アルティメットエキサイティングファイターズ・外伝 〜覆面の風来坊〜
    〜第3部・第3話 強力な助っ人2〜
リヴュアス「今日お会いになるそうで?」
ミスターT「ああ、直接ここに来るそうだよ。」
    更に数週間後、メアデュナと彼女の姉が本店レミセンに訪れるとの事だ。既に恋仲にまで
   発展しているトーマスRの面倒を見ている事から、そのお礼を言いたいというのだ。彼は彼で
   努力しているのだから、気にする必要はないのだがな・・・。

ミスターT「もう時期定年退職か。」
リヴュアス「そうですね。でも退職してもOBとして活躍するつもりです。シェヴ様のような高齢に
      なっても、現役であり続けたいので。」
ミスターT「流石俺の妻と豪語するだけはある。お前の夫となれて幸せだよ。」
    今は12人の女性達を面と向かって妻達だと言い切れる自分がある。端から見れば法律違反
   と言えるだろうが、そこは今も結婚をしないでいる事を貫いている。
   だからといって罷り通るものではないが、ここは押し通すに尽きるだろう。現に周りからは
   羨ましがられるほどの夫婦愛と家族愛を維持し続けているのだから。

リヴュアス「・・・貴方と共にある事が、私の何よりの幸せです・・・。」
ミスターT「それは子供達全員が独立してから言ってくれ・・・。」
リヴュアス「フフッ、そうでしたね。」
    感動の色を出すリヴュアスだが、油断はするなと付け加えた。それに小さくだが申し訳なさ
   そうに謝る彼女。トモミの娘達がまだ0歳なだけに、彼女達が18歳近くになるまでは油断は
   できない。この時ヴェアデュラは42歳か・・・。何という家族構成だろうか・・・。



トーマスR「お連れしました。」
    厨房はリヴュアスが担当し、俺はウェイターを担当する本店レミセン。しかしフルプレと
   フルエンの2社が妨害工作を行ったため、客足は古参のお客さん以外は殆ど来ない。
   そこにトーマスRが訪れた。傍らには2人の女性が一緒である。その中の一際背が高い女性
   には見覚えがあった。
ミスターT「・・・やっぱりな、姉はメアディルだったか・・・。」
メアディル「あっ・・・ミスターTさんっ!」
   リヴュアスと同じ長身の巨女メアディル。まさか彼女がメアデュナの姉だったとは・・・。
   これも本当に不思議な縁だろうな。

    立ち話も何だと、3人をカウンターに座らせた。リヴュアスに厨房を任せっ切りにして、
   俺もカウンター側に座って応対する。もちろんウェイター役もあるので、カウンターでの待機
   は必須であるが。


リヴュアス「なるほど、アメリカ遠征時に仰っていたヒッチハイカーはメアディル様でしたか。」
メアディル「はい。以前自分を見つめ直す旅と思い、大陸横断のヒッチハイクを行いました。その時
      にミスターTさんのグローブライナーに乗せて頂いた事がありまして。」
    リヴュアスやメアディルが語る通り、彼女と知り合ったのはヒッチハイクでの出来事だ。
   メアディル自身が自分を見つめ直す旅と称してヒッチハイクを始め、その時に偶然にも俺と
   出会ったという経緯がある。幼いながらも風来坊の風格が色濃く出ている。
メアディル「ミスターTさんの生き様には感銘しました。己にできる事を生きているうちに成し遂げ
      続けるのだと。私があやふやでヒッチハイクをした事に対しても、自分も7年間風来坊
      の旅路を続けていたと慰めもしてくれましたし。」
リヴュアス「マスターらしいですね。」
   メアディルはアメリカ人の血筋が濃いからか、日本人とは異なる容姿である。しかし幼少の頃
   から日本人学校に通っていたため、俺らと違和感なく日本語を語り合えるのだ。

メアデュナ「姉さんも自分の生き様を刻むのだと、アメリカ本土から日本への進出を決めました。
      無論父や母のご助力があってのものですが、進出するという発想に関しては両親も驚愕
      する程ですから。」
ミスターT「ふむ・・・。まあいいんじゃないか。メアデュナもトーマスRの地元で一緒に過ごせる
      んだからさ。」
メアデュナ「あ・・はい・・・そうですね。」
    相方の事を告げると照れ臭そうにはにかむメアデュナ。この雰囲気からトーマスRとは相思
   相愛だという事が痛感できる。まるでトーマスSとメルアを彷彿とさせるようだ。
メアディル「トーマスR君、メアデュナを頼むよ。」
トーマスR「お任せを。一度決めたら徹底的に突っ走るのが自分の性分ですから。」
   両親ではないが、姉という家族にも了承を得たという事で大喜びをするメアデュナ。それだけ
   トーマスRが好きなのだ。この純粋無垢な恋路を見ていると、過去の俺達を見ている気がして
   ならない。


