アルティメットエキサイティングファイターズ・外伝 〜覆面の風来坊〜
    〜第2部・第2話 息抜き2〜
    本店レミセンを出た俺達。まずは駅ビルのショッピングモールへと向かう。傍らにいる2人
   が警察官の服装から、周りの視線が痛々しい。まるで俺を護送するかのようだ・・・。

    しかし初めての息抜きとあってか、2人とも表情はとても明るい。無理強いさせてまで行動
   したのは間違いではなかったな。



ミスターT「好きなのを選びな、終わったら教えて。」
    エリシェの浴衣を買いに来た時もそうだったが、何故試着室の近くがランジェリーフロア
   なんだ・・・。居辛い事この上ない・・・。
   そんな俺を尻目に、2人は普段着を選び出す。その仕草はしっかりとした女性だ。普段の自分
   を脱ぎ捨てている証拠だろう。

ウインド「どうでしょうか・・・。」
    ランジェリーに目が行きそうな衝動に駆られる事数十分。試着室から出てきたウインドと
   ダークH。
   ウインドはベージュのズボンに茶色のロング、そして上着にズボンと同じベージュ色を選ぶ。
   ダークHは茶色のズボンに黒いロング、上着にはズボンと同じ茶色を選んでいた。
   何だか凄い地味だな・・・。まあ彼女達がいいのなら構わないが・・・。
ミスターT「ま・・まあいいんじゃないか・・・。」
ダークH「あ・・ありがとうございます・・・。」
   既に着用したため、名札を持って会計へと足を運ぶ。合計5万を超えたが、この程度なら許容
   範囲内だろう。もちろん彼女達に買わす訳にはいかない。俺のポケットマネーによる出費だ。
ミスターT「すみません、先に試着してしまって。」
店員「いえいえ、お気になさらずに。」
   店員さんも分かっているのだろう。2人の普段見せた事がないほど明るい表情を見れば、彼女
   達を擁護したくもなる。歳相応の2人だが、まるで少女の頃に戻ったかのように嬉しがって
   いた。



ミスターT「その衣服はプレゼントな。」
    俺は2人が購入した服を全額受け持った。掛かった金額が大きいが、今までの2人の功績を
   考えれば安いものだ。
ウインド「そ・・そんな、悪いです!」
ダークH「しっかりお支払いします!」
   案の定の反応だ。2人とも驚いた表情をしながら服の代金を渡そうとしてくる。だが俺の腹は
   据わっている。この考えは変えるつもりはない。
ミスターT「3年間周りを守ってくれたお礼だよ。もっとしっかりしたものをプレゼントしたかった
      のだが、丁度いいだろう。」
ウインド「し・・しかし・・・。」
ミスターT「上官命令だ、拒否は許さない。」
ウインド&ダークH「はっ、分かりました!」
   語ってからしまったといった顔をするウインドとダークH。これも職業柄の悲しい性だろう。
   この手を使うのは好ましくないが、押し通すなら仕方がないか・・・。



ミスターT「さて、どこいこうか。」
    表に出て一服する。警察官の衣服はリュックを別途購入し、その中に入れてある。彼女達に
   持たせては悪いと思い、俺が持ってあげている。
ミスターT「行ってみたい場所とかあるかい?」
ウインド「それが・・・思い当たらないのです・・・。」
ダークH「むしろ現地がどうなっているかが心配で・・・。」
   怖ろしいまでの忠実だ。息抜きよりは地域への気遣いの方が大切らしい。これは頭が下がる
   思いなのだが、あまりにも可哀想なのは事実だ。ここは俺がエスコートしないとマズいか。
ミスターT「なら・・・秋葉原でも行ってみるか。」
   俺は駅ビルから電車に乗り、電気街で有名な秋葉原へと向かった。ここから30分前後と問題
   ない道程だ。俺も数年振りに秋葉原の街並みを見てみたい。



