アルティメット
エキサイティングファイターズ
外伝8
〜覆面の探索者〜
     アルティメットエキサイティングファイターズ・外伝8 〜覆面の探索者〜
    〜第1部・第12話 海上対決1〜
    造船都市アルドディーレに移動した俺達だったが、そこに巣食う海賊群の行動に頭打ち状態
   となった。更にはこちらの動きを察知したのか、新大陸に移動したミュティナ達にも横槍が
   入っている。海上では無類の力を発揮する海賊群なら、その力は非常に侮れない。

    それに、海賊の頭領がかなりの野心家であり、利害一致とあれば王城側と結託するのは容易
   に予測できる。海賊側が何処までの悪党かは不明だが、今は時間がないのが実状だ。

    そこでついに、数ある切り札の中から、現段階で特効となる兵装を出す事にした。地球では
   各事変で大活躍した海上兵装、レプリカ大和とレプリカ伊400である。現状の戦力比から
   して、大問題極まりない実力を誇る兵装だ。

    だが、この2大海上兵装が海賊群への抑止力になるなら、申し分ない役割を担ってくれる。
   できれば、火器兵器を使う事なく進ませたいが、恐らくそうはいかなくなるだろうな。



ミツキ(ちゃ〜ちゃ〜ちゃら〜ちゃちゃちゃっちゃちゃ〜・・・むぐっ?!)
ナツミA(やめんかいアンタ。)
ミツキ(むがぁー! 最後まで歌わせろわぅー!)
ミスターT(はぁ・・・。)
    ついに繰り出された海上兵装を知って、某アニメの主題歌を歌おうとしだすミツキ。即座に
   ナツミAに阻止されると、ご立腹とまでにエラい暴れだしている。しかし、海上兵装を初めて
   見た異世界の住人達は、驚愕した表情を浮かべていた。それはもう、当然だろうな・・・。
メラエア(は・・鋼鉄の船・・・。)
キャイス(こ・・これが・・・地球の海上兵装ですか・・・。)
オルドラ(これは・・・見事な造船技術だ・・・。)
   驚愕の表情を浮かべている。当然これは念話によるものだが、ミュティナ達の視覚から得る
   情報伝達でもある。念話の能力は、相手の目を自分の目として見れるのだ。
イザリア(なるほど、これが地球の兵装と。私達が用いていた宇宙船より、かなりの戦闘力を誇って
     いると思いますよ。)
ヘシュナ(思いますではなく、マジモノでヤバいですけどね。確かに私達の宇宙船の方が、戦闘力は
     各段にあります。しかし、武装はレールガンなど一部しかありません。対してレプリカ
     大和は、主砲の一撃で宇宙船の装甲を十分貫けます。バリアとシールドの防御機構がない
     場合は、恐ろしい兵装になりますよ。)
ルビナ(運用方法が全く異なりますからね。適材適所として配置すれば、正に天下無双の実力を発揮
    しますし。)
   2隻の戦闘力を、それなりに評価するイザリア。しかし、ルビナとヘシュナは実際にその実力
   を窺っているため、過大評価気味に熱く語っている。

    確かに、今現在の地球の既存兵装と比べれば、レプリカ大和もレプリカ伊400も、旧世代
   の遺物に過ぎない。だが、艦体に使われている素材や武装は、宇宙種族縁の超絶的なものに
   なる。地球の既存兵器では、傷1つ付ける事すらできない。

    更には、バリアとシールドの防御機構に、必殺兵器のスーパーレールガンすら搭載されて
   いる。海上でしか運用ができない点を除くなら、この2隻だけで異世界を掌握する事は十分
   可能だ。

ミツキ(我々は全世界にワンニャン宣言をする!)
ナツミA(何その気抜けする宣言。)
ミツキ(ダブルガンシップを改名し、ワンコ大和とニャンコ伊400にするわぅ!)
ナツミA(それで一体何の意味が?)
ミツキ(考えだすと悩みだす、細かい事は気にするな。)
    通例のボケを展開し、驚愕している異世界の面々にクリティカルヒットを放つ。無防備状態
   だった彼らには痛烈過ぎたようで、自然と笑ってしまっているのが何とも言えない。
ミスターT(はぁ・・・それで、今後の運用方法を挙げてくれ・・・。)
ラフィナ(レプリカ大和ですが、こちらは既存大陸から新大陸への海上輸送を行います。海賊群から
     の横槍が絶対にあると思われるので、その場合は威嚇射撃をして追い払う感じです。)
エリシェ(レプリカ伊400は、海中を移動しつつ、海賊群の全航路の監視を行おうと思います。
     場合によっては攻撃に転じる事になりますが、まあ全く以て問題ないでしょう。)
ミスターT(はぁ・・・そうですか・・・。)
   一際張り切るラフィナとエリシェ。ヘシュナや他の面々も、エラい喜んでいるのが何とも。
   最近はヘシュナ達もマンガやアニメに魅入られており、最強状態を冠した作品群に酔い痴れて
   いるらしい。つまり、2隻の最強度をそれらに当てはめているのだ。

