アルティメット
エキサイティングファイターズ
外伝6
〜覆面の警護者〜
     アルティメットエキサイティングファイターズ・外伝6 〜覆面の警護者〜
    〜第2部・第2話 深海調査依頼3〜
ナツミYU「まあそんな感じなのよ、大丈夫かしら?」
ミスターT「・・・どうせ無理矢理連れて行くんだろうに・・・。」
シューム「分かってるじゃない。」
    最後の最後で楔を打たれた。この流れがどうなろうと、俺を無理矢理現地に連れて行くのは
   間違いない。先のエリシェ事変は高々度で、今度は大深度の深海である・・・。身体が幾つ
   有っても足りやしないわ・・・。
ミツキ「ポチ皇帝陛下にご報告だ!」
ナツミA「それ、ネオ皇帝・・・。」
ミツキ「Tちゃんの胸にある6つのブルーウォーターを手に入れるわぅ!」
ミスターT「はぁ・・・。」
   更に最後は双子のシメだ。それに周りの女性陣は笑い合っている。まあ何だ、この気質がなけ
   れば成せる事も成せないわな。ミツキが生き様は全ての不確定要素に立ち向かう起爆剤その
   ものである。

    決行は翌日という事もあり、テンヤワンヤしそうな感じだ。ただ裏を返せば、それだけ深海
   にある物体が厄介であるという現われだな。つまり敵対側に見つかる前に調査をすると言う事
   になるだろう。

    今回も後の流れが決まるともあり、ここは身体に鞭を打って進むしかあるまい・・・。



    翌日。準備万端の状態で、広島は呉の港に到着した。出迎えてくれたのは、伝説の戦艦と
   潜水艦である。しかも以前よりも増して様変わりしていた。


    レプリカ大和は、第1砲塔の前面甲板に左右合計12門のハッチが見受けられる。例えると
   丁度ボウリングのピンの並び順に似ている。第3砲塔の後方甲板にも見慣れないハッチが合計
   4門ある。どうやらここにも同じ得物があるようだ。

    察するに、ここに超長距離弾道ミサイルが搭載されている事になる。この様相だと大陸間
   弾道弾クラスの得物があると取れる。46cm主砲ですら化け物染みた火力なのに、それをも
   上回る火力を持った様相はモンスターとしか言い様がない。

    またパール・ハーバーのミズーリ号と同じく、近代兵器も充実しだしている。今までの兵器
   搭載数の数倍はあると思われる。当然オリジナルの機銃・副砲・主砲は健在だ。

    ちなみに小型銃座と中型砲の各兵装は完全オートメーション方式で、人間が座して射撃する
   タイプではない。副砲と主砲のみが人間操作によるものになる。当然これらはイージス艦が
   十八番の電子制御式の超精密誘導射撃が可能とある。狙われたら最後、最早逃げる術はない。


    レプリカ伊400は、密閉棟の前面甲板が一段と凄みを増している。レプリカ大和のハッチ
   とは異なり、合計10門と数は減っている。ただこれは先のハワイ沖での遊撃で真価を発揮
   した超長距離弾道ミサイルである。レプリカ大和にも同じ兵装が施されているのは先の通り。

    その中で一際目立つのが、明らかに後方甲板に後付けされた形の大型砲門だろう。聞く所に
   よると、23cm三連砲との事だ。レプリカ大和の十八番、46cm主砲の半分のサイズで
   ある。しかし前よりも各段に戦闘力は増した。

    23cm主砲による射撃は、イージス艦クラスなら一撃必殺との事だ。それが特殊潜水艦
   たるレプリカ伊400に搭載されたのだ、ある意味逸脱した海の暗殺者であろう。


    どちらも艦載機はハリアーU改になる。翼を折り畳み式の特殊仕様にした特注品だ。それが
   レプリカ大和には5機、レプリカ伊400には2機搭載されている。第2次大戦時の遺物に
   近代兵器の搭載は、実にミスマッチとしか言い様がない。

    極め付けは、両艦の艦首に必殺兵器を搭載したとの事。スーパーレールガンとの事だが、
   それは46cm主砲を超越する超火力を誇るとも。ライフルタイプのレールガンですら、主砲
   の火力を超える様相だ。大出力となれば、地球の衛星たる月はおろか地球クラスの岩石惑星
   すら破壊可能だろう。

    かなり前にマンガで見た、“天空の覇者・Z”という作品を実に彷彿とさせる。劇中では、
   飛行戦艦の艦首に重力砲の様な砲塔が搭載されていた。触れれば何でも消滅させるという、
   別マンガは“ダイの大冒険”の“極大消滅呪文・メドローア”に似ている。

