アルティメットエキサイティングファイターズ・外伝 〜覆面の風来坊〜
    〜第3部・第2話 脅威の存在1〜
    それから数日後、早速行動を始めたフールプレジデントとフール・エンドの2社。平西財閥
   の提携する子会社などを片っ端から回収しだしたのだ。

    そこに打って出るのが躯屡聖堕フリーランスの面々。サポートは三島ジェネラルカンパニー
   が担っている。切り込み部隊は流石元暴走族、その統率力の凄さは尋常じゃない程だ。


    俺は情報収集に明け暮れている。メルデュラがかつての本業とも言えるコンピューター関連
   の業務を始めたため、ネットワークからの情報は十分にある。

    ちなみにレミセンの総合店長は彼女の娘達であるメルテュアとメルテュナが担っている。
   まだ20歳という若さながらも、その手腕は凄まじいものである。

    まあバックアップはシューム達が行っているため、殆ど見習い総合店長とも言えるだろう。
   2人の徒名は小さき巨人として、各レミセンで有名になりつつある。



メルデュラ「情報操作ですね。」
ミスターT「やはりそうか。」
    喫茶店業務に入る前からパソコンに関しては博識のメルデュラ。ブラインドタッチはプロに
   勝るとも劣らない凄まじさである。喫茶店業務で人生を終えるつもりでいたようだが、5年前
   のウイルス事変で第2の人生を歩みだしたと言える。俺と全く同じであった。
メルデュラ「確かに企業としては一流の力を持ちますが、そのやり方がやり方なだけに三流止まりに
      至るかと。哀れなものです。」
ミスターT「進むべき道を間違えた愚者、か。」
   メルデュラが操作するパソコンのモニターには、フルプレの過去の業績が赤裸々に表示されて
   いる。自分達の行動に絶対的な自信を持っているため、悪行だろうが何だろうが掲示している
   ぐらいである。これでよく警察沙汰にならないものだ・・・。
メルデュラ「とりあえず動向を見続けますよ。ネット仲間も数多くいますし、いい情報が入ってくる
      かと思いますので。」
ミスターT「分かった、ありがとな。」
   俺との会話をしながらも、目線はモニターに向けられている。両手はキーボードを操作し、
   ブラインドタッチが冴え渡る。これが喫茶店業務に至る前の彼女の本当の姿なのだから。

ミスターT「これだけPCが操作できて、何故家庭用ゲームが苦手なのかが分からないわ。」
メルデュラ「リヴュアスさんみたいに上手くいきませんよ。姉さんは天性の才能があるようで、殆ど
      直感と洞察力で動かれていますから。」
    コンピューター関連に詳しいと、意外とゲームは得意という人物が多いとの事だ。しかし
   メルデュラは殆どやらず、どちらかと言うと苦手な部類に入るという。
   対するリヴュアスはコンピューターは全くのど素人だが、ゲームに関しては家族内で俺より
   上手いのだ。
ミスターT「でもメルデュラには大いに期待している。俺ができない事をやってみせるのだから。
      偉大だよ。」
   一服しながらモニターを見つめていると、突然俺を掴み自分の膝に座らせてくる。更に両腕で
   背後から抱き締めてきたのだ。慌てて煙草を消して、彼女の為すがままにさせてあげた。

メルデュラ「全ては貴方がいらしたから成し得たのです。あのままコンピューター会社に勤務して
      いたら、そのまま何不自由ない生活をしていたでしょう。しかしそれだけです。今の
      ような毎日が過激で新鮮な日々は過ごせなかった。この切っ掛けを作ってくれたのが
      目の前にいる貴方なのですよ。貴方の方がどれだけ偉大か計り知れません。」
    俺を抱き締めつつ過去を振り返る。彼女が喫茶店のマスターとして活動しなければ、俺達
   とも縁がなく普通の女性として過ごしていたかも知れない。あの時の切っ掛けがあって、今の
   俺達がある。それは紛れもない事実なのだから。
ミスターT「・・・こうやってお前達が活躍する姿を見れば、俺の行動が間違っていなかったと心の
      底から思えるよ。」
メルデュラ「貴方は偉大です。私達を心から信頼してくれている。だから私達もこの命を賭けて貴方
      に尽くしたいのです。」
ミスターT「・・・ありがとな。」
   メルデュラの決意は総意の決意に等しい。彼女を筆頭に他の11人の妻達には、どれだけ背中
   を支えられた事か。それに25人の娘達も同じである。俺の生き様が彼女達の存在そのものと
   言えるのだから。


