アルティメット エキサイティングファイターズ 外伝6 〜覆面の警護者〜 |
アルティメットエキサイティングファイターズ・外伝6 〜覆面の警護者〜 〜第3部・第04話 人工生命体6〜 喫茶店を身内だけにして貸し切り状態にする。それを確認すると、目の前に呆然と座った 4人の人工生命体に殺気と闘気の心当ての念波を当てだした。身体から軽く放出するだけで、 周りの面々は顔を青褪めだしている。 また念のために一同にはソファーなどに座って貰っている。俺の予想が正しければ、全員 気を失うだろう。例外はあるとは思うが・・・。 ヘシュナの力により、常人では考えられない力を得られた。その力と俺が従来から持つ特技 の1つである、殺気と闘気の心当てを織り交ぜる。非常に難しい感じなのだろうが、先程の バカ父達に繰り出した時と全く同じ手法だ。 俺が推測するに、この殺気と闘気の心当ては誰もができると思う。シュームやナツミYUが 嫉妬心を顕にして、殺気染みた目線で睨むアレと全く同じである。ただそこに相手を思う一念 があるのか、相手を殺すという一念があるのか。ここに掛かってくるだろう。 自然と高まっていく殺気と闘気の心当てを、呆然としながらもそれに当てられて怯える4人 に放ち続ける。むしろここはそれ以上の瞬発的な一撃を放った方が良いのかも知れない。 一度念波を弱めて落ち着きだした所を見計らい、自分が出せる最大の殺気と闘気の心当てを 繰り出した。ヘシュナに施された力も重なり、驚くぐらいの念波に化けたのだ。強烈な念波に 当てられて気を失う4人の人工生命体。しかし料亭での流れとは異なり、そこに何らかの力を 感じずにはいられなかった。 連中がどの様な手法でバカ父達を構成したのかは不明だが、恐らくこの応用で化けさせたの だと思われる。ただ善心の父達の意識を持つ人工生命体を、真逆の悪心に染め上げるのは相当 な要因が絡む。う〜む、非常に謎だわ・・・。 ミスターT「お目覚めかい?」 俺の予想は当たっていた。4人の人工生命体に放った、極限に近い殺気と闘気の心当て。 それの余波は仲間内全員に襲来し、案の定気を失ったのだ。強者の女性陣なら分かるが、何と ナツミツキ姉妹に恩師にスミエすら気を失ったのである。仕舞いには3大宇宙種族の面々も である。背もたれがない椅子ではなく、強引にソファーに座らせたのは大正解だった。 シルフィア「・・・うわぁ・・・私も気絶したのね・・・。」 スミエ「強烈極まりない波動ですよ・・・。」 ミスターT「俺ですら当てられて気を失いかけたよ。でも問題なさそうで良かったわ。」 意識を取り戻していく面々を見て、今度は逆に驚愕した。それは受ける前と受けた後の彼女達 の様相が激変していたからだ。ヘシュアの強化法を施されるのより凄まじい様相である。 ミツキ「うわぁ〜お! 何か凄い力が漲って来るわぅよ!」 ナツミA「う〜ん、これがあの時の殺気と闘気の心当ての集大成ですか。」 ミスターT「お前達を助ける時に、相手に放った奴の増幅版とも言えるしな。」 シルフィア「君の潜在能力は化け物よねぇ。」 スミエ「本当にそう思います。」 意識を取り戻すも、ハッキリとした状態になったのはこの4人だけだった。それ以外の女性陣 は茫然自失な感じである。3大宇宙種族の面々ですらそれである。4人の潜在能力が逸脱した ものだという事が痛感できる。 ミツキ「ところで、4人の方はどうなったわぅ?」 ミスターT「今の所は変化なしだの。」 今もソファーに座り、ボーっとしている4人の人工生命体。しかし劇的な変化になった。 そう、先程は黙りと意思がないような感じだった。ところが今はボーっとしているのである。 つまり今は出ていないが意思が現れたとも思える。 ナツミA「なるほど、確かに自我が現れたとも思えますね。ただまだ完全には目覚めていない感じに 見えますけど。」 シルフィア「問題は、あのバカ父達の真逆の性質を持つ人物を構築する。ここができるかどうかに なってくるけど。」 ミツキ「紐無しバンジージャンプとかやらせるわぅか?」 ナツミA「それ、直下に深度がある水海とかじゃないと無理よね。」 スミエ「ハハッ、本当ですね。」 う〜む、強烈な力をぶち当てる。ここが真逆の属性を誕生させる要因になるか。しかし実際 には難しいものだろうな。 ミスターT「まあ何にせよ、今は様子を見よう。それにまだ一同立てなさそうだしな。」 シルフィア「あら本当・・・。」 ミツキ「身体が痺れた感じになってるわぅよ。」 ミスターT「喋れるだけ凄いと思う。他の面々は喋る事すらできてないし。」 俺の言葉に周りの面々は小さく頷くだけであった。意識は取り戻し、こちらの話の内容は把握 している様子だ。だが女傑4人も含めて身体の自由が利かないのだ。相当強烈な念波という 事になる。 漸く一同が動けるようになったのは、それから1時間程度経過してからだった。先に動ける ようになったのは女傑4人で、その後に他の女性陣が続いていった。 そして確信的な事が分かった。殺気と闘気の心当てを受ける前と受けた後では、雲泥の差 とも言えるぐらいにまで覚醒していたのだ。ただそれはメンタル面への強化的なものでしか ないようだ。ヘシュナの強化法とまでは至ってはいない。 まあ生命体自体はメンタル面で全てが左右されるため、この俺流の強化法は十分通用すると 思う。あまり使いたくない手法だが・・・。 ちなみに4人の人工生命体の反応は微妙な所である。しかしこちらが指示を出すと、それに 順応して動く部分は見せてくれる。意思が完全にないとは言えないだろう。この場合は彼女達 が自分で動くと決めたその時から覚醒すると思われる。 それを踏まえると、俺達は本当に恵まれた存在だと言えた。それぞれが独立的に動く事が でき、その都度思考を変える事もできるのだ。生きているという事がどれ程素晴らしい事か、 4人の人工生命体を見て痛感させられる思いである。 後半3へと続く。 |
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