アルティメット
エキサイティングファイターズ
外伝6
〜覆面の警護者〜
     アルティメットエキサイティングファイターズ・外伝6 〜覆面の警護者〜
    〜第2部・第6話 再来のカーチェイス・後編1〜
    クラシックカー窃盗団の進行ルートが変更した流れを先読みし、ミツキが葛西臨海公園方面
   へと向かう。ナツミYUの戦術により、パトランプ搭載の覆面パトカーと化したウアイラを
   疾走させる。見事な機転と言うしかない。

    しかし、これらトリッキーな戦術は時として相手の意表を突く。更に今回の相手は頭脳を
   使った戦略を展開しているため、非常に効果的と言えるだろう。頭脳は知略的と言い換える
   事ができるため、ミツキやナツミYUが取った行動は武勇的と言える。まあどちらも相手の
   裏を突く動きを考えるため、知略的と言えなくはないが・・・。

    とにかく、相手の動きが前回よりも不明な部分が多い。今後どう出るか、葛西臨海公園方面
   へ向かいながら探るしかない。



ミツキ(ああ〜あなたに〜こいごこ〜ろぬすま〜れて〜♪)
    環七を覆面パトカー化したウアイラが疾走する。ナツミYUに引けを取らない運転技術を
   披露するミツキは、名曲“シルエット・ロマンス”を歌いながらの運転だ。本当にこの美丈夫
   は恐ろしい事この上ない。
ナツミA(・・・何か喫茶店でラジオをやっている感じよね。)
ミツキ(念話が伝わる方にお届けするぅ〜、ワンコでワッショイ発動中のポチミツキわぅ〜♪)
ナツミA(で・・今だにポチが運転している所を見ると、ナツミYUさんは呆気に取られている感じ
     になりますか。)
ナツミYU(え・・ええ、このお方には本当に脱帽です・・・。)
ミツキ(さぁ〜ゆく〜んだ〜そのかおを〜あ〜げて〜♪)
ナツミA(はぁ・・・。)
   う〜む、この美丈夫は・・・。何時如何なる時でもノホホン心を忘れていない。一見すると
   後手に回っているような姿も、実は先手の先手を行っているのだろう。だから余裕を以て行動
   できるのだ。本当にその生き様は肖りたいものである。

ミスターT(ところで、国外の様相はどうなんだ?)
デュリシラ(あ、はい。国籍不明軍隊が攻撃を仕掛けるも、全てガンシップにより阻止。今は実質
      防戦一方ですが、下手に攻撃を仕掛ければ挑発しかねません。)
ミスターT(そうだな・・・今は待つしかないか。)
    この様相、国際問題に発展しかねない流れに等しい。それでも押されている事から、相手の
   私利私欲度の方が強い現われか。悪党は徒党を組んで動く事が通例だ。それが如実に現れて
   いると言い切って良い。
ナツミYU(この窃盗団の問題は、国外からの横槍とは無関係ですかね。)
デュリシラ(だと思われます。しかし言わば漁夫の利を狙った感じなので、今は何時何処で何が発生
      してもおかしくありません。)
シューム(手の届く範囲内ならまだしも、それ以外で行われると対処が厳しいわね。)
ミスターT(俺達が複数いるか、それか東京上空でも威圧を掛けられる要因か・・・。)
   この場合は手数を増やして草の根の鎮圧を試みるか、上空から強烈な威圧を掛けるしかない。
   しかし前者は俺達が有限である以上、絶対的に不可能でもある。後者はハリアーU改程度では
   威圧にもならない。皮肉にもヘシュナの宇宙船が適任だろう。

