アルティメットエキサイティングファイターズ 〜集いし鋼鉄の勇者達〜 〜第23話 新ロジックと究極の力〜 内情を薄っすらと窺えた悪陣営の面々。彼らは表向きは抗争をしつつも、しかるべき戦いに 備えて体力を温存した。トップクラスの実力者を残し、それ以外の弱い面々でビィルガ達と 交戦をしていた。 エシェラTBが加勢するビィルガ陣営も悪陣営と交戦を繰り返す。ひたすらその時が来る まで戦いを続けた。エシェラTBやビィルガ達は悪陣営も真の敵を見抜いている事を知り、 共に今はただその時を待ち続けた。 切れ者で知られるユキヤやその親しい者達は、彼らと同じくその内情を察知する。しかし 大多数の面々は今まで以上に辛くなった現状に苦しんでいる。 ディルヴェズ達はその内情を察知しており、彼らは彼らで独自に戦闘を行っている。専らGM に近い調停者の役割が多いが。 ミスターT「という事だ、今は部外秘で頼む。」 急遽の加勢役を担ったエシェラは、共に戦うメフュレーナ・ヴュオリーア・エシュリオス・ エフィーシュを創生者室へ呼んだ。 本来はミスターT自身が赴こうとしていたが、そこを彼女が自ら役割を担いだす。これには 別の意味があったらしく、4人の他にエシェツとリュリア・リューア・テュームが一緒だ。 他の4人のじゃじゃ馬娘も呼ぶための、自ら担ったものだったようである。 しかし先方4人は一応作られた存在だけとしか思っておらず、ミスターTとエシェラだけが 知る所属の陣営完成は一切感知していない。 メフュレーナ「うぉー、やり甲斐あるじゃないですか!」 エシェツ「相手が役割的に極悪なら、全力で攻めても問題ないね。」 呼ばれた8人はミスターTからの役割を受諾する。エシェラをリーダーに、他の8人が彼女を サポートする形になるだろう。 エシュリオス「ところでマスター、真敵は何人出てくるので?」 ミスターT「6人を予定している。GM軍団にエシェラTBが所属し、残りは59人の空きがある。 当然人数が少ないビィルガ達にも新しい面々は作るが。」 エフィーシュ「12人はどうでしょうか。そのぐらいじゃないとやり甲斐がありません。」 ヴュオリーア「だな。相手が多くて強ければ、それだけ団結力が必要になる。今の我々には十分な 起爆剤になりますぜ。」 ミスターT「ふむ・・・。了解した、真敵を12人追加するとしよう。当然暫く時間が掛かるが、 そこは何とか間に合わせてくれ。」 メフュレーナ「おうよ!」 彼の言葉に8人は頷く。その中で目立つ仕草はメフュレーナとヴュオリーアの2人だろうか。 リューア・テュームの姉妹はターリュ・ミュック並のじゃじゃ馬娘。姉的存在のリュリアも それに近いが、お淑やかな方に属するだろう。エシェツも追随する形になるが、その彼女達 をも凌駕しているのがメフュレーナとヴュオリーアだ。 2人の言動は男性そのもの。お転婆と言うよりは熱血漢で悪戯っ子そのものだ。男臭さが 色濃いこの2人の前では、流石のリューア・テューム姉妹も押されている。 ミスターT「ディルが言った通り、本当にワイルドそのものだな。」 メフュレーナ「煽てても何も出ませんよマスター。」 ミスターT「出るも何も、お前さん達の可愛らしい姿を見れるなら嬉しい限りだがね。」 ヴュオリーア「もうっ・・・マスターったら・・・。」 2人は流石としか思うしかなかった。同じ言動をしたディルヴェズを創生したのは彼自身、 その彼自身の行動はディルヴェズと通ずるものがある。それ故に同じ仕草をしたのだろう。 いや、言わばオリジナルとなるミスターTの方が一歩上手ではあるが。 ミスターT「女性はいいね、本当に華があるよ。しかし油断をすれば、手痛い竹箆返しを食らう。 そこは昔も今もこれからも変わりはない。」 一服しながら語るミスターT。それに応じ、頷く9人の娘達。強さもそうであるが、女らしさ も兼ね備えねば意味がない。ここにいる若き乙女達はそう思った。 ミスターT「ロスレヴ本編でも記述したものだが、いざ何かが起きた場合の野郎のシドロモドロさは 見るに耐えない。この時は確実に女性の方が強い。