アルティメットエキサイティングファイターズ 〜集いし鋼鉄の勇者達〜 〜第12話 模擬試合・前編〜 デュウバD率いる新生・悪陣営は動き出した。プレゼンテーションは善陣営を煽る発言が 飛び交うが、試合後のリスペクトは必ず行っている。 戦いを抜きにした彼女達は誠意溢れる行動が目立ちだし、それは善陣営の好感を得るには十分 なほどのものであった。 善陣営の面々も新生・悪陣営に挑み、戦いを繰り広げていく。そこにあるのは純粋な試合。 策略や卑怯といった類は一切なかった。 ビィルガが述べた「悪役は悪役でしかなく、善にも中立にもなれない」という言葉、これを 真っ向から否定したデュウバD。 役割は役割であり、本人は本人である。試合や役割を抜きにした彼らは、善悪という割り 振りはない。それぞれが普通の人間なのだ。そして各々がこの壮大な戦いの主役でありメイン メンバーでもある。それを存在で提示したのが彼女であろう。 真のGM権限取得試合に負けたビィルガ達。今ではすっかり弱体化し、試合は行うものの 連敗続きである。それでも戦いを止めない所は、彼らもレスラーとしての自覚があるという 事なのだろう。 ビィルガの一件が終わった後、チャンピオン軍団は解散という話になった。しかしこれは これで面白いという声が挙がった事から、解散せずに現状のまま続ける事を決意したようだ。 今ではディーラ率いるチャンピオン軍団としてすっかり定着しており、これが独自の勢力と して存在している。 彼らに挑戦する者も数多く、そんな一同を跳ね除けるチャンピオンの面々。こちらも純粋に 試合ができるとあって、今まで以上の白熱した戦いを展開していた。 また戦いもそうであるが、休憩もしっかりと行う面々。自分達のペースでしっかりとした 行動を取る。これはある意味、本当の息抜きに通じるのかも知れない。 イリミネーション・タッグチャンピオンバトル登場+試合動画 (イリミネーション・タッグチャンピオンバトル終了) 今し方、別のリングで試合が終わった。マリアとメルアのタッグチャンピオンが、カズナと クィンツという巨女タッグの挑戦を受けたものだった。 試合はイリミネーション・タッグ、形式はトルネード・タッグ。リングはRAW−B、ルール はKO・ギブアップ・DQが適応されていた。 スーパーバトルと言わしめん戦い振りだった。戦闘力としては殆ど互角だが、最強ロジック を有するマリアとメルアの2人が一枚上手だった。 クィンツ「やはり敵いませんね。」 カズナ「格が違いますよ。」 チャンピオンの2人よりも体躯が大きいカズナとクィンツ。しかし戦闘に関してはマリアと メルアの方が強い。総合的な強さを有する者が勝利する、それは定石であろう。 リスペクトを行い、お互いを労う同者達。全力で戦った後は清々しい気分になるのはいつ もの事であった。 ライア「マスター、模擬試合のプランが思い付きました。」 以前本編で行われた戦闘を再現できないかと、ミスターTに提案したロスレヴ系列リタレヴ の面々。その後、縁ある面々で作戦を考え思い付いた試合を彼に提示する。 提示された資料内容を窺った彼は、その出来映えのよさに絶句していた。 ミスターT「よく考え出したな・・・。」 マイア「殆どナイラさんが考案してくれましたけど。」 ミスターT「流石企業の社長を勤めるだけあるな。」 ミスターTに誉められ頬を赤くするナイラ。他の面々からもよく頑張ったと労われた。 ミスターT「分かった、許可しよう。というか反対する理由は一切ない、一同を沸かせる試合を期待 しているよ。」 GMお墨付きを貰い、リタレヴの面々は盛り上がった。その後ヴォリスTJとメルアTUが 彼らの補佐に回り、かなり大規模で試合を展開する形となっていった。 サーベン「俺らも参加した方がいいかねぇ〜。」 