アルティメット
エキサイティングファイターズ
外伝6
〜覆面の警護者〜
     アルティメットエキサイティングファイターズ・外伝6 〜覆面の警護者〜
    〜第2部・第4話 大規模襲撃3〜
ミスターT「・・・軍服連中の時と同じ流れ、か。」
デュシアL「兵士が違うだけですからね。」
    戦えば戦うほどに連携力が強まっていく面々。特にトラガン所属の女性陣が目覚ましく、
   今では俺の方が助けられている感じである。正に生粋の活人戦闘集団と言える。
ミスターT「・・・気付いたんだが、野郎が俺1人しかいない・・・。」
シューム「あら、何を今更な感じよねぇ。ハーレムで嬉しいんじゃない?」
ナツミYU「本当ですよねぇ。」
   トラガン所属の女性陣は出で立ちこそ男装だが、その全てが女性である。エルシェナを筆頭に
   女性で構成された精鋭中の精鋭だ。また身内の面々も全員が女性になる。四天王は店舗側の
   守りに就いているため不在だ。
デュリシラ「ですが、先の性転換時から貴方が女性に見えて仕方がないんですよ。女性の身体で一時
      を過ごしたからか、異性に対しての姿勢がまるで同性と接するかのようで。」
ミスターT「その目線の部分は何度となく体感しているよ。シュームが言う先見性ある目線になる
      のか、それが前と今とでは全く違う。」
   今も野郎としての異性への一念・・・まあ下心に近いものは出るが、それは上辺だけの一念に
   過ぎない。むしろそこに同性がいるかの様な感じに至っている。女性目線に立つ事で、これ程
   までに激変するとは驚きだわ。

スミエ「Tちゃんが保護されてから、暫くは女性の輪の中で育ちましたからね。その後はシェヴ様や
    ディム様の元で過ごしていましたので。」
ミツキ「そう言えば、Tさんのお父さんとお母さんは?」
スミエ「実際に誰かは分かりません。私との遠縁だという部分は、血液検査で分かっただけでして。
    それに草創期は、国内や国外を死に物狂いで戦っていましたので全く以て不明で・・・。」
    スミエが俺が記憶を失う前の内容を語る。彼女の言い分だと、どうやら本当に孤児の様だ。
   両親は誰だったかは分からないが、唯一分かるのはスミエと血縁がある事であろう。
ミュセナ「懐かしいですね。草創期はギガンテス一族やドラゴンハート一族、果てはカルダオス一族
     すら守って頂いていました。地球での永住権を獲得するために、反対する勢力を説得して
     回ったりと。今の様に技術力欲しさに襲撃を加える愚者を、たった1人で戦われていた
     のが実状です。」
ミスターT「前者の部分は俺の記憶の外だから分からない。例の飛行機事変で記憶を失っているし、
      思い出そうも思い出せないしな。ただスミエがばあさまだという事は自然と分かった。
      血筋が成せる技だろうけど。」
スミエ「当時からTちゃんは女性思いでしたよ。特に女性特有の痛みを察知するのが非常に敏感で、
    孤児院の女性陣の言わばドクター的役割でしたし。」
シルフィア「それが今では、ここまで鈍感になるとはねぇ・・・。」
エリシェ「純粋無垢故に察知できた、でしょうかね・・・。」
   うわぁ・・・物凄い殺気に満ちた目線で俺を睨んでくる女性陣。昔と今とでは大違いだと、
   その殺気を以て答えてくるようである。まあ色々な感情が重なっていく先が大人だから、この
   部分だけはどうしようもないが・・・。

スミエ「フフッ、まあまあ。でもその男性故に下心な一念を出すも、根底は支えたいという一念が
    強く滲み出ています。これは昔から全く変わりませんよ。」
ビアリナ「本当にそう思います。時々、その鋭い言動で気付かされる場合もありますし。」
シューム「性転換してから、余計拍車が掛かった感じよね。」
ミスターT「褒められているのか貶されているのか分からんわ・・・。」
    人型機械兵器と傭兵軍団を叩きのめしながらの会話をする面々。まるで座談会そのものだ。
   それでいて劣勢にならないのが恐ろしい話である。むしろ会話の邪魔をするなと、より一層
   攻撃が増しているのが何とも言えない。
ミツキ「以前Tさんが、私と一緒に戦えて光栄だと言ってましたよね。」
ミスターT「そうだな。お前のその姿勢は、今後の世上を照らす太陽の如く。そのお前を守れるの
      なら、俺は命を賭けてもいい。」
ミツキ「私も同じ一念です。守られっ放しじゃ失礼ですから。私にできる事を、今後も貫きますよ。
    それが私の生き様です。」
ミスターT「本当に光栄な限りだわ。」
   ミツキの姿勢が今の世上に太陽の如く照らすのは言うまでもない。それにこの姿勢は全ての
   人間に内在する力でもある。全ての人間がそこに回帰するなら、世上から悲惨や孤児という
   概念は完全に消え失せるだろう。その先陣を切るのが彼女だ。