恐さはあると思うが、心の強さが 半端じゃない。私も何度も思うが、女性には敬意を表するよ。」 エシェラ「そんなご謙遜を。私も本当に苦難する場面に遭遇したら、シドロモドロになります。」 メフュレーナ「マスターが思うほど女性は強い存在じゃないですよ。確かリタレヴ所属のライアさん でしたっけ。本編でユウトさんに支えて貰わなければ、己を見失っていたと述べて いましたし。」 ミスターT「あれは本編での役所だが、実際にはそうでもない。やはり女性には敵わないものだ。」 この部分は難しいと、9人の女傑達も頭を捻っている。答える側のミスターTも、実際には 難しいと同じく頭を捻っていた。 ミスターT「まあ今は試合側に専念するか、機会があれば雑談しよう。」 エシェラ「了解。」 エシェツ「本番が楽しみっす。」 エシェツの言葉に他の面々もニヤケ顔になる。かなりの重役になる事は分かり切っているが、 それをどういった場面で発揮するかを模索しているようだ。この点を見れば女性が男性よりも 強いというのが窺えるだろう。 その後一旦解散となり、それぞれの陣営に戻っていく9人。その後橋渡しでエシェラTBを 除くGM達にも召集を呼び掛ける。そして今後の展開を語るミスターTだった。 これを伺ったGM達は、今のエシェラTBの役割がどれだけ重要かが無意識に理解できた。 エシェラTG「もう1人の自分もよく頑張りますね。」 エシェツTB「何かあれば私達も加勢しますよ。」 ミスターT「奥の手として待機していてくれ。あくまでも主役は本陣の面々だからね。」 リュウジNTG「心得ていますよマスター。」 所属してまだ役割がない新陣営抜粋のGM達。特にリュウジNTGは心中はイライラしている 様子であり、一歩間違えば彼が悪役になるとも言いかねない。 アフィTK「落ち着きなって。あたいらは陰の存在だよ、表立って動いて何になるのさ。」 マツミTP「そうですよ。私達のオリジナルの方々が担ってくれればそれでいいのですから。」 リュウジTG「そりゃぁさ〜そうだけど・・・なぁ・・・。」 リュウジNTGの心中が痛いほど理解できるGM達。本来ならば役割などそっちのけで、本線 の流れに乗って戦いたいのが実情だ。 しかし一同を纏める役も必要なのは事実だ。それを踏まえると、自分達の役割がどれだけ重要 なのかとも痛いほど理解できた。 ミスターT「リュウジNTGの方が、今の私そのものなのかも知れない。創生者抜きでの考えなら、 戦えた方が遥かに楽だ。」 リュウジNTG「そりゃそうですが・・・。」 ミスターT「今は我慢の時だ。楽しみは最後まで取っておくのが定石だろう。」 彼の発言にリュウジNTGは渋々己を抑制させる。本当であれば他のGM達も戦いたいのが 実情であろう。当然創生者という役割を抜けば、ミスターT自身もそうであるが。 エシェラTG「ところでマスター、既に真悪役は完成しているので?」 ミスターT「いや・・・。正直な話、完成しているのは2人しかいない。ビィルガ陣営も含めると、 まだ32人が未完成だ。」 エシェツTB「マスターそれヤバいんちゃう?」 ミスターT「切羽詰った状態だね。」 どうやらネタ切れ状態になっているようで、作成の方が全く進んでいない状態の様子だ。 それもそうだろう。表向きは1320人、本当は1440人まで完成している。このような 在り得ない人数を作り続ければ、深刻なネタ不足とマンネリ化するのはいうまでもない。 ミスターT「それに今な、厄介な状態になってもいる。」 アフィTK「それは一体何なのです?」 更に作成が進まない本当の理由を挙げるミスターT。それは何なのだとGM達は思った。 代表してアフィTKが問い質してきた。 ミスターT「今の私とお前さん達全員、そしてエシェラTBにも施しているロジック。それを完全に 独立した形のを作ろうと思っている。正確には完成していると言った方がいい。」 リュウジNTG「それはまた他方の方にまで手を伸ばしましたな・・・。」 作成が進んでいない状態で、更に己の首を締めるのか。他のGM達は呆れ返るしかなかった。 