ミツキ(ぬぅーん、重装甲飛行戦艦フランベルジュの出撃わぅか?!)
ミスターT(“スカイターゲット”のアレか。レプリカ大和以上の巨大な船体を、飛行船に仕上げた
      仕様。むしろ空母信濃を飛行船にした感じだな。)
ナツミA(空中でジェット戦闘機の離着陸が可能ですからねぇ。)
    別途適任となる事例をミツキが挙げた。ゲーム“スカイターゲット”はステージ3の分岐に
   より遭遇できる、重装甲飛行戦艦フランベルジュがそれだ。旧日本海軍は実質、幻の空母信濃
   を飛行船にした形に近い。数多くの武装を施し、更にはジェット戦闘機の離着陸も可能だ。
エリシェ(ほむ、ではそれを実現しましょうか。今現在手配中の宇宙戦艦は建造が難しいですが、
     飛行戦艦なら短時間で実現が可能ですよ。)
ミスターT(・・・大企業連合の力は化け物だな・・・。)
エリシェ(相手が相手ですからね、それ相応の力を持ちませんと。それに諸々の宇宙船よりは遥かに
     小型で局地的なものですし。他国が言う軍事力には程遠い存在ですから。)
シューム(皮肉よねぇ。日本に横槍を入れてアーダコーダ言っている流れが、本当に横槍を入れて
     来るから軍備が進む。連中の思惑通りに近いけど、あの宇宙船を見れば黙認できるし。)
エリシェ(そこも警護者の存在で黙認でしょう。警護者専用ガンシップとして運用すれば問題ないと
     思います。それにこれら兵装は何れ解体する感じですし。)
   その場凌ぎの武力を持つ、か。日本は過去の大戦の敗因から、必要以上の軍備を持たない流れ
   を貫いている。が、今現在の警護者の力は絶大的である。日本全土をカバーできる4大艦船が
   守備に当たり、宇宙戦艦に飛行戦艦のプランである。横槍を入れるには申し分ない要因だ。

ミツキ(このレプリカフランベルジュは、役目が終わったら貰っちゃって良いわぅ?)
ナツミA(はぁ? 何に使うのよ?)
ミツキ(護衛戦闘機だけ数機搭載で非武装化し、遊覧飛行を行うわぅよ。それに性能が戦闘用だから
    堅固さは折り紙付きわぅし。滅多な事では壊れないわぅ。)
エリシェ(なるほど、遊覧飛行船化ですか。全てが片付いたら考えてみましょう。これらガンシップ
     が戦い以外で役立つなら申し分ありません。)
ミツキ(ワンコクルージングと銘打つわぅね!)
    う〜む、ミツキのプランは見事としか。しかし重装甲飛行戦艦なら、過去に大惨事を巻き
   起こしたヒンデンブルグ号の様な流れは皆無だ。そもそも簡単な要因で発火や破損をしては、
   飛行戦艦として全く成り立たない。その堅固さがあれば遊覧飛行船には打って付けだわな。
ナツミA(はぁ・・・ポチの発想は世界標準的よね。)
ミツキ(んにゃ、ワンコ標準わぅ!)
シューム(アッハッハッ! 本当にそうね。)
エリシェ(了解です。諸々の件は、全て片付いたら行いましょう。)
   ナツミYUの頭に当たらないように一服する。ミツキの発案は戦いの後を見定めたものだ。
   しかも戦争遺物たる兵装を平和利用に転換するのは、非常に理に適う流れとも言える。全てが
   丸く収まれば、このプランには全面的に賛同したい。

ミスターT(早く全部終わらせて、喫茶店でノホホンな日々を過ごしたいわ。)
ミツキ(全て丸く収まるようにするには、今後のわた達次第という事わぅね。)
ミスターT(そうだな・・・。)
    疾走中のウアイラ内での雑談と、胸にナツミYUを抱いている心地良さから眠気が襲来して
   きだした。パトランプ搭載のウアイラをしても、葛西臨海公園までは30分ぐらいは掛かる。
   ここは少し仮眠するとするか・・・。
ミツキ(ぬぅーん、分かったわぅ。ナツミYUちゃんを抱き枕に仮眠するわぅよ。)
ミスターT(マジですまんな・・・決戦まで休ませてくれ。)
ナツミYU(はい、分かりました。)
   そう言えば、記憶を失った後の俺が初めて彼女と出逢った依頼時。巨大ジャンボジェット機で
   アメリカに向かった際も、彼女の膝枕に厄介になった事があった。ナツミYUの長所は、相手
   を安心させる流れを作り出す事だろうか。またシュームも同じ様な雰囲気があるため、彼女の
   膝枕は相当の癒しになると推測できる。
シューム(そうね、機会があれば遂行するわ。)
ミツキ(むふっ♪ ヤキモチ妬かないわぅ?)
シューム(意思の疎通による念話が、相手の心境を透写するじゃない。ナツミYUが思う一念が、
     私のと全くソックリだから反論できない。むしろそこに私がいる感じになってるし。)
デュリシラ(ですね。この意思の疎通の念話は、その人同士の意識を全て同期させる感じでしょう。
      と言うか、更に強くなっている感じがしますが・・・。)
   そうなのだ、デュリシラの言う通りになる。以前はただ脳内にそれぞれの言葉が響くだけに
   なっていたが、今では一挙手一投足全てが感じれるに至っている。意思の疎通による念話の
   精度が向上化した証拠か。

