アルティメットエキサイティングファイターズ 〜集いし鋼鉄の勇者達〜
    〜第27話 模擬シーズン・前編〜
    悪陣営連合が空中分解し、ビィルガ・デュウバD・悪陣営へと分かれた。これにより従来の
   悪陣営と戻った面々だが、リーダー格の存在が欠けている状況は厳しいものがある。

    分裂したビィルガ・デュウバD陣営は何事もなかったかのように、独立した動きを開始。
   やはり両陣営は無差別に襲撃するのは言うまでもなかった。だが悪陣営という駒がない以上、
   双方共に戦力不足に苦しんではいる。

    善陣営は相変わらずではあるが、悪陣営が元に戻った事により第2の勢力として存在する。
   中立陣営も揃い踏みし、この3大陣営の構図は揺るぎないものになりつつあった。

エシェラTA「やはり私は悪は合いませんね。」
    新たな企画を考えているGM軍団。真のGMとして君臨するエシェラTB、その彼女を背後
   からバックアップするエシェラTA。このペアになってから目覚ましい活躍を見せていた。
    そんな中、エシェラTAがぼやく。以前はミスヒールとして真敵役に君臨していたが、今の
   彼女は真善役とも言うべき存在だ。そして己の位置付けを再確認し、これこそが自分に合った
   役割だと確信もしている。
エシェツTB「姉ちゃんはベビーこそ生き甲斐っしょ。」
ウィレナTS「ですね。」
   GM軍団からのサポートとして、引き続き参戦する4人。リュウジNTG・ディーラTLの
   2人に、エシェツTB・ウィレナTSのじゃじゃ馬娘達。
    4人は2人の補佐を担当し、雑務などに明け暮れている。しかし試合回数は多く、自分達が
   望んだ環境は得ていた。
    また身辺警護を担当しているターリュS・ミュックSの2人と、ライディル・サーベン・
   チェブレ・オルゼン・コウキ・コウジの6人。8人も4人のGMと共に共闘し、火消しや臨時
   のスペシャルレフリーなどを担っている。
   こちらはこちらで真GM陣営と言うべきか、独立した勢力にもなっていた。

ミスターT「ライディル、ライアの模擬試合はまだ決まらないのか?」
ライディル「ええ、そうみたいです。前回と被らないように、慎重に協議しているようで。」
ミスターT「GM数名を派遣するか。その方が試合などの打ち合わせは効率があがるだろう。」
    GMルームにいる数名のメンバーを招集する彼。呼ばれた人物とは今正に行動中のアレンジ
   的存在、ライアTL・マイアTJ・トーマスSTLの3人だった。
   また3人の護衛としてライディルTW・サーベンTB・チェブレTMの3人を抜粋。頑張る
   ライアに縁ある者を抜擢した。
ライアTL「自分をサポートとは、マスターも面白い事をなされますね。」
ライディルTW「何はともあれ、動けるのはいい事。早速向かいますよ。」
   6人のGMはライアが奮闘する元へと向かって行く。エシェツTBやウィレナTSと同じく、
   戦いの場所を得られたGM達は元気そのものである。
ライディル「しかし・・・112人のGMですか、確かに考えものですね。」
サーベン「まあでも俺達と同じ考えを持つのなら、色々と楽ですぜ。」
チェブレ「いい模擬試合ができまっせ。」
   賛否両論のGM軍団。しかし多岐多用に活躍できる存在は好都合であろう。一同を盛り上げる
   存在として、裏方の役割は大切である。

ミスターT「シンシアは縁深いな。」
    突然語りだしたミスターT。その意味が分からず、一同は不思議そうに首を傾げている。
   そんな彼らに詳細を述べだす彼。
ミスターT「GM軍団には以前述べたのだが、シーズンモードを行っている時のライバルだよ。初会
      はタッグとしてコンビネーション抜群だったが、2回目はラスボスとして現れた。」
   意外な発言を伺った一同。特に詳細を知らない真GM軍団は興味心身にしている。
エシェラTA「マスター、それを模擬試合にできませんか?」
ミスターT「ふむ、できなくはないが。しかし再現は厳しいかも知れない。第一、私自身のめり込み
      過ぎて、詳細な流れを忘れている。」
   エシェラTAの発案に興味を抱くミスターT。しかし次の発言に一同ずっこけそうになる。
   自分が行ったであろう展開を忘れているのだから。
ミスターT「でもそうなると、主人公が私になってしまう。それではただ単に観戦する側になって
      しまうだろう。一同が楽しめる模擬試合にするなら、メインメンバーに挑戦する形を
      取った方がいい。」
ターリュS「面白そうだに〜。」
ミュックS「早速やろうじぇ。」
   試合となれば我先にと動き出そうとするターリュSとミュックS。その度合いは一同を凌駕、
   止めようとするなら逆に食われるかの如くである。
ミスターT「待て待て、全シーズンを行うという訳ではない。それでは途方もない時間が掛かって
      しまう。ここは代表的で一番印象深い試合を行うのがいいだろう。」
エシェラTA「とりあえず、覚えている面々をお知らせ下さい。本人方を呼んできます。」
ミスターT「セカンドシーズンの方が無難だよな・・・。」
   早速シーズンに抜粋した面々を選び出す。表に纏めだすミスターTだが、その時点である事に
   気が付きはじめる。それはその様子を窺っているエシェラTAも分かるものだった。