    怖ろしいまでに様変わりしていた。ラジオセンターで有名な建物はかなり変わっており、
   街はアイドルなどのグッズやら何やらでごった返している。
ウインド「電車には久し振りに乗りました。」
ミスターT「そうか、何時もは車の移動だっけか。」
ダークH「はい。タクシーか上層部が用意してくれたハイヤーを使います。」
   電気機器のウインドウショッピングになってしまうが、ウインドとダークHは興味心身に見て
   回っている。

    俺は煙草を吸おうとしたが直ぐに止めた。ここ千代田区は条例により、喫煙が禁止になって
   いる。一部吸える場所はあるが、ここは素直に我慢しよう。
   それに傍らにいる2人は警察官だ。普段から法規に人一倍気を使っているため、何を言われる
   か分からない。
ウインド「流石弁えていますね。」
ダークH「吸おうとしたら止めようと思いましたが。」
ミスターT「ハハッ、仰る通りにします・・・。」
   予測通りの対応だ、完全に見透かされている。というか周りを楽しそうに見つつも、俺の方を
   意識して見ていたという事か。何とも・・・。


ウインド「なるほど、歩行者天国ですか。」
    それから中央通りへと移動する。ここは毎週日曜日に指定された区画を歩行者天国として
   解放している。大通りを歩けるとあって、多くの人々がごった返している。
ダークH「あ、違法駐車発見。」
ミスターT「待て待て、今は非番だろ。今日だけは多めに見てあげなよ。」
ウインド「そうはいきません。疎かにして人が怪我でもされてからでは遅いです。」
   そう言うとポケットに持参している警察官のバッチを確認し、違法駐車車両へと向かう2人。
   俺は唖然としながらも、2人の後を追っていった。



ミスターT「不発だったね。」
ウインド「申し訳ありませんでした・・・。」
    違法駐車と思われていたのは宅急便の車両だった。個人運営をしているものだったらしく、
   外見からでは普通の一般車両と見分けが付かない。完全な不発だった。
ミスターT「2人ともバッチを貸してくれ。」
   俺は2人から警察官のバッチを受け取り、自分の胸ポケットにしまう。それを見た彼女達は
   何なんだと問い質してきた。
ダークH「何をするのですか?」
ミスターT「余程の大事以外での出動は自粛するように。それまではバッチは預かる。今の瞬間は
      普通の女性としての行動をするんだ。」
   後ろめたそうに俺を見つめるが、こうでも言わなければ踏ん切りが付かない。今何のために
   ここにいるのか、それが最も重要だからだ。それは理解して欲しいものだ。



    その後は電気街を散策する。一昔は電気機器が多く並んでいて、アイドル系やゲームなどは
   ごく限られた部分にしかなかった。

    だが今はどうだ、萌えで有名という事か。アイドルやらゲームが表に出ており、電気街とは
   言えないほど様変わりしている。野郎としては嬉しいが、古風な秋葉原の方が好きだったな。


ミスターT「ストリートミュージシャンか。」
ウインド「これも本来は違法・・・。」
    そう言い掛けたウインドの口に人差し指を当てる。それを見た彼女は申し訳なさそうな表情
   を浮かべてくる。
ミスターT「エリシェやラフィナが来たら驚くだろうな。」
ダークH「そ・・そうですね・・・。」
   いてもたってもいられないといった雰囲気のダークH。間違いは間違いと指摘しないと気が
   済まないのだろう。その彼女の腕を掴み、自分の腕と絡ませる。
ミスターT「今は何のために来ているのかい?」
ダークH「え・・え〜と・・・。」
ミスターT「俺とデートに来たんだろう?」
   そう語ると顔を赤くするダークH。またウインドも同じく顔を赤くしている。どうやら普通に
   連れ出されていると思っていたようだ。
ミスターT「周りへの気配りもいいが、俺に対しても気配りをして欲しいな。」
ウインド「ご・・ごめんなさい・・・。」
ダークH「そ・・そうとは知らず申し訳ありません・・・。」
   これは俺にも責任があるのだろう。前もってデートと言えば自粛してくれたりした筈だな。
   だが先に話していればシドロモドロになるのは言うまでもない。何も言わずに連れ出したのは
   ケースバイケースだろう。