また今でさえ十分な戦闘力を誇る自分達であるのに、更に強くするのはどんなものかと思う。 ミスターT「今までのは遊び要素も含まれた、言わば見せるためのアピールタイプロジックだ。背後 からのスパンキング、簡易リスペクトを踏まえたクイックグラップル。そしてダウンや 通常からの打撃による連携攻撃。」 ターリュTB「うちらの6大決戦時でも大活躍したねぇ。」 リューアTS「あの時は決め技を出せませんでしたけどね。」 記憶に新しいのはリュヴスが切り出してきたターリュTB達6人によるサバイバルバトル。 徹底的な打撃応戦で決め技ができない戦闘だった。あの時ものを言ったのが連携攻撃だろう。 ミスターT「新しく再調整したロジックは、そのアピールタイプロジックではない。完全な攻撃形式 を用いた、ごり押しタイプのものだ。言い換えれば、レスナーロジックを改良したと 言っていいだろう。」 オリジナルやアレンジの自分達、アルエキファイタ最強のメルアが誇る最高峰ロジックである レスナーロジック。そのロジックの威力は折り紙付きだ。 フリハトのヴァルラームや彼女の縁ある者達も該当し、単体では一騎当千の実力を誇る。 そのロジックを更に強めたという事を聞き、一同は驚愕せざろう得ない。 ミスターT「テスト段階の戦闘を別場所で行わせている。まあこれは現実問題であり、こちらには 一切影響はない。シングル・タッグ・ハンディキャップ・ロイヤルランブルでも対応 できるように施した。もちろん私が操作できる範囲内での力しか出せないがね。」 メルアTU「それはアレですか、真悪役に対抗できるようにと?」 ミスターT「それもあるが、独立した形のロジックが欲しかったものでね。でなければ今まで通りの ロジックを用いているよ。」 メルアTU「ならば新ロジックはマスターとミスE様がお使い下さい。我々は見せるための戦いを 演じなければなりません。従来通りの旧ロジックでも十分渡り合えるでしょう。」 メルアTUの発言に一同納得する。今でさえ十分強いのだから、更にパワーアップするなら 彼こそが相応しいだろうと思った。 自分達はオリジナルからアレンジを施された、陣営別の代表GMである。他の面々とは全く 異なるロジックを有するが、それは自分達GM軍団に与えられた独立した力と取れる。 そして新たに調整を加えられたロジックは、創生者のミスターTと彼の専属サポートである ミスEこそが相応しいだろうと一同は思う。 それはこの2人だけがアレンジではない、完全なオリジナルキャラクターであるからだ。 リュリアTF「ただでさえ多忙な状態なのに、私達に施した日にはどうなるか目に見えています。」 シンシアTJ「マスターにこそ相応しいですよ。」 ミスターT「ふむ・・・分かった。大変申し訳ないが、お言葉に甘えさせて頂くよ。」 ミスターTは一同に頭を下げる。しかし面々の脳裏には以前彼が述べていた言葉が浮かぶ。 ミスターT(トップレベルの面々と対戦して、改めて己の力のなさに苛立ちを感じる。殆ど卑怯な 打撃だけの応戦しかできなかった。2人のサポートをする暇さえない。) 普段見せない悔しそうな表情を浮かべていたミスターT。それ故に新ロジックを確立させた と思っている。しかしそれが本音ではなさそうであるが。 ミスターT「ちなみにオリジナル最高峰ロジックとは言っても、欠点は必ず存在する。一番現れて いるのが、私自身の腕の未熟さだ。最強の剣を手にしても、使い手が弱くては最弱の剣 だろうからな。」 ディルヴェズTF「そこは何とかなりますよ。我々は与えられたロジックやベースロジックの範囲内 でしか動けません。マスターはその場の状況を把握し、それに見合った行動が できるのですから。仮に我々が貴方と戦って勝利しても、それは真の勝利とは 言えないでしょう。」 人間こそに与えられた能力。ロスレヴ系列出身の面々なら痛いほど分かる。 人工知能などの相手は独立した動きができない。レールに沿った動きしかできず、己独自の 思考では絶対に行動できない。 自分達も言わば人工知能そのもの。