    抜粋された面々を窺い、一同は呆れるしかなかった。
   32人全員の設定は1人を除き、全員男性である。1人だけディーバとして女性の登録だ。
   通常の陣営とは異なり、32人フルで登場できるというのが強みであろう。

    呆れる部分はまだある、それはその選ばれた面々だ。主人公としてミスターTの筐体が登録
   されているが、それ以外全て女性という部分である。その女性陣の30人を男性として扱い、
   シーズンに登場させているのだ。

ターリュS「兄ちゃんの女好きは更に強くなってるじぇ。」
ミュックS「オリジナルの設定はRAWですか。スマックダウンで一緒に戦いたかったですけど。」
    呆れる女性陣。華があるというのはいい事ではあるが、この場合は明らかに数が多すぎる。
   一部既存レスラーを登場させなければいけない現状を踏まえても、全体の7割は女性筐体が
   占めている。ディーバも含めれば圧倒的だ。
ミスターT「野郎を入れても普通に楽しめるはずがないだろ。エキプロ5の続編では主人公だけしか
      オリジナルキャラを投入できないが、今作はオリジナルキャラ32人を投入できる。
      その環境を最大限活用したまでだよ。」
   彼と同じ性別の男性陣は頷いているが、女性陣は呆れるしかなかった。この場合は彼の野心が
   最大限働いていると窺っていい。
ミスターT「ファーストシーズンは省かせてもらうよ。それでもメインメンバーの大多数がセカンド
      シーズンでも登場している。問題はないだろう。」
エシェラTA「ではこのメンバーを招集してきますね。」
ミスターT「待った。全員を出す訳にはいかない。殆どメインで登場していた、このメンバーだけ
      呼んでくれ。」
   抜粋した30人のリストから、数人のメンバーを外していく。これは彼が所属する陣営とは
   別の陣営のメンバーだった。所属が違うだけに対戦する事もなく、既存するレスラーの削除を
   一手に引き受けているといってよい。

    抜粋されたメンバーは彼を除く17人。その面々をエシェラTAと数人のGM達が手分け
   して呼びに行った。
   その間にミスターTはどの様な展開をさせるのか、複雑な表情をしながら模索しだしている。
   彼の表情が険しい分、その内容がどれだけ濃いのかが窺える一同。上手く再現できるのか、
   創生者たる彼の手腕に掛かっているだろう。

エシェツTB「呼んできたよ〜。」
    暫くして17人を引き連れたエシェラTA達が戻ってくる。抜粋された面々全てが女性と
   いう華やかさには、別の女性陣は呆れるしかなかった。
フュリス「何か大きな催しを行うとか。」
マツミ「詳しくは聞かされていないのですが。」
   内容を聞かされていない17人、これはエシェラTA達の配慮だろう。聞かされたらそれだけ
   楽しみが削がれるというもの。
    ミスターTは16人に今回の模擬シーズンを詳細に述べだす。自分達が意外な面で使われて
   いた事に驚く。しかも1320人から抜粋されて選ばれし者である、17人にとっては光栄に
   思える事であった。
エシェラ「これこそ本当のエンターテイメントですね。」
エリシェ「了解です、行わせて下さい。」
   誰も異論せず、その模擬シーズン企画に賛同する。今となっては脇役になりつつある現状、
   こうやって一同を沸かせられる存在になれるのは嬉しい限りであろう。
ミスターT「とりあえず、どんな内容だったのか。シーズンの一部始終を見てくれ。」
   ミスターTはGM軍団に見せたシーズンプレイ撮影を17人にも見せる。禁断の力を用いた
   壮絶な戦闘力を誇る試合に驚きながらも、これが自分かと驚愕する内容に目が釘付けになる。

    セカンドシーズン全編を見終わった17人。この大掛かりな模擬シーズンを、殆ど同じく
   自分達だけでこなせるのか。彼女達の脳裏には興味と不安が入り乱れていた。
エレノア「何で私だけ悪役なの・・・。」
フュリス「気にしない気にしない。マスターからのお話だと、ファーストでは私もかなりヤバかった
     そうよ。」
エシェムL「襲撃とかよくやりますよね、私では絶対に考えられない・・・。」
   180度異なる行動を見てか、17人は徐に感想を述べだした。その殆どが愚痴に近い状態
   だが、これならば一同を沸かせられると確信も持てた。
ミスターT「現実のWWE総括はビンス氏だが、今回のチェアマンはシェガーヴァに担って貰おうと
      考えている。あくまで中立的存在を貫くなら、彼ほどの適任はないだろう。」
シンシア「でもマスター、実際に全ての試合を行うのですか?」
ミスターT「それは無理だろう。盛り上がる試合を抜粋し、その部分を模した前後を展開しようと
      思っている。まあこの場合はファーストとセカンドの混同となるか。本編シーズンとは
      若干異なるものを行おう。」
   大々的になりそうな模擬シーズン。その凄まじさに17人は重圧に押し潰されそうになって
   いる。しかし今現在この大役を担えるのは自分達しかおらず、頑張らねば笑われると自分を
   叱咤しだす。
   不安染みた表情から決意漲る表情へと変わっていく17人。それを窺ったミスターT、心中で
   ホッと胸を撫で下ろしていた。