ミュティナ(意思の疎通・念話は文字通り、意思の強さが反映されます。その人の内在する生命力が
      強ければ強いほど、その一念が周りへとリンクしていきますので。)
ミスターT(生命力の強さ、か。いや、この場合は生き様の強さに言い換えられるわな。)
ルビナ(ですね。マスターの一念は一段と強くなっていらっしゃいますし。)
ミツキ(生命力の強さを出すには、それ相応の生き様が必要不可欠と。ますます以て私達の重要性が
    示されますよね。)
    本当にそう思う。ここまで戦況が拡大してくると、最終的には個々人の一念と生き様が不動
   であるかどうかに掛かってくる。特に相手が心理戦を展開するなら尚更だろう。窃盗団も前回
   とは異なり、今回は戦術・戦略を念入りに組んできているしな。
ミスターT(まあ何だ・・・少し寝る。現地に到着するか、何かあったら起こしてくれ・・・。)
ナツミYU(はい、お任せを。)
ミツキ(まっかせろーわぅ!)
   今まで無理な姿勢でナツミYUを抱いていたのを、抱き枕を抱えるようにして瞳を閉じる。
   その俺の両手に優しく手を据えてくる彼女。本当に女性の癒しと言うのは絶大だわ・・・。



    凄まじい衝撃で目が覚める。目を開けると既に葛西臨海公園へ到着していた。更には四方
   から銃撃を浴びせられている。幸いにもバリアやシールドの恩恵により無傷ではあるが。

    一切の攻撃が無力化しているため、堂々と車外へと出て行く。ただし、戦闘準備は整えて
   いる状態だが。そして相手を確認すると、何と無人飛行兵器が多数襲来していたのだ。

ミスターT(・・・窃盗団は不明軍団とも手を結んだのか。)
ナツミYU(いえ、この場合は別の勢力と取るのが無難でしょう。現に窃盗団はまだ環七をこちらに
      向かって進んでいますし。)
ミツキ(前門の無人飛行兵器、後門の窃盗団わぅね!)
    それぞれの兵装で応戦する。最低限の武装しか持参しなかったため、かなり消極的な戦いに
   なってしまうが。ナツミYUは隠し武器の黄金拳銃を取り出し、2丁拳銃で大暴れしている。
   ミツキは同じく持参のマグナムで暴れていた。ただ弾薬が非常に心許ない。

    すると、遠方から弾丸が飛来してくる。しかもそれは有線で誘導されているかのように、
   無人飛行兵器に着弾するのだ。まさかと思い、その射線軸上を見るとハリアーU改が。

    そうなのだ、マデュースから発射された弾丸がルビナの超能力で誘導着弾をしていたのだ。
   これには驚愕するしかない。従来の弾丸は直進しかできないのを、物理的に捻じ曲げた感じに
   なる。何という荒業だろうか・・・。

ミスターT(はぁ・・・発射された弾丸を誘導させるねぇ・・・。)
ビアリナ(あー、ルビナ様には超遠距離射撃支援を行って頂いてます。)
ルビナ(フフッ、このぐらい朝飯前ですよ。レプリカ大和の46cm主砲も誘導着弾可能ですし。)
ミツキ(正にフォースワンコわぅ!)
    ハリアーU改の位置を見る限り、かなり遠方に位置している。そこから発射された弾丸の
   正確無比な一撃は、ルビナの超能力の強さを思い知らされた感じだ。
ビアリナ(窃盗団の位置からして、数十分後にはそちらに到着すると思います。ルビナ様には引き
     続き援護射撃をして頂いて、私は窃盗団の監視を続けますね。)
シューム(これ、私達も現地に赴いた方が良さそうかもね。)
エリシェ(ですね。身支度を済ませて、直ぐに向かいましょう。)
シューム(移動は私の出番ね。ナツミAちゃん・エリシェちゃん・デュリシラちゃんを引っ提げて、
     直ぐにそちらに向かうわ。)
ミツキ(正にデッドマン・ウォーキングわぅ?!)
シューム(ほほ、お見事な推測で。)
ミツキ(でっとん・でっどん・ごぉ〜ん・でぇ〜っどまんうぉ〜きん♪)
   “デッドマン・ウォーキング”、WWEのアンダーテイカー氏が役割で演じていた時の専用
   BGMだ。俗に言うバイクテイカーの時のものである。つまりシュームの移動手段は、間違い
   なくハーレーという事だ。

