アルティメットエキサイティングファイターズ・外伝 〜覆面の風来坊〜
    〜第2部・第14話 最終話・覆面の風来坊2〜
    その後ボウリングを連続20ゲームもプレイした娘達。流石の母親7人はグロッキー状態、
   俺とヴァルシェヴラームもかなりバテ気味である。


    そうそう、ボウリング場で珍しい人物と出会った。ダーク・ディルヴェズLK・ウィレナ・
   トモミ・リヴュアスの5人だ。

    最初に出会ったダークを筆頭に、初めて会ってから19年が経過している。5人とも類を
   見ない美女へと成長していた。

    リヴュアスだけ50歳と俺達と変わらない年代だが、それを思わせないほどの美丈夫だ。
   彼女も俺と同じタイプなのかも知れない。

    彼女達も一緒にボウリングをプレイし、その後一緒に自宅へ招いた。15人の娘達には呆れ
   返っているが、その幸せな姿に頬笑ましい視線を送ってくれている。



    自宅へと戻るとソファーへと寝転がるシューム。他の6人もソファーにもたれ掛かったり、
   相席して寝っころがっていた。

    ダーク・ディルヴェズLK・ウィレナ・トモミ・リヴュアスも同じくグロッキー状態で、
   シュームが寝転がるソファーの近くに寄り掛かっている。

    ちなみにこのソファーはかなりデカい代物。大人数人が寝れるぐらいの大きさに拡張可能
   なのだ。部屋が広くなければ置く事はできない特注品である。

    15人の娘達はと言うと、テレビゲームに勤しんでいる。大賑わいの彼女達は底なしの疲れ
   知らずだろう。


ヴァルシェヴラーム「レミセンの担当は大丈夫なの?」
ミスターT「リュエラ達やターリュ達が担当してくれてますよ。」
    マンガ家として突っ走るシンシアのサポートに、ターリュとミュックが付いてくれている。
   というか双子も売れっ子のマンガ家としてデビューしており、3人4脚で頑張ってもいる。
   リュエラ・リュミス・リュヴスもマンガ家としてデビューしているが、シンシア達のサポート
   に回ったりしていた。本職はエシュリオスとエフィーシュの専属マネージャーとして活躍して
   いる。今ではエシュリオスとエフィーシュの心の支えにもなっている程だ。
ヴァルシェヴラーム「あれから21年か・・・。」
ミスターT「あっと言う間でしたね。」
   バルコニーへと出て表を眺めた。3階なだけあり、遠くを一望できる。エリシェの家なら、
   更に遠くまで見渡せるのだが。

ミスターT「今年で81でしたよね。」
ヴァルシェヴラーム「違うわよ、今年で91よ。」
ミスターT「・・・特異体質としか言いようがないですよ。」
    91歳となれば高齢者になるのだが、彼女の外見は30代にしか見えない。シワもなければ
   体力の衰えもない。かく言う俺もそうなのだが・・・。
ヴァルシェヴラーム「でもいい加減お迎えが来てもおかしくないけどね。」
ミスターT「母さんはまだ生きなければダメですよ。」
ヴァルシェヴラーム「そうね。君が言っていた、テメェの生き様を示せ。それを貫かないとね。」
   徐に頭を俺の肩に寄せてくるヴァルシェヴラーム。その彼女の肩に手を回してあげた。年齢や
   関係を除けば、彼女もまた愛しい人の1人なのだから。

ヴァルシェヴラーム「・・・あと50若かったら、君との子供が欲しかったんだけど・・・。」
ミスターT「何とも・・・。」
    この美丈夫の発言にも驚かされる。過去に一夜を共にしただけに、その貪欲度の凄さは尋常
   ではない。間違いなくシュームを超える存在だろう。
ヴァルシェヴラーム「でも、ヴェアちゃんがいるからいいかな。私と貴方との大切な子供だから。」
ミスターT「そうだね。」
   ヴェアデュラを引き取ったのがヴァルシェヴラームで、それから今に至るまで育てたのが俺と
   いう不思議な流れ。彼女が語った言葉はしっかりと当てはまる。
   血こそ繋がっていないが、ヴェアデュラは俺とヴァルシェヴラームの大切な愛しい娘である。