リヴュアス「あ・・・お邪魔でしたか?」
    いきなり声が聞こえてビックリした。後ろを振り返ると紅茶を両手にリヴュアスがいる。
   どうやら俺とメルデュラの会話を聞いていたようである。紅茶をテーブルに置くと、俺達の
   肩に優しく手を置いてきた。
メルデュラ「今さっき貴方の事をお話していたのですよ。」
リヴュアス「途中から伺っていました。メルデュラ様は私に持っていないものをお持ちになられて
      いる。羨ましい限りです。」
メルデュラ「そんな事ありませんよ。リヴュアスさんは私達以上に子供達を優しく見守ってくれて
      います。ご自身の娘さん達よりも他の娘さん達を大切になされている。心が広く優しく
      なければできる事ではありません。」
   お互いに褒め合うメルデュラとリヴュアス。家族内で巨女と謳われて髪の色も似てる事から、
   まるで双子の姉妹がいるようだ。
ミスターT「俺的にはなぁ・・・魅惑の豊満なボディが羨ましい限りで・・・。」
   冗談を告げると2人から一斉攻撃を喰らう。メルデュラに背後ベアハッグを、リヴュアスに
   米神の部分に握り拳をグリグリである。

メルデュラ「相変わらずエッチなんだから・・・。」
リヴュアス「お会いした頃は紳士的だったのに、今はエロ親父まっしぐらですよ・・・。」
    反撃を終えるとそれぞれに語り出す。俺の方は2人の猛攻にグロッキー状態である。しかし
   メルデュラの優しい抱き締めは今も続いている。またリヴュアスも俺の両肩に両手を置いて
   いた。
メルデュラ「まあ、そんなユーモア溢れる貴方だからこそ好きな訳で。」
リヴュアス「そうですよね。」
ミスターT「何とも・・・。」
   過去に同じ境遇を体験したメルデュラとリヴュアスなだけに、お互いを信頼し切っている。
   特に俺の妻となったため、今では義理の姉妹である。故に5年前よりも信頼感が高まっている
   と言えるだろうな。
ミスターT「・・・俺は本当に幸せ者だよな・・・。」
リヴュアス「まだまだ甘いですよ。これからが本番なのですから。」
メルデュラ「覚悟して下さいね。」
   改めて妻達の溺愛を確認した瞬間でもある。かく言う俺の方も溺愛に近い。今ではエシェラも
   含めた12人の妻達が、心から愛しい人と断言できる。

    本当に幸せ者そのものだ。だからこそ、彼女達を命懸けで守らねばならない。それが俺の
   役目なのだから。



メルデュラ「あら・・・面白い情報を見つけましたよ。」
    メルデュラはパソコンと格闘中。俺はリヴュアスと共にプリントアウトされた資料を纏め
   続けた。その中でメルデュラが何かを見つけたようである。リヴュアスと共にモニターの方を
   見つめた。
ミスターT「あらま・・・ゼラエルじゃないか。それにベロガヅィーブにスカーレットも。」
リヴュアス「あの元指名手配犯ですか。」
ミスターT「何でまたフルプレとフルエンの検索で引っ掛かったんだ?」
   モニターを見つめていると、別のモニターを見つめ操作するメルデュラ。そこに映し出された
   資料を見せてくれた。

メルデュラ「どうやら3人はフルプレとフルエンの資金提供を受けていたようです。というより2社
      に雇われていたと言った方がよろしいかと。」
ミスターT「う〜む・・・奴等がそれなりに動けていたのはこの理由か。」
    躯屡聖堕チームと関与していたゼラエル、そしてライディル達を陰から陥れようとしていた
   ベロガヅィーブ。スカーレットの格闘術大会乱入の動向は不明だが、前者2人の動向は妨害
   工作と言えるだろう。