与えられたロジックをレールに沿って動かすだけで、その 場の瞬時による対応はできないのだ。 ユキヤTW「以前マスターが悔しがっていた時、貴方は勝ちに徹するために打撃中心で動かれました よね。あの場面が自分達ならそれができず、通常通りの戦いしかできないでしょう。 本編の流れを変える・独自の戦術で攻撃する、それはマスターやミスターM氏にしか できない事だと確信しています。」 ミスターT「そう言って貰えると嬉しい限りだよ。」 一同の労わりに心から感謝するミスターT。それは息子や娘達に慰めて貰っているかのようで あろう。 ミスターT「しかし、卑怯な手を使っても勝利か。創生者としては嫌な行動だが、致し方がないの かもな。」 ヴォリスTJ「マスター、所詮この世の根底は実力主義ですよ。もちろんマスターのように労わりの 心も忘れてはなりませんが。」 ヴァルラームTS「それでも結果が全て、それが厳しき現実です。」 ミスターT「そうだな、相手が強ければ尚更だな。しかし根底は原点回帰を忘れずに、だな。これを 忘れ去ってしまっては、私こそが真悪役となるだろうからね。」 改めて己の進むべき道を見定めるミスターT。そこに至る手段は多々あろうが、全ては目標 に向かって突き進むのみ。それが今一番必要なものだろう。 ミスターT「よし、新ロジックへの変更は完了。問題は私自身がロジックに適応できるかどうか。」 ターリュTB「マスター、それは実戦しかありませんよ。」 ミュックTQ「私達が相手するしかないねぇ〜。」 ニヤケ顔で話すターリュTBとミュックTQ。それはミスターT自身も予測していた通りで あり、2人に実戦訓練をお願いするのは決定的な事でもあった。 しかし表情が曇っているのは相変わらずだ。そこで彼はハンデを付ける様子である。 ミスターT「実はロジックが完成して披露する前に、一度お前さん達と仮想戦闘を行っている。」 ターリュTB「結果はどうだったの?」 ミュックTQ「そりゃぁ〜、マスターの圧勝でしょう。」 創生者の彼を立てて、勝敗は決まったも当然と2人は語る。しかし実際は違っていた。 ミスターT「5戦5敗、そのうち2回KOを食らった。1度目はターリュTBのF−5で、2度目は ミュックTQのペディグリーで沈んだ。ちなみにサポート役のミスEは全くの無傷に 近い。言うなれば私の足手纏いが原因だ。」 彼の発言に一同絶句する。呆気に取られるを通り越して、何も言えずの状態だ。そこまで彼の 戦闘力が弱まっているのかと、一同は逆に空しくなってしまう。 ターリュTB「試合は止めた方がいいかな。」 ミュックTQ「何かマスターが可哀想。」 ミスターT「ハハッ、お心遣いありがとな。しかしだ、こちらも奥の手はしっかりとある。これを 使うのは色々と問題があるが、最強に近いお前さん達ならば私も最強の力を使わないと 割に合わない。」 その最強の力というものが分からない2人。どのような力なのか一切不明であり、それだけで 自分達と互角に渡り合えるのかと疑問を抱く。 ミスターT「論より証拠、だな。その威力を、このハンデで示そう。自分とミスEが戦おうと思って いたが、それでは酷すぎる状態になる。こちらは私1人で戦う。無論こちらは決め技が 一切使えない状態で挑む。そちらは既に2回、2人合わせて4回決め技を繰り出せる 状態にしておく。ギブアップだけは諸事情で省くとする、KOとDQはそのままだ。」 凄まじいまでのハンディキャップに一同は驚愕する。4回も決め技を放たれては、間違いなく 相手は沈むであろう。 しかしミスターTの目は据わっており、これが事実なのだと受け入れるしかなかった。 ミスターT「悪いが創生者としての力、存分に出させて貰うよ。それが卑怯な手であろうが、ね。」 不本意ながらではあろうが、そう語るミスターTだった。一同は何とも言えない気分になる。 ミスE「マスターどうしましょう。こちらの試合は大々的に行いますか?」 ミスターT「真悪役が登場していない今を考えると、新ロジックを披露するのは問題がある。更に アレを見せてしまっては、一同にかなりの障害を与えてしまう。