アルティメット
エキサイティングファイターズ
外伝6
〜覆面の警護者〜
     アルティメットエキサイティングファイターズ・外伝6 〜覆面の警護者〜
    〜第2部・第3話 ガンシップ対宇宙船1〜
    レプリカ大和が海上にて無人飛行兵器郡と対決の中、船底から離脱したレプリカ伊400は
   一路深海へと向かった。目指すは未確認物体の調査である。

    しかし2大宇宙種族のミュティナとルビナが戦々恐々している事から、鎮座している物体は
   間違いなく宇宙船であろう。しかも彼女達も知らないテクノロジーの代物だ。

    もし戦闘になった場合、このレプリカ伊400で戦えるのかが気になる。いくらギガンテス
   一族のテクノロジーを駆使した遺物であれ、相手がこちら以上のテクノロジーを持つのなら
   異なってくる。これは相当の覚悟が必要だろう。

    まあでも、目の前の壁を乗り越えてこその様相だ。特に相手が敵だと分かるなら、徹底的に
   潰すに限る。全ては世界の安寧を勝ち取るために、な。



ミスターT「・・・これ、ここにデカい窓なんかあったか?」
    海上の光が届かない深海へ向けて潜航中のレプリカ伊400。特設された大型のキャノピー
   から外部を窺う。全く以ての暗闇である。水が怖い俺だが、この場合も恐怖半分・興味半分と
   言った所か。
エリシェ「前回の大改修時に追加しました。本来なら潜望鏡での外部確認ですが、アンオブタニウム
     製の外郭を透明化する事で実現できた次第で。」
ミスターT「そこまで可能なのか・・・。」
   映画“ザ・コア”での地底探査船バージルは、表は超音波による透視で窺うしかなかった。
   しかしこのレプリカ伊400は透明なキャノピーを施されている。水圧に耐えられるかと思う
   のだが、何と船体と同じアンオブタニウム製のキャノピーとの事だ。
エリシェ「ギガンテス一族もドラゴンハート一族も、地球上では考えられないテクノロジーや資源が
     数多くあります。しかしそれらを100%以上用いてきた訳ではなかったそうで。」
ミスターT「そこに大企業連合のノウハウで、これらを再現した訳か。しかも殆どフィクションの
      映画やゲームが題材だ。それらを実現可能なテクノロジーを持っていたと。」
ビアリナ「ミュティナ様やルビナ様が感心されていましたよ。本来では考えない手法で産物を構成
     するという部分に。」
ミスターT「だなぁ・・・。」
   2大宇宙種族のノウハウは、宇宙空間で真価を発揮するとも言える。重力や大気がある地球
   での運用は殆ど考えていなかったようだ。だからこそ、エリシェが考案したこれら産物に感嘆
   しているという訳だな。

エリシェ「それにこれらは私利私欲で生み出したものではありません。本来は警護者ありきの様相、
     そこにレプリカ大和やレプリカ伊400が必要であった訳ですし。」
ミスターT「警護者専用ガンシップそのものだしな。今では俺達の切り札に近い。」
    レプリカ伊400の操舵や運用は、レプリカ大和と同様に躯屡聖堕チームが担ってくれて
   いる。彼らも俺達が知らない間に秘密の特訓をしていたようで、今では立派な戦艦と潜水艦
   乗りである。ちなみに相互に扱えるとの事だ。
ミスターT「今回もすまんな。」
躯屡聖堕メンバー1「何を仰います、我らは今や一心同体。いえ、異体同心と言いましょうか。」
躯屡聖堕メンバー2「そうですよ。それに俺達の様な無法者が人の役に立てている。これ程の充実
          した試合はありませんよ。」
ミスターT「ハハッ、試合か。正にそうだな。」
   今回もレプリカ大和での戦いでお世話になった躯屡聖堕チームの面々も搭乗していた。彼らの
   類希なるスキルは素晴らしいものである。
ミスターT「全て終わったら、一杯やろうかね。あ、酒以外でな。」
躯屡聖堕メンバー1「ヘヘッ、それはそれは。」
躯屡聖堕メンバー2「でもよろしいので? その場合は全メンバーが集結してきますが。」
ミスターT「あー・・・まあ、そこはエリシェに任せる・・・。」
エリシェ「フフッ、その時はハワイ辺りで大規模パーティーでも開きましょうか。」
ビアリナ「ミツキ様が大暴れしそうな気が・・・。」
   彼女のボヤキで大体の想像ができたのだろうな。自然と笑ってしまうのは言うまでもない。
   確かにミツキの生き様は常識を逸脱した凄まじいものである。しかもそれが自然体であるから
   恐ろしい。人間に内在する本来のパワーと言うのも驚きだわな。

