アルティメットエキサイティングファイターズ・外伝 〜覆面の風来坊〜
    〜第3部・第12話 強運と原点回帰2〜
    その後、俺達が宝くじの1等を当てた事をどこから嗅ぎ付けたか分からない愚者に追われる
   事が度々あった。しかしそこは躯屡聖堕チームの力を借りる事になる。存在そのものが近付く
   事すらさせないものだからだ。

    またそれを率先して行ってくれた理由も、資金提供にあるだろう。日本中で活躍している
   メンバーに臨時ボーナスとして支給する事になったため、メンバーは一気盛んになりだした。
   もっとも全員が己の力で努力する事を心得ている熱血漢ばかり故に、こういったボーナスは
   嬉しいのだろうな。それだけは痛感できる。


    ヴァルシェヴラームとセルディムカルダートの孤児院への寄贈も大いに喜ばれた。建物の
   修理や施設拡張などにも役立っているという。運営にも携わっているエリシェやラフィナが
   2人の女傑の大喜びに、一時的に私利私欲に走った事を痛烈に詫びて来たのも印象深い。

    まあエリシェとラフィナも根は原点回帰が据わった女傑故に、目の前の欲望には若干の気の
   迷いがあったのだろう。人間だから仕方がないわな。


    三島ジェネカンとシェヴィーナ財団への寄付はなかった。というより資金提供をしなくとも
   十分運営などを行える想像を絶する巨額の資金が存在している。それに俺達が行った寄付と
   いう一念に俄然やる気を見せ出したのが印象深い。

    今では2つ企業のオブザーバーを担当しているヴェアデュラの据わった一念が決定打だった
   ようだ。私利私欲には程遠い存在なため、その純粋無垢の信念と執念に当てられた形である。
   正しく第2の風来坊そのものだな。


    平西財閥と安堂不動産への寄付は行われた。というか三島ジェネカンとシェヴィーナ財団
   への寄贈を行わなかったため、こちらに多くの資金提供が行われている。これにはユキナや
   ウエスト・サイバー・ナッツ・エンルイの5人は大いに喜んでいた。

    ウエスト達も宝くじの話を聞いた時、無粋だと一蹴したのが印象深い。彼らの願いは先に
   叶ったナツミAの完全復帰で大満足だという。これこそ見習うべき心構えだろう。



ミツキ「同じ服があってよかったわぅね。」
ミスターT「若干色が異なるけど、まあ許容範囲内だなぁ・・・。」
    あれから数週間後。宝くじはナツミA・ミツキ・ヴェアデュラがしっかり行ってくれた。
   殆ど無欲に等しい3人に任せたのは正論だろう。上辺の言葉では願望を叶えたいと語っていた
   ヴェアデュラだったが、実際の車の修理は実費で行っているほどだ。また身内全員も同じく
   実費での願望を叶えるに至っている。

    実際に使用した宝くじは小額だった。メアティナとメアティヌが私道でグローブライナーを
   運転した際に起こした、ブロック塀の弁償費と車両の修理費30万が出ただけだった。この時
   母親のメアディルがエラい怒りつつも心配していた姿が印象深い。

    というか・・・無免許でグローブライナーを運転しようとする双子の肝っ玉には、素直に
   拍手を贈りたいものだ。見事としか言い様がない・・・。

ミツキ「メアティナちゃんとメアティヌちゃんは凄いわぅね。」
ミスターT「あ・・ああ・・・グローブライナーの件ね。何時かはやるだろうと思っていたけど。
      まあそれでメアディルが心から心配しているという事も知れただろうし。暫くは大人
      しくなるだろうな。」
ミツキ「甘いわぅよ、必ずまたやらかすわぅ。」
    自分用の洋服を選んで着込み、俺に見せるミツキ。手伝いにナツミAとリュア・リュオが
   行ってくれていた。案の定な試着室の近くがランジェリーフロアなのには何とも言い難い。
ナツミA「ミツキも幼い頃は悪戯っ子で、寝ている私の近くの医療機器を壊したりしてましたよ。」
ミツキ「それを言っちゃあ〜おしまいわぅ〜。」
ミスターT「今では笑いのネタにする所から、大丈夫だったという証拠か・・・。」
   じゃじゃ馬娘何のその。ミツキも幼い頃は娘達に匹敵するほどの爆弾娘だったようだ。まあ
   だからこそ今の彼女がある訳で。これはこれで彼女を構成する大切なものだろうな。