ミスターT「特に問題はなさそうだよ。お前さん達が経験した試合全てを行うものじゃなさそうだ。 一部の印象ある試合のみらしい。しかしオファーがあった場合は応じてくれ。」 サーベン「おうよ。」 こちらは以前決めかねていたチャンピオンバトルを考案しているライディル達。ミスターT も彼らに加わり、複雑化した試合をどう行うかを考えていた。 やはり直面するのは1位しか決められないという現実だ。サバイバルのトリプルスレットでは 勝者しか決められず、他の2人は把握できない状態である。 メルアW「やはり代表を選抜してのチャンピオンバトルが望ましいと思いますが。」 ターリュS「でも母ちゃん、そうすると本当の戦いができないじょ。」 ミュックS「ここはタッグの中で代表を選んで無差別チャンプを決めた方がいいかもね。」 難航するチャンピオンバトルの決定方法。そんな中、打開策としてミスターTが別の案を持ち 掛けた。 ミスターT「ターリュS達・フィリミア達・イリュシェア達の3タッグなら、あと1タッグを決めて タッグバトルを行えばいい。トーナメント方式になるかな。1・3といった具合で試合 順序をサイコロで決定し、前者2タッグ・後者2タッグで試合を行う。勝利したタッグ 同士で試合を行い、勝利したタッグがチャンピオンと対戦件を得るというものだ。」 あっさり決まってしまった。今までどの点で悩んでいたのだろうかと、12人の面々は彼の 提案を呆気に取られて聞いている。 ライディル「何だか空しく決まりましたね。」 チェブレ「あれだけ悩んでいたのになぁ〜。」 ミスターT「まあそう言いなさんな。」 渋る彼らを慰めるミスターT。脱力気味な遣る瀬無い雰囲気になる12人であった。 とりあえずもう1タッグを選抜するべく、12人は動き出した。その間リングなどの特設は ミスターTが担ってくれている。彼らは思う存分挑戦者の選抜に集中できた。 しかしライディル達が探し出そうとしたタッグは、意外な形で現れた。何と逆にライディル達 に挑戦したいと申し出てきた3人がいたのだ。 その人物はロスレヴ系列デスティレヴ所属使用後の面々である、リュエラW・リュミスW・ リュヴスWの3姉妹だった。 リュエラW「何かタイミングがよかったようで?」 ターリュS「もちろんっ。」 ミュックS「これで直ぐに試合ができるねっ。」 案外早く決まったタッグ選抜。リュエラW・リュミスW・リュヴスWの3人を加えた15人。 彼らは試合準備に取り掛かっているミスターTの元へ駆け付けた。 ミスターT「すんなり見つかったか。」 ターリュS「バッチリ!」 メルアW「試合方法の方はどうなりましたか?」 今正に試合方法を決定している彼。サイコロ片手に4チームのカードを決めていた。15人 は固唾を飲んで見守る。 ミスターT「決まったぞ。ポイント分は割合でな。先発はイリュシェア達とターリュS達、後発は 新挑戦者達とフィリミア達だな。新挑戦者はリュエラW達だから、フィリミア達と対戦 する事になる。試合だがイリミネーション・タッグのままで。形式はトルネード6マン タッグ。リングは4試合ともロイヤルランブル、ルールはKO・ギブアップ・DQの 3つが適応だ。」 ターリュS「OK〜!」 ミュックS「やったるで〜!」 我先にと指定されたリングへと向かうターリュSとミュックS。正に脱兎の如くであり、他の 面々は呆気に取られるのは言うまでもない。 イリュシェア「勢いだけでは絶対に負けますね。」 イリュシェアの言葉に一同苦笑いを浮かべている。あの双子姉妹の勢いは誰にも真似できず、 そして誰にも止められない。我武者羅に突き進む2人は存在そのものがチャンピオンである。 遅れて13人とミスターTも指定のリングへと向かっていく。