ミスターT「・・・彼女のためなら、俺は喜んでこの命を捧げるわ。彼女の帰結する原点回帰は、
      今の世上に必要不可欠な一念になる。全ては世上の安寧のために、な。」
エリシェ「私も心から同調致します。大企業連合の全力を以て戦って行きますよ。」
ビアリナ「今が踏んばり時ですね。」
    今や通例ともなる原点回帰。ミツキの生き様が正にそれで、その先に世界の安寧がある。
   烏滸がましい感じがするが、実際に人間としての当たり前の姿を開花させるのだ。その見本の
   生き様が彼女である。
エリシェ「よく思うのですが、ミツキ様の生き様は宗教的な感じがしますよね。」
ミスターT「超絶的な部分か、確かに。しかしそれすらも超えた、純然たるものだと確信している。
      人としての当たり前の姿にこそ意味があると、彼女はその生き様で示しているような
      ものだしな。」
ビアリナ「それに以前、ミツキ様は神的に担ぎ上げられる事を嫌っていらっしゃいましたからね。
     あくまで己は凡夫の姿であり、そこから色々な生き様を示すのだとも。」
ミスターT「生命の姿だわな。その部分は過去にスミエから聞いた事があるわ。」
   人間はあくまで人間であり、それ以上には絶対に至れない。過去に存在した素晴らしい人物で
   あれど、それは人間の領域から逸脱する事は有り得ない。ただどの様な生き様を示せるのか、
   そこが重要に至ってくる。それを100%以上発揮しているのがミツキだという事だ。
エリシェ「純粋無垢故に私利私欲すらも当てはまらない生き様、と。」
ミスターT「彼女に私利私欲なんてあるのかね・・・。」
ビアリナ「あるとすれば・・・茶菓子食べ放題とか。」
ミスターT「ハッハッハッ! 本当だわな!」
   ビアリナが例えた欲望に大爆笑してしまった。それに釣られて周りの面々も爆笑している。
   ミツキの欲望は本当に些細なものであり、それが周りを和やかにするのに一役買ってもいた。
   それを狙ってやっていないのだから、彼女の純粋無垢度がどれだけ凄いかが痛感できる。

ミスターT「ミツキ・ナツミA、そして四天王。彼らは6人で1人の人間のような感じだわ。」
エリシェ「本当ですよね。」
ビアリナ「その世界のスペシャリストがごちゃ混ぜになった感じで。」
ミスターT「ごちゃ混ぜねぇ・・・的を得た例えだわ。」
    本当にそう思う。あの6人は本当に純粋無垢なのだ。一度定めた生き様を貪欲なまでに貫き
   通す姿は、心が弱い人間には触れる事すらできない神々しさがあるだろう。しかし彼らもまた
   人間なのだ。その部分が本当に凄い事である。
ミスターT「彼らを支える幸せを、今後も俺は貫き続けるわ。」
エリシェ「ですね。私達も最大限のお力で支えて参ります。」
ビアリナ「和気藹々と突き進む、正にワンコパワーで。」
   最後のシメで再び爆笑してしまった。エリシェとビアリナは気質が全く同じなのだが、最近は
   ビアリナの方が突っ込み要因になりつつある。むしろこの2人はナツミAに似ているのか。
   素晴らしい女傑だわ・・・本当に脱帽である。


    雑談をしつつ、目的の大深度まで潜航していく。既に8000mを超えており、地球上の
   探査船では非常に厳しい環境にまで至っている。しかしこのレプリカ伊400は全く以て堅固
   なのだ。これには、ただただ驚愕するしかない。

    それにレプリカ伊400は空間がある密閉棟や、追加装備の23cm主砲がある。通常の
   追加装備郡を施された船体は、それらがネックになりダメージを受けるのが定石だ。それをも
   物ともしない様相は、流石はギガンテス一族とドラゴンハート一族のテクノロジーの産物と
   言うしかない。世界最強のガンシップである。

