アルティメットエキサイティングファイターズ 〜集いし鋼鉄の勇者達〜 〜第14話 暴君の再来〜 模擬試合を終えたリタレヴの面々。そこにビィルガ達が凶器を持ち乱入、ユウトとライアを 襲撃した。観戦していた面々は大ブーイングをし、襲撃したビィルガ達を批難する。 デア「貴様等ぁ、何て事をっ!」 倒れ込むユウトとライアの元へ駆け付けるデアとルボラ。他のリタレヴの面々も駆け付け、 2人の安否を気に掛ける。 ビィルガ「下らない、何が模擬試合だ。そんなものは私達は認めない。」 もはや完全悪まっしぐらのビィルガ達。面々がやる事全てが気に食わないといった感じだ。 ルボラ「ヘッ。認める認めない以前にな、私らを潰してからものを言え!」 ゴリアッグ「全くだ、今回は俺も頭に来た。」 ビィルガ「いいだろう、受けて立とう。」 動けないユウトとライアを他のリタレヴの面々に任せ、デア・ルボラ・ゴリアッグの3人が ビィルガ達と対峙する。ビィルガは他にタフィナとデュレアを引き連れて、デア達と対決する 事にしたようだ。 ミスターT「試合はどうする?」 一応尋ねるミスターT。第3者からの物言いだが、GMたるもの中立を維持しなければ卑怯 となる。それは各々がしっかり心得ている事だろう。 ビィルガ「貴様等が決めろ。」 デア「ならイリミネーション・タッグだ、トルネードタッグでいい。凶器攻撃を除いた全てで相手に なる!」 あくまで試合での決着を望んだデア達。これは悪陣営のリーダーであるデュウバDの方針だ。 どんな事をされても試合での決着を徹底している。 ミスターT「了解。試合はイリミネーション・タッグ、形式はトルネード・6マンタッグ3対3。 場所はこのままインサレクションで。ルールはKO・ギブアップ・DQが適応する。 これでいいな?」 ゴリアッグ「おうよっ!」 ビィルガ「ここが貴様等の墓場だ。」 ビィルガの一言で俄然ヒートアップするデア達。怒髪天を通り越した3人は、動けないユウト とライアの代わりにビィルガ達に戦いを挑んだ。 リングに上がっていくデア達を見つめ、リタレヴの面々は思った。 本編では憎たらしい敵であるデア達。その彼らが敵であるユウト達の襲撃に怒りを顕にする。 これほど嬉しい事はない、彼らを知る誰もが思った。 本編で語られている語句。もしかしたらデア達も自分達と同じ同士となっていたのかも知れ ない。この言葉が脳裏を過ぎるリタレヴ所属の面々であった。 逆襲イリミネーション・タッグバトル登場+試合動画 (逆襲イリミネーション・タッグバトル終了) やはりと言うべきか、デア達の圧勝である。戦闘力はビィルガ達の方に若干武があった。 だが団結したデア達には及ばなかった。特にゴリアッグの存在が大きく、流石は悪陣営の中で トップクラスの実力を有しているだけはある。 デア「ヘッ、足元にも及ばないぜ。」 倒れ込んだビィルガ達に罵声を浴びせるデア達。そんな3人を大拍手で讃える面々であった。 しかしそんな3人に今度はポーレス達が襲い掛かる。もはや何でもアリといった形である。 試合を終えた直後の3人だ、やはり凶器攻撃には為す術がない。勝利した隙を突かれた形と なろう。再び大ブーイングでポーレス達に批難する。 ポーレス「最後に勝てばいいのだよ。どんな手段を用いてもね。」 ビィルガ「その通りだ。」 重傷ではないビィルガ達、ポーレス達の助けもあり何とか立ち上がる。そして彼らと共に凶器 でデア達を更に攻撃した。 この行動に完全にキレたデュウバD。他にはゼラエル・ベロガヅィーブが今までにない怒り を顕にし、ビィルガ達に食い付いた。 ゼラエル「テメェだけは・・・絶対に許せねぇ!!!」 ビィルガ「口だけ達者なのが貴様等だ、勝手に吠えていろ。」 デュウバD「フンッ、用は勝てばいいんだろ。ならば貴様等6人同時に潰せば、これ以上の追撃は ないという事だからね。」 ビィルガ「好きにすればいい。悪は悪でしかない、それに手を貸すものなどいるはずがない。」 あくまで悪役と踏んでのビィルガ達の応対。悪に荷担するものは絶対いないと豪語している。 しかしそんな状況を一変する出来事が起きる。それは彼が発言した直後に発せられた凄ま じい殺気である。それは徐に歩み寄ってきたメルシェードから発せられているものだった。 メルシェード「そうとは限らない。