リュア「宝くじの私的使用がブロック塀とグローブライナーの修理費というのには笑えます。」
リュオ「それで済ませてくれたメアティナちゃんとメアティヌちゃんは英雄だよねぇ。」
ミスターT「お前達に匹敵するムードメーカーそのものだわな。」
    幼い容姿のミツキに色々な着せ替えを楽しんでいるリュアとリュオ。それにナツミAは内心
   ハラハラしているのが分かる。まあこのショッピングモールを運営するのが、今ではナツミA
   なのだから。多少の無理無茶は押し通せるのだろうな。
ミスターT「ミツキに試着させた衣服は全部買う事ね。」
リュア「ああ、大丈夫〜。私達の体格もミツキ姉ちゃんと同じだから、共有して買う事にする〜。」
リュオ「その辺はしっかり考えていますぜダンナ〜。」
ミスターT「何とも・・・。」
ナツミA「フフッ。」
   う〜む、肝っ玉が据わっているリュアとリュオには敵わないわな。またミツキとナツミAにも
   到底敵わない。この2組の姉妹には誰も敵わないだろう。天下無双とはこの事だわ。



ミツキ「ただいま〜わぅ。」
シューム「お帰り〜。」
    本店レミセンへと帰宅した俺達。あれから数時間はミツキへの着せ替えを楽しんだリュアと
   リュオ。当然大多数の衣服を買う事になり、俺は凄まじい数の衣服を持たせられる役目を担う
   事となった。傍らにいるナツミAは夜食に使う食材を両手一杯に抱えている。
シューム「うわぁ・・・、マスターにそんなに買って貰ったの?」
ミツキ「違うわぅよ。わたとリュアちゃんとリュオちゃんとで割り勘で買ったわぅ。」
リュア「体格同じだから着こなせる〜。」
リュオ「大丈夫よ〜。」
   早速分担して衣服を上階へと運んでいくミツキ・リュア・リュオの3人。その仕草は女の子
   そのものに見え、微笑ましい視線を送るナツミAと俺であった。

    ナツミAは夜食の食材を使って手料理を作り出している。それにより厨房を彼女に任せ、
   新しく導入したコーヒーメーカーで色々と試しだすシュームだった。


シューム「ところで、今ので幾らぐらい?」
ミスターT「合計78万・・・。」
シューム「ぶっ・・・。」
    ミツキ・リュア・リュオが買い漁った衣服の合計に驚愕するシューム。78万もの衣服を
   買う3人には驚きだが、今までに溜め込んだ資金郡は大量にあるため痛手ではないという。
ミスターT「まあねぇ・・・ミツキを着せ替え人形みたいに色々と着せていたから、それらに用いた
      衣服を言わば弁償として買った事になるが・・・。」
シューム「ああ・・そう言う事ねぇ・・・、それだったら理解できるわ・・・。」
ミスターT「まあ・・・3人とも自腹だし、大いに楽しんでいたからいいんじゃないか。」
ナツミA「そうですよね、そこは大目に見ましょう。」
   ショッピングモール運営に携わるナツミAとしては、今回の売り上げで万々歳だったらしい。
   そこも狙って3人は暴れまくったのだろうな。そう考えて動いていたら猛者だわ・・・。



ミスターT「・・・宝くじで原点回帰、か・・・。」
    ナツミAの手料理を楽しみながら呟く。傍らではアメリカはアルエキファイタの試合を視聴
   しているシューム。衛星中継によるリアルタイムでの視聴とあり、お客さんがいるなかで叫び
   ながら楽しんでいる。何とも・・・。
ナツミA「マスターの強運にも驚かされましたが、それすらも周りへの分け隔てない愛情へと変革
     させていった事にも驚かされましたよ。」
ミスターT「これ以上の幸せを望んでどうするね・・・。一夫多妻の現状からして、世界中の男性
      から羨ましがられるわな・・・。」
ナツミA「フフッ、確かに。それでも貴方が起こした行動は間違いではありませんよ。現に3つの
     大きな事変を乗り越えられたじゃないですか。」
ミスターT「そうだったな・・・。」
   インフルエンザ事変・企業間抗争事変・核弾頭事変の3つの事変。これこそ俺の人生の中で
   一番の戦いだっただろう。特に核弾頭事変に関してはジェリヴァとアビゲイルを黙らせたと、
   裏の方では大喝采を浴びている。

