アルティメット
エキサイティングファイターズ
外伝6
〜覆面の警護者〜
     アルティメットエキサイティングファイターズ・外伝6 〜覆面の警護者〜
    〜第2部・第6話 再来のカーチェイス・後編2〜
    そこに到着してくる窃盗団の車両。が、時期的に運が悪かった。今正に無人兵器郡と交戦中
   の場に来たものだから、相手が増援だと思って攻撃を仕掛けられたのだ。飛行兵器郡が窃盗団
   の車両に群がりだしていく。

ミツキ「あーっ! テメェらー! わたのデロリアンに傷付けたら承知しないわぅー!」
    盗まれた車両の中にデロリアンがあるのを知っているため、物凄い表情で加勢を開始する
   ミツキ。またそれは言わば部外者の窃盗団の面々に個人的バリアを張るためでもある。最悪は
   車両群の破壊は構わないが、窃盗団自体の殺傷はご法度だ。ミツキもそこは理解している。
ミスターT「う〜む・・・盗まれた車両を守る、か。しかも窃盗団をも守るとはねぇ・・・。」
ナツミYU「カーチェイス何のその、ですかね。」
   窃盗団自体は戦闘自体には慣れていないためか、人知を超えた無人兵器群の襲撃に右往左往の
   状態である。その彼らをミツキが誘導し、ウアイラ近くに避難させている。ウアイラ周辺なら
   守り易いのもある。窃盗団の車両は大規模なもののため、守り切るには厳しい様相だ。

    すると飛行兵器郡に物凄い銃撃が放たれた。監視の目を光らせていたハリアーU改が上空に
   飛来し、支援攻撃を開始しだしている。当然ながら同機体にも飛行兵器が群がりだすが、搭乗
   しているルビナが機体にバリアやシールドを張っているためか無傷である。

    それに攻撃しようにもできないのが実状か。ハリアーU改の火力があまりにも強いため、
   ガトリング砲での一掃しかできないようだ。特に日本国内ではこうした交戦は行われてない
   ため、慣れていないのもあるだろう。

    そもそも今回も窃盗団の再度追撃と捕縛が目的だった。そこに突然現れた無人兵器群への
   対処に追われている所に窃盗団が到来。結局は彼らをも守る戦いにまで発展している。実に
   皮肉としか言えないわな。

    空中支援に回っていたハリアーU改が着陸、ビアリナとルビナが降りて来る。そのまま持参
   している兵装で迎撃を開始しだした。ただ弾薬も最低限しか持っていなかったからか、殆ど
   ルビナの超能力で飛行兵器を人型無人兵器に強引にぶち当てるしかない。



シューム「支援はいるかしら?」
    ウアイラ周辺に避難させた窃盗団を守りつつ、飛行兵器と人型無人兵器を破壊していく。
   そうした中、ハーレーの爆音を響かせながら増援が到来。予想した通り、ハーレーサイドカー
   での出現だった。しかも運転はシュームが、後部座席はデュリシラ・側車は強引にエリシェと
   ナツミAが同乗している。

    更に持て得る限りの武装や弾薬を持ってきたようで、色々と運び出していく彼女達。そこに
   襲来する無人兵器群をルビナとビアリナが迎撃していた。その合間を縫って弾薬の補給をし、
   再び重火器で応戦しだした。

ミツキ「ヘイホウヘイホウヘイホウホウ♪」
    補充を終えたミツキがダブルトリガーで暴れだす。正に暴れるワンコそのものだが、その
   的確な射撃は一撃必殺とも言えた。前にも述べたが、ミツキもナツミA縁の力の出し加減の
   触りを心得ている。行動のどれもが一切無駄がなく、物凄く効率的な動きを叩き出していた。
エリシェ「はぁ・・・窃盗団を守護ですか。本来なら捕縛対象の相手なのに。」
ミスターT「まあそう言いなさんな。」
   マデュース片手に迎撃を繰り広げるエリシェ。今では拳銃やマシンガンよりM2重機関銃の
   方が様になっている。華奢な彼女には絶対に似合わない兵装なだけに、相手にとっては特効薬
   極まりない。
シューム「しかし・・・今じゃ国内何処にでも無人兵器が襲来するという事になるのかねぇ。」
デュリシラ「相手を重要人物群と判断したら、自動襲撃と捕縛を行う戦闘ロジックだと思います。」
ナツミYU「これ、一歩間違えば国家間戦争に発展しかねませんよ。」
   3女傑たるナツミYU・シューム・デュリシラの動きも凄まじい。弾薬が補充された事で、
   再び銃撃戦に戻るナツミYU。2丁拳銃による射撃はどれも正確無比なものだ。シュームは
   恒例のダンスアーツによる機動力戦、そこを支援するのがデュリシラになる。

    そう言えばナツミYUとシュームはやり手の警護者だとは聞いている。しかしデュリシラの
   場合はまだ走り立ての警護者に近い。それがどうだ、2人に迫る動きをしているのには驚愕
   するしかない。それだけ基本戦闘力が強いという表れだろう。