女性「あれ・・・もしかして・・・。」
    デートと言った後からは、ウインドとダークHも何も言わずに付いて来てくれた。俺を意識
   しての事だろう。静かになった事は確かだが、溜まって爆発しないかどうか不安でもある。
   その中で見知らぬ女性に声を掛けられる。相手とは面識は一切ない、何なのだろうか。
ミスターT「どうしました?」
女性「いえ、こちらのお2人なのですが。以前東京ドームでのコンサートにいませんでしたか?」
   東京ドームというと、ラフィナとエリシェのイベントのアレか。確かにあの時2人は着任して
   いたな。
ウインド「そうですね。」
女性「やはりそうでしたか。私はエシュリオスさんとエフィーシュさんのファンでして。その時に
   拝見しました。」
ダークH「なるほど。」
ミスターT「立ち話も何だから、一服するか。」
   会話が長くなりそうだったので、近くのレストランに寄る事にした。時刻も午後1時を回った
   事だし、丁度昼食を取ってもいいだろう。無論相手の女性にも了承を得ての行動だ。間違えば
   変な取られ方をされかねない。



    彼女の名前は笹島リュエラ。エシュリオスとエフィーシュの追っ掛けをする女子学生だ。
   ここ秋葉原には双子のCDを買いに来たという。3年の月日は双子をアイドルにするには十分
   なものだ。まあこれも2人の実力とも言える。

    リュエラは三つ子の長女で、姉妹して双子を追っ掛けているそうだ。丁度中央通りのゲーム
   センターで遊んでいるとの事。姉に押し付けて妹達は遊びとは、何とも・・・。


リュエラ「エシュリオスさんとエフィーシュさんの追っ掛けはデビュー当時からしています。短期間
     で這い上がった紛れもない猛者ですよ。」
    双子の事を熱く語る。学生とあってか、まだまだ女の子の色が濃い。だからこそ一途に進む
   事ができるのだろうな。
ウインド「お2人の歌声は心が落ち着きますね。」
ダークH「苛立った感情が抑えられ、優しさが込み上げてきます。」
リュエラ「でしょでしょ、凄いですよね〜。」
   一応ウインドとダークHも双子の心を感じているようだ。まあ同性という事もあるだろうが。



ミスターT「腹ごしらえはしたから、そろそろ行くか。」
リュエラ「あ、ミスターTさん。おごって頂いて、ありがとうございました。」
    雑談に明け暮れそうになったので、キリがいい所で引き上げる事にした。リュエラも妹達が
   待っている。あまり時間を掛けさせてはマズいだろう。
ミスターT「そうだ、今度レミセンに遊びに来るといい。」
リュエラ「え、レミセンって・・・。もしかして、喫茶店ザ・レミニッセンスの事ですか?」
ミスターT「あらま、知ってたのか。」
リュエラ「今年高校生になったので、何度か足を運んでいます。美人マスターが経営するとあって、
     男子からは凄い人気ですよ。」
   話によるとリュエラ達は隣地区の住人らしい。そこから高校へと通っているようだ。となると
   俺達の姿は見ているのだろうけど・・・。
リュエラ「今度お伺いしますね。」
ミスターT「ああ、何時でもおいで。」
リュエラ「ありがとうございました、ではまた〜。」
   礼を述べると雑踏へと消えていくリュエラ。その後姿は数年前のエシェラ達と同じ。若いと
   いうのはいい事だな。

    彼女を愛おしそうな目線で見送る俺に、左右からギラついた視線が突き刺さる。ウインドと
   ダークHのものだ。それは自分達がいるのにいった意味合いだろう。まあこれはこれで嬉しい
   限りだ。俺を異性として見てくれている証拠でもあるからな。



ダークH「模擬店も出てるのですか。」
ミスターT「ん、これ食うかい?」
ダークH「そうですね、頂きます。」
    再び歩行者天国へと戻った。模擬店も出ていたので、そこでお好み焼きを買う。こういった
   出店の食べ物は何時食べても美味しい。1人分だけ買おうとしたが、ダークHに声を掛けられ
   3つ分購入した。

