アルティメット
エキサイティングファイターズ
外伝6
〜覆面の警護者〜
     アルティメットエキサイティングファイターズ・外伝6 〜覆面の警護者〜
    〜第1部・第8話 国家間外交2〜
シルフィア(・・・さて、と。どうやらお出でなさったようね。)
    その後も念話による雑談をしていると、不意にシルフィアが語り出す。何と今度は脳内に
   その様相が映し出されていくではないか。これには驚愕するしかない。
ミュティナ(念話はお互いの意思の疎通の極みですから。こうして音声・映像、果ては意識の共有
      すらも可能ですよ。)
ミツキ(化け物わぅ。)
シルフィア(それはさておき、未確認の飛行物体が多数接近しているわね。ミュティ・シスターズは
      大丈夫かしら?)
ウエスト(こちらは問題なし。一応パール・ハーバーから人気がない砂浜に移動します。)
ナツミA(私達も向かった方がよさそうね。マスターの方は大丈夫で?)
   慌ただしく動き出す仲間達。俺達は警護中なため、その場から動けずにいる。そんな中、近場
   に置かれていたミツキ用のパニッシャーを手に持つ。
ミスターT(お前の獲物を借りるぞ。)
ミツキ(うわぁ〜お! ラズロちゃんの再来わぅか?!)
ナツミA(人口腕部と追加2挺のパニッシャーがいるけど。)
ミスターT(例の携帯特殊腕部は背中に装着済みだがの。)
シルフィア(ほぉ、それはそれは。では数分で同型パニッシャー2挺を空輸するわね。有事は大いに
      暴れなさいな。)
   冗談には聞こえない内容に呆気に取られるが、人口腕部と重力制御ペンダントを駆使すれば
   可能な様相である。ここは警護者の実力を見せ付けるとしようか。
ウエスト(力は使ってこそ真価を発揮する、だよ。それに戒めてくれる存在が周りに数多くいる。
     ならば後は暴れるだけさ。)
ミスターT(だな。大いに暴れるとするか。)
ミツキ(いざ往かん! 茶菓子を獲得する旅路へ!)
ナツミA(はぁ・・・。)
   またもや最後の最後で緊張感を崩された形だ。それに再び笑ってしまう俺達である。しかし
   ミツキのその姿はマイナス要素のキラーそのものだ。この心意気を汲めば怖れるものなど何も
   ないわな。

    急遽作戦を変更、ミュティ・シスターズの元に奥の手としてミツキとナツミAを派遣した。
   今回の目玉は3姉妹が狙われる確率が非常に高い。国家間外交への横槍は殆どないだろう。
   仮にあったとしても、本題は3姉妹の方だ。身内を守らねば警護者ではない。

    まあミュティ・シスターズの元にはナツミツキ四天王と9女傑がいる。戦力としては殆ど
   問題はない。しかし不測の事態は付き物だ、ナツミツキ姉妹を送ったのは正しいだろう。

    こちらの方は問題ない。ナツミYUやシューム、それにエリシェとラフィナもいる。最近は
   メキメキ力を付けるエリシェとラフィナだけに、ナツミYUとシュームとのカルテットはほぼ
   無敵に近い。大企業連合の総帥が警護者というのは驚きだが、まあこういった意表を突く部分
   を持つのは良いのかも知れないが。


    暫くすると、遠方の空が騒がしくなる。念話で告げられるは、ミュティ・シスターズを狙う
   特殊部隊の来襲との事だ。現地だけで大丈夫かと心配になるが・・・。

    同時に超大型豪華客船から飛び立つハリアーU部隊。そのうちの1機がこちらに向かって
   くる。恩師シルフィアの搭乗機だ。下部に黒色パニッシャー2挺を釣る下げており、颯爽と
   それを俺達の所に降ろす。そのまま仲間達の所へ向かって行った。

    国家間外交の大会議場に場違いなハリアーUが現れた事に騒然となる。しかし同時に遠方の
   未確認軍団の情報も入ったようで、向こう側の方が気になりだしている様子だ。