    ただこちらのはスーパーレールガンと、架空の産物ながらも先に挙げた2つの獲物とは違う
   様相だ。技術力さえ伴えば、実際に現実で実現可能という代物になる。実際にこうして目の前
   に具現化されている、恐ろしい超兵器の1つである。

    これで両艦とも空を飛べ、宇宙にまで行ければ無双そのものだわな。まあ流石にそれは無理
   だろうが・・・。


ミスターT「はぁ・・・完全にハリボテ化してる・・・。」
    レプリカ大和もレプリカ伊400も外見は全く変わらない。しかし良く見るとオリジナル
   とは明らかに異なる武装が目を光らせている。何でもかんでも搭載すれば良いという訳では
   ないんだが・・・。
エリシェ「いえ、本来なら従来の武装の同型艦を複数用意する計画でした。しかしそれでは軍事物
     云々の部分で要らぬ挑発をしかねません。そこで見た目据え置きで、徹底的に武装を強化
     する事にした訳で。」
ラフィナ「当然それら獲物に耐えられるよう、船体も超強化しました。細々とした部分以外では、
     多分現行兵器の直撃を受けても破損しないと思いますよ。」
ミスターT「バリアやシールドなしでもやれるという事か。」
   ここまで来ると、究極的な戦艦と潜水艦になるだろう。現行兵器を超越している時点で、両艦
   誕生時の世界最強の軍艦という異名を再び得たに違いない。しかし、あくまで警護者専用の
   ガンシップの位置付けだが。
ミスターT「レプリカ大和の方は海上で真価を発揮するからいいが、レプリカ伊400の方は海中で
      真価を発揮するんだよな。これだけゴテゴテと搭載して、深海の圧力に耐えられるのか
      怖いんだが。」
エリシェ「そこで、アンオブタニウムですよ。実質的に今回の深海調査で実戦も兼ねた運用ですが、
     ほぼ間違いなく安全と言い切れます。それはレプリカ大和の装甲にも通じますし。」
ミスターT「片方が問題なければ、もう片方も問題ない訳か。」
ラフィナ「レプリカ伊400は深海での戦闘も視野に入れた改修強化なので。」
ミツキ「化け物わぅ〜。」
   茶菓子を頬張りつつ、2隻を眺めるミツキ。以前東京湾で初披露した時とは異なり、今は完全
   に戦う艦と化している。それでいて外見はオリジナルに近いのには驚くしかない。

ミスターT「で、現地で不穏物質を見つけたらどうするんだ?」
エリシェ「時と場合によりますが、海中でも火力が落ちないスーパーレールガンで破壊と。」
ミスターT「はぁ・・・巻き込まれなきゃいいが・・・。」
    とんでもない事になりそうだわ・・・。1万mの深海でスーパーレールガンを放った場合、
   どうなるかは全く以て未知数である。下手したら爆発に巻き込まれて破損しかねない。バリア
   やシールドの恩恵が何処まで得られるか、非常に気掛かりでもある。
ミスターT「・・・先のケルマディック海溝からして、沈んでるのは“レッドノア”だったりな。」
ミツキ「神聖大要塞レッドノアわぅ!」
ナツミA「架空の産物だしねぇ。」
   俺達のネタによる雑談をするも、何時になく表情が重いエリシェ達。特にルビナとミュティナ
   が一番表情を強張らせている。もしかしたら・・・。
ミスターT「・・・つまり、沈んでいるのは宇宙船の可能性がある訳だな。」
ルビナ「・・・十中八九、そう考えるしかないかと。」
ミュティナ「・・・しかも私達の技術力を超える代物の可能性も。」
   ここまで不安がる彼女達を見た事がない。それだけ深海に鎮座している不穏物質が、未知の
   産物である可能性が否めない事になる。早期調査に乗り出した理由はここだろう。

ミツキ「劣勢わぅか?! ふんっ、わたがいれば恐れるに足らずわぅ!」
ナツミA「そうね。悪は結託するのが世の常だし。そこに超越した力があるなら、使おうとするのも
     また事実。だからと言って野放しにはしないわよ。」
ミツキ「ありとあらゆる力で駆逐してやるわぅ!」
    周りを叱咤激励したのだろう、ナツミツキ姉妹の言葉が飛び交う。しかし同時に殺気と闘気
   も混ざっている事から、周りの女性陣は顔を青褪めだしている。特にナツミAの本気はミツキ
   をも超越する恐怖度だ。恐怖に慄くのは言うまでもない。
ミスターT「とんでもない大仕事に巻き込まれたもんだぜ。」
ミツキ「おういえい! ロマサガ3はウォードちゃんわぅ♪」
ナツミA「冗談言ってないで、出発準備をしましょうかね。」
   何とか周りを奮起させて行こうとするも、立て続けによる恐怖度でタジタジの女性陣。重い
   足取りでそれぞれの行動を開始しだした。