先発するイリュシェア達と ターリュS達は移動をしながら、身体を動かしてウォーミングアップを行っていた。まあ先に 駆け出したターリュSとミュックSは、既に臨戦体勢と言わんばかりのものであるが。 予選第1イリミネーション・タッグバトル登場+試合動画 (予選第1イリミネーション・タッグバトル終了) 勢いはターリュS達の方に武があった。しかし総合的な戦闘力ではイリュシェア達に軍配が 挙がったのだ。闘神とも言える6人の凄まじい試合に、後発の6人は震えが止まらなかった。 ターリュS「あ〜あ、負けちゃった。」 ミュックS「勢いなら負けなかったんだけどなぁ〜。」 メルアW「またチャンスは巡ってくるわよ。」 悔しがるターリュSとミュックS。だがその表情は清々しいものである。とは言うもの、相手 に与えたダメージは尋常じゃないのは確かである。 唯一軽傷で済んだのはフュリアのみであり、イリュシェアに限っては負ける寸前まで追い 込まれていた。生半可な覚悟ではターリュS達には勝利はできない、イリュシェア達は身を 以て思い知らされたのである。 ターリュS「私達の分も頑張ってね。」 フュリア「了解ですお祖母様。」 リスペクトを行う6人。純粋に戦いに投じた者にしか分からない理解と友情。各々の胸中には 同じ思いが巡っている事であろう。 リュヴスW「さてと、私達もやりましょうか。」 キィリムス「よろしくお願いします。」 リュエラW達とフィリミア達が今度はリングへと上がる。第3試合を控えているイリュシェア 達は休息を取りつつも、後発の試合の動向を窺った。 予選第2イリミネーション・タッグバトル登場+試合動画 (予選第2イリミネーション・タッグバトル終了) こちらも凄まじい戦いが展開された。3姉妹のフィリミア達が攻めているように思えたが、 後半はリュエラW達が怒濤の如く反撃を開始する。一方的に攻撃を食らい、フィリミア達は 完全に圧倒された。 またリュエラW達が受けたダメージの比率も凄まじく、リーダーのリュエラWに限っては 殆どダメージが表に出ていない。危なげだったリュヴスWも深いダメージまでは受けていな かった。 ロフリィス「やっぱ厳しいなぁ・・・。」 キュリムス「姉さん達の方が強いですよ。」 リュミスW「いえいえ、お互い様ですよ。いい試合でした。」 こちらもリスペクトを行う。6人がそれぞれ握手を交わし、お互いの健闘を讃えあった。 ターリュS「何か私達の時よりもさ〜、いい試合じゃなかった?」 ミュックS「だね〜、やっぱり悔しいよ。」 凄まじい試合に当てられ、ターリュSとミュックSは6人を羨ましがった。この双子も十分 いい試合を展開したのだが、やはり納得がいかないといった表情を浮かべている。 ミスターT「気にしなさんな。お前さん達は十分よくやったよ。」 小さな肩を軽く叩き、2人を労うミスターT。何か言わなければ暴れだしそうな雰囲気だった からである。 ミスターT「サバイバルタッグトーナメントバトルが終わったら、本戦とは別にライディル達と対戦 をするがいい。ベルトの移行はないが、いい戦いができるだろう。」 2人は彼が語った言葉に瞳を輝かせる。どうやら考えていなかった事を告げられたからのよう である。 ミュックS「うぉ〜、兄ちゃんいいの?!」 ミスターT「ああ、構わんよ。」 ターリュS「やったぁ〜、ありがとう〜!!!」 感極まってミスターTに抱き付くターリュSとミュックS。この姉妹はベルトといった駆け 引きよりも、ただ単に戦いだけできればいいといった感じが非常に強い。 ここにいる誰もが痛感した、やはりこの2人には絶対に敵わないと。 一旦小休止を挟んで、第3バトルを行う事にした一同。先発2試合で勝利したタッグだが、 受けたダメージも少なくなかった。完全な形で戦うには、暫くの休憩が必要である。 