ミスターT「撃墜されなきゃいいが・・・。」
エリシェ「あ、その部分はミュティナ様から補足がありました。重力制御の理たるペンダント効果で
     バリアが発生するとか。時間と空間を超越した力により、飛来する弾丸やミサイルは巡航
     速度を相殺。確実に無力化されるそうです。」
    俺の不安を余所に淡々と語る。エリシェが言うには、このペンダントの力は重力制御以外に
   とんでもない力を秘めているとの事だ。物質の時間と空間を相殺し、完全に無力化するとの
   事である。化け物としか思えない仕様だ・・・。
ミスターT「・・・この場でその力を見せてもいいのかね。」
ラフィナ「構わないと思いますよ。むしろ地球上のトップクラスの軍事力を持つ国家に、平然とその
     力を示す方が安全かと。ミュティ・シスターズを狙う特殊部隊は、その国家間の様相を
     度外視する連中でしょうし。」
シューム「言わばテロリストそのものよね。」
   重力制御ペンダントの効果を経て、それぞれの武装が超強化されていた。顕著なのがシューム
   である。両脚装備のハンドガンがグレネードランチャーに変わっていた。しかもそれが半ば
   ロケットランチャーに近い。腰には軽量マシンガンがあり、多分両手用の獲物だろう。
エリシェ「正にキルゴア中佐ですね。」
シューム「あー、両脚ね。劇中の様な武装は無理でも、ペンダント効果でこのぐらいは可能ね。」
ナツミYU「先輩のダンスアーツなら、どの獲物を使っても問題ないかと。」
ミスターT「お前は全く変わらないんだがね。」
   ナツミYUは腰にハンドガンがあり、股の付け根に隠し武器たる黄金の拳銃があるだろう。
   それだけその獲物で十分鎮圧可能と踏んでいる。シュームが火力勝負なら、ナツミYUは実力
   勝負という事になるか。

    そうこうしているうちに、遠方で爆発音が鳴り響きだした。どうやら現地では既に戦闘が
   開始されている様子である。彼らだけで大丈夫かと心配になるが・・・。

    そして突然だった。大会議場の入り口で爆発が起こる。俺達もそれぞれの武装を持ち、現地
   へと向かった。これは死者が出てもおかしくない。



    現場は騒然としていた。各国の首脳が揃い踏みの場所で爆発である。シークレットサービス
   や各警護者は物凄い殺気立っている。しかし攻撃を仕掛けた対象が不明で、臨戦態勢状態を
   維持するしかない様子だ。

    幸いにも誰も怪我人や死者は出ていない。と言うか爆発自体が目眩ましな感じの様相だ。
   となると、ミュティ・シスターズの方が本命という事か。

ミスターT「・・・連中はどう出ると思う?」
エリシェ「マスターが仰るように、国家間外交自体を狙うものでないとすると・・・。」
ナツミYU「本命はミュティ・シスターズの方に向けられる、かな。」
    向こうでは既に戦闘が開始されている。同時にこちらにも攻撃を仕掛けたと思わせるのが、
   連中の本当の目的か。それだけ3姉妹を捕獲したいという現れになる。
ミスターT「ここよりも向こうか・・・。」
シューム「私達も向かおうかしら。」
ナツミYU「こちらの任務はどうされるのですか。」
シューム「T君の心情はここじゃないわ。盟友・家族が集う向こう側。私が彼の立場なら・・・。」
エリシェ「・・・そうですね、確かに向こうを最優先します。」
   ヘッドセットで何らかの会話をしだすエリシェとラフィナ。同時にそれぞれの武装の安全装置
   を解除している。釣られてシュームも臨戦体制に移っていた。

エリシェ「先程、奥の手があると言いましたよね。3つほど手持ちのカードがありまして。そのうち
     の1つを使いました。」
    そう語ると空が慌ただしくなる。何やら飛行物体がこちらに向かって来だした。それに合図
   を出すラフィナ。何とアメリカで有名なV−22オスプレイだ。しかも形状が全く異なる。
ラフィナ「あ、こちらですか。V−22オスプレイを改造改修した特殊仕様です。ほら、映画では
     バイオハザードのアレですよ。」
ミスターT「うぇ・・・劇中の特殊機体を実用化したのか・・・。」
エリシェ「それに何振り構ってられないので。」
   そう言うと更に空が慌ただしくなる。何とアメリカは門外不出のF−22ラプターの一団だ。
   ざっと30機ぐらいはいるだろうか。これはまた何とも・・・。
エリシェ「少し強引に推しました。軍事力を見せるように促した次第で。」
ミスターT「それが通るとなると、例の特殊部隊はそれだけ厄介だという事か・・・。」
ラフィナ「素性も何も分からない軍勢です。各国も不確定要素には敏感になっていますから。」
ナツミYU「抑止力よね。まあ今の場合は実際に使わないと、逆に危ないという事になるけど。」
   今の現状に堅物のナツミYUも折れたようだ。それぞれの武装を持ち臨戦体制に移りだす。
   ここにオスプレイ改やラプターを投入したのは、国家間外交の場は彼らに任せるという事を
   直感したからだろう。ここは俺も本気を出さねば失礼極まりない。