例え誰も手を貸さなくとも、俺は必ず力になる。」 今までは他の面々に譲っていたからなのか、殆ど会話に参加しなかったメルシェードを含む フリハトの面々。特に普段穏やかなメルシェードの表情が、凄まじいまでの鬼の形相だ。 ビィルガ「貴様等が出てきた所で何が変わる、思い違いも甚だしい。」 メルシェード「なら短刀に言おう。貴様等のような奴等がこの場を汚す。我々の排除を望んでいる なら、貴様等から先に消えろ。ウジ虫共に彼らを貶す権利など一切ない。」 物凄い発言である。紳士的な人物のメルシェードが一同以上にキレている。また闘気と殺気が 織り交ざった凄まじい発言は、流石のビィルガ達も引いていた。 メルシェード「デュウバD嬢、俺も戦う。こいつらを徹底的に駆除してやる。」 ヴィドリーガ「フフッ、あの事変のメルシェードそのものだな。面白い、俺もやろう。」 ディルヴェズ「2人が出るなら俺も出なければ張り合いがないな。別のゲームでは三位一体で活躍 した。それに俺やミスターT氏の恩師もこの場にいれば、同じ事を思い間違いなく 行動に移るだろう。」 凄まじい闘気を剥き出しにし、フリハト最強レスラーとも謳われる3人がデュウバDとの共闘 を買って出た。 普段表に出ないフリハトの面々を気にしていたロスレヴの面々。その彼らが前面に出ている 事に嬉しがっているようである。 ミスターT「同時決戦か、さながらリタレヴの最終決戦と同じかな。ならば試合も派手にするといい だろう。殲滅ならば試合は同じイリミネーション・タッグ、形式はトルネード6マン タッグ3対3。場所はリング最高峰レッスルマニア19、ルールはDQのみというもの でいいだろう。」 今まで行われたイリミネーション・タッグとは異なる。KOとギブアップがなく、ただ相手を 叩くというサバイバル形式だ。双方共に全滅するまで戦う、正しくこの試合に打って付けの ようである。 デュウバD・ゼラエル・ベロガヅィーブとメルシェード・ヴィドリーガ・ディルヴェズの ダブルタッグがビィルガ達と抗戦を開始する。 この場合は指定リングとは別のリングもレッスルマニア19に変えられ、全く同時の決戦と なるだろう。 ディルヴェズ「デュウバD、どちらと対戦する?」 デュウバD「向こうさんが卑怯な手を使うのなら、こちらもある程度は使わないとね。殿方達には 悪いけど、ビィルガ達を頼むよ。私達はポーレス達をぶっ潰す。」 メルシェード「了解です。ポーレス達では張り合いがないので、逆に嬉しい限りですよ。」 デュウバDの戦術とメルシェードの戦術は完全に一致した。 ビィルガ達の方が多少なりとも戦闘力は高い。逆にポーレス達の方は弱い部類に入る。とも なれば戦闘力が強いメルシェード達がビィルガ達を、デュウバD達がポーレス達を相手にした 方が均一が取れている。 デュウバD「ではやるかねぇ。無念にも倒された友の分、それなりの痛みを味わうんだね。」 メルシェード「無傷で済まそうと思うなよ。重傷はさせるつもりだ、覚悟するんだな。」 両者とも物凄い剣幕でビィルガ達を睨む。特にメルシェードの怒りは凄まじいもので、流石の デュウバDも押され気味である。 またこの怒りは総意からなるもの。倒された者達の怒り、観戦する者達からの怒り。それら を含んでの同時決戦となる。両者ともリングへと上がり、臨戦体制を取った。 猛逆襲1イリミネーション・タッグバトル登場+試合動画 (猛逆襲1イリミネーション・タッグバトル終了) やはり結果は言うまでもない。メルシェード達よりは若干劣るものの、デュウバD達も十分 強い。そんな彼らにビィルガ達よりも弱いポーレス達が敵うはずがなかった。 容赦ない攻撃に為す術がないポーレス達。それでも一切手を抜かず、徹底的に攻めていった デュウバD達。 猛逆襲2イリミネーション・タッグバトル登場+試合動画 (猛逆襲2イリミネーション・タッグバトル終了) こちらも同じくして決着が着く。鬼神の如き怒濤の攻めに為す術がないビィルガ達。特に 目立つのはメルシェードの猛攻だろう。その度合いはデュウバDをも遥かに凌いでいた。 反撃はするものの、ポーレス達同様勝ち目がないビィルガ達。彼らの猛攻は凄まじく、6人は 完膚無きまでに粉砕された。 襲撃を受けたユウトとライア、そして後に襲撃を受けたデア・ルボラ・ゴリアッグはその 試合を複雑な心境で見つめていた。 