ターリュS「そうそう兄ちゃん。あの黒いカードってさ、私達の心臓なの?」 ターリュSが質問をする。それはミスターTがビィルガ達と対峙した時に提示した、あの黒い カードの件である。 ミスターT「ああ、カードの件か。あれは私達全てのデータが記録されている。もちろん不測の事態 に備えて、何重にもバックアップは施してあるがね。」 ミュックS「カードがなくなれば、私達も消えちゃうのかな。」 ミスターT「復元は可能だ。現に誤って削除してしまったレスラーを復帰させた事はある。だが威圧 には十分だろう。」 一同には決して触れる事ができない黒いカード。面々の存在そのものを記録したデータとも 言うべきか。 ミスターT「このカードに関しては多用はしない。多用すればビィルガと同じになってしまう。それ では私の存在が完全な絶対悪となるからな。しかし究極の手段として、こういったもの があるという事は知っておいて欲しい。」 ターリュS&ミュックS「ラジャー。」 改めて真のGM、なかんずく創生者としての存在を知った。それは身勝手に手が付けられる ものではなく、その位置付けは物凄く厳しく重役である。 ビィルガが私利私欲に動いた事は、紛れもない厳しい罪である。一歩間違えれば自分達をも 消滅しかねない行動であった。 ミスターT「フフッ、お前さん達と同じレスラーとして戦えた方がどれだけ幸せか。」 ライディル「でも我々ではマスターの重役は絶対に担えませんよ。」 サーベン「複雑だなぁ・・・。」 メルアW「マスターには今後も頑張って頂きませんと。」 ミスターT「一段と肩の荷が重くなった気分だな。」 ライディル達の位置付けは普通のレスラー。それがどれだけ自由であるかと、ミスターTは 一同に語る。しかし自分達では彼の重役はとても担えないとも痛感している。 それでも自分達の存在は何なのか、そこに行き着くと俄然やる気が出てくる。この場にいる 事は紛れもない事実であり、そして行うべき行動は戦いの一点しかなかった。 それが自分達が生まれた定め、それを改めて認識させられた一同であった。 休憩を終えた一同は試合を再開する。十分に休めた第3バトル指定の面々は、リングへと 上がって行った。 予選第3イリミネーション・タッグバトル登場+試合動画 (予選第3イリミネーション・タッグバトル終了) 今まで以上に凄まじい戦いであった。双方ともダメージが凄まじく、無傷で済まされた人物 は全くいない。軍配はリュエラW達に挙がったが、何とリーダーのリュエラWはイリュシェア の決め技でKOを食らい沈んでいる。 負けたイリュシェア達だったが、お互いに全力で挑んだ結果と言えるだろう。 フィリミア「物凄い試合でしたね。」 グロッキー状態のリュエラWの介抱をするフィリミア達。他の面々も歩けるが、ダメージは 計り知れない。 リュエラW「勝った気がしませんよ。」 リュミスW「確かに。」 全力で戦った6人。その試合の凄まじさは、勝利した側をも惑わせる。普通なら勝てば何らか の余韻があるが、ここまで壮絶な試合を行った場合はそれは感じられないようだ。 ミスターT「また暫く休憩にしよう、精神的にも参るはずだ。そんな状況で試合をすれば、純粋な 戦いは行えないぞ。」 ミスターTの発言に一同頷く。以前のイリミネーション・チェンバー戦闘以上に厳しい戦い。 それだけ各々が全力で戦っている証拠であろう。 模擬試合の準備に取り掛かったロスレヴ系列リタレヴの面々。しかし予想以上に試合の状況 が困難なようで、思うように動けないようである。 その彼らが作業準備中に観戦しているのが、ライディル達チャンピオン軍団の戦いというのが 皮肉な話である。 ディーラ「まだ時間が掛かりそうだ。」 リタレヴ面々の様子を窺っていたディーラ。