    今回は深海とあり、レプリカ伊400の外に出る事はできない。全て艦内で動く事になる。
   特殊マニュピレーターが艦外にあれば、簡単な作業はできそうだが。残念ながらこの潜水艦
   には搭載されていない。

    ただ前方と左右後方の合計3つのフロートユニット、ここに何らかの装備がなされている
   感じだが。ここに何があるのかは、まだ伺っていない。もしかしたら有り得ない装備が搭載
   されているかも知れないな・・・。

    まあともあれ、今は行動あるのみだ。動かない事には意味がない。この先に何が待ち構えて
   いようが、とにかく突き進むだけである。



    広島は呉を出発した、レプリカ大和とレプリカ伊400。今では警護者専用ガンシップと
   同時に、歴史的モニュメントとも化している。多くの見物客に見守られながらの出航は、過去
   に実際にオリジナルの同艦が出航した時を彷彿とさせるようだ。

    ただ当時は軍国主義という愚行を突き進む、日本軍の言わば配下の産物。今は世界の安寧を
   勝ち取るために進む、調停者としての警護者の懐刀。これはもう雲泥の差である。それだけ
   暗黙の了解的な感じで、大いに期待が掛かっている何よりの証拠であろう。

    そして同時に、敵対勢力はこちら以上の力を持っているに他ならない。ありとあらゆる事態
   を想定せねば、勝てる戦いも勝てないだろう。


    港を出港した時は2隻での進軍だったが、ある程度沖合いに出てからフォーメーションを
   変更。レプリカ伊400は一度海中に潜水し、レプリカ大和の船底へとドッキングをした。

    出港する際に最大限の補給を施したが、次の流れはお互い独自の流れになる。念入りに最終
   確認を行う面々。それだけ今回の依頼は非常に厳しいものになるだろう。


ミスターT「・・・・・。」
    レプリカ大和は第1砲塔の先端、超長距離弾道ミサイルのハッチ近くに座る。腕を組み瞳を
   閉じつつ、これまでの流れを色々と考えてみた。

    先の軍服連中事変では、ギガンテス一族のテクノロジーに酷使した力を連中は使っていた。
   事変が終わっても、その出所は全く掴めていない。ドラゴンハート一族も参戦してくれた事
   により変わると思ったが、2大宇宙種族をしても掴めなかった。

    そこで恩師シルフィアは秘密兵器として、伝説の警護者のスミエを召集。全盛期は2大宇宙
   種族の地球上永続権を勝ち取るために、ありとあらゆる手立てを講じて来たとの事だ。その
   彼女なら、今後の流れに対応できると踏んだようである。

    世界各国も表向きには不穏勢力に対して敏感になっている。それぞれが最高峰の軍事物を
   投入し、色々と試行錯誤を繰り返していた。先の高々度実験もそれであろう。しかし裏では
   警護者界や大企業連合・躯屡聖堕チームのみが、2大宇宙種族の恩恵に預かっている現状。
   これに苛立ちを募らせているのは想像に難しくない。

    そして今回の深海調査である。しかも人類が未踏の地には、2大宇宙種族の技術力を以て
   しても勝てない様な代物があると推測される。先手を切って伝説の2艦を派遣した訳だが、
   水面下では他の勢力も動いているに違いない。

    結局の所、最後は地球人同士の戦いになるだろう。私利私欲に溺れた愚者が、それ以上の
   力を欲してのものだ。それらにNOを突き付けるのが俺達である。それに根底は世界在住の
   人々の安寧を勝ち取る戦いでもある。彼らの生活を脅かす存在を野放しにしてはならない。
   そのための警護者であろう。

    何だかとんでもない所まで至ってしまった感じがするわ。しかし今は俺達の存在が、愚者の
   行動を抑制ないし阻止するに必要不可欠にもなっている。総意を踏まえて、今後も突き進む
   決意だ。今はそれしかできないわな。

ミツキ「幸か不幸かは紙一重、ですよ。」
ミスターT「・・・そうだな。」
    瞳を開けると、ダブルトリガーを両腰に完全武装のミツキがいた。茶菓子を頬張っている
   のだが、その表情はかなり険しい。傍らにはエリシェがおり、背中に不格好なブローニング
   M2重機関銃を背負っていた。
ミスターT「はぁ・・・拳銃じゃなくマデュースを使うのか。」
エリシェ「先の高々度では武装の面で舐め切っていましたからね。それに従来の拳銃程度では、飛行
     兵器を狙撃できても撃墜はできません。かといってガトリングガンでは不格好なので、
     このマデュースを使う次第です。」
ミツキ「以前エリシェさんと戦闘訓練を行った時、それらを見越してマデュースを使った戦術も考案
    していました。確かにこの重機関銃なら、イージス艦以下の小物なら撃破できますし。」
エリシェ「それに重力制御のペンダントの恩恵で、獲物の重さも反動も拳銃並ですよ。」
   確かにそうだろう。華奢なエリシェには不格好過ぎる得物だ。しかし先を見越した戦略は、
   今後重要視されていく。彼女の様な先見性ある千里眼が必要になってくる。