ファナ「マスター、戦闘力の差ですが。やっぱ例の魔法の力を使うのですか?」
    やる気を出し始めた彼女達。しかし1つだけ不安に思う事がある。それはシーズンモード
   撮影時に惜しみなく使われていた、魔法の力こと禁断の力であった。
ミスターT「その点は私も悩んでいる。本編シーズンでは時間短縮で用いていたが、この場合は通常
      で戦うのがいいかも知れない。更に私は出ず、他のメンバーからの挑戦という形で展開
      した方がいいだろう。」
ラオリア「いや、マスターが動いた方がいいかと。」
シンシア「だね。それに最終試合でマスターと戦ってみたいので。結果はどうあれ、貴方と戦える
     のは光栄な事です。」
   彼は他のメンバーによる参加型模擬シーズンを考えていたが、彼女達は彼が出なければ意味が
   ないと口々に語る。最大の理由は彼と戦えるという事であろう。
   普段は強いメンバーにしか光が注がれず、自分達は脇役的存在になっている。こういった模擬
   試合などでしか目立つ事が出来ない。それだけ17人は戦いに飢えているのだった。
ミスターT「・・・偶には壁を破るのもいいものか。」
    考え込むミスターTに懇願する娘達。そのプレッシャーに折れた彼は渋々承諾する。それを
   窺った彼女達は大喜びした。普段見せないぐらい喜ぶ17人を見つめ、彼は苦笑いを浮かべる
   しかなかった。

ミスターT「先の撮影したものを見る限り、大まかな試合は12回。申し訳ないが試合を迅速に運び
      終了させるため、例の禁断の力を使わせてもらう。」
    苦肉の策なのだろう。12試合もあるとなると、その長さによっては一同を飽きさせる。
   禁断の力を用いて迅速に終わらせる手法は、致し方がないのだろう。
ターリュ「何かとんでもない事になりそうな予感。」
ミュック「上手くいくかな。」
ミスターT「お前さん達は撮影通りの役割を担えばいい、後は私が牽引する。その瞬間を思いっ切り
      楽しむんだ。」
   彼の発言は簡潔だが説得力がある。できるかできないかではなく、楽しめるか楽しめないか。
   目的はこの1点に集約されているだろう。
ミスターT「さて、やるとするか。試合やイベントなどの手配は済ませてある。後は現地に赴き、
      行動を開始すればいい。」
ターリュ「了解〜っ!」
ミュック「やったるで〜!」
   我先にとターリュ・ミュックの双子が駆け出していく。それに当てられて、他の面々も特設
   ステージへと向かって行った。18人中、存在的に古老に近いミスターTとシェガーヴァ。
   16人の行動に苦笑いを浮かべつつ、彼らも特設ステージへと向かって行った。

    悪陣営の勢力が弱まり、更に牽引する側のビィルガ・デュウバD両陣営も弱体化した現在。
   状況は全く進展せず、硬直したと言っていい。
   何らかの大きなイベントがあれば、自分達も再熱するのだろうと他力本願にもなっていた。

    そこに現れたるは17人のレスラー達。今回は創生者であるミスターTも参上している。
   これは大規模な試合が展開されると誰もが思った。
   しかし17人とその関係者は、事前に何を行うかは告げていない。そして改めて告げるつもり
   もない様子。あくまでこれから行われるイベントを楽しんでくれと言わんばかりだった。

    特設ステージと特設リングが個別に作られ、それぞれイベントと試合と分けられるようだ。
   関係者以外は何が行われるのかと、固唾を飲んで見守り続けた。

ミスターT「俺にとってレスリングとは何なのか。これは何度となく自分に言い聞かせている、身体
      の痛みと一緒に。」
    リング上にパイプ椅子を置き、そこに座ったミスターTが徐に語りだした。ここから彼が
   プロデュースする模擬シーズンが開始される。
ミスターT「痛みを与え与えられるというだけじゃない。もっと大切な何かがある事だけは分かる。
      いや・・・分からないから続けているのかも知れない。」
   リング上を歩き語り続ける。その口調は自分にも言い聞かせているようである。
ミスターT「それでも今夜もリングに上がるだろう。そこからの眺めは最高だからだ。」
   リング上から更に天井を見つめるミスターT。その姿は創生者としてではなく、一同と同じ
   一介のレスラーとして立っているだろう。

シェガーヴァ「お前が新入りか。私はこの団体を取り仕切っているシェガーヴァだ。お前にとって
       本年度初めてのスマックダウンになるだろう。」
    場面はイベントブースに移動する。バックステージで歩くミスターTに、チェアマン扮する
   シェガーヴァがGMとして語り掛ける。
シェガーヴァ「いい試合を期待している、失望はさせるなよ。」
   ミスターTの肩を軽く叩き、その場を去るシェガーヴァ。本来ならばここはチェアマンが出る
   場面ではない。しかし限られた面々で行うからには、それぞれが補うしかなかった。