長引きそうな試合準備を一同に告げる。 メルア「今はこちらを消化しなければなりませんね。」 状況柄、大きな試合を進められるのはライディル達のみ。重い身体を引きずりつつ、最終試合 の準備に取り掛かる。その重苦しい姿を目の当たりにし、ミスターTは彼らを止めた。 ミスターT「待て待て、望まない状態で試合をするのはよくない。今は本当に休む時間が必要だ。 お前さん達が十分休めるように、またリタレヴ面々の準備が終わるまで私の方で試合を 行おう。」 別の試合を行うと告げるミスターT。他の面々は意外な発言に喜び、内容の告知を待った。 ミスターT「一同には本当に申し訳ないが、今回は間に合わせ試合だ。酷い意味では時間稼ぎでしか ない。それでも試合を望むという者は参加を頼む。」 ゼラエル「ダンナ、試合形式は何なので?」 ミスターT「試合はまだ考えていない。何かいいプランがあれば応じるとしよう。」 直ぐに試合内容を提示できない彼らを見ると、やはり戦いだけが本職といった雰囲気である。 その渋々しい表情を浮かべる一同に、ミスターTは悪かったと詫びだす。 ミスターT「悪かった、私が決めよう。それで構わないだろ?」 彼の発言に一同はホッとした表情を浮かべる。 純粋な試合のみを展開しようとするのが彼らであって、その試合内容を決定するのはGM などの運営側の役割だ。そのGM側が彼らに試合を待つというのは苦しめるという事になる。 ミスターTや他のGMは、改めて纏め役という存在の大きさを実感した。 ミスターT「そうだ、新しいベルトを賭けた戦いをするか。」 彼の一言で大いに湧き上がる一同。ベルト保持者となれば、自然と試合回数が増えるのは 言うまでもない。 ミスターT「もちろんベルトを抜いた戦いも展開する。そこは安心してくれ。」 彼が述べた言葉に悪陣営の面々はホッとする。それはベルト保持者は善陣営こそが相応しいと 思っているからだ。現にベロガヅィーブのチャンピオンベルトをディーラに移行される際、 彼は肩の荷が降りたと喜んでいた。 そんな彼らのやり取りを窺って覚えていたミスターT。これは悪陣営の面々に対する配慮で あろう。 ミスターT「ベルトは・・・そうだな、サブミッションマッチとTLCマッチにしよう。ファースト ブラッドは男性陣しか参加できないので論外だな。」 後者は女性陣への配慮であろう。660人中、半分以上が女性で占められている面々。そこに 男性陣特有の試合形式とは、女性陣を敵に回しかねない行為だろう。 ミスターT「他には、ケージマッチも可能か。更には男女別に分けてのチャンピオンというのも面白 いかも知れない。まあ、後はその場で追加する形でいいだろう。」 提示されたチャンピオンバトルはサブミッション・TLC・ケージの3つ。サブミッションは 実力が左右するが、TLCとケージの2つは運の要素が大きく左右するだろう。 更に男女別に分けてのバトル、これはメンズチャンピオン・ウーマンズチャンピオンとも言う べきだろう。 また運の要素が大きく絡むのであれば、実力以前に誰でもチャンスがあるという事だ。これ には比較的低いレベルの面々にはありがたいものだろう。 ミスターT「チャンピオンバトル以外の試合は臨時試合となるかな。これもその場の盛り上がりで 行うとする。」 新しく提示された試合の数々。それらに誰が参戦するかと会議を始める一同。通常の試合は 悪陣営の面々が大多数を占め、チャンピオンバトルに関しては善陣営の面々が大多数を占めて いた。 そんな中、時間を与えてくれたチャンピオン軍団とリタレヴの面々。リタレヴの面々はまだ 準備の最終段階のようだが、チャンピオン軍団はすっかり体力を回復したようだ。 ライディル「マスター、こちら何時でも動けます。」 ミスターT「了解。