アルティメット
エキサイティングファイターズ
外伝6
〜覆面の警護者〜
     アルティメットエキサイティングファイターズ・外伝6 〜覆面の警護者〜
    〜第2部・第09話 究極の姉妹喧嘩2〜
ヘシュナ「煙草を吸われるとは意外だ。」
ミスT「ん? 女性の中でも喫煙者はしっかりいますよ。まあ貴方達の本音としてはこうでしょう。
    捕虜に近い存在なのに、その落ち着き度は何処から来るのかと。」
    常日頃からの先読みと、性転換から至る直感と洞察力の強化がフル動員されている俺だ。
   このぐらい朝飯前と言える。先読み言葉に周りの女性陣は更に驚愕している。そんな彼女達を
   見つめ、小さく微笑んで見せた。
ミスT「貴方達の執念と信念が並々ならぬものなのは百も承知です。だから断固としてその生き様を
    崩そうとしなかった。私の仲間達もその点は感嘆していますよ。」
ヘシュナ「・・・貴方には全て見透かされている感じだな。その力があればあるいは・・・。」
ミスT「なるほど・・・。」
   ヘシュナがボヤいた一言に全てを察する事ができた。やはり彼女達は何らかの一念を抱いて
   いる。それが悪心ではなく善心である事も痛感できた。もしかしたら相手に察知される事を
   懸念して、態と悪心で塗り固めているのかも知れない。そう考えれば全て合致する。

シルフィア(なるほどねぇ・・・君が思った通りね。別の意図があって悪役を貫いている。ヘシュア
      さんや師匠と口論を繰り広げたのも、真の巨悪に要らぬ内情を察知される事を懸念して
      のものだったのかもね。)
スミエ(はぁ、ヘシュナ様は昔からそうですよ。全部自分で抱え込んでしまう。それに押し潰されて
    倒れてしまうと。)
デュリシラ(何ですか、ここにいる私達全員も殆ど同じ気質ですけど。)
    デュリシラの言葉で周りから笑いが起こる。確かにスミエが語ったヘシュナの気質、それは
   俺達にも十分当てはまる。むしろ彼女が悪役を貫いているのは、彼女が地球人に近い気質故の
   ものかも知れない。今になって彼女の心境を見抜けた俺は、灯台下暗しもいい所だわな。
ミスT(・・・もっと女性心を磨かないとダメだわ。何1つとして分かっていない。)
シューム(んー・・・十分過ぎるほど理解していると思うけど。そこまでして男女問わず相手の事を
     思い遣れるのは、並々ならぬ一念と執念と信念がなければ絶対にできないわ。)
ナツミYU(ですね。マスターが常日頃から抱かれている一念が強い故に、ですよ。その見抜けな
      かったと思われた部分は、ケースバイケースになってくるでしょう。それこそ全知全能
      と言われる神とか、そういった類でない限り全てを見抜く事など絶対にできません。)
ミツキ(Tちゃんのエロス目線だけは、誰よりも広く深く強いわぅけどね! ウッシッシッ♪)
シルフィア(はぁ・・・これだから男は・・・。)
   うわぁ・・・四方八方から殺気に満ちた視線が突き刺さってくる。念話を通して現地の女性陣
   の一念がダイレクトに伝わってきた。と同時に痛感する。今の俺は1人ではないという事だ。
   これ程までに支えてくれる存在がいるのだ。膝を折ってなるものか。


    念話で雑談をしつつ、現状はヘシュナ達と進む事数十分後。目の前に場違いな建物が見えて
   きた。ここは自然の境地たる南極だ。明らかに人が作ったとしか思えない人工物そのものだ。

    というか以前ミュセナ達が地球自体を全球サーチして探索したが、真の黒幕を発見する事は
   できなかった。それが南極に位置しているという部分からして、極地故に見付け難かったと
   いう事になるか。地球がどれだけデカいかが十分窺えるわ。