ミュックS「早速始まりました、本年度初めてのスマックダウン!」
ターリュS「昨年のレッスルマニアは荒れに荒れたからね〜、今年はそれ以上になるかもよ。」
ミュックS「そうそう、今年は裏番組で無敗を誇るミスターTというレスラーが出るそうです。」
ターリュS「ここは裏番組とは異なる、その腕がどこまで通用するのか見物だな。」
    解説者がいないという状況を開始直前に知った18人。急遽ターリュSとミュックSに大役
   を担ってもらって始めた次第だった。
    2人は18人の熱意溢れる気迫に、自然とこれが遊びではない事を直感。普段のやんちゃ
   振りは一切見受けられない。機転溢れる2人の解説は凄まじく、観戦する側に感情移入させる
   ぐらいだ。

ターリュS「おい、エレノアだぞ!」
ミュックS「ヒール行動で名高い彼が何をしに現れたんだ?」
ターリュS「更にはフュリスもだ。ヒールグループのトップが何の用なのかね。」
    早速始まった。ヒール思考を貫くよう言われたエレノアとフュリスがリングブースに登場。
   リングへ上がり、マイクを持ってアピールをしだす。
エレノア「裏番組から入ったって野郎がいるそうじゃないか。向こうでは無敗を誇っているそうだが、
     所詮裏番組は裏番組だ。ここはそんなに甘くはない。」
フュリス「実際にどのぐらい強いか見てみるのも面白いかもな。まあ負けるのが関の山だろうが。」
   悪態の限りを尽くすエレノアとフュリス。その2人に応じて出現するはミスターT。観戦者側
   はベビーである彼に大喝采を送った。
ミスターT「そんなに戦いたいのなら相手になる。論より証拠だ、身を以て体感するんだな。」
   臨戦状態に入るミスターT。リングへと走り、2人に対峙しようとする。しかし隠れていた
   ナリスの襲撃を受けてしまう。
ターリュS「今度は何だ、ナリスじゃないか!」
ミュックS「どうやらエレノアとフュリスの伏兵として隠れていたようですよ。」
   3人に襲撃を受けてダウンするミスターT。強烈な蹴りが炸裂し、倒れている彼を容赦なく
   蹴り付ける。
ターリュS「これだと為す術ないわな。」
ミュックS「早速も洗礼を受けるミスターT。新番組では波乱の幕開けとなりました。」
   至って冷静に解説するターリュSとミュックS。しかし本音はその場に出て戦いたいという
   のが実情だろう。

    次のステージへと切り替わるまで、小時間休憩となる。とはいっても直ぐに始まるであろう
   この場面。一同は暗くなったステージで次が始まるまで待った。
エレノア「大丈夫ですかマスター。」
フュリス「かなり本気で蹴ったけど・・・。」
ミスターT「身体よりも心が痛い。お前さん達の悲鳴が聞こえた気がしたよ。」
   バックステージで待機中の4人が会話する。3人は先刻ミスターTに暴行を加えたシーンを
   行った。役割に没頭するあまり、本気で彼の事を蹴ってしまっていたのだ。
    その相手である彼が述べた言葉は意外なものだった。それは3人の心中を感じ取っての事。
   この言葉に落ち込む3人、しかし間隔空けず彼の叱咤が飛ぶ。
ミスターT「今は無用の感情。とにかく与えられた役割を担うんだ。お前さん達の迫真の演技に期待
      しているよ。」
   語りながら微笑む彼に、3人も同じく微笑み返した。迷っても埒があかない。今はとにかく
   役割を担う事だけを集中すると決意した3人だった。。

ターリュS「忘れられん曲だな。業界そのものを牛耳った親玉。」
ミュックS「シェガーヴァ氏が堂々と登場してきましたよ。」
    その後場面が切り替わる。ある程度日数が経過したという設定で、今度はチェアマンである
   シェガーヴァが登場してきた。
   リュウジやヴァスタールなどのテーマと同じ曲で登場するシェガーヴァ。堂々とした風格で
   リングへと上がった。
シェガーヴァ「楽しんでいるかな、まあ言うまでもないか。素晴らしきエンターテイメントを運んで
       きたのだからね。まあそれはいいとして・・・。」
   仮想空間でのシーズンを見た面々はシェガーヴァの会話に驚く。本来ならビンス氏が担う役割
   だが、その口調はかなり厳しいものだった。しかしシェガーヴァはそれを行わず、あえて中立
   的存在を貫いているようだ。
シェガーヴァ「ミスターT。お前のスピリットは素晴らしいな。だが覚えておくんだ。一同を纏める
       のは私だ。お前を生かすも殺すも私の一存だという事だ。」
ミュックS「早速今年に向けてアピールをするシェガーヴァ氏。」
ターリュS「チェアマンだからな、ここは逆らわない方が無難だぜ。」
   リングを後にするシェガーヴァ。堂々としているがどこかぎこちない雰囲気を見せ始める。
   まあそうだろう、彼は極ベビー思考である。この役割は殆どヒールに近い。慣れない行動に
   戸惑いを見せてもおかしくはない。