ミスターT「・・・今度はヘマはしない。誰1人として傷付けたりはさせるものか。」
エリシェ「ありがとうございます。でも大丈夫ですよ。あの時は私の方も油断していましたし。」
ミツキ「今度は手抜きは一切無しで進みましょうかね。」
    サッとダブルトリガーを両手に取り、艦首の方角を見つめるミツキ。その先には夥しい飛行
   兵器が待ち構えていた。そう、完全に待ち構えている様相である。
ミスターT「はぁ・・・何ともまあ。」
ミツキ「それだけ、深海にある物体が欲しいのですよ。」
   警護者の戦闘スタイルとしては、相手からの明確な攻撃がない限りは動かない。専守防衛に
   近い形だが、攻撃を受ければ反撃はする。しかも冷徹無慈悲な一撃を、だ。ただミツキが得物
   を構えて待つのは、その初動がレプリカ大和の総武装とリンクしているからだろう。

    しかしこちらの待ち構えに反して、相手は徹底抗戦の構えの様だ。停滞していた飛行兵器が
   即座に展開し、攻撃を加えてきたのだ。ただこちらも無防備ではない。バリア以外にシールド
   の二重防壁を施してあるため、全く以て無害である。

    右手に構えるダブルトリガーを空にかざすミツキ。直後、レプリカ大和の武装が火を噴き
   始めた。だが十八番の46cm主砲や超長距離弾道ミサイルは成りを潜めている。副砲や各種
   砲座が展開しているだけだ。

    また艦尾に搭載されているハリアーU改が発進したようで、飛行兵器を各個撃破しだして
   いる。恐らくエリミナ達であろう。

ミスターT「生体センサーで調査・・・は、するまでもないか。」
エリシェ「先の軍服連中事変で懲りたと思いますよ。要らぬ思考が出る人間を駒にするのは不利で
     あると。そうなれば、後は全て無人兵器郡による駒の配置しかありません。」
ミツキ「ここまで来ると、本当に愚かですよね。」
    艦首に迫る飛行兵器郡をダブルトリガーやマデュースで撃墜していくミツキとエリシェ。
   レプリカ大和の艦首に各種銃座は配置されていない。艦橋前面と側面、そして艦尾の方に集中
   している。そこで彼女達が迎撃役を買って出たのだろう。

    そこに颯爽と現れ暴れ出す女性陣。エルシェナ・フィオヌ・レーティスを筆頭に、トラガン
   の精鋭中の精鋭である。それぞれの得物で飛行兵器を迎撃していた。その間にミュティラと
   ミュティヌが一緒にいた。どうやら彼女達の守り役を担っているようだ。

エルシェナ「お3方、ここは私達にお任せを。そろそろ準備を開始して下さい。」
フィオヌ「海中だと、こうして暴れられませんからね。」
レーティス「大いに敵を引き付けておきますよ。」
    アサルトライフルで無人飛行兵器を狙撃していく3姉妹。この三つ子の戦いは今回初めて
   見るが、非常に冷静無比な一撃を放っている。特にフィオヌとレーティスは躯屡聖堕チームで
   薫陶を受けていたからか、エルシェナよりも非常に上手い。まあだからと言って、長女の方が
   劣っている訳ではないが。

    ともあれ、ここは彼女達に任せてレプリカ伊400へと向かおう。今回の本命は深海に鎮座
   している未確認物体だからな。


    一度レプリカ大和の艦内に戻り、船底にドッキング中のレプリカ伊400に乗り込む。内部
   は準備万端のようで、後は俺達を待つだけのようだった。

    ちなみにレプリカ大和の指揮はラフィナが執るという。レプリカ伊400はビアリナが執る
   と言うが、追加参戦したエリシェも行うという。ミツキは三つ子と一緒にレプリカ大和の甲板
   で暴れるとの事だ。

    俺達を収容すると、レプリカ伊400はレプリカ大和の船底から離脱。一路、深海に鎮座
   する未確認物体へと向かって行った。

    この様相を例えるなら、なさがら海底2万マイルか。何とも・・・。

    第3話へ続く。

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