リヴュアス「躯屡聖堕チームを潰そうとして、ゼラエルを送り込んだ。そしてライディル先輩達を
      失脚させるために、ベロガヅィーブを送り込んだと。」
ミスターT「スカーレットはさておき、ゼラエルとベロガヅィーブの2人は間違いなく妨害工作だ。
      それに今の躯屡聖堕チームとライディルチームの力を考えると、先を見通して潰しに
      掛かったのか。」
メルデュラ「怖ろしく切れますね・・・。」
    ただ単に無差別企業回収やウイルス事変を行っただけではなかったようだ。あのフルプレと
   フルエンの2社はそれよりも前に先見性がある部分を潰しに掛かっていたのだ。これはもう
   脅威としか言い様がない。

メルデュラ「スカーレットの件はマスター達を潰そうと計画したのでしょうね。残念ながら返り討ち
      に遭いましたけど。」
リヴュアス「しかしゼラエルとベロガヅィーブの件は、間違いなく善側に成長する要素を摘み取ろう
      と画策した。これはかなり危険な企業ですよ。」
    警察官であるリヴュアスはまだしも、警察関連には未タッチのメルデュラも驚いている。
   それが大々的に動き出したのだ、脅威の何ものでもない。
ミスターT「とりあえず資料を複数に分けてくれ。それにこのデータのコピーを頼む。改めて本庁に
      駆け合った方がよさそうだ。」
メルデュラ「了解です。」
   早速資料の複製を作り出すメルデュラ。またUSBメモリーにこのデータをコピーしていく。
   事の大きさにリヴュアスも慌てだし、急ぎ寝室へと向かっていった。おそらく正装に着替える
   ためだろう。

    俺の方もコピー作業中にタキシードへ着替える。本庁へ赴く際は、やはり正装の方が正しい
   だろう。普段着の方が気が楽なのだがねぇ・・・。


    データのコピーを終えたメルデュラ。それらを受け取り、1階の本店レミセンへと向かう。
   喫茶店ではトモミが厨房を、シュームがウェイトレスを担当している。そのシュームの傍ら
   には、生まれたばかりのトモミの双子の娘がいた。

ミスターT「悪い、本庁へ行ってくる。後を頼むよ。」
トモミ「あ・・はい、お任せを。」
    俺の雰囲気を察知したのか、トモミとシュームの表情が何時になく厳しい。それに後から
   下りてきたリヴュアス。その正装の出で立ちにも驚いていた。

シューム「何か大事でも?」
ミスターT「そうなるかも知れない。詳しくは後で話すよ。」
シューム「分かったわ。ここは私が命懸けで守るから。」
ミスターT「大袈裟だなぁ・・・。」
    曲がったネクタイを締め直してくれるシュームが語る。彼女のそれなりの決意の現れだが、
   こちらの雰囲気を察知しての言葉だろう。まあこの地域には躯屡聖堕チームの本拠地がある。
   いざとなったら彼らの力を借りるのがいいだろうな。

シューム「マスターをお願いしますね。」
リヴュアス「お任せを。お姉様は娘達をお願いします。」
    俺より緊張しているリヴュアス。その彼女の両肩に手を置き、優しく揉みだすシューム。
   それに安堵した表情を浮かべるリヴュアスだった。
   というか背丈が20cmも離れているため、多少無理しての肩揉みではあるが・・・。


    本店レミセンを出ると、少し遠方にある駐車場へと向かう。今回の同乗者はリヴュアス。
   彼女が楽に乗れる乗り物がいいだろう。という事でグローブライナーを使う事にした。

    あまり乗りはしないが、定期的な走行とメンテナンスは欠かさず行っている。それに以外
   にもディルヴェズLKが車両のメンテナンススキルを持っているため、彼女と一緒に調整を
   行ってもいた。