ミュックS「再びエレノア達がリングを占拠。」
ターリュS「先週ミスターTを集団で襲撃した件はショッキングだったな。まあ洗礼として片付け
      られるがね。」
    更に話は翌週へと進み、最初の式典であるバックラッシュとなる。リング上に現れたるは
   エレノア・フュリス・ナリスの3人だ。
   バックステージではミスターTに励まされ、己に鞭を打ち役割を担う決意を固める。
ナリス「新参者は無敗というのは覆されたね。」
フュリス「レベルが違いすぎるんだよ。」
エレノア「貴様が無敗と豪語するなら、今すぐここで俺達と戦うんだな。」
   心中では苦しがってはいるが、全身全霊を掛けて役を担う。それぞれミスターTを挑発して、
   リングへと引きずり出そうとした。

ミュックS「ターリュS、ミスターTですよ!」
ターリュS「ああまで言われたら引き下がれないだろ。」
    これに彼は応じる。徐にステージへと登場し、3人を睨み付けた。その威圧感に3人は恐怖
   するが、彼が軽くウインクをする事で払拭される。どんな状況であれサポートを行っている。
   戦いの中でも労いを忘れない彼に、3人は心から感謝した。
エレノア「ようやく来たか、恐れをなして逃げたかと思ったぞ。」
フュリス「さあ相手になろう、3対1のハンディキャップマッチだ。」
ミュックS「新参者のミスターT、窮地に立たされます。」
ターリュS「移籍後間もないからな、誰も助ける奴はいないだろう。」
   確かにその通りである。移籍後に直ぐに仲間ができるのは殆どない。全く面識がない人物は、
   最初はソロで活動をするのが定石だ。

    そこに現れたるはシンシアとエリシェのペア。役割的にはベビーフェイスで、ミスターTと
   同じ位置付けになる。
ターリュS「珍しいな、トップクラスのレスラーが登場とは。」
ミュックS「これはどんな展開になるか、おそらくはミスターTに加勢すると思われます。」
   堂々と現れたシンシアとエリシェ。しかし内心は一同に見つめられ、物凄く揚がっている。
   こちらもそれぞれの傍らにいるミスターTに、背後から背中を軽く叩かれる。その行動で一瞬
   にして我に返った。3人の時と同じく彼に感謝した2人だった。
エリシェ「そうとは限らないぜ。」
シンシア「後輩を引っ張るのも先輩の役目。それに貴様達の行動は、明らかに新人を潰す行為だ。」
ミュックS「頼もしい味方を得ましたよターリュS。」
ターリュS「これでエレノア達と対等に戦えるだろう。問題は新人のミスターTが足を引っ張らなけ
      ればいいがな。」
ミュックS「とにかく、バックラッシュでの両者の激突が決まりました。」
   解説役のターリュSが話した言葉に、述べた本人を含む全員が無謀だと思わざろう得ない。
   特に関係者関連はミスターTが禁断の力を用いての試合参加を知っている。これは間違いなく
   足手纏いはシンシアとエリシェの2人であろうと。
    とまあそれは各々方の心中でのぼやきで、今実際に行われているストーリーでは関係がない
   事だけは述べておこう。

    同じ番組内での対決となった6人。戦力からしてこの試合内容はイリミネーションタッグ、
   トルネード・6マンタッグ3対3だろう。リングはバックラッシュ設定、ルールはシーズン
   同様ルールのギブアップ・DQが適応される。


模擬シーズン・イリミネーションタッグバトル登場+試合動画

    (模擬シーズン・イリミネーションタッグバトル終了)
    凄まじいまでの試合になるはずだった。エレノア・フュリス・ナリスとシンシア・エリシェ
   の5人は戦闘力から拮抗している。しかしシンシア側は禁断覚醒したミスターTが含まれる。
   この時点で拮抗以前にハンディキャップそのものだ。
    逆に見せる戦いをするのであれば、1対3のハンディキャップマッチが無難だったのかも
   知れないが。
ミュックS「番組移籍したミスターTが初戦を制しました。」
ターリュS「そりゃそうだろ、チャンピオンクラスのシンシアとエリシェがいるんだからな。」
ミュックS「幸先から仲間に恵まれたミスターT。今後の活躍が楽しみです。」
   バックラッシュが終わり、12試合のうち1つが終わる。短期間ながらも凄まじい展開に一同
   沸きあがった。

ミュックS「いいかな、ミスターT。ディーバを付けるつもりはないかね。なりたいという人物が
      いるんだが。」
    休まず次の展開に移る。帰宅中という設定でガレージに現れたミスターT。そこに解説者の
   1人であるミュックSが現れた。どうやら彼のディーバになりたいという人物がいるらしい。
ミスターT「構わないが、既に候補は1人しか選べないじゃないか。」
ミュックS「そこを突かれると苦しいがね。ではエシェラという事で。」
   承諾するミスターTだが、選べる人物は1人しかいない。彼が選んだのはエシェラである。
   ディーバにエシェラを選んだ理由は、これから対戦する相手2人の強さに関係している。
    対戦するディーバのマツミと、彼女を奪おうとするファナのロジックとスキルは並である。
   その2人に楽に勝つには強力な人物を選ぶしかない。女性陣で強いとすればレスナーロジック
   搭載者。その中で今大活躍しているオリジナルのエシェラを抜擢したのである。

