アルティメット
エキサイティングファイターズ
外伝6
〜覆面の警護者〜
     アルティメットエキサイティングファイターズ・外伝6 〜覆面の警護者〜
    〜第2部・第4話 大規模襲撃1〜
    ケルマディック海溝から浮上した宇宙船。アニメ“不思議の海のナディア”は神聖大要塞
   レッドノアを彷彿とさせる、カルダオス一族の宇宙船である。その頭領はヘシュナらしい。

    しかしミュティナ達やルビナが呆れるほどの猪突猛進で、その考えは完全に戦闘種族と言う
   しかない。悪く言えば、要らぬ火種を撒き散らすトラブルメーカーである。

    それでも彼女達が言うには、まだヘシュナは悪道ではないとの事だ。後は俺達次第で変化
   していくだろう。周りは俺が彼女を説得できると言うが・・・。

    ともあれ、今はあの宇宙船がハワイなどを回っている。今後どういった行動をするのか、
   静かに待ち続けるしかない。



    ヘシュナと対峙してから数週間後。日本の防衛をレプリカ大和とレプリカ伊400、そして
   各軍団に任せた。超レプリカ大和と超レプリカ伊400は、東京湾より南の海上で鎮座中だ。
   あまりにもの巨大さで港に入れないのもあるが、その兵装で日本全土を防衛できるために遠方
   を待機場所として選んだのだ。

    今は地元の喫茶店で有事に備えて牙を研ぎ澄ませている。有事は各種移動手段で行動をする
   事になるが、最悪は転送装置による移動との事だ。確かに最短で目的地に向かう事ができる。
   あまり多用はしたくないが、力があるなら使ってこそのものだわな。

ミスターT「はぁ・・・日常が恋しい・・・。」
ルビナ「ハハッ、戦々恐々状態ですからね。」
    厨房でお客さんのオーダーを作る。ウェイトレスはルビナが担当している。カウンターには
   ミュティナが色々な機器を使って情報収集に明け暮れていた。彼女の真骨頂はこうした機器群
   強さにあるとの事だ。
ミスターT「ヘシュナ自身を敵視したくはないが、最悪は直接対決しかなくなるか。」
ルビナ「ですね。まあテクノロジーのレベルでは私達は勝てません。しかしいくら宇宙戦闘種族と
    言われるカルダオス一族も、私達と比較しての種族自体の戦闘力だと話になりませんが。」
ミスターT「何処がどう逆転しているのか分からんわな・・・。」
   本当にそう思う。テクノロジーのレベルだとカルダオス一族が郡を抜いているそうだが、種族
   のレベルだと遥かに低いとの事だ。それでも地球人からすれば逸脱した戦闘力なのは言うまで
   もない。

ミュティナ「正直な所、直接対決なら殴り飛ばすだけで完全に勝てますよ。」
ミスターT「・・・お前達の怪力の前には誰も勝てんわな・・・。」
ルビナ「本当にそう思います・・・。」
    ルビナして脱帽状態の様相。ギガンテス一族の単体戦闘力は超絶的としか言い様がない。
   軽くボヤキを入れると、不気味なまでにニヤケ顔になるミュティナ。最近こうした人間らしい
   言動ができるようになってきたわ。
ミスターT「超能力の部分ではルビナの方が強いんだろ?」
ミュティナ「それは無論・・・。」
ルビナ「私達はミュティナ様方の様な怪力とタフネス振りは無理ですが、超能力による力で補って
    いる形になりますね。」
ミスターT「外見に騙されるクチだわな・・・。」
   ミュティナの背丈はミツキに近い様な小柄である。対してルビナは9女傑のメルデュラ達と
   同じ様な巨女である。それでいて力の出具合が真逆となっているのには、ただただ驚くしか
   ない。

