12th 抗う為の運命
12th
抗う為の運命

ミサイルの雨が三人の機体に降り注ぐ。
「避けろ!!次が来る前に一気に叩くぞ!!」
その声を合図にデス・フォ・ステアズとフォーティーン・テンペランスがブースターを噴かす。
そしてセブンスチャリオットが迎撃用のミサイルを撃ち出す。
「ちぃっ、生意気な・・・駒の分際でっ・・・!!」
撃ち落されたミサイルは空中で虚しく爆発し辺りを照らし、外れていったミサイルは壁に衝突していく。
「残念だが、あんたに使われた覚えは俺にはねぇよ!」
ミサイルの爆音が止むと同時にセブンスチャリオットがグレネードを放つ。
弾はフォーチューン・タワーの頭部を目掛けて直線を描く。
「クッ・・・貴様ぁ!」
グレネードの弾はフォーチューン・タワーのカメラ脇スレスレを飛んでいく。
「俺はお前のための駒じゃあねぇよ、俺の駒は俺が、俺の為に進める!!」
「雑魚が、調子に乗るなぁぁ!!」
フォーチューン・タワーの全武装がセブンスチャリオットを捉える。
「その雑魚に、調子狂わされちゃってる人には言われたくないよ、と!!」
側面からフォーティーン・テンペランスのミサイルが一斉発射される。
ミサイルはほぼ全弾が命中し、フォーチューン・タワーのバランスを大きく崩す。
「よっし!命中〜!」
しかし間一髪でフォーチューン・タワーはバランスを取り直し、再び攻撃態勢に入る。
「貴様等・・・楽に死ねると思うなよ!!」
「!!」
フォーチューン・タワーの両腕がセブンスチャリオット、フォーティーン・テンペランスの二機に向けられる。
人の形をしていた両腕は瞬時に武器腕へと変形する。
「死ねぇーー!!塵共がぁーーー!!」
「アビス!今だッ!!」
巨大な腕の砲身が溜めきったエネルギーを放出する直前、アビスはフォーチューン・タワーの真後ろにいた。
「どこを狙っている?馬鹿が・・・!」
「アビス!!・・・貴様、何時の間に・・」
フォーチューン・タワーが腕を体ごと回そうとするが、デス・フォ・ステアズの攻撃の方が遥かに早かった。
体が半分デス・フォ・ステアズの方を向いたころに、フォーチューン・タワーの頭部はすでに地面に落ちていた。
そして、体全てがデス・フォ・ステアズを向いたころには、左腕にレーザーが命中していた。
「うぐぁっ・・・貴様・・・!!」
「タロットofナンバーの首領も大した事ないな・・・あいつの方が十倍は強かった・・・。」
残った右腕がデス・フォ・ステアズに向けられ、轟音と共に巨大なレーザーが放たれる。
それはやはり凄まじい轟音と共に地面に直撃し、爆発を引き起こし床に穴を開けた。
「・・・どこを、狙ってるんだ?」
繰り返されるアビスの台詞。
デス・フォ・ステアズはすでに銃口をフォーチューン・タワーのコックピットに向けられていた。
「な・・・何故・・・!!」
「何故?・・・貴様が俺より弱いからだ。」
「く・・・私を倒したところで・・・何も変わりはせんぞ・・・!!ティル・ナ・ノーグは消えない・・・!!」
「なら・・・根絶やしにしてやるさ・・・。」
レーザーライフルがフォーチューン・タワーのコア部に向けて光を放つ、しかしそれはコックピットに当たることはなかった。
「ジェネレーターを撃ち殺した、もうそいつは動かない・・・。」
「アビス・・・?」
「貴様、何のつもりだ・・・」
「お前には聞かなくてはならないことが幾つも有るからな・・・来てもらうぞ?」
再びコックピットに向けられた銃口を見つめ、ディスティニィがフォーチューン・タワーから出てくる。
以外にも、今までに無いほど冷静で、冷淡な笑みを口元に浮かべている、だが・・・。
「クックック・・・フハハハ・・・ハーッハッハッハッハ!!!」
突如、ディスティニィの笑い声が部屋全体に響き渡る。
「!・・・な、何あいつ・・・どうしちゃったの?」
「俺が知るかよ!・・・アビス、早くそいつを・・・」
ナイトの指示を、ディスティニィが手で静止をかける。
そして、相変わらずこの上ない冷笑を浮かべながら、天井を見上げ言った。
「私は言った筈だ・・・楽には、死なさんと!!」
懐から何かを取り出す、それは小型のスイッチのような物だった。
「クック・・・さらばだ・・・愚か者どもよ!!」
次の瞬間、爆破音と同時に強大な地震が三人を襲った。
「きゃあ!?な、何よコレ・・・地震!?」
「ぐ・・・違う!これは・・・爆発だ!」
爆発音がいたるところから鳴り響く、そしてその度に大きな揺れが襲ってくる。
「ディスティニィ・・・!!」
振り返ったそこには、頭から血を流して死んでいるディスティニィの姿があった、その手には拳銃が握られている。
「く、随分と、用意周到だな・・・!!」
どこからか更に爆発音が響き、そして部屋全体が揺れる。
「アビス!危ない!!」
今までで一番の揺れがアビスを襲う、その直後頭上にあったはずの天井が自分の目前へと迫ってくる。
ギリギリで落下してきた天井をアビスは避わした、だが、近くにいたフォーチューン・タワーは瓦礫へと潰されてしまう。
「アビス、ここはもう駄目だ!逃げるぞ!!」
「アビス早く、生き埋めはごめんだからね!!」
「分かってる・・・行くぞ!!」
爆発音が鳴り響く中、三機は部屋を後にした。
〜投稿者 アビスさん〜

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