シューム「・・・本当に羨ましい。純粋無垢の師弟の理よね。」
ナツミYU「ですね。そして非常に輝かしい。一瞬でも恋愛事だと思った自分が情け無いです。」
スミエ「ミツキ様の生き様は、全ての人が開花した姿そのもの。その上辺の生き様は千差万別も、
    根底の一念は生命という偉大な存在ですからね。私も草創期からそう有り続けねばと思って
    進んできましたが、ここまで自然的に体現されている方は初めて見ますよ。」
ナツミA「ポチ故の無限大のパワー、か。」
    ミツキの生命力は理路整然と語れるものではない。純粋無垢故に超自然体なのだ。先にも
   言ったが、全ての人間に内在する力を体現している。俺達も同じ力を持つと言うが、実際に
   湧き出して演じるのは相当な力が必要であろう。
ミツキ「まだまだ修行が足りぬな、パダワン達よ。」
エリシェ「アッハッハッ! 本当にそう思います。ミツキ様の生き様の有り様が、全ての人の淵源と
     なる力の源。正に生命力の次元でしょう。そしてその一念が世上から悲惨と孤児を消滅
     させていくパワーにもなる。ミツキ様の様に有り続けたいものです。」
ミュセナ「宇宙種族の私からしても、ミツキ様の生命力は逸脱していますからね。超自然的な力と
     言うべきもの。しかもそれが神話などにある神々ではなく、凡夫という人間で体現して
     いる部分も素晴らしいものです。」
スミエ「人は神にはなれませんからね。むしろ超越的な存在になる必要も全くありません。有りの
    侭の凡夫の姿で生き様を示す。人とは何なのかを見せていくように。」
デュリシラ「凄いですよね。人としてのあるべき姿を自然体で体現するのは。」
ミツキ「ワンコのパワーを知れー!」
   会話の途中で猛攻を加えてくる傭兵軍団に、物凄い怒りの表情で一撃を加える彼女。邪魔を
   したツケを払った感じだろうか・・・。

    人間は凡夫である故に、諸々の右往左往で悩まされるのは1つの持って生まれた業だろう。
   常に付き纏う無明そのものになる。しかしそれらを押し留め、その先にある栄光の道を勝ち
   取る事ができるのもまた凡夫だ。

    ミツキはその生き様を純粋無垢から成せる生き方で体現している。しかも自然的に、だ。
   更にはそれを継続して思う存分発揮できるのも凄まじい。本当に見習いたい生き様である。

エリシェ「私達大企業連合も、ミツキ様の生き様を少しでも体現できれば幸いです。それが世上から
     悲惨と孤児を少なくしていくのに繋がる。私達の明確な誓願ですよ。」
ラフィナ「ますます以て頑張らねばなりませんね。」
    エリシェを筆頭とする大企業連合は、ミツキ流の生き様が色濃く根付いている。人命尊重を
   最優先としているため、そこに自然と回帰するとの事だ。それに先にも挙げたが、悲惨な様相
   を見た面々が集い合っているのが同連合である。無意識に回帰するのは言うまでもない。
ミスターT「前途多難だが・・・やってやれない事はない、だな。」
エリシェ「何を愚問な感じですけどね。それでも一歩一歩進んでこその生き様ですよ。」
ミスターT「そうだな。」
   結局はここに回帰するのだろう。人生とは一歩一歩と進んでこそ成し遂げられる生き様だ。
   そこに諸々の要因が合流する形だが、淵源もそこにあると言っていい。難しく考える必要など
   全くないのだ。有りの侭の姿で進んでこそ意味があると。

    不思議なものだ。大規模襲撃をされているのに、お互いの原点回帰を振り返っているのだ。
   如何なる環境であれ、そこが己の戦場であれば申し分ない。1つずつ乗り越えてこそである。
   その繰り返しが生き様に帰結していくのだから。