エシェラ「こんにちは、ミスターT。選んでくれてありがとう、いいパートナーになれそうね。」
    次はディーバとしての位置付けのエシェラとの出会い。トレーニングルームに現れる彼女と
   挨拶し、握手を交わすミスターT。
ターリュS「なあミュックS、あいつエシェラの身体を見回しなかったか?」
ミュックS「気のせいでしょ。」
   冗談を踏まえて解説するターリュSとミュックS。それを聞いたエシェラは赤面し俯く。丁度
   次の展開に移ろうとしていたので、これは実際には影響はされないだろう。
    ディーバを引き連れて試合を行う彼。支援もあり簡単に相手を撃破する。その後はもう1人
   のディーバであるマツミが彼の元へ訪れた。
マツミ「エシェラなんかには勿体ないわね。それよりも私なんかどう?」
エシェラ「ちょっと何やってるのよ!」
マツミ「あら、ごめんなさいね。じゃあまたね。」
   知らずにアプローチをするマツミにエシェラは激怒。この場合の怒りは本気なのかどうか。
   エシェラの心情を知るマツミは、彼女からミスターTを取るようで心が痛んだ。
エシェラ「ミスターT、信じているからね。」
   この場合の発言も本気なのかどうか分からない。役割を演じているとはいえ、どこか心苦しい
   エシェラだった。

    流れは進み、ディーバアピール対決を行うエシェラとマツミ。2人を紹介するはターリュS
   で、ミュックSと特別評価をするはミスターTだった。
   それぞれアピールをするディーバ。そんな2人をニヤニヤした視線で見つめるターリュS。
   役割的には男性である彼女、その行動は正しく男性そのものだ。
ターリュS「うわぉ〜、ナイスバディ炸裂だねぇ〜。ミュックS、俺は満足だ。早く進めてくれ。」
ミュックS「まったく・・・仕事を忘れてるんじゃ・・・。さてミスターT、勝敗を決めるのは貴方
      ですが。」
ミスターT「エシェラで。」
   お決まりの発言をするミスターT。優勝トロフィーをターリュSから受け取り、再度アピール
   するエシェラ。その最中役割にのめり込んでいる彼女達を見て、ミスターTはおかしくて仕方
   がなく、笑いを堪えるのに必死の様子だった。
エシェラ「満足しないようね、なら次の試合でシングル対決よ。」
マツミ「望む所よ。」
ターリュS「何と美女2人が対決とはこれいかに!」
ミュックS「大変な事になりましたね、どうするのですかミスターT。」
   冷静に解説を行おうとするミュックSだったが、ミスターTの笑いを堪える様子を見て大笑い
   しだす。それに誘発したターリュS・エシェラ・マツミも笑い出し、その場は一気に爆笑の渦
   を巻き起こした。
    既にそのクレイジーな行動に笑う者が続出する中、平然と続けられたストーリーだった。
   だがそのストーリーが区切られると蓋が外れ大笑いする。この流れは自然たるものだろう。

    小休止を挟んでディーババトルが行われた。こちらは正式な試合となる。試合はシングル、
   形式はノーマネージャー。リングはジャッジメント・デイ、ルールはギブアップ・DQ・
   ロープブレイク。


模擬シーズン・シングルバトル登場+試合動画

    (模擬シーズン・シングルバトル終了)
    結果は言うまでもない、エシェラの圧勝である。年齢的にはマツミの方が格上だが、戦闘力
   に関してはエシェラの方が遥かに強い。
   エシェラがいるリングへと上がり、勝利を分かち合うミスターT。しかし撮影で行われていた
   アピールではなく、何と彼女を抱きしめるという行動をした。
ミュックS「おおっとこれはっ!」
ターリュS「うわ〜っ、俺も混ぜて欲しいぞ!」
ミュックS「あんたねぇ〜・・・。」
   これには周りは驚き、特にエシェラは呆然と何が起きたのか分からないといった雰囲気だ。
   この行動はどうやら役割という立場を利用して、彼女に感謝の意を表したもののようだ。
ファナ「羨ましいねぇ〜。しかし見ているだけじゃつまらねぇ、彼女を賭けて戦ってもらうぜ。」
    直後ファナがステージに現れる。一部始終を見ていた現状に、下心が芽生えたのだろう。
   突然の登場に一同は驚いていた。
ファナ「おっと、勘違いするなよ。俺が戦うのはミスターTじゃない、エシェラだ。自分の身は自分
    で守らないとな。」
ミュックS「何とファナ、エシェラとの対戦を要求しましたよ!」
ターリュS「勝ったらエシェラを奪えるのだろ、俺も参加するぜっ!」
ミュックS「やめなさいっ。」
   解説に拍車が掛かるターリュSとミュックSの発言だった。ターリュSがボケで、ミュックS
   がツッコミだ。この2人の会話だけを窺っているだけで十分楽しめるだろう。

エシェラ「ああ、ミスターT。ファナと対戦なんて・・・。もし危なくなったら助けてくれる?」
    トレーニングルームでの会話。ファナと戦う事になったエシェラ。その不安をミスターTに
   打ち明かす。
エシェラ「フフッ、冗談よ。自分の身は自分で守らないとね。じゃあ行ってくるわ。」
   試合の間隔を空けずに直ぐさま次の試合へと移行してく。少々疲れ気味のエシェラに、例の
   体力完全回復を施すミスターT。一瞬にして回復した彼女、彼に深々と頭を下げて行った。