この実戦訓練は我々 だけの仮想戦闘として処理するしかない。」 今回の戦闘は他の面々には公表せず、GM陣営だけで行う模擬試合となるだろう。今公表 してしまっては、一同の気合が殺がれる事になる。 ウインドTL「でもマスター、そうなるとリングはどうなさるおつもりで?」 ダークHTS「表で戦っては皆さんの注目を引くのは言うまでもありません。かといってこの場での 試合は不可能ですし。」 ミスターT「フフッ、私を誰だと思っている。この場限りでは不可能はない。」 個室であるミスターT専用部屋は数十人しか入れない小部屋だ。ここでは試合はできるはずも ない。 しかし不気味に微笑むミスターT。小さく指を鳴らすと、何と小部屋だったこの場が体育館 クラスの大部屋へと広がった。 慌てて他の面々が部屋の外に出るが、表は従来通りの広さである。外から内部を窺うも普通の 部屋にしか見えず、再び部屋に戻ると一瞬にして大部屋へと変化するのだ。 ユキヤNTP「ま・・魔法ですか・・・。」 ミスターT「この場限りでは何だってできるさ。」 ウォーミングアップをしつつ、リングへと上がって行くミスターT。多少強引に押し進めると 語っていたが、まさか本当に行うとはと一同呆れるしかなかった。 ウィンNTS「皆さん尋ねてきませんかね・・・。」 ミスターT「意思の疎通をしているエシェラTBに任せている。今表では彼女が真のGMを用いた、 大きなイベントの真っ最中だろうから。」 丁度同じ頃。表ではエシェラTBがビィルガ達と共にデュウバD率いる悪陣営と総当り対決 をしていた。全員が入り乱れての試合を行い、さながらロイヤルランブルそのものだ。 しかし場外へ追い出しても再び戻るの繰り返しであり、ロイヤルランブルとは全く異なる試合 が展開されていた。 ミスターT「エシェラTBには悪いが、時間稼ぎを行って貰っている。実際には試合は行えない形式 の戦いを展開している。通常のリングの3倍近い面積で、双方ともの代表が入り乱れて サバイバルバトルを行っている。もはや何でもござれ、と言った形だがね。」 表の様子を窺っているGM達。トップクラスの実力を持つ面々を双方の陣営から15人ずつ 合計30人。その人物が完全特設の3倍リングでサバイバルロイヤルランブルを行っている。 ミスターT「通常はできない試合形式のため公表はできないがね。裏方のスパーリングと思って貰え れば押し通せるだろう。」 ユウMITB「実際に試合ができたらいいのにね。」 ミスターT「間違いなく処理限界が起こり、ハードウェアがフリーズするよ。」 本編ではコンピューターから突然変異で誕生したユウMITBとアイSTW。彼が話した事を 聞き、間違いないと頷く。2人はロスレヴ系列のシェガーヴァ・レイシェムと全く変わらない だろう。 ミスターT「現実のロイヤルランブルだと、数人掛かりで1人のレスラーを場外に放り投げるなど しているそうだ。こちら側でも行えたら面白いのだろうけどね。」 アイSTW「だねぇ〜。」 エシェラTBの今までにない機転溢れる行動に、一同は沸きに沸き上がっている。このような 実現不可能の完全特殊環境試合ならば、一同を引き止めるには十分すぎるものだろう。 ミスターT「さて、やろうとするか。本当に多少強引に押し進めるが、GM内部で黙認してくれ。」 ターリュTB「あいあい〜。」 ミュックTQ「何はともあれ、戦えるだけ嬉しい限りにゃ〜。」 ミスE「フフッ。」 リングに上がった4人は臨戦体制のまま待つ。メルアTUが監修を務め、他のGM達は観戦 側に回っている。 これから起こる事を何一つ気にも留めず、無邪気にそして全力に攻めようとする双子の姉妹。 しかし、それが覆されるとは思いもしないだろう。 試合内容は次の通り。試合はイリミネーション・タッグ、形式はトルネード・タッグ。 リングは特設にできたレッスルマニア19。観戦者が大勢いるように見えるが、ゲームという 仕様で黙認を願いたい。ルールはKO・DQが適応される。 また特別設定として、ミスターTは決め技が一切使えない状態である。