    やはり何度も思うが、敵対者は損な事をするものだ。こうして無駄に攻めてくるだけで、
   俺達の団結力と結束力はより一層強さを増していく。純然たる生き様に回帰していくのだ。
   本当にこちらを潰したいのなら、最大戦力を以て来るべきだ。要らぬ考えをさせる暇がない
   ぐらいにな。

    まあ全ての要因をプラスに変換するミツキ流の生き様。この前では如何なる弊害も全て糧と
   なるのは火を見るより明らかだ。相手も実に損だわな。



    凄まじい現状だ。人型機械兵器や傭兵軍団がそこらかしこに倒れている。ただ人型機械兵器
   の方は完全に破壊しても問題ないが、傭兵軍団の方は人間なので注意が必要である。まあ殺害
   しなければ、徹底的に痛め付けても問題はない。

    相手はこちらを殺しに掛かってくるのだ、要らぬ感情を抱く自体間違っている。当然不殺は
   貫くが、それ相応の対応はさせて貰うわ。ここは思い知らせる事も必要な行動である。

ミスターT「あの特殊部隊との戦いの方が、いかに楽だったかが思い知らされるわ。」
エリシェ「ですね。少なくとも相手は軍服連中に懸念を抱いていましたし。そこを突くと言っては
     失礼ですが、説得した感じになりましたから。」
    当時の特殊部隊の兵士達の殆どが、軍服連中の言動に懸念を感じていた。自分達を捨て駒
   当然に扱う様に反感も抱いていた感じである。そこを利用した形にはなるが、正しい生き様を
   示す事で説得できた感じになる。
ナツミYU「同じ人間なのに、何でいがみ合うのですかね。」
シューム「過去の歴史が全て物語ってるわよ。スミエ様が一番目にしてきたと思いますが。」
スミエ「それこそダークサイドの兆し、それが当てはまります。」
   無尽蔵で動けるミュティ・シスターズとルビナ以外は、休憩を挟んでの対決となる。戦闘の
   最中に休憩は非常に危険だが、お互いに守り合うため全く以て問題がない。茶菓子を頬張って
   寛いでいるミツキには呆気に取られるが・・・。
ミツキ「もぐもぐ・・・アレわぅ、ジェダイの騎士でも発足するわぅか?」
ラフィナ「でもそうすると敵方をシスにしないといけませんよ。」
ミツキ「にゃらば、ここはワンコの騎士でOKわぅね!」
ナツミA「はぁ・・・。」
   この戦闘中に茶菓子を頬張り雑談する様相は、本当に見事としか言い様がない。そこに襲撃
   しようとする傭兵軍団を、トラガンの女性陣が一蹴しているのも何とも言えないが。

ミスターT「・・・また性転換でもするかね・・・。」
エリシェ「はぁ・・・女性ならではの目線でいられるから、ですか・・・。」
ミスターT「俺だけ浮いているわ・・・。」
    こちら側では俺しか野郎がいないため、非常に浮いているのは言うまでもない。それに周り
   の女性陣の戦う姿が非常に美しい。この大乱闘でも洗練された姿を出すのは、生粋の女性と
   いう性別だから成し得るものなのだろうな。
スミエ「TちゃんはTちゃんのままで良いのです、性別など関係ありませんよ。」
シューム「そうですねぇ。それにイヤラシい目線で見つめる存在を蹴るのも醍醐味ですし。」
ナツミYU「あー、確かに。」
ミスターT「何とも・・・。」
   相変わらず異性に関して下心目線で見れば、周りの女性陣に殺気に満ちた目線で睨まれる。
   身内の女性陣なら分かるが、最近はトラガンの女性陣からも睨まれている。この様相からして
   非常に居辛いわ・・・。
ビアリナ「それでもナツミA様方やルビナ様方の力を出せる技を除く場合だと、力仕事をする場合は
     本当に助かります。その部分は女性は非力としか言い様がないかと。」
ミスターT「・・・9女傑の中で逸脱した3人がいてもか?」
ミツキ「むっふー♪ ビッグ・レディまっしぐらわぅ!」
   今ではエリシェとラフィナの専属警護者になる9女傑。その中のメルデュラ・リヴュアス・
   メアディルは身内女性陣の中で一番体格が良い。彼女達なら力仕事はお手の物だろう。