    和気藹々と語るトーマスRとメアデュナ。その2人を頬笑ましそうに見つめるメアディル。
   その彼女を見ながら一服していると、ふと年齢が脳裏を過ぎった。

ミスターT「メアディルさ、お前今年で30だっけ?」
メアディル「はい、それが何か?」
リヴュアス「マスター・・・女性に年齢を聞くのは失礼ですよ。」
メアディル「大丈夫です、私は特に気にしていませんから。」
    すんなり歳は聞けたが、リヴュアスから猛烈に叱られる。異性に対して年齢を聞くのは殆ど
   タブーであるからだ。そんな彼女にメアディルが構わないと語る。彼女はこういった変な暗黙
   の了解を気にしないようだ。
ミスターT「ヴェアデュラが今年24だから、6歳年上か。それでも本当に若々しい。とても30代
      には見えないよな・・・。」
   メアディルの体格はメルデュラやリヴュアスと同じく巨女である。しかも2人とは異なり、
   かなり鍛え上げられていた。服の上からでもその筋肉質を窺う事ができる。

リヴュアス「・・・また色目使いですか・・・。」
ミスターT「言うと思った・・・。」
    間隔空けずにリヴュアスからヤジが飛んでくる。メアディルの身体を見ていたため、それに
   対してヤキモチを妬きだしたのだ。
メアディル「フフッ、リヴュアスさんはミスターTさんがお好きなのですね。」
ミスターT「好きも何も、非公認の夫婦だけどね。」
メアディル「それもお聞きしています。一夫多妻になりますが、周りから羨ましがられる程の夫婦愛
      や家族愛を醸し出していると。その限りない優しさは、今の世の中には必要なものだと
      確信しています。」
ミスターT「そう言ってくれると心が安らぐよ。」
   夫婦愛と家族愛を労われると、その度に心が安らぐ。一応は吹っ切れた形ではあるが、世間体
   からは異常なものなのは変わりない。


メアディル「ミスターTさんからお聞きしています。リヴュアスさんもプロレスが大好きだと。」
リヴュアス「メアディル様もですか?」
メアディル「アメリカはプロレスの聖地ですよ。かの有名なプロレス団体のアルエキファイタ。この
      発祥地ですから。」
    メアディルの言葉に瞳を輝かせているリヴュアス。今もプロレス好きは変わらずで、暇が
   あれば俺を相手に組み手をしているぐらいである。
ミスターT「以前輸送業務を担当した時、アルエキファイタの移動を手伝った事があるよ。まるで
      サーカスの大移動みたいなものだったわ。」
メアディル「大陸を巡業しますからね。移動手段は陸海空全ての乗り物を駆使しますし。」
リヴュアス「ミスタービィルガの手腕も凄まじいものですね。」
   このアルエキファイタを運営しているのは、今年35歳のビィルガ=レーアネイガスである。
   10年ほど前か、若いながらもプロレス団体を起業した猛者だ。

ミスターT「ビィルガはまだ35だよな・・・、俺の歳が行き過ぎているのが分かるわ・・・。」
メアディル「何を仰いますか。これだけの若々しい容姿をされながら、まるで高齢者のような発言は
      見っとも無いですよ。」
    コーヒーを啜りながら語るメアディル。というか彼女には俺の年齢を語っていなかったか。
   そう言えばヒッチハイク時は根ほり葉ほり語る機会がなかったな。
ミスターT「フフッ、外見に騙されたね。俺は今年で54だよ。」
メアディル「えぇーっ!!!!!」
   外見の老化が訪れない特異体質故に、30代の若さを維持し続けている。それをメアディルに
   告げると、声を裏返して驚愕しだした。
メアディル「て・・・てっきり28歳ぐらいかと・・・。」
ミスターT「そうなるとシュリムとシュリナは俺が5歳の時に出産した子供になるぞ・・・。」
   24歳のヴェアデュラは養子縁組で育てた娘だが、それ以外の娘達は実の子供達である。特に
   シュリムとシュリナが長女となる訳で、メアディルの推測が事実なら大変な年齢で出産した
   形になろう。