ミスターT「・・・となると、ヘシュナはやはり精神的力が強いと取るべきか。」
ルビナ「やはり見抜かれてましたか。」
    推測の域での答えを語ると、見事だと称えてくるルビナ。作業中のミュティナもウンウン
   頷いている。となると、この3大宇宙種族は1人の生命体から3つに分かれた形になるのか。
   ミツキ・ナツミA・シルフィアが三位一体な感じと同じだろう。
ルビナ「相手の精神を乗っ取る事は容易にできます。マインドコントロールと言いますか。まあ彼女
    自身はその表現を大変嫌っていますし。」
ミスターT「なるほど、絶対悪ではない証拠はそこにも出てくるか。」
   本当に悪人であるなら、力があるなら何でも使うのが筋だろう。カルダオス一族が相手の精神
   を乗っ取る事ができるなら、それを用いた方が遥かに有利に事が運べる。それをヘシュナ自身
   が相当嫌っている事から、それ以外の実力で動いている形になるか。
ミスターT「ギガンテス一族は物理力勝負で、ドラゴンハート一族は魔法力勝負かな。」
ミュティナ「そんな感じでしょう。むしろカルダオス一族は技術力勝負になるのかも。」
ルビナ「あー、確かに。単体戦闘力だと私達の足元にも及びません。しかし軽快な動きを得意として
    いるため、数で翻弄されると厳しいものでも。」
ミスターT「へぇ・・・軽業師な訳か・・・。彼女達はオールマイティという事だな。」
   オーダーの食事を完成させ、ルビナに手渡す。それをトレイに乗せてお客さんに運んでいく。
   彼女達の話で、カルダオス一族の事が大体読めてきた。


    3大宇宙種族のギガンテス一族・ドラゴンハート一族・カルダオス一族。どれも一長一短の
   能力を持っている。しかし、その能力は人間を遥かに凌駕するものだ。

    ほぼ無限大に近い再生能力の体躯を持つギガンテス一族。自慢の超怪力と重力制御の理も
   合わさり、物理的パワーは完全無欠そのもの。地上であれば正に天下無双である。更に数多く
   の能力もある事から、実質は最強の宇宙種族に等しい。

    ギガンテス一族には一歩及ばないが、並外れた再生能力の体躯を持つドラゴンハート一族。
   それでも重力制御の理を得ているため、人間では有り得ない力を有している。顕著なのが物質
   を持ち上げ浮遊させる超能力だろう。魔法的パワーなら完全無欠だ。

    そしてカルダオス一族。まだ完全に把握し切れていないが、技術的パワーは最強という。
   ギガンテス一族やドラゴンハート一族をしても敵わないとの事だ。しかし種族としての能力に
   なると最弱のようで、直接対決の場合は遠く及ばないらしい。

    この3大宇宙種族は言わば、1人の生命体が3つに分かれた形の姿と言える。どの種族も
   特化した能力を持っているため、決して引けを取る事がない。お互いに支え合えば、これほど
   最大最強と言えるものはないだろう。


    しかし、現状はカルダオス一族の様相か。技術的パワーを有していて、それでいて戦闘種族
   と言う事。争い事には長けていると言える。ただ直接対決が厳しいとあるから、それを超越
   した技術力で圧倒している。先の事変だと、ケルマディック海溝に鎮座していた宇宙船だ。

    そしてどういった因縁か分からないが、ギガンテス一族とドラゴンハート一族とは犬猿の仲
   に近い様子。ヘシュナ自身の問題だろうが、ミュティナ達やルビナを見るなり怒りに満ちた
   様相を醸し出していた。相当な因縁があると思える。

    この事から、今後の流れは大体推測できる。ギガンテス一族とドラゴンハート一族が地球上
   での好待遇を考えれば、こちらを好く思わない連中に加担するのは間違いない。例の無人兵器
   郡を送り出してきている未知の軍勢だ。

    最悪の場合、3大宇宙種族をも巻き込んだ争いになるだろう。その時、地球人はどういった
   対応を取るのか。まあ確実に言えるのは、俺自身はギガンテス一族とドラゴンハート一族に
   加勢するという事だ。これだけは断言する。


ミュティナ「・・・本当に申し訳ありません。」
ミスターT「ん? ああ、心中読みか。気にするな。」
    色々な考えを巡らせていると、心中を察したミュティナが謝罪してくる。それにルビナも
   同じく申し訳なさそうな表情を浮かべていた。この場合は一蓮托生でもあるのに、彼女達は
   自分達が原因であると思っているようだ。
ミスターT「遠縁のスミエが守り抜いた一族だ、そのお前達を同じ遠縁の俺が守らないでどうする。
      これは俺の宿命そのもの。だからこそ使命に変える必要がある。」
ルビナ「しかし、実際に苦痛を与えてしまっているのは確かですよ。」
ミスターT「先日スミエが言っていた事を覚えているか?」
ミュティナ「苦節を糧として喰らい尽くし進むのが警護者の使命、ですか。」
ミスターT「正にそれだ。そこに帰結するなら、これらの流れには全て意味がある。今は辛いが、
      必ず打開していく。それが人生というものだよ。」
   休憩していたシュームが2階から降りて来た。その彼女に厨房を任せ、俺はカウンターに座り
   一服する。警護者の道は順風満帆ではない。波乱万丈に満ちた修羅の道そのもの。ただこの
   苦痛も全て己の糧になるのだと、自然と把握していくしかないのが実状である。