    そう言えば、アニメは“不思議の海のナディア”の万能潜水艦ノーチラス号。あの船体も
   アトランティス人という種族の、言わばロストテクノロジーの産物だ。また敵側のガーゴイル
   氏がノーチラス号を壊滅に追い遣ったテクノロジーも、過去の産物を発掘して使っているに
   過ぎない。

    それらはアニメの世界の産物で、実際に実現は不可能とされる。アンオブタニウムで建造
   されたバージル船もそうだ。それがギガンテス一族やドラゴンハート一族のテクノロジーを
   駆使すれば実現可能と言うのは、何ともまあ・・・。

    そのギガンテス一族とドラゴンハート一族が戦々恐々するのが、今から探査に向かう先だ。
   未確認物体の産物が如何なるものなのか、明確に見定めなければならない。

    最悪は、本当にガーゴイル氏の様な輩が出てくるかも知れないわな・・・。



躯屡聖堕メンバー1「最深度に到達しました。」
ミスターT「正に無の世界だな・・・。」
    ケルマディック海溝は最深度に静かに、本当に静かに到着したレプリカ伊400。船体の
   エンジン音や各種機器の稼動音しか聞こえない。本当に音も無き世界である。
エリシェ「サーチライトを点灯、周辺の探索をお願いします。」
躯屡聖堕メンバー2「了解!」
   船体各所に搭載されたサーチライトが点灯。深海の底面を照らし出す。しかし光をも吸収する
   かのような暗闇があるだけだ。本当に何もない無の世界なのだ。
ミスターT「はぁ・・・水が嫌いな俺が言うのもなんだが、神秘的としか言い様が・・・。」
ビアリナ「フフッ、本当ですよね。人間が単体では到達できない領域ですから。」
躯屡聖堕メンバー1「ですが、広範囲高密度生体センサーに反応もあります。」
エリシェ「深海生物が住む世界、と言う事ですね。」
   正に未踏の地、である。しかしそこに住む生命体も凄いものだわ。地球にはこうした生命体が
   数多く住んでいる証拠だろう。人間だけが好き勝手して良い惑星ではない。

エリシェ「では例の未確認物体の方角に向かって下さい。それと、第一次戦闘配備を。」
躯屡聖堕メンバー1「了解です。」
    無音の深海を進むレプリカ伊400。しかし艦内は第一次戦闘配備から、慌ただしく動く。
   相手の素性が分からない以上、万全の状態で進むしかない。
ミスターT「もし・・・こちらよりも遥かに巨大な代物の場合、対処できるのかどうか不安だが。」
エリシェ「艦首搭載のスーパーレールガンなら、地球クラスの岩石惑星すら破壊できるとの事です。
     それが有機物だろうが無機物だろうが関係ないそうで。」
ミスターT「となると、射撃する場面か・・・。」
   超巨大豪華客船以上の船体の場合、海底での大爆発はそこに吸い込まれる怖れもある。ここは
   態と海上に出させて破壊するのが無難か。それか殆ど全物質が摩擦熱で消滅する大気圏か。
   問題はそこでどうやって破壊するかになるが・・・。
ミスターT「・・・挑発しつつ、海上へ引き上げて破壊が無難か。」
エリシェ「懸念される部分から踏まえると、それが妥当案でしょうかね。」
ビアリナ「そう言えば・・・海底まではゆっくりと進みましたが、海上へ向かう際の減圧時間などは
     大丈夫なので?」
エリシェ「大丈夫だと思われます。ミュティナ様やルビナ様が仰るには、バリアやシールドは外部の
     全ての要因を通常の状態・・・まあ詳しくは分かりませんけど。」
ミスターT「レプリカTa152Hでも、酸素マスクなしで高々度戦闘ができたしな・・・。」
   う〜む、バリアやシールドの恩恵は本当に素晴らしいとしか言い様がないわ。

    人間が減圧せずに急浮上した場合、潜水病になるとの事だ。ただそれは潜水艦内で守られて
   いる場合どうなるかは不明である。実際に先程の潜航の際は、トンネルなどに入る時の耳への
   負担が全くなかった。

    レプリカTa152Hでの空中戦時もそうだ。高々度という低酸素でも、地上と同じ空気を
   吸えていた。しかも酸素マスク無しで、である。更に当時は寒くもなかった。今も同じだ。

    このバリアとシールドの性質は、地球上での熱気や冷気と言った概念を無視するようだ。
   通常の状態を維持するという・・・まあ詳しい事は分からないが。とにかく凄まじい力の1つ
   なのは痛感できた。