一同が決めている間に、サバイバルタッグチャンピオンバトルを決着させると しようか。」 完全に体力回復したリュエラW達。ウォーミングアップも既に済ませ、ライディル達との対戦 をリング上で待ち構えている。 ミスターTに試合の合図を告げたライディルは、サーベン・チェブレと共にリングへ上がって 行った。両者とも闘気を高め、何時でも試合可能だと意気込んでいる。 本選最終イリミネーション・タッグチャンピオンバトル登場+試合動画) (本選最終イリミネーション・タッグチャンピオンバトル終了) 今までにない凄まじいサバイバルタッグバトルだった。両者とも全力を出し切り戦い切る。 勝者はリュエラW達、初めてライディル達が負けたのである。 チェブレ「がぁ〜、負けちまった・・・。」 リング上で大の字になって倒れ込んでいるチェブレが悔しがる。他のライディルとサーベンも リング外で悔しそうな表情を浮かべていた。 ミスターT「初めて負けたな。」 ライディル「ええ、でも後悔していません。」 サーベン「まだまだ頑張れるっすよ。」 ミスターTを始め、他の面々に身体を支えて貰うライディル達。フラフラな身体ではあるが、 この上なくスッキリした表情の3人。そんな彼らはリュエラW達とリスペクトを行う。 リュヴスW「また挑戦するからね。」 リュエラW「よろしく。」 リュミスW「ありがとうございました。」 試合内容に満足したリュエラW達。しかしライディル達は何かを思っている様子で、小さく 頷いたりしている。 サーベン「マスター、3戦3敗したらチャンピオンが移行するという形式でしたよね。」 ミスターT「ああ、サバイバルタッグチャンピオンだからな。」 ライディル「ベルトをリュエラW嬢達に受け継がせてもいいですかね?」 驚くべき事を口にしたライディル。何とベルトを3敗する前にリュエラW達に受け継がせ たいとの事らしい。 リュエラW「そ・そんな、それでは戦えなくなりますよ。」 リュミスW「チャンピオンがいてこそ、私達が挑戦できるというものです。」 リュヴスW「私達はチャンピオンという柄ではありませんよ。」 ベルト移行に渋りだすリュエラW達。しかしライディル達の腹は決まっているようであった。 チェブレ「もう十分ですぜ。ここまで長く猛者達と戦えた、それだけで満足ですぜ。」 ライディル「追う者から追われる者へ、それがチャンピオンというもの。それに貴女達なら自分達 以上にいい試合を行えますよ。」 サーベン「今度は俺達もあんた達に挑戦させてもらいまっせ。」 流れ的に自然とベルトを受け取ってしまうリュエラW達。これも定めだと思ったのか、渋々 チャンピオン移行を受け入れた。 ベルトを腰に巻き、勝利のアピールをしだすリュエラW達。そんな彼女達を抱き上げ肩に 担ぐ。新チャンピオンの誕生を祝福するライディル達、観戦していた面々は大喝采で6人を 讃えた。 ターリュS「さて・・・今度は私達の番だねぇ〜。」 ミュックS「いっちょやったるで〜。」 試合を終えて休息しようとするライディル達。その3人にターリュSとミュックSは不気味 に微笑みながら近付いて来る。流石に試合をする体力もないといった表情で、双子の行動に 後退りしている。 ミスターT「まあまあ、今は我慢するんだ。」 既に臨戦状態に近い双子。そんな2人の肩に手を置き、戦闘意欲を抑えさせるミスターT。 もちろんそれは分かっていたつもりで、態とライディル達をからかったようである。 2人にしてやられたと苦笑いを浮かべるライディル達。やはり存在だけはこの2人には敵わ ない。3人を含め一部始終を見ていた面々の誰もが思った。 第13話へと続く。 |
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
戻る |