対するターリュTB とミュックTQは、両者とも決め技が2回放てる状態での開始となる。 禁断実戦訓練ハンディキャップバトル登場+試合動画 (禁断実戦訓練ハンディキャップバトル終了) 試合開始と同時にターリュTBとミュックTQは全力で攻めた。決め技が既に放てるとあり 真っ向から駆使して戦う。圧倒的な力でミスターTを攻め続ける。 だが事態は異なった。ミスターTに放った決め技は、そのどれもが軽傷で終わってしまう。 致命傷とまではいかず、ただの通常攻撃という扱いになってしまっている。 対するミスターTは防戦一方に思えたが、反撃を繰り返し続ける事で何時の間にか相手に ダメージを蓄積させてしまう。その度合いは凄まじく、2人は全く分からないままに負けて しまった。 リング上でダウンしているターリュTBとミュックTQ。全く起きない所を見ると、相当の ダメージを受けた事が現れている。 例の強制体力回復を用いて完全回復させるミスターT。もはや創生者の実力を最大限使用して いると言っていい。 リュヴスTS「相手をダウンさせるスキルが追加されていたのは窺えました。これなら乱戦などでは 無類の力を発揮するでしょう。」 ミスターT「まあ欠点もある。それは多岐多様に攻撃ができないという点だ。特に部位ダメージで ある腕部と脚部への攻撃がかなり減った。」 ユキヤTW「ですがその分、胸部と頭部へのダメージが上がっています。正しくメルア嬢が有する ロジックと何ら変わりません。」 ディルヴェズTF「しかも掴み技の大多数は私達のオリジナルが得意とする決め技そのものです。 これらを駆使すれば、前回以上に戦力アップが図れますよ。」 オリジナルのリュヴス本人が実力を窺っていたのと同じく、GMであるリュヴスTSも同様に スキルの見極めなどを行っているようだ。またそれはディルヴェズTFとユキヤTWも同じで あり、新しいロジックなどの戦力調査に抜け目は一切なかった。 リュヴスTS「しかし・・・、一体何を使われたのです。度重なる攻撃を受け、更に4回の決め技を 食らってもダメージがでない。これは常識を逸しています。」 ミスターT「黒いカードと同じく、もう1つの創生者たる最強の武器。禁断の力だよ。」 リュヴスTSの述べた通り、一同が一番知りたい部分はそこである。ミスターTは一応応対 するが、その言葉の意味は分からなかった。 それを察知して彼は映像を一同に見せる。何時行ったか分からない、仮想空間でのシーズン モードの戦闘の一部始終である。 一同は絶句した。実際に試合の状況を目撃し、開いた口が塞がらない。創生者故できる荒業 の1つであろう。そして絶句する内容は、その戦闘数値である。 ユキヤTW「・・・俗に言う、改造というものですか。」 ミスターT「反則技の1つ、だね。しかしお前さん達の基礎となる母体は、全員これを用いている。 従来ならば途方もない時間を掛けて経験値を稼ぐのだが、荒業を用いて最大数値にして いる。私もお前さん達も、これら反則技からは逃れられない。」 一定時間シーズンモードを凝視し続け、レッスルマニアに到達して終了した。本来であれば 数分掛かる試合であろうが、この状況であれば僅か1分前後で決着が着いたのだ。 一同の誰もが思う、明らかに卑怯すぎると。その絶大な力は完全にパワーバランスを崩し、 自分達の存在意義を無くしている。 ディルヴェズTF「・・・まあ反則技そのものですが、創生者の特権と言えばそれまでですね。」 しかし見定めている者もいる。草創期からの縁で深い面識となり、言い換えれば伴侶そのもの でもあるディルヴェズTFだ。 それはミスターTが創生者だからである。創生者たる存在は絶対的なものでなくてはなら ない。卑怯すぎるのも問題ではあるが、逆に弱い創生者など話にもならないだろう。 ミスターT「まあ普段は普通に戦い、完全な不測の事態になればこれを用いる。その時の私自身、 間違いなく破壊神そのものと化すだろう。本来ならばこのようなものは用いたくない。 しかし、私をあまりなめてもらっては困るからね。」 