    俺は格納中の脳波に併せてコントロールできる人口腕部を起動する。背中の一張羅たる黒い
   コートをブチ破り、黒色の機械仕掛けの右腕が出現した。そしてシルフィアが届けてくれた
   獲物を手に持った。右手・左手・人口腕部に黒色パニッシャーをそれぞれ持つ。

    本来なら尋常じゃない総重量になるのだが、重力制御ペンダントの恩恵でサブマシンガン
   程度の軽さでしかない。トライガン・マキシマムはラズロ氏のバトルモードよろしく、その
   化け物染みた様相に周りの警護者は絶句していた。

ミスターT「・・・さて、カスどもを撚り潰しに行くか・・・。」
シューム「いいわねぇ・・・そのギラついた殺気、ゾクゾクしてくるわぁ・・・。」
ナツミYU「はぁ・・・。」
    俺の半ば本気モードに感化され、シュームが物凄い殺気に満ちた雰囲気を出し始める。以前
   彼女の信条を知った。相手を殺すつもりで行動するというものだ。それに俺達は反論し、思い
   留めさせた。しかし俺自身がそれに近くなったため、本来の彼女の姿に戻った感じである。
エリシェ「マンガでしか知りませんが、確かにこれは凄いもので・・・。」
ラフィナ「これなら単体での抑止力としては無敵ですね・・・。」
ミスターT「誤った力の使い方をしない限り、俺は何でも用いてやるわ。」
   エリシェやラフィナが呼んだ専属部隊に後を任せ、ミュティ・シスターズの方に向かいだす。
   この軍勢なら国家間外交自体の守りは磐石だ、全く以て問題ない。

    しかしまあ、劇中のラズロ氏の様相を実現か。先日はミュティナがその様相を醸し出して
   いたが、まさか自分も肖る事になるとはな・・・。



    パール・ハーバーより遠方の海岸では凄まじい事になっていた。到着した時点で、海岸には
   夥しい兵士が倒れている。当然、誰も死んでいないのが見事なものだ。ただし、両手・両脚・
   両肩には銃弾が打ち込まれている。しかも急所を外してのものだから怖ろしい。

    今も何処からともなく現れる特殊部隊の兵士と交戦を繰り広げる仲間達。特に凄まじいのが
   ナツミツキ四天王だろうか。その獅子奮迅の活躍を見て、やり手の警護者たるナツミYUは
   驚愕していた。ただシュームの方は見事だと賛美を贈っている。

ミスターT「取り越し苦労だったか・・・。」
ナツミYU「四天王の方々は警護者じゃないですよね・・・。それでここまでやれるのは、見事と
      しか言い様がありません。」
シューム「貴方は外見で物事を捉え過ぎるクセがあるからね。そこが普段はノホホンとしている彼ら
     の実力を見抜けずにいた訳よ。」
    俺達は不測の事態に備えて待機をした。しかし不測の事態は在り得るのかと疑問を抱きそう
   なぐらい凄まじい事になっている。その中で語るナツミYUとシューム。確かにナツミYUは
   相手の外見から判断してしまうクセがある。対してシュームは直感と洞察力をフル動員して
   判断するため、初対面で四天王の実力を即座に読んだのだ。
シューム「まあ、その一線を超えた先は私を遥かに上回る据わりがあるけどね。」
ミスターT「確かに。シュームには悪いが、ナツミYUの清流の如き動きはとても敵わないわな。
      というかシュームは濁流に近いから、ナツミYUとは真逆の属性に近いけどね。」
ナツミYU「はぁ・・・。」
   呆れ顔のナツミYUに小さく笑うシューム。この2人は本当に極真逆の属性を持っている。
   近場で例えるならミツキとナツミAだろう。ナツミツキ姉妹も全く正反対の属性を持つ女傑
   である。この4人は本当に良く似ている。