    ヘシュナを先導にその建物の中に入っていく。内部を見て驚いたが、警備の兵士と思われる
   人物が全部機械兵士そのものだった。以前喫茶店に襲撃してきた彼らである。まあ軍服連中
   事変を考えれば、要らぬ思考が出る人間を兵士にする事はないだろう。

    そして2つの要因が挙げられる。1つは真の黒幕が効率化を図って機械兵士を導入した。
   もう1つは人を信じられない、または信じられなくなったから機械兵士を使っている。つまり
   これは独裁者が考えるような概念だわな。ハッキリと相手が見えてきたわ。

ミスT(全部見えてるよな?)
ミツキ(大丈夫わぅ、慎重に進軍わぅよ。)
    念話で俺の身体の五感を媒体として、遠方の面々に全て伝わっている。見事な技術力だわ。
   そして先も挙げたが、俺1人ではないという事だ。
ミスT(了解。それとミュセナはいるか?)
ミュセナ(フフッ、全て分かりますよ。もしヘシュナ様方が相手側に敵対しそうになった場合、転送
     装置で私達を送ってくれ。ですね。)
ミスT(流石だ、その時は頼むわ。それと1つ頼みがある。後でこれも実行しておいてくれ。)
   胸中が全て念話で伝わってくれている。邪な部分は参るが、それ以外では本当に大助かりだ。
   まさか連中はヘシュナ達の中に刺客が紛れ込んでいる事など思う筈がないか。もし読んでいる
   としても、ヘシュナ達さえ味方に付ければこちらのものだ。反転攻勢の時が来たと言える。

    かなりデカい建物のようで、長い間歩き続けている。複数の扉を通る事から、結構な防御
   設備が整っているようだ。これだと従来の通信装置では絶対に伝わらないだろう。どれだけ
   念話という存在が逸脱しているかが痛感できる。



ヘシュナ「到着したぞ。」
ミスT「ほむ。」
    ようやく到着したそこは、秘密基地の様相に近い。重厚な扉を開けて入ると、中には黒服を
   着用した面々が数多くいた。更には軍服を着用した面々も数多くいる。どうやらレプリカ大和
   などで対峙した軍服連中とも繋がるようだ。
黒服1「負け戦だったというのに、堂々とした帰還だな。戦利品はその女か。」
ヘシュナ「相変わらず腹の立つ言い回しだな。彼女は望んで我々の元にいる。同族を物扱いしないで
     頂きたい。」
黒服2「大して変わらん。人類など所詮捨て駒に過ぎん。要らぬ感情に支配され、正常な思考で動く
    事すらできん。人工知能や機械兵器の方がよっぽど利口だ。」
黒服1「まあいい。それで、何らかの報酬はあったのかね?」
ヘシュナ「目立ったものはない。相手の戦闘力が格段と増しているのが窺えたぐらいだがな。」
軍服1「大企業連合・躯屡聖堕群・警護者群か。奴らが阻害する事で我々の計画が進まぬ。本命は
    成層圏の宇宙船群のテクノロジーだというのに、その真の価値を知らずにいる。」
軍服2「直ぐに大規模な軍勢を送り、更なる圧力を掛けるべきだろう。場合によっては究極の兵器を
    出すべきだ。」
   ・・・ヘシュナが俺達にブチ切れそうになる理由が痛感できた。間違いなくストレスだわ。
   それだけこの黒服連中と軍服連中は腹が立つ。念話を通しても仲間達の怒りが痛烈に伝わって
   くる。

黒服1「何故頑なに技術力の提示を拒む。それだけの力があれば、全て滞りなく進むのだぞ。」
ヘシュナ「宝の持ち腐れだと何度言わせるのだ。我々のテクノロジーは意思を持ち、善悪判断を行う
     特性がある。貴方達に加担する故に、私達でさえ力を出せずにいる。彼らが最大限の力を
     発揮できるのは、それが善心に満ち溢れている何よりの証拠だ。」
軍服1「ではその判断を行うものを排除し、善悪に囚われずに発動するように改良せよ。そうすれば
    お主にも恩恵があろう。」
ヘシュナ「残念ながらそれは絶対に無理な話だ。改良や改修といった類では変える事などできない。
     そもそもこの力は偉大な生命力の概念にも帰結している。貴方達が生命力を見下している
     時点で、この力を得る事は不可能だ。」
黒服2「ならお前が直接指揮を取り、連中を完全駆逐せよ。力を持ちながら使わない存在など、全く
    以て役に立たん。」
    う〜む、ヘシュナがブチ切れるのは時間の問題か。しかしよく耐えているわ。ここは1つ、
   引っ掻き回してみるかね。