改めて創生者であるミスターTの実力を窺ったGM達。エシェラTBに真のGMを託した事に より、彼は完全なる創生者に目覚めたと言っていいだろう。 ターリュTB「マスター。常勝無敗を定石とするなら、徹底的に使った方がいいような気がする。」 ミュックTQ「だね。究極の存在として君臨するならば、それ相応の力は持つべきだと思う。」 ミスターT「まあ確かにそうだがな。」 試合を終えたターリュTBとミュックTQがそれぞれに述べる。ディルヴェズTFと同じく、 彼の存在が何なのかを踏まえれば当然の事だと告げた。 3人を除き、他の面々は思った。禁断の力を用いているミスターTと戦うのであれば、特殊 環境下での試合しかないと。束になって襲い掛かっても、ほぼ勝てないと直感する。それだけ 凄まじい力であった。 しかし今となっては通常試合でも構わない、その究極の力を試したいと思う者も出始める。 ミスターT「・・・手合わせしてみるか?」 シンシアTJ「戦ってみたい気もしますが・・・。」 その心を察知した彼が構わないと述べだす。一同は一応喜ぶが、現状が現状なだけに顔色は 良くない。 リュヴスTS「ターリュTSさんとミュックTQさんと同じく、ハンディキャップでの戦いなら一応 対等でしょう。しかし今回は1対3で、KOもない状態で挑ませて貰います。」 ミスターT「ふむ。2人ではなく3人を相手にするとなると、この力を持ってしても恐い気がする。 だが、これがどのぐらい通用するのか見るのも面白い。」 リュヴスTSが提示した試合形式とルール、先刻双子のGMと対決したものと殆ど同じだ。 これならば対等に近い。徹底的なハンディキャップを窺ったGM達は、一応やる気がでてきた ようだ。 リュヴスTS「試合内容を選ばせて貰った自分が参戦しなければ失礼ですね。」 シンシアTJ「私も最初に応じました、一緒に戦いますよ。」 リヴュアスTG「私もでましょう。単独なら厳しいですが、3人なら勇気が出ます。」 参戦を表明したのはシンシアTJ・リュヴスTS・リヴュアスTGの3人。オリジナルとは 異なり、凄まじいまでにパワーアップされた人物だ。それにロジックは旧式とはいえ、以前 ミスターTが用いていたものを施されている。 普通のハンディキャップ1対3ならば、間違いなく3人の方が圧倒するだろう。 ミュックTQ「一応頑張れ〜姉ちゃん達〜。」 ターリュTB「痛烈な痛い思いすると思うけど、ね。」 3人を応援するターリュTBとミュックTQ。しかしその凄さを既に体感している。2人が 述べた言葉を聞き、改めて身震いをする3人だった。 再び部屋を広くし、リングを設置する。それらも迅速かつ素速く、僅か数秒で完成する。 もはやなんでもござれ、創生者たる彼の力には一同恐怖と興味が湧き上がり続けた。 ミスターT「試合はハンディキャップマッチ、形式はワン・オン・スリーで交代なし。ルールは前回 と異なり、KOがない状態でDQありとリングアウトなし。リングは以前と同じく、 レッスルマニア19でいいだろう。」 シンシアTJ・リュヴスTS・リヴュアスTGの3人はリングへ上がり、ウォーミングアップ を開始。対するミスターTはゆっくりとリングへと上がった。 3人は持てる全ての闘気を放出し、前回同様禁断の覚醒を行ったミスターTに対峙する。 そして彼女達の方から勇猛果敢に突撃を開始した。 禁断実戦訓練ハンディキャップバトル登場+試合動画 (禁断実戦訓練ハンディキャップバトル終了) もはや結果は言うまでもない。シンシアTJ・リュヴスTS・リヴュアスTGの3人は全力 で禁断覚醒状態のミスターTと戦った。連携を用いて彼を圧倒し続けた。 だがそこまでだった。いくら強力な打撃を放っても通用せず、殆どが完全な軽傷で終わる。 対する禁断覚醒のミスターTは、先発双子の時と同じように3人の猛攻に防戦一方という 雰囲気だった。しかし時折見せる軽い攻撃でさえ、相手に大ダメージを与えてしまう。 3人からそれぞれ繰り出される掴み技を返すだけでも、かなりの致命傷を与えていた。 