拡大していく怖れも十分ある。警護者の範疇を超えた戦いになるかも知れない。
エリミナ「それでも、降り掛かる火の粉は・・・。」
ミスターT「払い除ける、だな。」
エリミナ「スミエさんが仰っていたように、その都度対処していきましょう。幸いにも俺達には凄い
     協力者がいらっしゃいますし。」
ミスターT「だな。」
   エラい騒いでいるミュティ・シスターズ。普段は大人しいルビナも、酒が入ると酒豪と化して
   いる。これは実に意外である・・・。他の女性陣も飲めや歌えのドンチャン騒ぎそのものだ。
   これを見ると青褪めるしかない。
ミスターT「はぁ・・・。」
エリミナ「ハハッ・・・。流れに身を任せる、ですよ。」
   酒は苦手な俺とエリミナは、カウンターの端で紅茶片手に細々と雑談するしかない。それに
   この様相だと巻き込まれたら最後、とんでもない事になりそうだわ・・・。


    今後の流れ次第、か。確かに先が見えない現状を踏まえると、スミエが生き様としていた
   のが効果的だろう。迫り来る愚物はその都度叩き潰すのが良い。

    それでもスミエの時代とは今とでは雲泥の差、兵力や火力の部分でも天と地との差である。
   一歩間違えば死者が出るのは言うまでもない。

    だからこその、ギガンテス一族・ドラゴンハート一族のテクノロジーなのだろうな。先程の
   コミケの会場でも死者は無論、誰1人として怪我人を出ていない。従来の流れでは不可能な
   様相である。

    まあだからと言って弱音など吐かんわ。相手がほぼ極悪に近いのなら、徹底的に叩き潰す。
   それが世上の安寧をもたらす一歩になるのだから。

    本当に烏滸がましい限りだが、誰かがやらねばならない。それが俺達であったという事だ。
   ならば恐れる事はない。後は突き進むのみだ。

    第1部、完。

    後半へと続く。

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