ミスターT(まあ確かに、これら兵装を目の当たりにし、驚愕する相手を見る優越感は感じてみたい
      気もするが・・・。)
ファイサ(既に皆さん方のお力自体が、その概念に当てはまっていますからね。)
テューシャ(それに重要なのは、今現在をどうするかになりますし。良いとは思いますよ。)
ミスターT(そうですか・・・。)
    本当に大丈夫かどうかと思い悩む・・・。しかし、既に出してしまった以上、今は活躍して
   貰うしかない。懸念材料を除けば、2隻のガンシップは確実に役立ってくれる。
ミスターT(ところで、艦長役は誰がやるんだ?)
ルビナ(レプリカ大和は私が担当します。レプリカ伊400はデュヴィジェ様で。)
デュヴィジェ(ルビナ様のお力なら、レプリカ大和の主砲弾を誘導着弾する事が可能になります。
       副砲や各種銃座も同じ扱いが可能ですし。私はほぼ司令塔なので、レプリカ伊400
       でも問題なく動けますからね。)
ミスターT(鬼の兵装だなこりゃ・・・。)
   ルビナの超能力を駆使すれば、レプリカ大和の主砲弾の誘導着弾も容易だ。実際に実演した
   事もある。デュヴィジェも同じ力が使えるが、ルビナ程の力はない。だが補佐的でも十分な
   力を発揮できる。ここは、レプリカ伊400で司令塔を行うのが無難だろう。
エリシェ(2隻とも、地球からは躯屡聖堕チームの方々が馳せ参じてくれましたよ。)
ミスターT(毎度ながら申し訳ない・・・。)
躯屡聖堕メンバー1(お気になさらずに。)
躯屡聖堕メンバー2(うちらも異世界の様相に憧れてましたからね。)
   2人の言葉に、他のメンバーが雄叫びを挙げだしてくる。彼らとは何度も共闘をしたため、
   今では盟友の域に達してもいる。本当に感謝に堪えないわ。

    ちなみに、躯屡聖堕メンバーの殆ど全員がヲタク気質だとの事だ。アキバにも頻繁に訪れる
   ほどのマニアらしく、過去にアキバのヲタクの方々とも共闘した事があるらしい。その彼らが
   本当に異世界に来れたのだ、興奮しない訳がない。

ラフィナ(ともあれ、マスターが懸念されているパワーバランスの部分はお任せを。不用意に動く
     事はしません。警護者の概念、調停者と裁定者をしっかり行いますので。)
エリシェ(力があるのに使わないのは、時として不幸を招く事になる、でしたからね。私達を信用
     して下さいませ。)
ミスターT(はぁ・・・ぐうの音も出ないわ・・・。)
    真面目言葉を並べる2人だが、その表情がニヤケ顔なため、非常に信憑性に欠けてくる。
   それでも、心中に定めた警護者の理は、しっかりしているのが分かった。
オルドラ(と・・とりあえず、シュリーベルとデハラードの追加人員を運輸するよ。)
ミスターT(分かった。ルビナさんや、レプリカ大和を通常大陸側に接岸させておいてくれ。)
ルビナ(了解しました。)
   早速行動を開始する一同。今は新大陸への移動が重要なため、こちらを最優先すべきである。

    シュリーベルより南東の海岸近くに、レプリカ大和を向かわせるルビナ。海岸沿いは浅瀬に
   近いため、座礁しない場所に待機しての乗り込みとなる。同艦には小型船舶も複数搭載されて
   いるので、こちらに人員を乗せて移動させるのが無難だろう。

    ふと思ったのだが、転送装置による新大陸への移動方法もあると。すると、それを見透か
   したエリシェとラフィナ、更にはヘシュナやデュヴィジェに気にするなと威圧された・・・。
   つまり、その手法があるのを知っておきながら、海上兵装を出した事になる。見事なまでに
   踊らされた感じが否めない・・・。

    それでも、相手に抑止力として見せ付けるには好都合だ。圧倒的戦闘力を見せ付け、戦う
   意思自体を殺いでいく。無血革命も警護者の大事な戦術と戦略の1つである。

    中半へと続く。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

戻る