更には自然と気合が溜まった彼により、決め技をも繰り出され食らっている状態だ。自分達 が知らぬ間にダメージを受け続け、何時の間にか負けていたのである。 リングで完全にダウンしている3人。ターリュTBとミュックTQの時よりも酷く、全く 起き上がる気配がない。ミスターTは例の体力完全回復を用いて、彼女達のダメージを完治 させる。 ミスターT「ターリュTBとミュックTQの時と違い、3人相手でもここまで強いとは。」 シンシアTJ「滅茶苦茶痛かったですよ。」 リュヴスTS「でも分かった事があります。禁断の力であれど、無敵ではないという事。決め技など 一定の破壊力を誇るスキルならダメージは通りますし。」 ミスターT「私の未熟さにも助かった、だろう?」 自身が胸中で思っていた事を見透かされ、苦笑いを浮かべるリュヴスTS。またシンシアTJ やリヴュアスTG・ターリュTB・ミュックTQも同じであり、苦笑するしかなかった。 ミスターT「これなら真敵役と同じ戦いをしても、十分に互角に渡り合えるな。」 再び部屋を元に戻し、表の様子を窺う一同。あの禁断覚醒時のミスターTはどこへやら。 普段から謎が多い彼だが、余計謎が深まったと言えるだろう。 ウィンNTS「私達よりも強いですかね。」 アフィTK「下手をしたら一瞬で勝負が着くんじゃない?」 ミスターT「お前さん達専用となった旧ロジックは連携こそ最大の力になる。単体の攻撃ならメルア 達やライディル達のロジックの方が遥かに強い。」 継続戦闘能力だけなら旧ロジックを有するGM軍団の方が強いだろう。しかし短期決戦能力と なると話は別になる。メルア達所有のレスナーロジックとライディル達所有のゴールドバーグ ロジックの方が有利だ。もっとも、運の要素を合わせればこの限りではないが。 ミスターT「だが非常に心強いロジックだ。これがあれば大勢の相手でも十分に対決できる。しかも 難易度を最高にしてもだ。」 エシェラTG「あまり多用はダメですよ。その力に慣れ過ぎると、元に戻れなくなりますので。」 ミスターT「それはしっかりと心得ているよ。強さだけが全てじゃないという事もね。その心得が 失われたら、最悪お前さん達全員を敵に回す事になるだろう。」 彼が述べた通りだった。自分を見失い禁断の力を多用するなら、間違いなくここにいる全員を 敵に回す事にもなる。言うだけ愚問だったとエシェラTGは苦笑した。 先ほどの禁断覚醒時のミスターT。凄まじい力にまで膨れ上がっていたが、目だけは以前と 全く同じものだった。あれだけの究極の力を手にすれば、自然とそちらに流されてしまう。 しかし力に流されずにいられるというのは、彼の心の強さに通じるだろう。心が据わっている からこそ、こういった禁断の力を用いてみるのだろうから。 エシェラTG「マスター、完成済の真敵役は2人と言っていましたよね?」 ミスターT「そうだな、予定の12人には程遠い。」 エシェラTG「他にも陣営別GMが完成しているとも言ってましたね。」 大いに盛り上がる外部。その熱気はこちらにも伝わってくるようで、GM達も煽りを受けて 闘志が燃え上がりだしていた。 そんな中、エシェラTGが真敵役の事を切り出してくる。何かを思い付いたのか、考えての 発言のようだ。 エシェラTG「どうでしょう、完成した人物から投入してみては。戦力不足が予測されますが、もう 1人の自分が上手く調整してくれるでしょう。」 ミスターT「ふむ、それもそうだな。」 彼女の助言を受けてミスターTが動き出す。彼もエシェラTGと同じ事を考えていたようで、 助言を受けずとも行動するつもりであった様子だ。 その後、今現在完成済みの真敵役2人を含めた88人を召喚する。手帳から黒いカードに 反映させ、続々と陣営別GM軍団を出していく。 そして2人の真敵役。1人はどこにでもいそうな女性、顔に黒いペイントが施されている。 もう1人の人物が現れた時、一同は驚愕するのであった。 第24話へと続く。 |
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