    暫くするとこちらを向いてくるヴァルシェヴラーム。その意図を知った俺は、静かに唇を
   重ねた。今となっては母子ではなく、1人の愛しい女性として見れるのだから。

    俺は最大限の労いを込めて、アツい口づけをしてあげた。それに身を委ねて浸る彼女。少し
   でも心の支えになれれば、俺の生き様も無駄ではない。



    部屋に戻っても娘達はゲームに没頭している。色々なゲームをそれぞれやりながら、充実
   した一時を過ごしているようである。

    殆ど体力派に近い娘達なだけに、こういった内なる遊びはあまりしない。本当に暇があれば
   遊ぶといったもので、お世辞に上手いとは言えないのが現状だろう。


ミスターT「呆れ返るだろう?」
    しかし遊びという概念に対しては全力投球する娘達。半ば修羅場に近い現状に、殆ど部外者
   と言えるダーク・ディルヴェズLK・ウィレナ・トモミ・リヴュアスは呆れ返っている。
ウィレナ「賑やかでいいじゃないですか。」
ダーク「皆さん楽しそうですし。」
トモミ「明るさだけなら保育園の子供達を超えています。」
ディルヴェズLK「貴方のお子さんなのですから、呆れてはいけませんよ。」
リヴュアス「何事にも全力投球される姿勢は喜ばしいですよ。」
   それぞれ娘達を庇う発言をしてくれた。というか娘達の明るさから、そうせざろう得ないの
   だろうが・・・。

    ちなみに今現在の5人は、各方面で現役でバリバリ頑張っている。



    ウィレナは女子高の教師を担当し、内外問わず最強クラスの教師へと成長した。アサミと
   アユミの右腕とも言われ、何れは学園の総合校長に選ばれるだろうと予測している。

    あの少女がここまで成長するとは。女子高生の時から知っている者として、実に嬉しい限り
   である。今後も凄まじい女傑として成長し続けるだろう。


    ダークはヴァルシェヴラームとセルディムカルダートの孤児院を一手に引き受ける存在に
   なった。それまではエシェラが担当していたが、後継者育成という事で身を引いたのだ。

    一応ダークの補佐的な役割にはいるエシェラ。エリシェとラフィナも同じ位置付けに近い。
   後にヴェアデュラやシュリム・シュリナが台頭するまでは、2つの孤児院を牽引する重要な
   存在になるだろう。


    トモミはウィレナと同じく教師の道を進む事になった。本当は以前エシェラが担当していた
   保育園の運営に携わりたいと言っていた。まあそこは彼女の生き様だ、本人に委ねよう。

    彼女も次なる後継者育成に全力を注いでいるが、今後数年間はウィレナと共に教師として
   君臨するだろう。もしかしたら娘達の中から教師になりたいと言うかも知れない。


    ディルヴェズLKは警備員から格上げされて、警察官僚まで這い上がった猛者となった。
   今現在の警察庁副長官はリュリアで、その補佐的な役割を担っている。

    あのお転婆娘リュリアのブレーキ役として君臨し、猪突猛進な性格から静かなる帝王という
   徒名で呼ばれている。どこでそうなったかは不明だが、彼女の覇気は尋常じゃないほど高い。


    リヴュアスは今でも一介の警察官を徹底して貫いている。ディルヴェズLKよりも経験年数
   が多いのだが、官僚などのオファーは一切断ってきた。地元で育っていった警察官達は上位
   へと上がっていったが、彼女だけは頑なに断り続けてきたのだ。

    今では地元での古参警察官として君臨しており、数々の新人警察官を育ててきた。彼女の
   徒名はグランドマザーの愛称で親しまれている。



    5人とも重役を担う前に、俺に相談をしてきた経緯がある。俺や7人の妻達で最大限労った
   のだが、それでも踏ん切りが付くまでかなりの時間を要した。

    この時突破口を開いたのが15人の娘達だ。特にリュアとリュオの存在が起爆剤となり、
   5人の背中を押してあげたのである。


    故に彼女達にとって娘か妹のような2人に頭が上がらない5人。リュアとリュオの存在は
   俺達はおろか周りをも鼓舞する存在になっていた。

    幼少の頃から厳しく接していたのが功を奏したのだろう。時には憎まれ役も演じた。それは
   周りへの激励という形に変わり、2人は家族や知人内で激励の達人とも言われている。