    それぞれの女傑群が銃撃戦に切り替えるも、俺は携帯式方天画戟で地上の無人兵器を破壊
   し続ける。空中は彼女達に任せれば問題ない。それに窃盗団すらも守る戦いになったため、
   縦横無尽に動き回るしかなかった。



    どれぐらい暴れ続けただろうか。空から飛来してくるハリアーU群に、地上からはトラガン
   の精鋭部隊だ。どうやらエリシェ辺りが支援を要請したのだろう。かなりの大部隊で到来した
   ため、窃盗団の面々は戦々恐々の様相だ。まあ自分達を捕縛すると思っているのだろうが、
   今はそれどころの話ではない。

    戦い続けるうちに無人兵器群の数が多くなりだしている。相手の意図は分からないが、相当
   の増援を用意していた形になる。いつぞやの喫茶店前の大乱闘を彷彿とさせる戦いにまで発展
   していた。ただし今回は重火器による戦いになるが。

ミスターT「増援すまんな。」
エルシェナ「いえいえ、お構いなく。」
エリシェ「ここ最近の不意の襲撃に備え、トラガンの方々には何時でも出撃できるようにして頂いて
     いますよ。」
    相変わらずのオールレディースには驚くが、回数を重ねる度に彼女達の戦闘力は各段と向上
   している。こうした実戦投入が戦闘力向上に繋がるのだから、実に皮肉な話だわな。今では
   下手な野郎の軍勢なんか話にならないぐらいの強さである。
ビアリナ「自衛隊群・警察群が動けない現状、私達が矢面立って行動するしかありませんよね。」
エリシェ「下手に動けば軍国主義の台頭やら何やらが出ますし。」
ミスターT「はぁ・・・この何処にその野心があるのか教えて欲しいわ・・・。」
   かつての日本の侵略戦争は、自ら動いての進軍だった。しかし今は完全に異なる。明らかに
   外部からの横槍があり、それに対しての迎撃を繰り広げているに過ぎない。それを軍国主義の
   台頭だとか言われるのは愚の骨頂だ。
ナツミA「今の混乱の最中に犯行に及ぶ面々もいるしねぇ。」
ミツキ「その合間を縫ってデロリアンを盗んだ方々もいますし。」
   皮肉を込めた姉妹の発言に、護衛中の窃盗団の面々が苦笑いを浮かべている。確かに前回は
   交戦を繰り広げたが、今は完全に彼らを守る側に回っているのが皮肉な話だ。それだけこの
   無人兵器群の無差別襲撃が、全ての犯罪や戦乱を超越する形に至っている証拠だろう。
ミスターT「何にせよ、死者が出なければそれでいい。まあ・・・それ相応の恐怖は叩き込む事に
      なるがね・・・。」
ミツキ「ウッヘッヘッヘッヘッ♪」
   しかし窃盗団に対して、一応の楔を打ってみた。それに同調し、エラい殺気染みた雰囲気で
   不気味に笑うミツキ。これには顔を青褪めて恐怖に慄くしかない。

エリシェ「まあでも、こうなると死者に繋がる行動でなければと考えますよね。無人兵器群を繰り
     出す面々は、言わば地球規模に戦乱を巻き起こす愚者そのものですし。」
ミスターT「人類はおろか、宇宙種族や全ての生命体にまで牙を向けかねないしな。」
ミツキ「それを考えると、この窃盗団の方々はまだまだ善道に近いのかと。」
ミスターT「無人兵器群はこちらを殺しに掛かってきてるからねぇ。」
    流れ弾がウアイラ周辺の窃盗団に着弾するも、全てバリアやシールドで守られる。しかし
   範囲内にいる彼らは完全に怯え切っていた。窃盗団と言えど、それは個々人や国内での活動に
   近いと思われる。対して無人兵器群は世界規模の様相に近い。そして人殺しを何とも思って
   いない。後者が一番デカい要因だろう。
エリシェ「胸中の思いが分かります。マスターの場合は悪党すらも手を差し伸べられる。悪の概念は
     思想であり人ではない。それでも中にはどうしようもない存在もいますが。」
ミツキ「ぬぅーん、窃盗団の面々は言い換えれば目利きのディーラーになるわぅか?!」
ナツミA「あー、そうねぇ。改心して善道に進むなら、むしろそちらの方で無類の力を発揮しそうな
     感じよね。」
ミスターT「誤った生き様、か・・・。」
   尽きる事がない無人兵器群を撃退していく俺達。数日前は窃盗団への対策で右往左往な感じ
   だったが、今ではその彼らを守る側に回っている。まさか国外に出る手段を取ろうと動いた
   先に、無人兵器群がいるのには驚愕するしかない。
ミスターT「まあ諸々は追い追い考えるとしよう。今はコイツ等をどうにしかしなければな。」
ミツキ「全部ぶっ壊し溶かして、新しい車の材料にしてやんよ!」
ナツミA「本当よね。」
   既にかなりの無人兵器を破壊してきた。アスファルトの地面には夥しい数の残骸が散乱して
   いる。それらを見てミツキが語る内容に頷いてしまった。ある意味レアメタルそのものだ。
   逆利用すれば、かなりの資源獲得になるだろう。

