アルティメット
エキサイティングファイターズ
外伝8
〜覆面の探索者〜
     アルティメットエキサイティングファイターズ・外伝8 〜覆面の探索者〜
    〜第1部・第12話 海上対決3〜
ヘシュナ(ですがマスター、稼動できるかどうかの問題が出てきますよ。宇宙種族の波長と言うか、
     それがないと稼動すらできません。それに、善心があってこそ働く兵装も数多く、連中の
     状態では扱う事すらできませんし。)
ミスターT(お前さん達を見てきて、痛いほど思い知らされてる。だが、ここは異世界の属性が強く
      働いているからな。特に魔法の概念、これを使った場合が気掛かりでならない。)
    一服しながら不安材料を吐露する。地球では魔法の概念はないが、ここではそれが存在して
   いる。これにより、人為的に善心を発生させる事ができるなら、稼動は十分有り得る。
ミスターT(イザリアさんや、お前さん達が使っていた宇宙船は何隻ある?)
イザリア(私達姉妹の分、つまり3隻です。)
ミスターT(そのうちの1隻がデハラードにある訳か・・・。)
   王城の連中が何処まで駒を進めているかは不明だ。しかし、悪党の行う事は大体が同じだ。
   必ず強大な力を得ようとするに違いない。
ミスターT(・・・ミツキさんや、お前さんならどう読む?)
ミツキ(んー・・・3隻全部稼動ですかね。私利私欲の極みは、こちらを完全に圧倒するのと、より
    強力な力の掻き集めですからね。私が思うに、最悪は3隻の稼動でしょう。)
ミスターT(悩ましいわな。宇宙種族のテクノロジーは、地球の既存の兵装を超越し、使われる素材
      自体は朽ちる事が絶対にないほど強固だ。何時でも稼動可能な新品状態とも言える。)
ミツキ(ネタになりますが、本当の意味での“魔大陸浮上”ですよね。それでいて、帝国を再現する
    とか言い出しそうですし。)
ミスターT(はぁ・・・ドイツもコイツも盲目そのものだわ・・・。)
   非常に遣る瀬無くなってくる。地球でも異世界でも、悪心を持つ悪党が目指し、行き着く先は
   ほぼ同じであるという現実。これにはとにかく呆れ返るしかない。

エリシェ(そして、その大多数の淵源は人間である、と。自己嫌悪に陥る理由を痛感します。)
ラフィナ(守るべき存在なのかと、思いたくもなりますよ。)
ミスターT(まあな・・・。)
    胸中を見透かして、簡潔に戒めてくれるエリシェとラフィナ。2人はこうした愚痴を何度も
   聞いてくれており、その都度共に解決策を模索し続けていた。今も全く同じである。
ミスターT(・・・それでも、リューヴィスの女性陣の笑顔を、より一層明るくさせるためには、
      俺はどんな手段だろうが投じていく。)
ナツミA(アハハッ、そうなりますよね。マスターが出発されてからは、皆さんの表情が更に明るく
     なっていってます。それに、今だからこそ、貴方に感謝の一念も出していますよ。)
ミスターT(こんな変態気質の変人なんぞ、何の役にも立たんよ。)
ミツキ(おおぅ、正に自己嫌悪わぅ♪)
   徐々に感謝されだしている現状に、皮肉を込めて呟いた。それを自己嫌悪だと言うミツキ。
   若干のズレはあるものの、まあ自虐ネタに近いのは確かだろう。
ミスターT(・・・最悪は、重装甲飛行戦艦に7大宇宙戦艦の投入を念頭に頼む。究極は宇宙船に
      なるが、手前の空中兵装だけで済ませたい。)
ヘシュナ(了解です。そのプランは既に挙がっているので、後は出す場所を見極めるだけですし。)
ナセリス(いよいよ旗揚げですな♪)
ヘシュナ(思う存分暴れますよ♪)
ミスターT(・・・その嬉しそうな表情はやめれ・・・。)
   最後の最後で、我欲が出始める2人。いや、この場合は各マンガの最強属性に魅入られた、
   ヲタク気質の女性達と言うべきか。かく言う俺も同じ気質なので、変な興味はあるが・・・。

    先を見越しての行動、か。警護者の世界では、その生き様を貫かねば生きてはいけない。
   特に警護者の性質上、護衛者を完全警護して依頼遂行となる。守り切れない場合は、警護者
   失格そのものだ。