    この時はリュリアと共に泣いて喜んだ。自分達が切っ掛けを作りリュアとリュオが生まれる
   に至った。その2人が人のために役立てる存在になったのだから。

    そして俺の心に抱いていた罪悪感が漸く消えた瞬間でもあった。最後の最後で愛しい子供に
   教えられたのだ。

    もう悩むまい。抱くのは彼女達全員の幸せを守り通す事。それが俺の最後の戦いだ。



ディルヴェズLK「リュアさんとリュオさんには感謝し切れません。」
ダーク「私達の背中を思いっ切り押して下さいましたし。」
ウィレナ「お2人がいなかったら、私達は今こうしてはいなかったでしょう。」
トモミ「娘当然の存在ですが、お2人は師匠そのものです。」
    13人の娘達と一緒に楽しんでいるリュアとリュオを見つめ、5人の女傑が思いを馳せる。
   その言葉に無意識に涙が流れ出した。娘達を労われ、自然と涙が溢れてくる。
ミスターT「・・・ありがとう・・・。」
リヴュアス「な・・泣かないで下さいよ・・・。」
   心からの歓喜で涙を流す俺を見てアタフタする5人。そんな俺を背後から優しく抱き締めて
   くれるのはリュリア。俺の心中を察知したのか、直感的に行動をしてくれたようだ。
リュリア「今が一番幸せです。内外問わず娘達が役立ってくれた。貴方と一夜を共にし、愛しい子供
     を身篭ったのは正解でした。」
ミスターT「・・・そうだな・・・。」
リュリア「ダークさん・ディルヴェズLKさん・ウィレナさん・トモミさん・リヴュアスさん、私の
     方からもお礼を言わせて下さい。娘達を心から慕って頂いて、本当に感謝しています。」
   リュリアの心からの言葉に、今度は5人が涙を流しだす。彼女の姿がリュアとリュオの姿と
   ダブったのだろう。母娘に心から労われ、歓喜に沸き上がったのだろうな。

    声を押し殺して泣き続ける俺達。それに娘達の遊びが中断する。まるでその瞬間だけは心に
   刻むのだと語っているようである。


    何から何まで子供に教わり続けている。愛しい7人へ覆面の風来坊の理が受け継がれたと
   思っていたが、次は自分の娘達にその理が受け継がれたのだ。

    俺の行動は無駄でも無謀でもなかった。それを心から実感した瞬間であった。



    暫く歓喜の余韻に浸る俺達。頃合いを見計らって娘達が再び動き出した。本当に心から感謝
   できる存在である。実に嬉しいものだ。

ディルヴェズLK「貴方に何度も助けて頂いて、その娘さん達にまで助けて頂いたのです。私達に
         出来る事があれば何でも仰って下さい。」
    5人を代表してディルヴェズLKが語り出す。それにうんうんと頷く他の4人。初めて知り
   合ってから19年経過している。5人もそれ相応の年代だが、今も未婚で独身だ。
リュア「父ちゃんさ〜、お姉ちゃん達も父ちゃんの奥さんになるの?」
リュオ「賑やかになるねぇ〜。」
   そんな俺の心中を見透かしてか、リュアとリュオがとんでもない発言をする。それに大赤面
   しだす5人。前なら俺も呆れ返るのだが、今となっては驚かない自分にも呆れるほどである。
ミスターT「う〜ん・・・それはないだろうな。」
リュア「なんで〜?」
リュオ「母ちゃん達だって、同じ経緯で一緒になったんでしょ?」
ミスターT「まあなぁ・・・。」
   数十年前のリュリアを見ているような気がしてならない。ストレートな発言は周りの度肝を
   抜き驚かせる。それがリュアとリュオにも受け継がれていた。

リュリア「私は構いませんよ。今更隠し立てしても仕方ありませんし。それに5人の方々が貴方を
     心から愛しているのは分かっていますから。」
    暴走気味のリュアとリュオに便乗しだすリュリア。それに呆れ返る他の6人の妻達。しかし
   彼女の発言はシューム譲りのもの。シュームの思い切った行動がなければ、今こうしている
   事はないのだから。
ミスターT「まあ・・・お前達が本当に願うのなら、俺も腹を括ろう。そうやって彼女達が生まれて
      来たのだから。」
リュア「楽しみだねぇ〜。」
リュオ「賑やかなのは大歓迎にゃ〜。」
   リュアとリュオの頭を撫でながら語る。そんな俺に満面の笑みを浮かべて語り返す双子。娘達
   の中でありとあらゆる部分が無敵と称される存在、それがリュアとリュオなのだから。

    ダーク・ディルヴェズLK・ウィレナ・トモミ・リヴュアス。この5人も何れ愛しい人の中
   に加わるのは目に見えている。その背中押しを担うのは、間違いなくリュアとリュオだろう。

    これは・・・避けられそうにないな・・・。何とも・・・。



    再びゲームを再開しだした娘達。何とか回復した7人の妻達を含めてのゲーム大会に発展
   していた。学業や部活などに勤しみながらも、遊びも徹底していたヴェアデュラ。その腕前は
   凄まじいものである。