    待機状態も、新たに現れた俺達を敵視する特殊部隊。こちらにも攻撃を仕掛けてきたため、
   当然ながら相応の返しはさせて貰った。特に今の流れを邪魔されたとして、エラい激昂する
   シュームとナツミYU。便乗してエリシェとラフィナも暴れるのだから怖ろしい。

    俺もトリプルパニッシャーによる攻撃で相手を圧倒。というか射撃以前に打撃に近いか。
   控え気味にするも、その筐体で殴られた兵士は気絶する程のダメージを受けているようだ。

ミツキ「おおぅ?! ラズロちゃんわぅよ!」
ナッツ「おおっ! 確かに!」
ミュティナ「う〜ん、やはり背丈がないと見栄えが良くないですか。」
    獅子奮迅の活躍をするも、心のゆとりさを失っていない面々。と言うか恐らくだが、彼らに
   とってのこの戦いは朝飯前程度なのだろう。でなければ余裕など生まれる筈がない。
ミスターT「その後の按配はどうだ?」
サイバー「何処から出てくるか分からない状態ですが、まあ烏合の衆程度で。」
エンルイ「周辺は姉御方が警戒に当たっていますが、特に問題はなさそうですよ。」
   語りつつ空を示す。上空では恩師シルフィアを含むハリアーU隊が展開していた。機体自体に
   重力制御の理を施しているからか、通常では考えられない動きをしているが・・・。
ウエスト「あー、取り回しの姿ですか。思われた機体重量を軽量化させているため、ブースターの
     出力を最小限に抑えられるのだとか。それに時間と空間が織り交ざったシールドにより、
     弾丸やロケットランチャーすらも推進力を無力化にできるとの事で。」
ミュティナ「私達の常套手段です。しかしそれらも自身の戦闘力を前面に出してこそのもの。補佐的
      な役割程度でしかありません。私達種族は銃弾程度の傷なら、直ぐに治癒してしまい
      ますので。」
   飛び交う弾丸の射線軸上に左手をかざす彼女。そこに弾丸が着弾し血が飛び散った。しかし
   直ぐに弾丸が抜け落ち、撃たれた傷は即座に治癒しだしている。
ミスターT「・・・不貞寝したいんだが・・・。」
ミツキ&ナツミYU&シューム「ダメッ(わぅ)!」
   今まで培ってきた戦闘技術を全て否定しかねない要因である。致死率が高い銃弾を受けても、
   即座に治癒しだすとは何事なのか・・・。再び不貞寝したいと言うと、3人からダメ出しを
   喰らう始末である。それに周りの面々は笑っていた。


    その後も戦いは続く。一体何処から沸いて出てくるのかと思うほど、特殊部隊の連中が出現
   し続けた。それだけミュティ・シスターズを捕獲するために、全勢力を出している感じとも
   思える。まあ対峙する面々が悪かったが・・・。

    重力制御ペンダントの恩恵は、ウエストやミュティナが語る通りの様相だ。物質の重量を
   超軽量にする以外にも、物質の時間と空間という概念を捻じ曲げるという。その証拠が上空を
   飛ぶハリアーU郡だろう。受けた弾丸やロケットランチャーの推進力を殺し、無力化させて
   いるのだから。

    当然それは俺達にも至る。弾丸やロケットランチャーの巡航速度を無くすため、その場に
   止まるかのような様相になる。となれば対処は簡単だ。叩き落すか弾き返すか、になる。正に
   見えないシールドとはこの事だろう。

    そして驚くのがミュティ・シスターズの種族の力だ。ギガンテス一族は地球上の人間や動物
   を遥かに超える寿命を誇る。更に化け物とも言えるその能力だ。映画のスーパーマンそのもの
   と言えるぐらいである。

    ただ流石の彼女達も、空を飛んだり水中や宇宙で呼吸をする人外な行動は不可能との事だ。
   あくまで生命体の域を超える事はできないと言う。まあ一理あるが、う〜む・・・。

    後半へと続く。

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