シューム「そう言えば、失礼だけど9女傑の中の3人って歴戦の強者なの?」
エリシェ「サンフランシスコの壁ってご存知ですか?」
ナツミYU「・・・あの依頼を戦い切ったのですか・・・。」
    エリシェが語る内容に、ナツミYUが物凄い驚いた表情を浮かべだした。俺も詳しい事は
   分からないが、相当な激戦であったと言われている。
ミスターT「そんな凄い戦いだったのか。」
ナツミYU「アメリカで1・2位を争うマフィア同士の抗争に、地元の保安官郡が巻き込まれたのが
      発端で。そこに偶々休暇中だった3人が、簡単な装備で挑んだのです。」
エリシェ「立て前だと、“警護者は依頼を受けねば動かない”とあります。しかしマフィア同士の
     抗争は熾烈を極め、お住いの方々にまで飛び火したのが発端だったと思います。言わば
     無償での介入という事で。」
ナツミYU「更に凄いのは、重火器を一切使わず終息させた事です。」
ミスターT「・・・体躯が成せる技、か・・・。」
   驚愕するしかない。マフィアと言えば重火器の使用は当たり前の流れである。そこに重火器を
   使わずに介入するのは相当危ない。更に言えば3人は女性だ。もし捕まれでもしたら、その後
   の末路は想像が付く・・・。
エリシェ「その思われている部分は大丈夫だったそうですよ。」
ミスターT「これだから野郎は・・・、本当によかったわ・・・。」
ナツミYU「フフッ、本当に女性目線で。」
   本当にそう思う。性転換をしてトラガンへの潜入捜査と修行を行った経緯から、女性側の目線
   に立てるようになった。しかも元の野郎に戻っても、その目線は失われるどころから更に強く
   なっている。こうして女性陣と共に戦う事で開花させられている感じだ。

ミスターT「結果だが、ここに3人がいる事が正にそれか。」
エリシェ「ですね。正に無血革命で終息させました。誰1人として死者を出さずに。まあ負傷者は
     相当な数になりましたけど。」
ナツミYU「その後の話だと、マフィアからも一目置かれるようになったそうよ。死者が出る事を
      覚悟の上で抗争を開始したのが、言わば喧嘩両成敗で終わった。そのレディ・パワーに
      心から感服したそうで。」
ミスターT「レディ・パワーねぇ・・・。」
    警護者の介入は、どちらかの勢力に加担して動く事になる。当然敵対した側からは目の敵に
   されるのは言うまでもない。更には加担した側からも、イレギュラーな戦闘力を持つ警護者を
   煙たく思う場合もある。3人の場合は両者共に成敗した事により、言わば仲良しこよしな感じ
   にしたとも思われる。しかも誰1人として殺さずに、だ。
エリシェ「アメリカは重火器社会で、世界各国から目の敵にされています。国内でもそれらから派生
     する抗争もありますし。しかしそこは大企業連合と躯屡聖堕チームですよ。幅広い情報網
     を構築し、犯罪や抗争を未然に防いでいく。まあ全部防ぐ事はできないので、その場合は
     警護者の出番になりますが。」
ミスターT「なるほどな。日本は国内での抗争は殆どないから感じなかったが、海外では警護者郡が
      大活躍している訳か。」
ナツミYU「警護者も徐々に変わりだしていますよ。依頼がなければ動かない所を、明らかに理不尽
      極まりない抗争や紛争には問答無用で介入していく。まあスポンサーが大企業連合と
      躯屡聖堕チームですから、実働部隊な感じになりますけど。」
ミスターT「実働部隊ねぇ・・・正に調停者だわな。」
   今も暴れる女性陣を見つつ、一服しながら思う。先の軍服事変により、世界規模で警護者の
   存在が見直されだした。

    圧倒的戦闘力で介入するため、煙たく思われるのは無論で目の敵にされるのが通例である。
   そこで大企業連合と躯屡聖堕チームの出番なのだろう。この2つからすれば泣く子も黙ると
   恐れられる程の集団に近い。調停者集団とも言えるか。更に突っ込めば裁定者集団に近い。

    しかしそれらを面々は大いに嫌っている。人としての人権や尊厳を最優先とするからこそ、
   問答無用で介入し終息させる。大企業連合も躯屡聖堕チームも、所属する面々の殆ど全てが
   戦闘を経験しているという。だから天下安穏を求めるのだろうな。