    怒りに満ち溢れるヘシュナの肩を軽く叩き、彼女の傍らに進みでた。それに驚くが、俺の
   意図を察知したのか委ねてくる。


ミスT「失礼ですが、貴方達の真の目的とは何でしょうか?」
軍服2「部外者が口を挟むな!」
黒服2「まあそう言うな。既に察していると思うが、我々の目的は世界の混沌だ。戦乱を助長し、
    紛争を拡大させていく。戦争こそ最大の力だ、利益にも繋がる。人の存在とはその様なもの
    なのだよ。」
    なるほどねぇ・・・。真の巨悪とは正にこの事だわ。問題はこれが全部かという事になるの
   だが、それは面々に任せて続けるとしよう。
ミスT「それら火種を繰り広げて、衛星軌道上の宇宙船群の介入を待つという事ですか。」
黒服1「そうだ。宇宙人などどうでもいい。連中の技術力や大企業連合の資源力があれば、地球を
    超えた別の惑星にまで手を延ばせる。」
ミスT「地球の資源では飽き足らず、他の惑星にまで手を伸ばすと。」
軍服1「お前は利益というものを何も分かっていないようだ。ここにいる我々が何不自由なく過ごす
    事ができればそれで良いのだよ。全ては我々の糧だけの存在でいい、それだけの事だ。」
   ブチ切れ寸前のヘシュナの背中を軽く叩きつつ、その場でゆっくりと一服する姿を見せた。
   もし黒服連中や軍服連中が過去の俺の姿を見ているなら、何らかの合致点が付くと思うが。
   というか傍らのヘシュナが俺の姿に驚愕した表情を浮かべている。むしろ半分呆れ返っても
   いる感じだが。

ミスT「・・・なるほどな、そこまで本音を訊き出せれば上出来だ。貴様等が真の巨悪だという事が
    よく分かった。」
軍服1「な・・何だと?!」
ミスT「貴様等以外にもいるかと思ったが、どうやらヘシュナが1箇所に纏めてくれたようだ。自身
    の怒りを抑え込み、妹や恩師とも口論をして敵対する姿を示し続けていた。どれだけの苦痛
    だったか、私利私欲を貪るカス共には理解できまい。」
黒服1「何者だ貴様・・・。」
ミスT「彼女の盟友、と言っておくかね。まあ実際は嫌われているが。それでも守るべき存在は徹底
    して守り切る。」
    俺の言葉でヘシュナは全てを理解したようだ。と同時にかなり怒り気味にはなっているが、
   それが本当の姿ではないのも十分理解できる。
ミスT「悪いが、俺達の目が黒いうちはカス共の好きなようにはさせん。貴様等が諸悪の根源だと
    いうのは先刻確認済みだ。無論、総意も全て承知済みだがね。」
軍服2「何を訳の分からない事を。この場から生きて逃げられると思うなよ。」
ミスT「フッ、その逆よ。誘い出しではないが、対峙してくれてありがとな。」
   不気味なまでにニヤケ顔をしつつ、指を小さく鳴らした。するとその場に遠方の盟友達全員が
   転送されてくる。完全武装のまま送られてきたため、既に臨戦状態である。しかもどの面々も
   怖ろしいまでの怒りに満ちた表情を浮かべていた。

    突然の来訪者に周りの黒服連中と軍服連中は驚愕している。恐らくこの施設は侵入が厳しい
   堅固さだろう。それが突然謎の人物達が現れたのだから。その彼らを見たヘシュナも驚愕の
   表情を浮かべているが、何処か安堵した雰囲気になっている。

    後半へと続く。

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