だが自分達の怒りは彼らの活躍で晴らされており、心中にはスッキリした部分があるようだ。 デュウバD「フンッ、口だけ達者な奴等だねぇ。」 殆どダメージを受けていないデュウバD達とメルシェード達。対する6人は重傷を蒙る。 それでも這い上がろうとするビィルガ達、戦う意思だけは敗れていないようだ。 デア「連戦連敗したのによくやる・・・。」 ビィルガ達は先ほどの試合後の連戦である。体力も回復し切っていないのが実情であろう。 そんな彼らを見つめ、一同は哀れに思いだしていた。 だがメルシェードだけは違っていた。ユウト達やデア達に行った襲撃を、今度は彼らに行い だしている。彼らが用いたように、メルシェードも同じく凶器で6人を叩き続けていた。 正に暴君さながらで、流石のユウト達も止めに入る。 ユウト「メルシェードさん、もういいですよ。」 ライア「これで十分懲りたと思いますよ。」 メルシェード「こいつらの今までの行動を見てきて、これで懲りたと思いますか。再起不能までに 痛め付けても足りません。本来ならば完全消滅を望みますね。」 これには一理あると面々は思う。放っておけば再び悪事を行うのは目に見えている。ならば いっその事始末した方がいいのではとも思ってもいるようだ。それを今現在実演しているのが 彼なのである。 しかし攻撃を止めるよう懇願するユウト達の顔を立てて、メルシェードは渋々攻撃を止めた。 そう、本当に渋々といった感じである。 メルシェード「運がよかったな貴様等。このまま殺されても文句は言えない立場だ。ユウト殿達の 慈愛の一念に感謝するんだな。」 反撃しようと様子を窺っていたビィルガ達だが、流石にそれすらもできないぐらい体力が低下 しているようだ。そこにユウト達の攻撃を止める催促がなければ、間違いなく死亡している。 最後はユウト達に救われた形になったのである。 その後リングに救護斑のヴィアシールやヴァスタールが現れ、完全にダウンしている6人を 救護室へと運んでいった。 そんな6人を今も睨み付けているメルシェード。ヴィドリーガとディルヴェズと共に試合後の 一服をしている。 メルシェード「お恥ずかしい所をお見せして申し訳ない。」 ヴィドリーガ「いいって事。ああでもしないと、ある程度の抑制は効かないからな。」 ディルヴェズ「言葉で理解できないなら、実力行使しかない。皮肉だが、それが世の常だからね。」 6人の姿が見えなくなると、ようやく元の表情へと戻るメルシェード。暴君から紳士へ戻った と言っていいだろう。そこに悪陣営のリーダー、デュウバDが礼を述べに現れる。 デュウバD「貴男の共闘の志願、本当に感謝します。」 メルシェード「お気になさらずに。」 異様とも言える光景だ。あれほどの阿修羅の如く鬼の形相なデュウバDとメルシェードだった のに、今ではその気配は全く感じられない。役柄を徹底的に演じ切っていた証拠であろう。 メルシェード「また問題が起きたら言って下さい。自分でよければ火消しを担います。」 デュウバD「了解です。」 握手を交わすデュウバDとメルシェード。この2人は別の意味で恐怖の存在であろう。怒らせ れば命の保証がない、正しくその通りである。 メルシェード「何だか今の試合の方が、模擬試合よりも印象深かったようで。」 メルシェードの姿を見ると、どうしても後退りする一同。今の試合やプレゼンテーションの 方が印象強く、リタレヴの面々が考案した模擬試合はすっかり忘れ去られている。 ミスターT「一瞬一瞬の記憶は脳裏や心に焼きつくものだ。模擬試合の件はしっかりと一同の中に 存在しているよ。」 メルシェード「そう言って下さると安心します。」 ミスターTの労いに感謝するメルシェード。むしろ感謝しているのはミスターTの方である。 メルシェードの行動は火消しそのもの。過度の状態にまで膨れ上がった現状を、色々な行動 を駆使して鎮圧してくれたのだ。 彼が行動しなければ動こうと思っていたのがミスターT。GMとしての行動を代理で担って くれたのがメルシェードなのである。 ミスターT「まあお前さんの暴君と言われる所以は、私の行動にも十分繋がるがね。」 メルシェード「ハハッ、確かに。」 ミスターTの発言を聞き、様子を窺っていた一同は今まで以上に顔が青褪める。 そうである。