    ディルヴェズLKと出会ったのが、彼女のバイクの故障だ。それが気になっていたのか、
   全てのバイクと牽引までの車両のメンテナンスをできるように修行したらしい。

    今では直せない単車や一般車両はないと言う。ターリュとミュックの父、トーマスSも驚愕
   する程のスキルとの事だ。


    しかしまあ・・・身内の多岐に渡るスキルは実に凄まじいものだな。やはり日々努力する
   女性の姿は、俺ら野郎も十分に学ばねばならない。

    時代は女性の時代、か。26年前辺りから思っていた事が事実となったと言えよう。そんな
   世の中に俺の娘達が役立ってくれる事を大いに期待している。



    数時間後、本庁へと到着する。グローブライナーは正門警備の警察官に誘導され、一番端の
   駐車スペースに停車させた。

    そのまま中へと入る際、一応身分証明などを提示した。俺の出で立ちは今も覆面のオッサン
   故に必要なものだろう。

    リヴュアスは警察バッジを見せるだけで通った。というか警備役の警察官が緊張して敬礼を
   している事に驚いた。彼女も今ではトップクラスの人物なのだろうから。


リュリア「あら、お兄さん。」
ミスターT「よう。」
    リヴュアスを先頭に長官室まで案内される中、警察服に身を包んだリュリアと遭遇した。
   自宅での雰囲気は一切なく、強面のベテラン警察官の雰囲気が色濃く出ている。手に持つ資料
   の多さから、何らかの処理をしているのだろう。
ミスターT「ウインドとダークHは長官室だよね?」
リュリア「はい。例の回収企業2社による被害の対応に追われています。」
ミスターT「ここまで酷くなってるのか・・・。」
   日本警察のトップが対応に追われるぐらいだ、この一件は間違いなく大きなものとなろう。
   ますます油断はできないな・・・。

リュリア「私も行きましょうか?」
ミスターT「ああ、大丈夫。お前はお前の戦いをしてくれ。」
リュリア「フフッ、了解です。」
    俺の言葉に小さく微笑むリュリア。そのまま別の部屋へと向かっていく。その幾分か表情が
   堅いのが気になり、無意識に労いの行動をしだしてしまう。
ミスターT「言い忘れた。正装のお前も可愛いよ。」
リュリア「なっ・・・い・・今は勘弁して下さいっ!」
   労いの言葉は口説きの言葉にもなってしまうのは俺の性だ。それに顔を赤くして焦るリュリア
   だが、堅苦しかった表情と雰囲気が一瞬にして消え失せていた。
   そのままそそくさげに雑務をこなしていくリュリア。しかし労いをする前とした後では雰囲気
   が全く異なっていた。


リヴュアス「流石ですね・・・。」
    リュリアの後姿を見守っていると、背後からリヴュアスの声がした。それに寒けが走る。
   ゆっくりと彼女の方を向くと、案の定殺気に満ちた表情を浮かべていた。
ミスターT「・・・ここまでヤキモチ妬かれるとなぁ・・・。」
リヴュアス「半分はヤキモチです。でももう半分は憧れの一念です。リュリア様の雰囲気が一瞬で
      変わりましたから。貴方でしかできない業物でしょうね。」
   俺のした事にも理解を示してくれていた。リュリアの場合は内面の不安などが外面に色濃く
   出てしまう。故にそれを静めねば周りにも迷惑を掛けてしまうだろう。
ミスターT「お前も十分可愛いよ。ワイルドウーマンさながらだが、女性としての姿もある。」
リヴュアス「も・・もうっ・・・。」
   間隔空けずにリヴュアスにも労いをすると、リュリアと同じく顔を赤くしてしまう。しかし
   彼女にも取り巻いていた頑なな雰囲気が一瞬で取り払われる。
ミスターT「さて・・・行きますかの。」
リヴュアス「了解です。」
   一時の安らぎを満喫するリヴュアス。俺の言葉で普段の彼女に戻る。そのまま彼女の案内で
   長官室へと向かって行った。



ウインド「あっ、師匠っ!」
ダークH「お久し振りですっ!」
    長官室に入るや否や、俺の顔を見たウインドとダークHが大慌てして敬礼をしだす。曲がり
   なりにも日本警察のトップを預かる身分なのに、この仕草に呆気を取られてしまう。
ミスターT「まだそのクセ直らないな、何時もの可愛らしい姿が俺好みなんだけどね。」
ウインド「もうっ・・・。」
ダークH「師匠ったら・・・。」
   頑なな雰囲気を崩すのなら、ユーモアな言葉が一番だろう。特に相手が女性の場合は口説き
   文句の方が遥かに特効薬である。ウインドとダークHも顔を赤くしながらも、実に嬉しそうな
   雰囲気になっていった。
リヴュアス「・・・マスター・・・。」
ミスターT「うっ・・・わ・・悪かった・・・。」
   そして定番なのが愛妻に殺気に満ちた雰囲気で叱られるのだ。嫉妬心丸出しなのは分かるが、
   彼女達の雰囲気は震え上がるほどに怖い・・・。
   そんな俺とリヴュアスのやり取りに、ウインドとダークHは小さく微笑んでいた。