ミスターT「シュームさんや。灯台下暗し、は当てはまってるか?」
シューム「んー、大体合ってると思うわ。ミュティナちゃんやルビナちゃんは、遥か大宇宙を旅して
     来た。それにより広い視野で大局的に物事を見定めている。しかしそれが仇になって、
     直下が見れない時もある。」
ミスターT「だな。スミエが生き様のそれは、目の前の壁を1つずつ乗り越えてこそのもの。だから
      灯台下暗しには至り難い。お前達とは完全に真逆の生き様と言える。」
    2大宇宙種族たる彼女達は、物事を全て大局的に見定めている。計り知れない超寿命の中を
   生きるため、目の前を見る機会が非常に少ないのだ。いや、見ていても見落としている可能性
   も十分ある。それが今の彼女達であろう。
シューム「一歩一歩前に進んでこその人生。それが当たり前にできる事自体が何よりの幸せよね。
     それを根底から覆そうとしているのが連中。ヘシュナちゃんは誤った生き様をしている
     けど、根幹は曲がっていないと思うわ。」
ミスターT「初対面の人物を直感と洞察力で見定めるシュームが言うんだ、間違いないわ。同志の
      ナツミYUですら成し得ない業物だしな。」
   シュームはヘシュナ自身を巨大ホログラムでしか姿を見ていない。しかし流石は千里眼を持つ
   女傑である。その一挙手一投足で彼女の内在する力を見事に読んでいた。これはシュームで
   しかできない技だろう。
シューム「彼女は損をしているわよ。いや、カルダオス一族自体がそうなのかも知れない。貴方達を
     敵視する部分は分からないけど、間違った生き様なのは明白ね。しかし、ヘシュナちゃん
     は一族に変革をもたらす人物になるのかも知れないけど。」
ミスターT「意固地に固まった部分を壊す存在、か。」
シューム「そう。まあその切っ掛けは君が挑んでこそだろうけどね。」
   相手の頑なな心情を和らげるのを得意としている自分。それを見抜いているシュームが太鼓判
   を押してくれた。最後は対話という殴り合いでしか解決ができない。今までもその流れで進み
   続けてきた。否、警護者自体がそのクチだろう。


ミュティナ「私達にできる事があれば、何でも仰って下さい。」
ルビナ「同じく。最大限のご助力を致します。」
シューム「なら、先ずは笑顔ね。笑顔でいるから幸せになれるのよ。そこを忘れないようにね。」
    実にシュームらしい。いや、これはミツキ・スタイルの生き様だろう。幸せだから笑顔に
   なるのではない。笑顔であり続けるから幸せになれるのだ。ミツキの姿が正にそれである。
   それを彼女達に告げると、自然と笑みを浮かべる所もまた凄いものだ。
ミスターT「ミツキ・スタイルが全ての特効薬か・・・。」
シューム「前は理解できなかったけど、今は心の底から理解できるわね。」
ミスターT「敬い・労い・慈しみの精神、持ちつ持たれつ投げ飛ばす。」
シューム「後は君が最近心懸けている、“一喜一憂するな”でしょう。」
ミスターT「あら、見抜かれてたか。」
   俺の新たな指針を見事に見抜いていた彼女。最近はこの考えが何度も脳裏に過ぎる。それだけ
   感情の起伏が激しい証拠か。いや、そうならざろう得ない状況が多いという事だな。
ミスターT「まあそれでも、何が何でも先に進まねばの。」
シューム「一歩ずつ前へ、ね。」
ミュティナ「私が言うのも何ですが、生きるとは難しいのですね。」
ルビナ「本当にそう思います。」
シューム「それが正に人生の醍醐味よね。」
   カウンターに座る2人が溜め息混じりに呟く。この2大宇宙種族の女傑が言うのだ、相当な
   苦悩があるのだろう。何だかんだで、彼女達も俺達と全く変わらない証拠だわ。