メルシェードが暴君と言われる所以は、ミスターT本人が彼を使って起こした 行動が起源である。それが今のメルシェードの性格に割り当てられているのだ。 本来暴君と呼ばれるべき存在はミスターTであり、メルシェード本人ではない。それを改めて 窺い知った一同である。 そして一同が青褪めたのは、普段紳士的なミスターTが何時恐怖の暴君になってもおかしく ないという事に対してだ。しかもそれだけではない。 メルシェードの恐怖の暴君はミスターTのそれを模したもの。言わばアレンジである。本家の ミスターTが恐怖の暴君となった時、一体どうなるのかという事を巡らしてでもあった。 更にはデュウバDの180度豹変する性格。これもミスターT本人が起源する事になる。 彼も彼女のような極端すぎるほどの豹変な性格を持っているのだ。 色々な意味でミスターTの事を理解した一同。彼に敵対するという事は、間違いなく己が 命の終焉を向かえる瞬間であろう。 一同は改めてミスターTを恐怖の存在として認識した。しかしそんな彼に駆け付け様に抱き 付くターリュSとミュックS。その姿に一同は呆気に取られる。 ターリュS「兄ちゃ〜ん、試合試合〜。」 ミュックS「ライディル兄ちゃん達と試合していい約束っしょ〜。」 ミスターT「あ・・ああ、そうだったな。分かった。」 この2人には流石のミスターTもタジタジだ。存在だけでは双子の方が一枚上手である。 ターリュS「もう1人はこっちの兄ちゃんに任せる〜。」 メルシェード「え・・お・俺ですか?」 ミュックS「いこうじぇ〜。」 イリミネーション・タッグのトルネード6マンタッグとなると、ターリュSとミュックSでは 試合が出来ない。臨時では誰でもいいという事になるが、彼を選んだという事は2人の優しさ であろう。 あれだけの暴君を演じていたメルシェードだ。他の面々の誰もが彼を一歩引いた目線で見て いる。そんな現状が嫌なのだろう。2人がメルアWではなく彼を選んだのは、孤立しそうな 彼を助けたという事に繋がる。 それを無意識に感じたメルシェード、心中でターリュSとミュックSに感謝をした。 双子の姉妹に手を引かれ、メルシェードが指定のリングへと向かって行く。恐怖の暴君と 言わしめる彼も、やはりターリュSとミュックSの前ではタジタジである。 一同は改めて思う、ターリュとミュックには誰も敵わないと。振り回されるメルシェードや ミスターTを見つめ、苦笑いを浮かべるしかない面々だった。 試合内容だがイリミネーション・タッグでトルネード6マンタッグ3対3。リング設定は サマースラム、ルールはDQのみというサバイバルバトルである。 イリミネーション・タッグバトル登場+試合動画 (イリミネーション・タッグバトル終了) 両者ともベルトなどの足枷を一切受けない戦い。それ故か、今までにない凄まじい試合が 展開された。戦闘力は両者共に互角、正しく死闘である。ともなれば運が味方した方が勝利 できる事になる。 この激闘の勝利を掴んだのはターリュS達であった。実力・運共に備えた者と言えよう。 チェブレ「がぁ〜・・・嬢ちゃんつえぇ・・・。」 サーベン「やっぱり2人には敵わなねぇなぁ〜・・・。」 小柄のターリュSやミュックSにぶん回され、ヘトヘトになるライディル達。臨時に参加する 形になったメルシェードも健闘したが、やはり双子には一歩及ばすという形である。 念願の試合を行えて感極まっているターリュSとミュックS。リングの端に立ち、大きく 勝利のアピールをしている。そんな2人に大拍手を送る一同だった。 というか送らなければ何をされるか分かったものではなく、仕方がなくといった形の拍手で あろう。 ライディル「恐怖の暴君も名が崩れますね。」 メルシェード「ハハッ、確かに。」 リスペクトを行うライディル達とメルシェード。しかしそんな彼らには注目は浴びず、専ら ターリュSとミュックSに注目が注がれていた。 ミスターT「あの2人を敵に回したら・・・、想像するだけでゾッとするよ。」 一服しながらミスターTが呟く。その言葉にうんうん頷くライディル達。今も歓声を浴びる 双子の姉妹を見つめ、5人は苦笑いを浮かべるしかなかった。 第15話へと続く。 |
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