ヴェアデュラ「ふっふっふ、向かう所敵なし。」
リュア「姉ちゃん強いなぁ〜・・・。」
ヴェアデュラ「まだまだ若いモンには負けはせんよ。」
    古臭い言葉が飛び出て驚いた。雰囲気から何からヴァルシェヴラームに似てきている彼女。
   まだ19歳だというのに、まるで老婆のような口調である。
ミスターT「何のゲームをやってるんだ?」
シュリム「エキサイティングプロレス5というプロレスゲームです。倉庫にあったソフトとハードを
     引っ張り出してきました。」
   その言葉を聞いた俺とリヴュアスの瞳が一瞬にして変わる。雰囲気からして別人になったと、
   周りの面々は直感したようだ。

ミスターT「ヴェア、そのゲーム得意かい?」
ヴェアデュラ「もちろんですよ、負ける事はありません。誰であろうと叩き潰します。」
ミスターT「そうか・・・それは楽しみだ・・・。」
    俺の言葉に驚きの表情を浮かべる彼女。そうである、次の対戦者に名乗りを挙げたからだ。
   またリヴュアスも同じく参戦に名乗りを挙げた。これには流石に連戦連勝する彼女も青褪めて
   いる。
ミスターT「お前が負けたらアツいディープキッスをしちゃうから、覚悟してね。」
リヴュアス「私は強烈なベアハッグを致します。」
ヴェアデュラ「え・・ええっ?!」
シューム「あらあら、大変な事になっちゃったわねぇ〜。」
ヴァルシェヴラーム「頑張ってね、ヴェアちゃん。」
   格闘実戦がある7人の妻達は把握した。また偉大なる母のヴァルシェヴラームも同じである。
   俺がプロレスゲームの技を見様見真似で実戦に投入した事を思い出したようだ。


    このエキサイティングプロレス5こそ、幼少の頃に没頭した格闘ゲームの1つ。オリジナル
   キャラクターを作成できたり、多岐多様の試合を行えるなど魅力的な要素がギッシリだ。

    過去に格闘術大会などで見せた俺の強さ、そのウリはこのゲームにある。それだけ年紀が
   入っている。1人になった時などには、こればかりプレイしまくっていたわ・・・。

    またリヴュアスも共に修行した仲であり、彼女の腕もかなりのものである。ヴェアデュラの
   何気ない言葉で火が着いた様子である。


    俺との対戦に震え上がるヴェアデュラ。そんな彼女の額に、自分の額を当てる。すると一瞬
   にして震えが止まった。ヴァルシェヴラーム譲りの落ち着かせる厚意である。

    少し不安そうな彼女だが、俺を見つめると小さく頷く。勝負は勝負と心に決めたようで、
   一呼吸入れるとテレビに向かっていった。

    う〜む、この肝っ玉の強さはヴァルシェヴラーム譲りなのか・・・。それとも周りの育ての
   親譲りなのか・・・。何とも・・・。



    数十分後、アツい口づけと癒しのベアハッグをされて骨抜きにされているヴェアデュラが
   いた。試合結果は連敗である。俺とリヴュアスとは経験が違うのだから。

リュオ「父ちゃんとリヴュアス姉ちゃん強いなぁ〜。」
ミスターT「33年間もやってるからね、それ相応の実力は持っているつもりだよ。」
    ゲームに興味を示したリュアとリュオに操作方法を伝授している。膝の上に2人が座り、
   小さな両手でコントローラーを握り締めている。その傍らで共にレクチャーするリヴュアス。
   彼女もかなりの腕前を持っているからだ。他の娘達も興味津々に窺っていた。

    7年前は赤ん坊だった双子も、今ではお転婆娘まっしぐらである。それにリュリアと初めて
   会った時を思い出させる雰囲気である。流石は親子だろう。

ミスターT「でも流石は俺の娘だよな。ヴェアは短時間で操作をマスターするに至っている。俺は
      この道33年間プレイし続けているが、まだまだ極めたとは言えない。」
ヴェアデュラ「こ・・こんなに強いのにですか?」
ミスターT「己の限界を察知して止めてしまえば、それ以上の進化はないよ。停滞は破滅を導く。
      常々日々に強き給え、正しくその通りだよ。」
    骨抜きから回復したヴェアデュラも、再び基礎知識から学ぼうとしだした。しかし俺の背中
   に抱き付いてきての観覧だ。背中に当たる胸が何とも言えない心地良さだが、態と抱き付いて
   きている気がしてならない・・・。