ミスターT「・・・この様相、レプリカ大和やレプリカ伊400では対処し辛くなりそうだな。」
エリシェ「・・・規模の問題ですか。」
ミスターT「ああ、サイズ問題でね。」
    ふと脳裏に過ぎった事を呟くと、直ぐに意図を読むエリシェ。レプリカ大和は263mの
   巨体だが、レプリカ伊400は122mと小柄である。今の原子力潜水艦は300mを超える
   ものがあるから、いくら総合的に強くても押される可能性は十分有り得る。
ミスターT「先刻のネタで挙げたレッドノアの設定サイズは12.2kmだそうだ。対して映画は
      インデペンデンス・デイのは約20kmと破格のサイズと。続編なんか4800kmの
      超破格サイズだ。ミュティ・シスターズやルビナの母船はそれ以上の規格になる。」
ビアリナ「揶揄ですが、アリがライオンに勝つ事もできますよ。」
ミスターT「そりゃあまぁ、耳から侵入して脳を潰せばねぇ。」
エリシェ「ですが、その仰りたい意味合いは重々承知しました。その不安要素は何れ出るであろうと
     踏んでいたので、何とかしていきます。」
ミスターT「・・・どういった事をするかは、問わないでおくわ。」
   不気味に微笑むエリシェに呆れつつも期待した。規模の問題なら、単純に巨大化すれば済む。
   となれば・・・まあ大体は読めてくるわ・・・。


躯屡聖堕メンバー1「未確認物体の様相が判明しました! レーダーから推測するに、13kmの
          超巨大物体です!」
    慎重に進むレプリカ伊400。すると躯屡聖堕メンバーが興奮気味に叫び出した。その様相
   は推測した通りのものだったからだ。
ミスターT「はぁ・・・、レッドノア・クラスの宇宙船という事か。」
ビアリナ「と言うか、何だってここに・・・。」
ミスターT「ウヘヘウヘな本を隠すのに、見つかり易い場所に仕舞うか?」
ビアリナ&エリシェ「あー・・・。」
   先程のビアリナの揶揄をもじって、今度は俺が揶揄ってみた。それにエリシェも含めて非常に
   気に食わなさそうな表情を浮かべだす。しかし的を得た内容だと納得はしてくれたようだ。
   それだけこの宇宙船は人類には見つけて欲しくなかったという事になる。
ミスターT「まあその揶揄はさておき、この物体が一体誰の仕業なのかが気になるが。」
エリシェ「ミュティナ様やルビナ様も分からないとなると、これは第3勢力の宇宙船と取るのが無難
     ですかね・・・。」
ミスターT「十中八九そうなるわな。そして確実に言えるのは、これが今の俺達には脅威になると
      いう事だ。」
   俺や躯屡聖堕メンバーが気付いた。レプリカ伊400の接近を感知した未確認物体は、突如と
   して起動を開始したのだ。静かに鎮座していたそれは、正に宇宙船と言うべき代物である。

ミスターT「一同に伝える。相手の出方が全く読めない。また深海なだけに未知の展開になるかも
      知れない。十分覚悟してくれ。」
    内部通信で一同に伝えると、恒例の如く雄叫びで返してくる面々。宇宙船から放たれる光で
   周りが明るくなり、ここが深海とはとても思えない。それだけ相手の規模がデカく、こちらが
   地球なら向こうは太陽という差だろう。
躯屡聖堕メンバー1「未確認物体が浮上を開始!」
ミスターT「俺達も追走しよう。戦闘配備は維持し続けてくれ。」
躯屡聖堕メンバー2「了解!」
   ゆっくり浮上を開始する宇宙船を追走するレプリカ伊400。今後を考えると、規模の問題で
   太刀打ちできるかどうか不安だが。ただ相手が宇宙船なら、ギガンテス一族とドラゴンハート
   一族のテクノロジーは十分通用する。バリアやシールド、そしてスーパーレールガンが特効薬
   になるのは言うまでもない。

    この今の様相は、アニメ“不思議の海のナディア”で宇宙に向かうレッドノアを追走する
   ニューノーチラス号なさがらだ。しかしまだ地球上での話であれば、活路は見えてくる。

    相手が人類や2大宇宙種族に敵対するなら、俺も徹底抗戦を貫いてやるわ。それが今の俺に
   できる最大限の使命だ。

    中半へと続く。

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