ナツミA「それに私の命も支えてくれました。更にはウエスト達をも支えてくれている。これには
     感謝し尽くせません。」
ミスターT「人の一生は短い。それに何時死ぬかも分からない。だからこそ、その瞬間を爆発的に
      輝き生き様を刻んでいく。流星が燃え尽きる時に真っ赤に輝くのと同じように。」
ナツミA「感謝の一念は行動で返せ、マスターが私に仰ってくれた言葉でしたよね。だから今はもう
     他の一念は抱きません。私は私の生き様を通して、今度は周りにいる困っている人達を
     心から支え抜いていく。それが第3の風来坊たる生き様です。」
ミスターT「流石はザ・オールウェイズだわ。」
    何時死ぬか分からない幼少を過ごしたナツミA。しかし決して諦める事なく突き進んだ結果
   が今である。それにミツキ・ウエスト・サイバー・ナッツ・エンルイ達の陰の活躍も踏まえ、
   俺はナツミAをザ・オールウェイズと語った。彼女ほど周りとの絆を最優先に動いている存在
   はいない。そしてこれからも同じである。


ミスターT「ふぃ〜、ご馳走様でしたっと。」
ナツミA「どう致しまして。」
    食べ終わった食器をカウンター越しにナツミAに手渡す。それを直ぐに洗い出している。
   傍らでは今もプロレス試合の観戦に熱狂しているシューム。この姿は最近多く見られるわ。
ミスターT「ショッピングモールの運営はこのまま続けるのかい?」
ナツミA「いえ、暫くしたらナッツとエンルイに任せようかなと思っています。躯屡聖堕チームは
     ウエストとサイバーがお力添えをさせて頂いていますが。」
ミスターT「安堂不動産はユキナに全権を担って貰ってるしな。名前こそお前さんを使っているが、
      理は平西財閥そのものになりつつあるしね。」
ナツミA「そうですね。ユキナ様にはお世話になりっ放しです。」
   今は看護士と介護士の資格も取り出しているナツミAとミツキ。それが終われば悲願である
   孤児院の運営に正式に携わりだすという。
   ナツミAはヴァルシェヴラームの後継者として、ミツキはセルディムカルダートの後継者と
   して活躍するらしい。既に孤児院の覇者と魔王は2人に全権を譲ろうと画策しているらしい。

ナツミA「安堂不動産は事実上、平西財閥との合併となりますね。平西財閥自体が今では国内最強の
     企業として成り立っていますし。それに安堂不動産は国内最強の不動産会社ですから。」
ミスターT「お前さん所属の安堂不動産と平西財閥は別として、三島ジェネカン・シェヴィーナ財団
      との関係性もあるんだったな・・・。」
    三島ジェネカンとシェヴィーナ財団の運営はエリシェ・ラフィナ、そしてヴェアデュラ・
   エリム・エリアに任せっ切りの状態である。が、この2社の社長は本来ならば俺も担わないと
   いけないのだ。エリシェとメアディルの夫としての最もたる責任である。
ナツミA「凄い話ですよね。世界最強の大企業である三島ジェネカン、アメリカ大陸・ユーラシア
     大陸・ヨーロッパ大陸最大の大企業であるシェヴィーナ財団の社長令嬢を妻としている。
     知り合いでは日本最強の平西財閥と安堂不動産、そして今では世界最強クラスになりつつ
     ある躯屡聖堕チームとの関係も。言わばマスターは5つの大企業の全権を握っていると
     言ってもいいでしょうし。」
ミスターT「恐れ多い話だよな・・・。」
ナツミA「まあでも、貴方の原点回帰は絶対不動です。マイナス面の考えは絶対に起きない。起きた
     としても、周りに恐怖の暴君とも言える面々が嗜めてくれる。それがあるからこそ、この
     5つの大企業が今も原点不動の一念を定めて突き進められるのですから。」
   ナツミAの断言に俺は頭を下げた。今となっては一騎当千・天下無双の女傑に等しい彼女は、
   原点も不動たる一念が燦然と据わっている。病床の幼少期を過ごしていたためか、今の彼女は
   凄まじいほどに輝いていた。あの時は世間体の問題を一身に受けつつも、ナツミA達を心から
   静養させるために動いたのは間違いではなかった。