ミスターT「・・・ヴェアも胸デカいんだな・・・。」
ヴェアデュラ「クラスでは男子に巨乳とか言われてますよ。仕返しに捕まえて頭を胸に押し当てて、
       思いっ切りゴリゴリさせてますけど。」
ミスターT「・・・だからラブレター多いんだよ・・・。」
    怖ろしい事をするものだ・・・。この胸のデカさから繰り出されるヘッドロックは、間違い
   なく一撃必殺だ。野郎なら悩殺させられてしまうのは言うまでもない。
ミスターT「シェヴに似てきたと言ったけど、前言撤回するしかないな・・・。」
ヴァルシェヴラーム「いくら私でもここまで酷くはありませんっ!」
ヴェアデュラ「酷いも何も、これはユリコYさんの必殺技ですから。」
   ヴェアデュラの発言で一同納得した。ユリコYなら間違いなくやりそうな技だ。その矛先は
   間違いなくアマギHに向けられているだろうと思うと、無意識に苦笑いを浮かべてしまう。

ミスターT「まあ何にせよ、肝っ玉の強さは何時でも役立つ。あまり過激な行為は困るが、その位の
      ワイルドさは必要だよ。」
シューム「そうだねぇ〜。」
    言動はともかく、ヴェアデュラの生き様は自由奔放そのものだ。しかし見定めている部分は
   しっかり存在する。弁えて動くからこそ、ここまで強くなれるのだろうな。
エシェラ「私が19の時にヴェアちゃんが同年代でいたらと思うと・・・。」
ミスターT「略奪愛か・・・、考えただけでゾッとする・・・。」
ヴェアデュラ「ひど〜い、そこまでいい加減じゃないですよぉ〜。」
   言葉では否定するが、行動は否定していない。より一層胸を背中に押し付けで誘惑する彼女。
   それに7人の妻達から殺気を帯びた視線を浴びせられる。これは数年後の彼女が更に過激に
   なりそうで怖いな・・・。



ミスターT「今・・・その瞬間を大切に、か・・・。」
    ヴェアデュラの猛攻を受けながら、リュアとリュオに操作を伝授する。その中でふと無意識
   に呟く俺。今この瞬間こそが一同が待ち焦がれた幸せの瞬間なのだから。
ヴェアデュラ「負けられませんよ、自分自身にはね。」
ミスターT「そうだな。」
   力強く発言するヴェアデュラに一同頷いた。14人の娘達も同じく頷いている。彼女の語る
   言葉には、色々な意味が込められているからな。
シンシア「我武者羅に突き進め、それしかありません。」
エリシェ「悩んだら止まって休憩し、そして再び動き出す。」
ラフィナ「既に何度も通ってきた道じゃないですか、恐れるに足りません。」
シューム「どんな苦難が来ても撚り潰すわよ。」
メルデュラ「面白可笑しく過ごす事も忘れてはいけませんね。」
リュリア「賑やかなのは大歓迎〜!」
エシェラ「賑やか過ぎるのも大問題だけどねぇ〜。」
   それぞれの妻達が語る言葉にウンウン頷く娘達。7歳のリュアやリュオも頷いている事から、
   それなりに理解しているのだろう。
ディルヴェズLK「マスターならどのような事であろうと乗り越えられない訳がありません。」
ウィレナ「全ての人に勇気と希望と活力を、それが貴方の存在ですから。」
ダーク「心こそ大切なれ、ですね。」
トモミ「それでも苦難は立ちはだかりますし。」
リヴュアス「私達なら大丈夫ですよ。」
ヴァルシェヴラーム「頑張らないとね。」
ミスターT「そうだな。」
   原点回帰の連続が人生そのもの。生き様はそうして築き上げられていく。それを再確認した
   俺達と、初めて学んだ娘達だった。



    俺を含めて24人の大家族。そして時期家族候補の5人の美女達。端から見れば異常極まり
   ないが、周りからは羨ましがられる程の賑やか家族として定評もある。

    それも全て覆面の風来坊として動き出した事が全ての発端。そこに至るまでの経緯もそうで
   あるが、俺自身の決断に感謝している。


    ヒッチハイクをしてトラックに乗車。揺られながら地元に辿り着いた21年前。あの時の
   俺自身に最大の敬意を表したい。

    俺の生き様は一段落したと同時に、今正に始まったばかりなのだから・・・。



    ちなみに周りからの強い要求により、リヴュアス・ディルヴェズLK・ダーク・ウィレナ・
   トモミの順番で子作りに挑む事になった。最初は躊躇っていた5人も、いざ本番となるとやる
   気満々である。

    しかも定説に近い事も起きる。それは5人とも双子の女の子を出産したのだ。これにより
   俺の娘は25人にまで膨れ上がる。完全に常識を逸脱している。

    だがこれも今となっては宿命なのかも知れない。ならばその宿命すらも素直に受け取るべき
   だろう。

    彼女達を立派な人材に育てていくのが、俺の今後の戦いなのだからな。

    第2部・完

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