メアディル「でも・・・今も19年前と全く変わらない姿には驚きです。」
リヴュアス「ですよね。私も徐々に老化が始まっているのに、マスターは全く変わりませんから。」
ミスターT「俺の方はお前達を見ているのが辛いんだがね・・・。」
    シュームにも告げたが、老化が現れた姿を見るのは辛い。俺とヴァルシェヴラーム、そして
   25人の娘達だけが外見の老化が訪れないのだから。
リヴュアス「そこは心こそ大切なれ、ですよ。心にシワを作らなければ、永遠の若さを保つ事が可能
      ですから。」
メアディル「用はブレイブハートですよ。」
ミスターT「そうだね。」
   リヴュアスは他の妻達が語る言葉を繰り返し、メアディルはアメリカ用語的な言葉で返す。
   それに小さく頭を下げた。こうやって何げない言葉でも、お互いに十分励まされるのだから。


    その後も雑談は続く。トーマスRとメアデュナは一旦新居の方へと戻って行く。引っ越しを
   してきたのはつい先日で、今も寝る場がないほど散らかっていると言う。

    メアディルの方は今日アメリカから来日しており、まだ住居を探していないらしい。それを
   伺ったリヴュアスが、暫く3階の自宅へ泊まるように催促しだしたのだ。

    これには否定するかと思っていたが、すんなり承諾してしまった彼女。それに間違いなく
   俺に対して好意を抱いているからか、少しでも傍にいたいと思っているようだ。



    本店レミセンをレディ・マスター達に任せて、俺達は自室へと引き上げる。すると先に引き
   上げたメアディルが、ディルヴェズLKの娘達を背中に乗せてお馬さんごっこをしていた。
   それにハラハラしている母のディルヴェズLKだった。

    今日からエシュリオスとエフィーシュの2人が遠征公演という事で、お目付役のリュアと
   リュオを筆頭に他の8人の娘達は里帰りをしている。


ディルヴェズLK「申し訳ありません・・・。」
メアディル「気にしなくていいですよ。私も子供が大好きですから。」
    メアディルの背中で大喜びしているティルシェヌとティルシェム。まだ3歳だというのに、
   体格は小学生クラスの巨体を誇っている。そんな2人を難なく乗せて歩き回れるメアディル
   自身にも驚いてしまうわ。
ミスターT「子供好きな人間に悪い人間はいない。いや、悪人でも我が子には情を注ぐか。問題は
      そこに至るまでの道程がどうかという事になるよな。」
リュア「それは私達が死力を尽くして努力すれば済む事ですよ。」
リュオ「この子達が私達を超える存在になるためには、私達が手本となり生きねばなりません。」
   大人顔負けの発言をするリュアとリュオ。エシュリオスとエフィーシュに触発されたのか、
   今まで以上に据わった目線が実に頼もしい。それに最大限慕っているのが、後から生まれた
   10人の娘達なのだから。

メアディル「リュアさんとリュオさんは、いいお母さんになれますよ。」
ミスターT「問題は2人を扱える野郎が現れるかという事だな・・・。」
リュア「言えてます。」
リュオ「じゃじゃ馬慣らしとはこの事です。」
    メアディルが語る内容に、冗談を踏まえて返す俺。それに賛同するリュアとリュオ。娘達の
   中で手が付けられないほどのじゃじゃ馬娘である。その2人に付いていける相方が現れるかと
   いう問題もある。
リヴュミナ「私〜父ちゃんと結婚する〜っ!」
リヴュミヌ「私も〜っ!」
ミスターT「おうおう、嬉しいねぇ〜。」
   ある程度認知度が得られてきたリヴュアスの娘、リヴュミナとリヴュミヌ。その2人が俺と
   結婚すると語りだした。それに嬉しいと語ってあげたら、何とリヴュアスに殺気のある視線で
   睨まれた。ここまで嫉妬されるとたまったもんじゃないわ・・・。


    その後は母親に甘えだす娘達。今まで遊んで貰っていたメアディルそっちのけで、自分達の
   母親に心から身を委ねだした。

ミスターT「結局は原点回帰、か。」
メアディル「仕方がありませんよ。男女問わず、子供は母親に甘えたがりますし。父親だけが蚊帳の
      外となりますから。」
    久し振りに母親達に甘えている姿を見つめながら、俺とメアディルは静かにトランプゲーム
   に勤しんでいた。2人だけのシンプルなものだが、静かに暇を潰すには充分だろう。
メアディル「私も子供の頃はメアデュナ以上に母親に甘えていましたが、何時の間にか独り立ちする
      ようになっていきましたし。」
ミスターT「何れ・・・25人の娘達も巣立って行くんだよな・・・。」
メアディル「大丈夫ですよ。その時は私が埋め合わせをしますから。」
ミスターT「真顔で言うかね・・・。」
   ある意味告白に近い事を平気で語るメアディル。それに一瞬ギョッとし、恐る恐る他の女性陣
   を見渡す。だが5人の愛しい女性達は子供達に付きっ切りで、こちらには一切気付いていない
   ようである。というかこういった事には大賛成のような雰囲気である。何とも・・・。