    その後も無人飛行兵器の襲撃を撃退していく俺達。弾薬は全てミツキとナツミYUに託し、
   俺は格納式方天画戟を取り出して肉弾戦を展開しだした。

    それを知ったのかどうか分からんが、無人飛行兵器の他に人型兵器も出現しだしてきた。
   つまりこれら無人兵器は遠方で当事者とリンクしている形になる。一部始終見られている感じ
   になるだろう。それか発見次第増援を送り撃滅する、こうインプットされているのだろうな。

ミスターT(地上の獲物は任せろ。2人は空中の獲物を潰してくれ。)
ミツキ(ラジャラジャ。)
エリシェ(アハハッ、スターウォーズのドロイドの音声ですか。)
ミツキ(ム、コイツラハジンガイブツ・・・ハイジョスル!)
ナツミA(はぁ・・・。)
    何でもかんでもネタにするミツキの姿勢には感嘆するしかない。方々で笑いつつ、それぞれ
   の行動をこなしていく。またコミケで襲撃された際、ペンダント効果で肉体が超強化されて
   いたのを思い出した様子。目の前に迫る地上群の無人兵器を格闘術で破壊していくミツキ。
ミツキ(ワンコを学べ、パダワンよ。)
ナツミA(ワンコを学んでどうするのよ。)
ミツキ(一撃でモッフモフにしてやんよ!)
ナツミA(つまり懐かせるという事ね。)
ミツキ(ダダン・ダン・ダダン!)
   ・・・この美丈夫は・・・。しかしその言葉とは裏腹に行動は切れを増している。マグナム
   一式をナツミYUに託し、俺と一緒に肉弾戦を演じだしたのだ。しかも武器を使わず、格闘術
   で破壊していく。俺が方天画戟で破壊していく様が馬鹿馬鹿しく思えてくるわ・・・。

ミツキ(というか、今の流れからカーチェイスには発展しなかったわぅね。)
ナツミYU(ですねぇ〜。もう少し暴れられると思いましたが。)
シューム(むしろ窃盗団は馬鹿よね。今暴れる事ないだろうに。)
デュリシラ(漁夫の利を狙った感じだと思いますよ。それが裏目に出た感じで。)
    今の混沌とした世上に乗っての犯罪を狙った形、だな。しかしそれ以上の現状はそれら愚物
   すらも蹴散らす形になっている。ヘシュナ率いるカルダオス一族の悪行が正にそれだ。
ミツキ(Tさんが以前、人は何故争いから離れられないのかと言ってましたよね。)
ミスターT(ああ、前に言ってたな。)
ミツキ(人は相手を知らないと、怖がるのと同じ流れなのでしょうね。だから必要以上の武力を維持
    して身を守る。それが相対的に相手に恐怖感を抱かせ、要らぬ争いを引き起こしてしまう。
    笑顔でいれば幸せになると以前言いましたが、はたしてそれが正しいのかどうか。)
   真剣言葉で彼女には似合わないマイナス面の内容を語り出す。何時もはイケイケゴーゴーな
   ミツキには、とても似合わない言葉である。しかし、その内情は痛烈に理解できた。
ミスターT(・・・誰彼がどうこうじゃない、自分自身がどうあるべきか。それが重要だ、だな。
      お前さんの今の言葉は、自分の行動が本当に正しいのかどうかという事になるだろう。
      だが俺からすれば、お前の一念と生き様は誰よりも誇れるものだ。それに人を不幸に
      する一念では断じてない。)
ミツキ(そうであればいいのですが・・・。)
ミスターT(だからこそ、手前の恩師の名言をお前に捧げる。最終的には己自身に帰結してくる。
      己の生き様を貪欲なまでに貫き通してこそ、その一念や思想が生きてくる。お前はお前
      の持ち前の明るさを活かし続けるんだ。そのお前に同調し賛同できる。俺は心からお前
      を敬愛しているよ。)
ミツキ(・・・ありがとうございます。)
   これがミツキの本音なのだろう。上辺のノホホンの生き様は、己の胸中の不安や恐怖を強制的
   に押し殺すかのようにも思える。しかし彼女が貫く生き様は、間違いなく今の混沌とした世上
   には特効薬極まりない。その彼女を支えてこその、俺の生き様に帰結してくる。