ウインド「う〜ん、美味しい〜。」
ミスターT「だろ〜、今年の盆踊りも模擬店が出ると思うから一緒に行くか。」
ウインド「あ、はいっ!」
    マツミの運送業の仕事は既に解雇済みだ。他の社員が多くなったという事で、お役ご免と
   いう形になる。
   今は完全フリー状態だ。言わば本職の喫茶店マスターに戻ったとも言える。これからも彼女達
   との交流を深めるのも1つの人生だ。


ミスターT「2人も確か格闘術を会得してたよな。」
    近くの臨時ベンチに座り、お好み焼きを食べた。相変わらず歩行者天国は賑わっている。
   すっかり慣れたのか、ウインドもダークHも女性としての行動が目立ちだしていた。
   その中で2人の格闘術に関して聞いた。エシェラ達を凌駕するほどの腕前だと聞いている。
ウインド「はい。私もダークHも同じく、基礎となるものは習いました。」
ダークH「以前エシェラさん達と一緒に手合わせしたのですが、負けてしまいましたよ。2人して
     掛かっても強かったです。」
ウインド「ラフィナさん・エリシェさん・シンシアさんも怖ろしく強いですよ。」
   何という事だ。現役警察官としてかなりの実力があるという2人を打ち負かすとは。これには
   正直驚くと同時に呆れるしかない。
ダークH「それとエリシェさんから伺っています。マスターお1人で暴漢3人を叩きのめしたと。」
ウインド「マスターも格闘術を会得されているのですね。」
ミスターT「いや、モグリだよ。あの時はプロレス技を見様見真似でやっただけさ。」
   あの時は思い付くプロレス技を放ったが、相手のレベルが低かったから助かった。しかし2人
   のようなプロを相手とするなら、間違いなく負ける。素人とプロとの差が在り過ぎだ。
ウインド「今度お手合わせしたいものです。」
ミスターT「結果は目に見えてるけどね・・・。」
   期待の眼差しで俺を見つめる2人。俺自身は全くもって強くないんだが・・・。これでは先が
   思い遣られる。でも2人が望むなら、応じた方がいいだろうな。



ダークH「ふぁ〜あ・・・。」
    その後も秋葉原を散策し続ける。色々なイベントを見て回ったりと以外に疲れる。傍らに
   いるダークHが欠伸をした。ウインドの方も貰い欠伸をしている。
ミスターT「眠いのか?」
ウインド「あ・・はい・・・。」
ダークH「実は昨日一睡もできなくて・・・。」
   なるほど、今日の事で興奮して眠れなかったのか。今にも寝そうな雰囲気だ。今から帰るにも
   時間が掛かりすぎる。かといって漫画喫茶での仮眠も厳しいだろうな。
ミスターT「しゃあない、2人とも付いてきな。」
   俺は眠そうな2人を連れてホテルへと向かう。こんな所で寝られでもしたら大変だ。ここは
   ゆっくり休める場所を選ぶしかない。場所が場所なだけに色々な考えが巡るが、背に腹は代え
   られない。



ミスターT「着いたぞ。」
    今にも寝そうなダークHを負ぶさり、眠そうなウインドの手を引いて部屋に入る。この様子
   だと相当参っているな。
   ダークHをベッドに寝かせ、その隣にウインドが横になる。ものの数秒で寝息を立てて眠り
   だした。
ミスターT「何だかなぁ・・・。」
   すっかり眠った2人に布団を掛けてあげた。何だかんだで女の子らしい一面もあるんだな。
   これはこれで実に嬉しい。この姿が本当の彼女達なのだろう。
ミスターT「俺も少し仮眠するか・・・。」
   2人の寝息に当てられ、俺までも眠くなってきた。クローゼットから予備の毛布を取り出し、
   ソファーに寝転がった。毛布を掛けると急激に眠気が襲ってくる。俺も無理してたのかな。
   今は何も考えずに休もう・・・。



    ホテルの窓から表を眺める。意外と夜景も綺麗な秋葉原だ。時刻は既に午後10時を回って
   いる。数時間前に目が覚めたが、2人は相変わらず眠ったままだ。ここまでぐっすり眠って
   いては、起こす行為が悪く感じる。起きるまで待つしかないか・・・。