ナツミA「シェヴ様が育ての親の身分ながらも、貴方を溺愛する意味を痛感しています。私も貴方の
     大海原のような深く広い愛情に魅入られていますので。」
ミスターT「しかし、その一念は周りへ向け続ける。そうだろう?」
ナツミA「フフッ、分かっちゃいましたか。今となっては恋愛云々を超越した、純粋無垢の一念が
     心中の不動たる原点ですよ。そこに回帰させてくれたのも、他ならぬ貴方ですから。」
ミスターT「嬉しい限りだよ、ありがとう。」
    ナツミAとミツキこそが自分の長年追い求めていた覆面の風来坊である。それを改めて思い
   知らされた。この2人ならば世界から孤児を無くすという誓願に、今一歩近付く事ができると
   確信している。彼女達のような心構えを持つ存在を育てていけば、必ず達成できるわな。
シューム「そんな2人に愛娘達が役立ってくれるのは嬉しいわ。私が発端となった貴方との子作りも
     無謀ではなかったと言えるから。」
ナツミA「先見性が有り過ぎですよ。当時は無謀とも思えても、それが先の3大事変を乗り切るのに
     大活躍となりましたし。」
ミスターT「第1の風来坊はシェヴとディム、第2の風来坊はシュームや他の妻達と縁の下の力持ち
      達。そして第3の風来坊がナツミAとミツキだろう。娘達も微力ながら力添えできる。
      これほどの流れになるとは思いもしなかったわ。」
   一服しながら過去を思った。本当に不思議な流れであろう、そう思わざろう得ない。数々の
   戦いが一瞬のように過ぎ去っていった。それこそが俺の生き様の1つ1つなのだから。

ナツミA「宝くじを当てて頂いて感謝しています。今まで以上に団結力と絆が定まったのは事実。
     小指の爪の砂とも取れる1等賞の的中が合計で3つ、これが発端となったのですから。
     マスターの強運の強さには驚かされます。」
シューム「これからも買い続けてみてみたらどう。運試しには十分だと思うわよ。」
ミスターT「そうだなぁ・・・。それに身内が私利私欲に走ろうとしたら、ナツミAやミツキ達が
      痛いほどに嗜めてくれるだろうし。安心して挑めるわな。」
シューム「ハハッ・・・。」
    自分の運試しが原点回帰、本当に不思議な流れだろうな。これからもちょくちょく宝くじは
   買ってみるとしよう。売り上げにも貢献できるだろうし。
シューム「でもねぇ・・・販売する女の子を口説かないようにね・・・。下手な真似したら・・・、
     ナツミAちゃんやミツキちゃん以上に大変な事をするからね・・・。」
ミスターT「そ・・それは心得ています・・・。」
   最後の最後で催促されたわ。リュアとリュオから聞いたのだろう、銀行員の女の子に口説きを
   入れた事を。それに嫉妬心剥き出して詰め寄るシューム。この妻達の嫉妬心による殺気立った
   目線には、流石のナツミAやミツキは到底敵わないと断言できる・・・。

    些細な事から原点回帰は起こる。それは何時起きるかは分からない。しかしその瞬間は自身
   にとって本当に幸福な瞬間であろう。その一時一時を心から感謝したい・・・。

    俺もまだまだ頑張らねばな・・・。



    ちなみにシュームが述べた、その都度ある宝くじの購入。これに挑んでいったのだが、何と
   高額資金が当たる場面が多々あった。これには喜ぶ以前に呆れ返ってしまった。

    更には先の原点回帰から1年後のサマージャンボで、再び1等的中という強運もあった。
   俺の運はどうかしているのだろうか・・・。


    まあそれらもヴェアデュラ達に全て任せた。全額を寄付し、社会の貢献に一役担わさせて
   頂いた。直後に妻達や娘達が溜まっていた資金で無礼講の如く衝動買いなどをしたのも印象
   深い。

    もはや何らかの幸運があれば、それらは全て周りに分けていく。そしてその時は自分自身で
   培った力で自分自身を労わる。これが通例になりそうである。


    力を持ちすぎるものは全てを壊す。コアユーザーに大人気のゲーム、アーマード・コア。
   これのラスボス筆頭のハスラー・ワンの名台詞だ。

    しかし考え方によっては、その力もプラスの方向性に向けられる。この時大いに助かるのが
   嗜めてくれる存在なのだろうな。

    人とのコミュニケーションや絆、これらは本当に大切にしていきたい。これも俺らに共通
   する、風来坊の理そのものだから。

    第3部・第13話へと続く。

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