    試合だが次の通り。試合はシングル、形式は片方マネージャー所属。この場合はエシェラに
   ミスターTが付く事になる。リングはバッドブラッド、ルールはギブアップ・DQ・ロープ
   ブレイクが適応。


模擬シーズン・シングルバトル登場+試合動画

    (模擬シーズン・シングルバトル終了)
    サポートに入っているミスターTがいるのだ。エシェラの必勝は言うまでもない。軽い一撃
   を見舞うだけでファナは強烈なダメージを受けていた。更にはエシェラ自体も強いため、殆ど
   一瞬で勝負が着いた。
    リング上で勝利のアピールをするエシェラ。その彼女の元にミスターTが駆け付ける。陰の
   サポートをしてくれたミスターTにエシェラは感謝を述べる。対するミスターT、今度は何と
   彼女の額にキスをした。これに一同は驚き、更にはエシェラは呆然としている。
ミュックS「おおっと、今度は額にキスですよ。」
ターリュS「俺も混ぜてくれ〜!」
ミュックS「あんた・・・仕舞いにシメますよ。」
   その後勝利のアピールをする両者。だがエシェラは先刻と今の行動に混乱しており、表向きは
   平然としているしかなかった。今の彼女は心拍数が激しく、心臓が止まるかと思うぐらいに
   ドキドキしているのであった。

    連続で続いた模擬シーズン、一旦ここで長い休憩に入る。試合もまだまだあり、一同は今後
   の展開が楽しみで仕方がなかった。
ファナ「エシェラさん、羨ましいねぇ。」
エシェラ「からかわないで下さいっ。」
   一旦役割を忘れ、休憩を取る運営側。役割が省かれれば、普段の彼女達に戻る。しかし今の
   エシェラはそれどころではなかった。
エシェラ「マスター・・・何故あのような事を・・・。」
ミスターT「お前が好きだからな。」
   あえてここは役割のままエシェラの問いに答えるミスターT。冗談が通じない今の彼女、その
   発言に更に混乱を招く事になる。
   しかしそれが嘘であっても自分にとっては嬉しい限りで、心中では感謝に堪えなかった。
シェガーヴァ「マスター、次はタッグ襲撃を端にトリプルスレットでのチャンピオンバトルで。」
ミスターT「ああ。その後はエレノア襲撃から報復に掛けて、そして頂上決戦へとね。」
   決まったレールを歩く事しかできない19人だが、それでもその流れはかなり重たく厳しい。
   自然の流れで行えるシーズンとは異なり、自分達で演じ切ると言うのはこれほど難しいのか。
   ミスターTを除く19人の誰もが思っていた。

エレノア「頂上決戦ってどんな内容なの?」
ミスターT「まずはサバイバルで、その次がハードコア・タイムリミットだ。ネックなのが後者、
      10分間試合を続けなければならない。」
ラオリア「試合の点、ですね。でも戦闘力は問題ないでしょう。」
    それぞれ次の試合の考えを頭で纏めだす。自分達で入り乱れた展開を行わねば、マンネリ化
   へと陥るのは必至だ。
エレノア「むう・・・ビィルガさんはこれを一手に引き受けて動いていたのですか。」
フュリス「そう考えると偉大だね。」
   普段極ヒールという役割を担っていない2人。そんな役割を何回もこなしているビィルガ、
   自然と敬意の念が表れるだろう。
ナリス「そして自分達を陰から支えてくれているマスターもね。」
エレノア「だねぇ。」
ミスターT「お世辞言っても何も出ないぞ。出るのはお前さん達を支えようとする一念だ。」
   そのビィルガをもサポートしているのが創生者たるミスターT。どれだけ気苦労するのか、
   一同は改めてその役割に感謝した。
   そんな彼は冗談を言って一同を笑わせる。一部始終自分達を気遣っている姿には、感謝と尊敬
   の念がでない筈がない。
ミスターT「さて、引き続きいきましょうかね。」
   彼の言葉に19人は頷く。休憩を終えた運営側は、再び模擬シーズンを再開しだした。

    模擬シーズンは序盤が終了し、中盤へと差し掛かろうとしていた。ある程度コツを掴んだ
   運営側は、自分達が成せるオリジナリティを含めて演じ出す。
ミュックS「ミスターT、相談があるんだが。シンシアと一緒にタッグ王座を狙ってみないか?」
ミスターT「また面白い事を。一同を沸かせられるのなら喜んで担いますよ。」
   彼の結論。それは模擬シーズンを通して、己の生き様を語ったと同じ。一同を沸かせるため、
   一同の為に一心不乱に行動する。その一念はどの場面でも変わる事は断じてない。

    ミュックSの要請を引き受け、タッグチャンピオンとなったミスターTとシンシア。普通で
   あればタッグ王座に挑戦してチャンピオンとなるのが通例だろう。
   この場合は相手不足という事から、いきなりチャンピオンになって防衛を展開するという形に
   なった。
    不戦勝に近い状態でチャンピオンになったミスターTとシンシア。その彼らに狂気の矛先が
   向けられた。エシェムLとエリヒナDが襲撃を企て、ベルトを奪ってしまったのである。
ターリュS「不意の襲撃に為す術がないミスターTとシンシア。ベルトはエシェムLとエリヒナDに
      奪われてしまったぞ!」
ミュックS「悲惨な結果ですが報復は必須です。」
ターリュS「ただのタッグチャンピオンとはいかなくなりそうだ。」
   凶器による襲撃でベルトを奪われたミスターTとシンシア。行動に弱気になるなと告げられて
   おり、エシェムLとエリヒナDの攻撃は相手にかなりのダメージを与えた。
   特に体格が優れないシンシアはかなりの深手を負ったが、その直後に体力完全回復を施して
   いるミスターT。しかしその行動が仇となってしまった。