メアディル「貴方の存在は私の人生を変革させたのですよ。心からの恩人と言っても言い切れない程
      の恩があるのです。私にできる事は何でもしてあげたい。それが私なりの報恩です。」
    トランプを切りながら熱のある発言をするメアディル。それだけヒッチハイクから今に至る
   までの間の出来事は、彼女にとって大きなものだったのだろう。
ミスターT「ならさ・・・一緒に困っている人達を助けていこう。手の届く範囲内だけでもいい、
      それで助けられる人がいるなら・・・。俺達のこれからの生き様は、人に尽くしていく
      存在じゃなければならないからさ。」
メアディル「愚問です。私達家族やシェヴィーナ財団の総力を挙げて、出来得る限りの事はしていく
      つもりですよ。それに貴方が挑まれる戦いに、少しでもお役に立てるなら本望です。」
ミスターT「ありがとう・・・。」
   不意に涙が流れ出す。50歳を過ぎた辺りから涙脆くなってきて参る。そんな俺の手に自分の
   手を沿えるメアディル。出会ったのは一番遅い女傑だが、その存在は凄まじい程に大きい。


トモミ「分け隔てない愛情を、ですよ。」
    それからもトランプゲームに勤しんでいると、ゆっくりと参戦してくるトモミ。どうやら
   先にトモナとトモアが寝たため、こちらに来たようである。
トモミ「メアディル様も物心が付き始めた頃から、貴方の心からの虜なのですよ。雰囲気からして
    そう感じます。貴方の広くも深い大海原のような心に病み付きなのです。」
メアディル「・・・トモミさんは魔女ですか・・・、私の心の内を見事に当てるとは・・・。」
トモミ「フフッ、マスターがそうさせてくれたのですよ。」
   トモミと付き合いだしてから、彼女の直感と洞察力は凄まじいまでに高まっていった。特に
   相手の何気ない言動を見るだけで、心に何を抱いているのかを鋭く当て抜くのだ。これは双子
   のトモナとトモアが生まれてから目覚ましい成長を遂げている。

トモミ「メアディル様がマスターを心から愛しているのであれば、周りがどうこうではありません。
    貴方自身がどうあるべきかなのです。私達も周りよりも自らの一念に素直に従ったのです。
    その結果が今なのですから。」
    トモミが今までの布石を語っていると、他の4人の妻達も集まってくる。既に子供達は寝室
   に移動して就寝中のようだ。
メアディル「・・・何だか恐れ多いような気がします・・・。」
ダーク「大丈夫ですよ。私もそのクチでしたから。それでも周りに引っ張られ、今に至っているの
    ですから。」
ウィレナ「心が据われば揺ぎ無いものになる。特に女性はそれが顕著に表れます。一念次第では自分
     の固定概念なんか吹き飛ばせますからね。」
リヴュアス「貴方がマスターの事を語られる時、物凄く嬉しそうな表情を浮かべています。それは
      心に抱く一途なものだと確信していますから。」
ディルヴェズLK「自分自身に素直に。それがあったからこそ、今こうして巡り合っている。私達は
         決して後悔はしていませんよ。」
   5人の妻達の言葉に泣き出すメアディル。5人は俺の妻となった事で、自分達の長所と言える
   部分が開花していった。特に妻達全員が抱く相手を敬うという一念は、これでもかという程に
   膨れ上がっていったのだ。それに当てられた形なのが初対面のメアディルだろう。



    5人に労われつつも、自身の胸中に抱く強い一念を揺ぎ無いものにしていくメアディル。
   恐る恐る俺を見つめ、静かに語りだした。

メアディル「・・・私も同じ夢を抱いていいのでしょうか・・・。」
ミスターT「何を今更といった感じに聞こえるわ・・・。」
    思った通りの発言だった。それに俺は呆れつつも、雰囲気で構わないと語る。それに今まで
   にない程の笑顔になっていくメアディルだった。
メアディル「・・・分かりました。ですが皆さんには大変悪いのですが、一度決めたら徹底的に攻め
      続けるので。私のものとするぐらいに奪い取って愛しますので、覚悟して下さいね。」
   凄まじい気迫に周りの5人が押されている。ヒッチハイクをしていた時も、自分の考えを断固
   として譲らなかった経緯があった。それが恋路となれば独占するぐらいに攻め入るのは言う
   までもない。