    如何なる手段を投じようが、警護する対象は必ず守り通す。今の警護対象は、この異世界
   惑星の普通の住人達である。規模の問題が悩み所だが、各種兵装を駆使すれば十分守り通す
   事が可能だ。

    結局、何時の時代も警護者の役割は変わらない。ならば、己が生き様を信じ切り、前に突き
   進むのみである。



    レプリカ大和を投入してからは、海上輸送は各段に向上しだした。既存大陸と新大陸の間の
   荒波だが、同艦のバランス安定機構の手前、全く以て揺れはしない。レプリカ伊400も同じ
   である。順調に海上輸送を行えている。

    流石の海賊群も、この荒波の前ではご自慢の海賊船は出せていない。この部分では、地球と
   宇宙種族のテクノロジーの勝利であろう。変な優越感に浸ってしまう。それに、向こうからの
   横槍があったとしても、2隻のガンシップの前では象と蟻の対比だ。

    だが、悪党はありとあらゆる手段を投じてくるのも定石である。王城と結託した海賊群が、
   次はどの様な手段を投じてくるか気になる所だな・・・。

オルドラ(この技術力は本当に凄まじいな・・・。)
エリシェ(過去に母国で製造された、旧世代の戦艦ですからね。今では見劣りしますが、宇宙種族の
     テクノロジーが合わさった現状、再び最強の戦艦に返り咲きましたし。)
ラフィナ(トランジットげふんげふんです♪)
ミツキ(にゃっはー♪)
    シュリーベルとデハラードの完全移動が済み、レプリカ大和の艦橋で指揮を取るオルドラ。
   同艦の技術力に感嘆し続けている。エリシェとラフィナも同伴しており、今では海上の司令塔
   と化していた。遠方のミツキのボケも健在だが・・・。
ネルビア(お嬢様方、2都市の完全撤収は済んだ感じで?)
ラフィナ(はい、お嬢様です、テヘペロ♪)
ミツキ(出たわぅ! テヘペロ姉ちゃんわぅ♪)
ナツミA(何なのよそれ。)
ミスターT(真面目会話中のボケはやめれ・・・。)
   何時もこの調子である・・・。流石に飽きが来だしているとは思うのだが、それでも引っ切り
   無しにボケを繰り出してくるのだ。怖ろしい事この上ない・・・。
ラフィナ(・・・失礼しました。でで、お話の続きですが、シュリーベルとデハラードの完全撤収は
     終了しました。)
ヘシュナ(流石に王城から不審な目を向けられていますが、今は別の画策があるのか、対して気に
     留めていないようですけど。)
アクリス(2都市が無人となったら、不法侵入してくる輩が多くなりそうな気がしますが。)
エリシェ(それでも全部見越しています。悪い言い方ですが、私利私欲者ホイホイと言いますか、
     格好の餌ですよ。)
アーシスト(姉御もやりますねぇ。)
   本当である。今後の流れを憂いて、既存大陸から脱出を図ろうとしている人物達は、ほぼ善心
   を持つ人物となる。オルドラが作戦は、中立心や悪心を持つ人物を寄せる餌なのだ。連中に
   空き物件などを譲るとまで言い出している。

オルドラ(マスターには悪いが、俺は悪党やそれら愚物は容赦せんよ。お前さんが思っている通り、
     何時も泣かされるのは女性と子供達だけだ。リューヴィスの面々が正にそれだろう。)
ミスターT(そうだな。オルドラさんの意見の方が断然正しい。)
    今挙がったリューヴィスの一件を思いだす。あそこまで卑怯で非情に至れるのかと、怒りと
   憎しみの一念が湧き上がってくる。それは時間が経過すればするほど、より一層強い一念と
   して湧き上がってくる。
テューシャ(・・・本当にありがとうございます。その思いが、過去にあった出来事を払拭させて
      くれるかのようで・・・。)
ミスターT(多くは語らんでいいよ。)
   心の内を語ろうとする彼女を押し留める。俺への戒めなどを踏まえると、テューシャも過去に
   何らかの行為を受けていると思われる。しかし、今となっては過去の話、前を向く事が重要
   となる。
ミスターT(経緯はどうあれ、最後に勝利すれば問題ない。歴史の采配は、後の世上に全て委ねる。
      俺は目の前の道を進み、己が生き様を貫き通すまでだ。)
エメリナ(ですね。より一層奮起せねば。)
フューリス(頑張りませんと。)
   3人を筆頭に、それぞれを鼓舞していく面々。リューヴィスに待機中の妹達もしかり。その
   彼女達を見て、身内は小さく微笑んでいた。

    中半3へと続く。

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