    そうか、そういった考え方もあるか。ただ漠然と無人兵器郡を敵と見なすのではなく、その
   機体の残骸を完全に溶かして次の物質に作り変えるのだ。俺達が使っている獲物も無人兵器郡
   と同じ素材でできているしな。

    扱い手により、そのモノが善悪に変化するのが通例だ。しかし元素的な部分までは至らない
   だろう。作り直せば悪も善となり得る。逆を言えば善も悪となり得るという事だ。

    改めて考えさせられる。モノは扱い手により凶器獲物にも守護獲物にもなってくる。全ては
   扱い手に委ねられてくるという事だ。これは今後も肝に銘じておかねばならないわ。



    その後も暴れ続けていると、遠方から立て続けにミサイルが発射されるのが見て取れた。
   それが超精密的な命中で無人兵器に着弾するではないか。この流れを考えると、どうやら近場
   に超レプリカ伊400がいるようだ。

    となると、無人兵器は俺達を狙った形で襲来したという事か。それか窃盗団の追跡を先読み
   して待ち構えていたとも取れる。

ミスターT(超レプリカ伊400の艦長役は誰なんだ?)
ラフィナ(あ、私です。ラフィナです。)
ミスターT(了解、すまんな。)
ミツキ(会社そっちのけで重役が出撃わぅ!)
    本当にそう思う。エリシェもラフィナも大企業連合の総帥である。それが最前線で戦う女傑
   と化している。まあ以前重役を担った事があるが、大企業連合自体が所属する全社員で運営
   しているようなものだ。最終決定こそ彼女達が出すが、それ以外では独自に展開をしている。
デュリシラ(企業としては異種の存在ですよね。重役が不在の現状だと、運営自体に支障を来たす
      怖れがありますし。それが所属する方々で運営しているという。)
エルシェナ(従来通りなら異例中の異例ですが、それが罷り通る部分が見事としか。いえ、むしろ
      所属する社員全員が大企業連合そのものに帰結するとも。)
ミツキ(個にして全、全にして個。大企業連合の根底は、生命哲学に順ずるから至ると思います。
    でなければ地球最大最強の大企業連合は瓦解するでしょう。私利私欲に駆られ汚職が横行、
    もはや企業として成り立たなくなります。)
エリシェ(本当にそう思います。むしろ、常日頃から心懸けている誓願とも言えます。痛みを知る
     からこそ帰結できる先がある。所属される方々がここに帰結するからこそ、私達は進める
     のだと痛感し確信していますので。)
ミスターT(本来のあるべき姿に回帰するのが当たり前なのに、今はそれが異端児そのものに見えて
      くる。だから要らぬ横槍・暴言罵倒・悪口罵詈が発生する。皮肉な話だわな。)
   ある意味、俺達は輝かしいほど輝いているのだろうな。それが盲目そのものの連中には眩し
   過ぎて見る事も触れる事もできない。だからあらゆる反対姿勢が出てくるとも。むしろこれは
   自然的な流れなのかも知れないな。
ミスターT(まあ何だ、だからと言って歩みなんぞ止めん。俺は俺の生き様を貫くまでだ。)
エリシェ(フフッ、そうですね。最終的には個人に帰結してきますし。誰か1人でも絶対不動の方が
     いれば、まず揺らぐ事はありませんから。それが貴方だと確信しています。)
ミツキ(ワンコのモッフモフの力の前では、誰人たりとも平伏すのだよ。)
ナツミA(はぁ・・・まあそう言う事にしておくわね。)
   最後の最後のシメはミツキだ、見事に笑わせてくれるのが素晴らしいわ。それに周りの面々も
   釣られて笑っている。笑顔でいれば幸せになれる、それを地で体現している女傑だわな。


    念話をしつつも行動は止まらない。今も無人兵器群は出現し続けており、物凄い戦いにまで
   発展している。それでもバリアやシールドの恩恵から、自分達はおろか周りへの被害は全く
   以て発生していない。

    もしこれが従来の流れなら、流れ弾やらで相当な被害が出ているだろう。最悪は死者も出て
   いると思う。それを根底から覆すのがギガンテス一族とドラゴンハート一族のテクノロジー
   だわ。彼らの力がなければ成り立たない戦術と戦略である。

    と同時に、今後は敵側も同じ戦術と戦略を使ってくるだろう。しかしそれは遠距離武器に
   有効で、肉弾戦などの至近距離では効果を発揮しない。殴り合いでは個々人に施されたバリア
   やシールドが有効になると思う。かつてコミケの会場で大乱闘を演じた流れと同じだ。

    最終的にはまだ見ぬ親玉との直接対決に至るだろう。問題はヘシュナがどう出るかになる。
   もし説得ができてこちらに付けられるなら、もはや相手は風前の灯そのものだわ。

    後半へと続く。

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