シューム「あらぁ〜、宣戦布告かなぁ〜?」
    気迫が強くなっていくメアディルに太刀打ちできない5人の妻達。そんな彼女達を尻目に、
   背後からゆっくりと近付いていたシューム。メアディルに抱き付くと、何と俺の十八番である
   殺気と闘気を出し始めたではないか。
メアディル「え・・ええっ・・・。」
シューム「マスターは私達の共有財産よ、独り占めはダメ。それでも挑もうとするなら、私も全力を
     以て応戦するわよ。」
   殺気と闘気に初めて当てられたメアディルは、まるで赤子のような雰囲気で怖がっている。
   しかしシュームのその力は、俺の瞬きにも充たないほどの弱いものではあるが。それでも自ら
   繰り出せるという事自体凄まじい事である。

ミスターT「・・・そんなシュームにも躾が必要かな・・・。」
    悪乗りした俺はシュームを捕まえ、背後から優しく抱きしめた。しかし徐々に殺気と闘気を
   出していくと、メアディル以上に青褪めていく彼女。
シューム「ひ・・ひぃ・・・。」
ミスターT「フフッ、嘘だよ。」
   怖がるシュームを確認してから、殺気と闘気を下げていく。そのまま彼女の肩に自分の顔を
   乗せて頬を合わせた。
ミスターT「流石は偉大なる第2の母だね。俺の十八番を簡単に繰り出せるなんてね。」
シューム「い・・いえ・・・滅相もない・・・。」
ミスターT「お前の存在は俺達家族のリーダー的存在だ。お前のアドバイスを全て受け入れれば、
      恐れるものは何もない。」
シューム「そんな事はありませんよ・・・。」
   怖がって見せたり畏まって見せたりと、歳を重ねる毎に感情表現のバリエーションが増えて
   いるシューム。それに出会って間もないメアディルはもちろん、5人の妻達は驚いていた。


ミスターT「よくよく思えば、シュームに身も心も奪われたと言っていいんだろうね。でなければ
      エシェラが生涯の伴侶として過ごしていただけだと思う。」
シューム「そうですよね。本来は在り得ない、あってはいけないものなのですから。」
    以前にシュームにも語った現在の状態。日本の法律では一夫一妻制なのに、既に一夫十二妻
   に至るのが現状だ。それにメアディルの決意からすれば、一夫十三妻になるのは目に見えて
   いる。
ミスターT「それでも後悔はしていない。娘達が社会に貢献できる存在として、その彼女達が生誕
      するに至った切っ掛け。それは俺達なのだから。」
シューム「周りがどうこうではありません、私達がどうあるべきか。それに周りに不幸を撒いている
     訳ではありませんし。」
ミスターT「今後の俺達次第という事だね。」
   シュームを胸に抱きながら、今までと今後の流れを再確認しあう。それを真剣な表情で窺う
   5人の妻達と1人の美女。特に5人の妻達は改めて自分達が置かれている立場を再確認して
   いるようだ。

シューム「分け隔てない愛情を、これからもお願いしますね。」
ミスターT「俺よりも周りが突っ込んでくるだろうに・・・。」
シューム「フフッ、そうでした。」
    頬笑ましい視線で見つめてくるシューム。その彼女と軽く唇を重ね合う。彼女のステータス
   とも言える行動は、本当に自然な流れで行っているとも言えた。
   そんな俺らの行動に、今度は赤面しながら見つめている5人の妻達と1人の美女。これが別の
   妻だったら嫉妬の嵐だろうが、相手がシュームなだけに何も言えない様子である。
シューム「それと・・・メアディルちゃんをよろしくね・・・。」
ミスターT「あ・・ああ・・・。」
   そんな彼女達の心境を察知しているのか、最後の最後で凄みのある雰囲気で念を押された。
   新たに加わる形になるメアディルを、しっかりと面倒見ろと威圧してくるシュームだった。
   う〜む・・・今回はリュアとリュオの背中押しに、シュームも加わりそうで怖い・・・。


    しかし・・・俺にできる事は周りを幸せにする事。それがどのような手段でも、結果的に
   未来の社会へ貢献できるのなら喜んでこの身を捧げよう。

    もう身内だけでの和気藹々の時代は終わった。次はその慈愛を周りへと出していかねば。
   俺達の生き様を、実証を刻んでいくために。

    第3部・第4話へと続く。

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