    今後の流れは、より複雑化していくだろう。警護者としての道から反れている感じがして
   ならないが、それでも必要とあれば動くに限る。まさか3大宇宙種族も交えた戦いに発展した
   のには驚くが・・・。

    しかしこの道はスミエが通ってきた道でもある。しかもたった1人でだ。紆余曲折しつつも
   一歩一歩前に進んだ結果が今に至る。ミュティナ達やルビナ達が存在できるのも、スミエが
   苦難の道を戦い切った実証だからな。本当に素晴らしい女傑だわ。

    今度は俺の出番かも知れない。スミエの遠縁の者として、今現在の難関ともなるヘシュナ達
   をどう説得していくか。それにスミエには悪いが、彼女の時と違い今の俺には数多くの盟友が
   いる。彼らと共に進んでこそのものだ。

    よくよく考えると、警護者の道は本当に難しいものである・・・。



    数日後。事態は思っていた方に進んでしまった。この場合はマイナス面と言うべきだろう。
   ヘシュナを頭にするカルダオス一族は、まだ見ぬ暗躍者と結託したのだ。しかもこの短期間に
   世界規模へと発展したのだ。

    ギガンテス一族とドラゴンハート一族は、長い年月を経て地球と地球人に馴染んでいった。
   しかしカルダオス一族は僅か数日の間にそれを成し遂げたのだ。この場合は彼らが十八番、
   精神操作によるものとも思える。それか暗躍者側と利害一致で手を結んだのだろう。

ミスターT「・・・・・。」
ミツキ「怒りが現れているわぅ〜。」
ナツミA「怒りと言うより呆れよね。」
    喫茶店にオールスターが揃う。現状を鑑みて、急遽作戦会議を開く事になった。不測の事態
   を想定して、今は店舗を貸し切りにしている。常連さんや一般のお客さんには申し訳ないが、
   今はこちらの方を最優先とせねばならない。
エリシェ「薄々は予測していましたが、まさかこうも短期間で動いたのには驚愕してますよ。」
シルフィア「例の精神操作の流れと取るべきかな。」
ラフィナ「ほぼ間違いないと思います。」
   臨時の指令部となった店舗には、数多くの機器が搬入されている。まるで一大サーバーブース
   と言うべきか。電気代よりもブレーカーが落ちないか心配だわ・・・。
スミエ「最近の機器群は消費電力が少ないですから大丈夫ですよ。」
ミスターT「あら・・・読まれたか。」
シルフィア「今のT君は内情を恐ろしいぐらい剥き出しにしてるから、誰だって読めるわよ。」
   スミエとシルフィアの内情読みはさる事ながら、周りの面々もウンウン頷いている。それだけ
   俺が苛立ちを募らせている証拠だな。

シルフィア「まあそれよりも、今後がどうなるかよね。」
エリシェ「どうするか、ではなく?」
シルフィア「そう。この神速的進軍速度からして、一両日中にここに攻めてくるのは間違いないわ。
      それだけ今までこちらを監視していたか、それか懸念を感じていたから至ったとしか
      言えないわね。」
    茶菓子を頬張りながら語る彼女。語られる内容は、俺達が独占的に恩恵を受けていた事への
   懸念が淵源だろう。だからカルダオス一族と即座に手を結んだ事になる。しかも向こうは3大
   宇宙種族の中で、凄まじい技術力を有している。
ミュセナ「どうします? 私達やルビナ様方のも含め、母船・大母船・超大母船を駆使して威圧を
     掛けますか?」
スミエ「究極の一手ですが、今動くと火に油を注ぐようなものですよ。静かに、その時が来るのを
    待ちましょう。」
ナツミYU「ですが、それで更に事態が悪化に至った場合は?」
スミエ「それも大丈夫です。元来から生命体自体に内在する力が阻害しますから。それが世上の理、
    この地球すらも生命体の1つである証拠です。昔も・今も・これからも。」
   格言的な言葉を述べるスミエ。それは長年戦ってきた者でしか言い切れないものだ。そして
   彼女が帰結するそれは、理路整然と解釈できる物事でないのも事実。大宇宙を超越する、万物
   全てに内在する力を言い当てている感じか。

    中半へと続く。

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