    そう言えばホテルに泊まるのは海水浴の時以来か。ツーリングの時は旅館だったしな。この
   2回ともエリシェが手配してくれたものだった。今回は俺の独断の行動とも言える。

    今度お礼も兼ねてエリシェを誘って出掛けるかな。というかエシェラ達も付いて来そうな
   気がするが・・・。まあ望むなら応じねば可哀想だ。



ウインド「あ・・・あの・・・。」
ミスターT「うぉあ・・って・・・、何だ・・・ビックリさせるなよ・・・。」
ダークH「ご・・ごめんなさい・・・。」
    不意に声を掛けられ、飛び上がらんばかりに驚いた。あれから俺もソファーで転寝をする。
   待ち続けるという事はこの上なく疲れる。ここは2人に便乗してもう1回寝たのだ。
   どうやら2人とも目が覚めたようだ。時計を見ると午前1時を回っている。今日はここで一泊
   するしかないか。
ウインド「あの・・・どうしてここに?」
ミスターT「憶えていないのか。秋葉原を回っていたら眠そうだったから、休める場所に移動した。
      帰るには時間が掛かるし、漫画喫茶での仮眠でも厳しかっただろう。」
ダークH「そうでしたか・・・。」
   先程の眠そうな表情は一切ない。疲れ切っていた時の睡眠ほど効果的なものはないだろう。
   完全復活とも言えるかな。

ミスターT「ごめんな、許可なしに連れ込んだりして。」
ウインド「あ、いえ・・・。気になさらないで下さい。」
ミスターT「もしかして、あっちの方を考えていたか?」
ダークH「・・・一応。」
    そりゃそうだろう。街並みを散策していて意識が飛びそうになり、気付いたらホテルに寝か
   されていたのだ。驚くのも無理はないな。
ミスターT「大丈夫、そこまで馬鹿じゃない。それに2人にまで手を出したら、エシェラ達に何と
      言われるか・・・。」
   考えただけで怖ろしい。それに孤児のヴェアデュラを預けているのだ。無責任極まりないと
   どつかれるだろう・・・。
ミスターT「起きた事だし、飯食いに行くか。」
ダークH「でも時間が・・・。」
ミスターT「ホテル内に24時間営業のコンビニがあるらしい。簡単な飯なら食えるだろう。」
   ホテル内部にコンビニとは便利な世の中だ。まあホテルは許可を求めない限り、一度出れば
   入る事ができないのが通例とも。実際はこの限りではなさそうだが。
   俺達は内部にあるコンビニに向かい、おにぎりやサンドイッチなどを買って回った。



ウインド「何だか変わった食事もいいですね。」
ミスターT「そうだなぁ〜。」
    おにぎりを頬張るウインド。ホテルではしっかりとしたディナーを食うのが通例と言える。
   しかし今俺達が食べているのは間に合わせの食事だ。実に質素すぎる。
ダークH「汚さないようにしないと。」
   サンドイッチを食べながらも、周りへの気配りを忘れないダークH。食べかすは一切残さない
   と言った雰囲気だ。
ミスターT「どうだ、息抜きにはなったかい?」
ウインド「十分すぎるほどでした。」
ダークH「幼少の頃を思い出します。」
   2人とも満足そうな表情を浮かべている。無理強いさせてでも連れ出したのは正解だったな。
ミスターT「また出掛けたくなったら言ってくれ。」
ウインド「はい・・・。」
ダークH「ありがとうございます、マスター・・・。」
   エシェラ達に聞いた所、この3年間はかなり頑張っていたと言っている。俺的にはまだまだ
   恩返しはできていない。今後もスキンシップを計った方がいいだろう。


    煙草を吸いながら食事を取る2人を見つめた。目が合うと視線を逃がす、可愛いものだ。
   既に三十路に近い2人だが、まだまだ女の子としての行動がしたい年頃だろうな。

    俺にできる事があれば、誠心誠意応対しよう。2人が地域を守ってくれている。となれば
   俺が彼女達を守る事こそ、本当の恩返しでもあるのだから・・・。

    第2部・第3話へと続く。

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