    仕切り直して2人に訪れた理由を告げる。そして手持ちの資料を手渡した。またリヴュアス
   が大机にあるパソコンにUSBメモリを接続し、詳しい資料を表示させていく。

    用紙に印刷された資料を凝視するウインドとダークH。そしてモニターに表示された資料
   にも凝視し続ける2人。


ミスターT「お前達が今扱っている一件はリュリアから聞いたよ。フルプレとフルエンの2社による
      ほぼ破壊工作に近い事の処理だと。」
ウインド「はい。5年前のウイルスの一件から、表立って動き出しましたから。」
ダークH「今は小規模の企業を手当たり次第に回収し続けています。このままでは企業の殆どが2社
     の傘下になり、企業間バランスが完全に崩れてしまいます。」
    ウインドとダークHも頭を悩ませている。フルプレとフルエンの2社の無差別回収行動は、
   日に日にエスカレートしていっているのだから。
ミスターT「ここへの直接的な影響はないのか?」
ウインド「こちらは今の所大丈夫そうです。本来の運営ならお偉方が恐れて媚びるでしょうけど、
     トーマスCさんやライディルさん達は絶対に媚びませんし。かく言う私達も同じです。」
ダークH「企業間戦争と言っても、殆どは人間対人間の戦いです。それに後半は心理戦に近くなって
     いますので。」
ミスターT「ふむ・・・ユキナが言っていた、心理戦とはこの事か・・・。」
   本来なら表立って動きたいのが実状だろう。しかし警察機構トップにいる現在、無謀な行動は
   自らの首を締める行為に繋がりかねない。
   ここは相手との行動を見定め、後手で行動するしかないのだろうな。

ウインド「とにかく、これ以上悪化させないためにも徹底抗戦をする覚悟です。」
ダークH「調停役の警察機構が表立って動くのは問題があります。しかし一番被害を受けるのは国民
     の方々・・・いや、世界中の方々ですから。」
ミスターT「俺の方もオブザーバーではあるが、それなりに動いてみせるよ。それに今でも覆面の
      風来坊だ。この一念、そう簡単に崩させてたまるか。」
    改めて俺の決意を語る。それに力強く頷くウインドとダークH。これはもう日本国内の話
   ではなくなりつつあろう。俺にできる事は何でもしなければな・・・。



    ウインドとダークHとの会合を終えて帰路に着いた。帰りはリヴュアスがグローブライナー
   を運転してくれている。俺は助手席にて今後の行動を考えた。


    警察機構は調停者役故に表立った行動はできないのが実状だ。ウインドとダークHもその
   事に怒りを露にしていた。

    こうなると頼れるのは企業の力以外にない。ここはエリシェ達とアマギH達の力を大いに
   活用する以外に、活路は到底見出せないだろう。


ミスターT「・・・キーパーソンは平西財閥か・・・。」
リヴュアス「リヴュミナとリヴュミヌを救って頂きましたよね。」
ミスターT「そうだな・・・。」
    ウイルス事変では平西財閥の力がなければ、更に悪化の一途を辿っていただろう。それだけ
   ユキナ達の力が未知数とも言えた。どこに特効薬的な力が備わっているのかは不明だが、現状
   打開のカギは彼女達が握っているのは確かだ。
ミスターT「まあ、悪い言い方だが相手がボロを出すのを待つしかない。」
リヴュアス「そうですよね。決定的な付け入る隙が現れれば、それが間違いなく突破口になります
      ので。」
ミスターT「何時でも動けるようにしつつ、自分らの役目を果たそうかね。」
リヴュアス「了解です。」
   リヴュアスと共に次なる決意を固める。とは言うものの、目の前の戦いを超えるのが俺達の
   絶対的な自由とされる行動でもある。
   それすらも奪おうとするかも知れないフルプレとフルエンの2社には断固対抗せねば・・・。

    後半へと続く。

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