    誰よりも悲惨や孤児を悲しむからこそ、大企業連合と躯屡聖堕チームが必要になってくる。
   そこに同調した形が警護者となる。言わば今のトラガンの位置付けと同じだろう。

    今後も抗争や紛争は続いていく。人とは争いの業からは逃れられない。だからこそ警護者の
   存在が役に立つのだろう。しかも活人技で制するため、誰も殺さずに終息させる。警護者が
   世界最強の戦闘集団と恐れられるのは、不殺の信念と執念を以ての力だからだろうな。

    もし警護者が不殺の信念と執念を解いたら、その時こそ最強最悪最低の存在に成り下がる。
   スターウォーズで挙げるなら、ジェダイの騎士がダークサイドに落ちたそのものであろう。
   シスの姿も、あながち今の世界ではフィクションとは言い切れない。


ミスターT「不殺の精神か・・・。」
ミツキ「もぐもぐ・・・警護者の最低限の一念わぅね。」
    トラガンの女性陣の戦闘力をマザマザを見せ付けられている。戦えば戦うほど力が増すのは
   気のせいではなかった。何でも吸収して強くなる様は、生粋の戦闘集団と言い切れる。しかも
   短期間でモノにしていくのだ、非常に恐ろしい様相である。
シューム「常にミツキちゃんの一念に立っていれば、絶対に陥らない境涯よね。」
ミスターT「だが、大切な人を傷付けられた場合は絶対とは言い切れない。お前やナツミYUが最愛
      の娘達が正にそれだ。」
ナツミYU「確かにそうですが、私達だけが大切な存在を抱えている訳ではありません。警護者郡
      以外にも大企業連合に躯屡聖堕チーム、どれもが大切な人を抱えています。」
ミスターT「俺の場合は、差し詰め全員だわな・・・。」
   本当にそう思う。今では大切な人の概念が、身内を通り越して世界の人々に拡大しつつある。
   だからこその警護者の道だ。でなければ、この道を貫く事などできはしない。

ミスターT「分かった。今後は一同を可能な限り守り通そう。それが俺の警護者としての集大成と
      取れる。死守とまではいかないが、徹底的に厳守し続けてやるわ。」
ミツキ「むっふー♪ 念話じゃないけど、Tちゃんの一念が意思の疎通の部分から十分感じ取れる
    わぅね!」
シューム「本当よね。しかもそれが女性特有の大海原の様に広く深い。まるで母の胸の中に抱かれて
     いる様な安心感。」
    ミツキが言う様に、俺が胸中で決意した一念が念話の応用で一同に伝わった様子である。
   この場合は強い信念と執念が一定の力を生み出すと、それが伝わると取れる。ギガンテス一族
   やドラゴンハート一族の十八番たる念話の触りを理解した感じだ。
ミスターT「まあ今は、目の前の愚物を片っ端から叩き潰すとしますか。」
シューム「いいねぇ・・・そのギラ付いた殺気、ゾクゾクするわぁ・・・。」
ミツキ「ウッシッシッ♪」
   一服をし終わり、両腕の拳を鳴らしながら戦場に介入する。休憩は終わりだ、ここからは全力
   で叩き潰すとしよう。また殺気も出ている事からか、それをいち早く察知したシュームが同じ
   様に殺気を出していた。彼女の場合は他者の一念に同調や共感する部分があるのだろうな。
   その強さを漸く窺い知れた感じである。


    残りの残党も彼女達と共に徹底駆逐して回った。当然殺害はしないが、二度と間違った道に
   進まないように楔を打つ必要はある。それこそ傭兵軍団には死ぬ様な恐怖感を叩き込みつつ、
   人型機械兵器は生命体ではないため完全破壊を行っていった。

    言わばこの人型機械兵器の完全破壊の姿で、傭兵軍団に死ぬ様な恐怖感を叩き込んでいると
   言っていい。人である・人ではない、その差ではあるが。不殺の一念を解いたらどうなるか、
   それを徹底的に見せ付けていった。

    この部分は俺は無論、シュームが得意としている戦術のようだ。普段は見せない末恐ろしい
   恐怖の姿を曝け出している。となると、普段は態と力をセーブしている感じだろう。

    それでも、結果的に悪道に陥る存在が少なくなるならそれでいい。そのためには、俺は今の
   役割を徹底的に演じ続けてやる。それが俺の生き様だ。

    第5話へ続く。

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