    試合のステージへと移行する際にそれは気付かれた。例の凶器による襲撃で、ミスターTの
   頬に大きな切り傷が付いたのだ。丁度攻撃を受けた瞬間のシンシアに回復を施していた時で、
   言わば油断が命取りとなった。
エシェムL「だ・・大丈夫ですかマスター・・・。」
エリヒナD「ごめんなさい・・・。」
   恐々な雰囲気で語るエシェムLとエリヒナD。役割を担うも何も、彼を傷付けたというのが
   相当効いているようだ。
ミスターT「再開前に何と言った?」
エシェムL「行動に弱気は入れるな、です。」
ミスターT「ならその通りにしなよ。この程度の傷なら直ぐに直せるさ。」
   今度は己に体力完全回復を施す。血が流れる切り傷は直ぐさま完治した。しかし彼に傷を負わ
   せたのは事実だ。エシェムLとエリヒナDはかなり落ち込んでいる。
シンシア「今は模擬試合に集中しましょう。討論などは後でもできるじゃないですか。」
ミスターT「その通りだ。それに討論する必要もない。これは一同を盛り上げるための出し物だ。
      一部のリアリティの追求は必須だよ。」
   落ち込むエシェムLとエリヒナDの頭を優しく撫でるミスターT。それに精一杯の笑顔で返す
   2人。両者の不安は一瞬にして取り除かれる。
ミスターT「さあ続けるぞ。今回はターリュとミュックも参戦の、ハードコア・トリプルスレット
      トルネードタッグだ。」
3人「了解!」
   再びステージへと戻って行く一同。そして今度は彼が指摘した通り、チャンピオンバトルで
   ある。

ミュックS「ここで新たに参戦者が。どうやらターリュとミュックがタッグ王座に挑むようです。」
ターリュS「こうなるとトルネードタッグが無難かもな。大賑わいの内容だ。」
    解説者のターリュS・ミュックSが語る通り、タッグチャンピオンに挑むチームが増える。
   2人のオリジナルであるターリュ・ミュックである。エシェムLとエリヒナDもこの戦いに
   名乗りを挙げており、ミスターTとシンシアと三つ巴戦となる。
エシェムL「一応チャンプという事から、お前達に試合を決定させてやるよ。」
エリヒナD「試合形式は何にするんだ?」
ミスターT「ハードコア・トリプルスレッド・トルネードタッグ2対2対2だ。」
   時間の都合上、ラダーバトルは厳しかった。ラダーの方が盛り上がるのは言うまでもないが、
   試合に掛ける時間が長くなれば一同を飽きさせてしまうからだ。
エシェムL「了解。ターリュとミュックは依存はないな?」
ターリュ「能書きはいいから早く試合しようぜ!」
ミュック「こちとら待ち切れないぜ!」
   役割を担っていても戦いたいという一念だけは隠さずに曝け出す2人。戦いこそが己の存在
   意議、その心得は悪陣営の面々と何ら変わらないものだ。

    試合に移行する6人。試合はハードコア、形式はトルネードタッグ2対2対2。リングは
   ヴェンジェンス、ルールはギブアップのみ適応される。


模擬シーズン・ハードコア仮想チャンピオンバトル登場+試合動画

    (模擬シーズン・ハードコア仮想チャンピオンバトル終了)
    表向きの勢いは少女陣が強いが、戦闘となると話にならない。ミスターTの禁断覚醒には
   足元にも及ばず、一瞬にして勝敗は決まった。
   時間短縮といえばそれまでだが、どこか虚しい部分もあるだろう。しかし観戦する一同から
   すれば、この模擬シーズンに参加できるだけ羨ましいものだ。
ミュックS「試合を制したのはミスターT・シンシアペア!」
ターリュS「大接戦だったな、白熱した試合は凄まじいものだ。」
   タッグチャンピオンベルトを腰に巻き、アピールをするミスターTとシンシア。
    そんな中でも行動は忘れないミスターT。リング上に倒れ込んでいる他の4人に体力強制
   回復を行うのだった。ダメージを負った身体は一瞬にして完全回復する。
   しかし役割からダウンしている方が見栄えがいいのは言うまでもない。4人は無意識に、かつ
   自発的にそのまま倒れ込んでいる振りを続けた。

    休憩もなく次の試合へと移る運営側。ミスターTを除く試合を終えた5人は休憩に入るが、
   彼は休まずそのまま行動をしだす。
   今まで休憩を取ってはいたが、表情から窺えばかなり疲れている様子だ。それでも全く弱音を
   吐かず、一同を沸かせる行動を行っていた。
    場面はオリジナリティが溢れ出している。撮影で見たシーズンとは異なり、独自の展開を
   行いだしていった。

    第28話へと続く。

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