スミエ(ミツキ様はまだ幸せな方ですよ。私の時と比較すると、当時はそうして内情を打ち明ける
    存在すらいなかった。自分で自分の生き様を貫き続けるしかないのが現状。そして自分が
    折れれば、3大宇宙種族の方々が虐げられる。絶対に退く事はできない。)
ミツキ(すみません。スミエさんは今以上の過酷な環境を、たった1人で戦われていたのですよね。
    それを考えると私なんか足元にも及びません。)
ミスターT(ミツキはミツキ・スミエはスミエ、俺はそう思うがね。)
    ルビナより託されている超能力ペンダントの効果を発動。意識で迫り来る弾丸類を全て止め
   叩き落しつつ、静かに一服しながら2人に語った。スミエの時代はスミエの生き様が合って
   いたと思う。しかし今はミツキの生き様の方が合っているのだ。そこに色々な要因が重なって
   くるが、決して2人が全く異なるというものではないのは確信できた。
ミスターT(人が多ければ多いほど、生き様も千差万別になってくる。ただ、ミツキもスミエも根底
      の帰結する部分は全く同じだとも確信している。難しく考える必要もない。)
シルフィア(そうね、T君の言う通りね。マスターの時代はマスターの生き様、ミツキさんの時代は
      ミツキさんの生き様。その時に合った生き方が求められてくる。むしろ己自身が押し
      潰されそうな時ほど、T君の生き様が輝く時はないけどね。)
ミスターT(烏滸がましい感じだが、それが起爆剤になるなら万々歳だ。今後も俺は貫き続ける。
      無論、一生涯な。)
   目の前に迫る複数の人型機械兵器。それを右手をかざし押し留める。そこに猛襲するミツキ。
   正拳突きで一撃の元に粉砕するのだから怖ろしい。更にはシャイニングウィザードで破壊して
   いく姿は、レスラーの領域を超えたモンスターとしか言い様がない。

ミュティナ(お姉様の生き様は、私達宇宙種族の根底概念に通じる部分があります。お姉様方は地球
      に住まわれる人類を、私達は宇宙全体に住まわれる生命体の安寧を望んでいますので。
      まあ実際には多勢に無勢と言いますか、前途多難で厳しいものですが。)
ルビナ(私達の超寿命を駆使しても、大宇宙は広過ぎます。ただ、マスターが根幹の目の前の人物を
    支え抜く。それだけは必ず成し遂げて行きたいものですね。)
エリシェ(心から同意致します。私達大企業連合もその一念を根幹に突き進んでいますから。)
ミスターT(生きるって難しいわな・・・。)
    何度も帰結する先はここに至る。人として何を定め、そして突き進んで行くのか。それを
   毎回考え悩み続ける。永遠に答えが出ない難問を解くかのようである。しかし実際には答えは
   出ており、それに向けて進んでいるに過ぎない。
ミスターT(・・・まあ今は、人としての道を外れたカスどもを叩き潰しますかね。その積み重ねが
      安寧に繋がるしな。全ての人が安心して過ごせるなら、俺は鬼にでも悪魔にでもなって
      やるわ。)
シルフィア(はぁ・・・君らしいというか何というか・・・。)
ミツキ(ウッシッシッ♪)
   一服を終え、地面に置いてあった携帯式方天画戟を持つ。既に俺達は弾薬が尽きている現状、
   肉弾戦で人型機械兵器や飛行兵器を破壊していくしかない。人型機械兵器ならペンダントなど
   の恩恵で破壊できるが、飛行兵器に関しては届く範囲内でしか撃退できない。

    遠方から超遠距離射撃を行っていたビアリナとルビナだが、弾薬が枯渇したようで支援が
   途絶えた。2挺のマデュースも試験的運用だったようで、最低限の弾薬しか積んでいなかった
   ようである。後はガトリング砲・ミサイルランチャー・レールガンのみになるが、空中での
   監視の目を疎かにはできないため動けず仕舞いな感じだ。

    中半へと続く。

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